生産性

Nir Eyal 氏が指南する「集中が削がれない」チームの作り方

ベストセラー著者が伝える、「集中が削がれない」環境と文化を作る 4 つのポイント

執筆者 : Hairol Ma2020年1月6日イラスト: PatrickLeger

集中できないというのは、思っている以上に悩ましいものです。オンライン学習プラットフォーム Udemy が実施した調査によると、4 人に 3 人が仕事中に集中が削がれていると感じており、16% はいつも集中できていないと答えています。

おしゃべりな同僚、次から次へと来る通知など、個人レベルで集中を削ぐ要因がたくさんあるとチームにも影響します。アジェンダから脱線したミーティング、すぐに読むよう不必要に迫るメール。これら「見せかけ仕事」のせいで、私たちは本当の仕事に集中しづらくなっているのです。集中できないと時間が無駄になるだけではありません。ミシガン州立大学の研究では、少しの中断でもミスする確率が 2 倍になることがわかりました。

殺到するメールやオープンなオフィスなど集中を逸らすものだらけのなかで、果たして集中することなどできるのでしょうか?ベストセラー本の著者である Nir Eyal 氏は、最新の著書『Indistractable: How to Control Your Attention and Choose Your Life』で、それは可能だと述べています。Eyal 氏が定義する「Indistractable(集中が削がれない)」とは、「その時間でしたいことがすべてできる」ということです。

そこで私たちは Eyal 氏にインタビューし、集中が削がれないことが「21 世紀に求められるスキル」である理由や、集中が削がれないチームの作り方のポイントについて詳しく話を聞きました。

1. 集中とは「したいことすべてをする」ためのコアスキル

Nir Eyal 氏 : 集中が削がれないことは、まさに 21 世紀で求められているスキルです。集中できないというのは別に新しい問題ではありません。ただ最近は集中を逸らすものが目につきやすくなったように思います。

テクノロジーがさらに普及して説得力を持つようになってくるにつれ、この問題はますます大きくなっていくでしょう。このスキルを学ぶことそのものが、私たちが人生で「したいことすべてをする」ために役立つ大事なスキルなのです。

2. 集中できないのはテクノロジーではなく文化の問題

Nir Eyal 氏 : これはテクノロジーのせいだとよく言われています。でも実はテクノロジーそのものではなく、環境のせいなのです。もともと文化がよくない職場で、テクノロジーがますます集中できない状況を生み出しているのです。

集中できないこととテクノロジーとの間に相関関係はありませんが、よくない職場文化との間にはあります。どの会議でも参加者がパソコンを開いていたり、マネージャーが途中で電話に出たりすると、「いつもつながっていることが一番大事だ」というメッセージを全員が受け取るようになります。

私たちは本当に大事なことを犠牲にして、目の前のことにあくせく対応するようになりました。これはテクノロジーが問題なのではなく、文化が問題なのです。

上司から金曜日の午後 6 時に電話があって「ちょっと頼みたいことがある」と言われたら、電話が問題なのでしょうか?いいえ、上司が問題です。

3. 自分から始める

Nir Eyal 氏 : 会社を変えたいと思った時にできる一番の方法は、自分から変えることです。すると、その姿がほかの人の目に映ります。あなたが前よりも成果を出している姿、楽しく仕事をしている姿が、同僚から見えるようになるのです。すると当然彼らは、あなたがなぜ変わったのか興味を持つでしょう。まずは最初のステップとして自分自身が率先して行い、効果のあるものとないものを見極めることです。

4. 問題について話せる安全な場所を作る

Nir Eyal 氏 : チームで働いている場合、いきなり全社規模の取り組みにしようとするのではなく、「どうすればこの問題を解決できるか」について話し合うことから始めてみましょう。

問題を話し合える環境にいると、集中できないことはたくさんある問題の 1 つでしかなくなります。こうした問題や改善方法を話し合う場所があると、従業員は自分の会社には批判を受け入れる文化があり、従業員からのフィードバックに基づいて会社を改善できると思えるようになります。

その話し合いの場所は Slack チャンネルであろうと物理的なスペースであろうと構いません。大切なのは、実際に話し合うことです。

チームで集まった時に、「最近『Indistractable』という本を読んだので、そのやり方を実際にやってみました」と言ってみましょう。その際、これを大きな変革や取り組みと言うのではなく、読書会と呼ぶのがおすすめです。なお、本の巻末にはチームとの話し合いを始める際に使える質問のリストも載っています。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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