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生産性

業務自動化とは?メリットや注意点などを解説

業務自動化は業務効率化や生産性の向上に役立ちます。業務自動化のメリットや推進する方法、業務自動化に適した業務の例のほか、注意しておくべき点を紹介します。

Slack チーム一同作成2024年1月28日

業務自動化は、人手不足が深刻化しつつあるなか、業務効率や生産性の向上を図るための対策として、注目を集めています。

今回は、業務自動化のメリットや推進する方法、業務自動化に適した業務の例を紹介します。業務自動化を進めるにあたって注意しておくべき点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

業務自動化とは IT で業務効率・生産性を向上させること

業務自動化とは、これまで人が行っていた作業を IT で自動化し、業務効率や生産性を向上させることを指します。特に同じ手順を繰り返す必要のある作業や、定期的に発生するルーティンワークなどは、IT によって動化できる可能性が高いと言えます。ここでは、業務自動化の必要性、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との関わりについて解説します。

業務の自動化の必要性

業務の自動化が必要とされている背景には、多くの業種で顕著になりつつある人手不足の問題があります。人手が限られている以上、やるべき仕事を減らしていかなくてはなりません。業務の質を低下させることなく作業量を減らすためにも、繰り返し作業は機械に任せていく必要があるのです。

DX について

業務自動化に欠かせないのが DX です。DX とは IT を駆使してビジネスモデルや業務の進め方を変革することを指します。DX 推進は簡単に実現できるものではなく、業務フローの一部をデジタル化する「デジタイゼーション」や、業務フロー全体を最適化する「デジタライゼーション」といった段階を踏まなくてはなりません。

RPA について

RPA も業務自動化に欠かせない技術です。RPA とはロボットを活用した業務の自動化をあらわす言葉です。パソコンを使用する業務において、定型的な繰り返し操作を自動化するための技術ととらえてください。

業務自動化の例

業務自動化には多くの手法がありますが、具体的にどのような活用方法があるのでしょうか。業務自動化の具体例を紹介します。

デジタルデータ化

ソフトウェアやシステムによって業務を自動化するために、さまざまな情報をデジタルデータにする手法があります。文書などを電子化することでデータ収集を可能にし、収集したデータをもとに表やグラフを自動生成したり、関連性の高い情報を自動で探し出したりできます。

データベースの情報を自動抽出

事業活動を通して生じるデータを集約し、データマイニングやテキストマイニングといった技術を活用することで業務に役立つ情報を自動的に抽出することも可能です。データを整理して蓄積・共有できる仕組みを確立しておけば、社内の誰もがデータを活用できるようになります。

パソコン操作の自動化

情報の転記や集計など、パソコン操作による単純作業を自動化できます。RPA を活用すれば、人がパソコンを操作しなくてもあらかじめ登録した動作を正確にこなしてくれます。例えば「決められた時刻に製品ごとの出荷数を集計する」といった作業を自動化できるでしょう。

業務を自動化するメリット

業務を自動化すれば、さまざまなメリットがあります。業務自動化の主なメリットは次の通りです。

業務を効率化できる

業務を自動化することで、業務を効率化できるメリットがあります。業務を自動化すれば、これまでの作業フローがシンプルになり、結果として効率が上がります。

コストを削減できる

業務の自動化によって、作業のために配置する人員や外注する業務を減らせます。業務が減れば、人件費や外注費といったコストを削減できるでしょう。

人為的ミスを防止できる

業務の自動化によって、人為的ミスを防止する効果が期待できます。人が作業に携わる以上、ミスが発生する可能性をゼロにはできません。しかし、機械は同じ作業をさせれば、ミスは発生しません。

労働力不足に対応できる

作業をこなすために必要な人員を削減できることから、労働力不足の解決策にもなります。業務自動化により削減された労働時間をほかの業務に回すことで、限られた人員で業務量を増やすことができるでしょう。

メイン業務に集中できる

周辺業務や単純作業を自動化することにより、本来注力すべきメイン業務に集中できます。例えば営業職であれば、請求書の作成などを自動化することで、売上や顧客満足度向上につながる業務に注力できるのです。

職場環境が改善する

単純な繰り返し作業を機械に任せることで、職場環境が改善します。業務が自動化されれば労働時間を削減できますので、残業時間が減るメリットもあるでしょう。

生産性が向上する

業務を自動化することで、人はより創造的な業務に時間を使えるようになります。新たなアイデアの創出やビジネスモデルのブラッシュアップに時間を費やせるようになり、組織全体の生産性が向上していくはずです。

業務自動化へのよくある誤解

業務自動化にはさまざまな誤解があります。これまでとは仕事の進め方が変わることに対して、抵抗感を抱く人も一定数いるからです。業務自動化へのよくある誤解を整理しておきましょう。

人間の仕事を奪わない

業務の自動化によって、人間が携わる仕事が奪われることはありません。現状、IT によって代替可能な仕事は、単純な繰り返し作業や定型業務に限られているからです。業務自動化は、人間が担うべき仕事に集中できる環境を整備するための手段ととらえてください。

コストを増大させない

業務の自動化でツールやシステムを導入する場合、一時的にコストがかかるのは事実です。しかし、業務の自動化は、中長期的に見ると人件費や外注費を効果的に削減できますので、初期投資は確実に回収できることから、コストの増大とは言えないでしょう。

面倒や手間が増える

業務自動化によって面倒や手間が増えるわけではありません。たしかに、業務自動化に向けて新たなツールやシステムを導入する際、当初は覚えるべきことが増えて面倒だったり、手間が増えたりするかもしれません。しかし、それは導入時だけで、実際に業務が自動化されれば、全体の作業量は削減されるケースがほとんどです。

高度な技術や知識が必要になる

業務自動化を実現するには高度な技術や知識が必要と思われがちです。しかし、近年は業務自動化に活用できる数多くのツールやシステムが提供されています。手軽に導入可能なものも増えており、決して複雑で難しいものではありません。

ネガティブな変化ではない

業務自動化は生産性を高め、人が注力すべき業務に集中しやすくするための変化です。従業員にとって働きやすい環境を整え、企業としての経営基盤を強化するための施策ですから、決してネガティブな変化ではありません。ネガティブな印象を持っているのであれば、業務自動化によるメリットにも目を向けてください。

業務を自動化する方法

業務の自動化にはさまざまなツールが活用できます。業務自動化を実現するための具体的な方法は次の通りです。

マクロを活用

アプリケーション上でマクロを活用すれば、定型的な操作を自動化できます。マクロは Excel など Microsoft Office 製品などでも使えます。業務で Excel を使う機会が多い担当者にとって、転記や集計といった作業を自動化できることは大きなメリットと言えるでしょう。

RPA ツールを導入

RPA ツールを使えば、プログラミング不要でパソコン操作を自動化できます。複数のアプリケーションが関わる業務や、多くの手順が必要なパソコン業務を自動化する場合に適しています。

AI ツールを導入

AI ツールを導入することにより、音声を自動でテキストに変換したり、文章を要約したりできます。売上予測や顧客分析に活用できる AI ツールもあるため、人が時間をかけて取り組む必要のある作業を短時間で完了させることが可能です。

プログラムを作成する

自社でプログラムを作成し、必要な機能を備えた簡易的なアプリケーションを構築する方法もあります。プログラムといっても、プログラミング言語を使用しないノーコードサービスも数多く提供されているため、IT エンジニアでなくても手軽に作成可能です。

業務自動化のフローと注意点

業務自動化を推進する際のフローと注意点について解説します。業務自動化を無理なく効果的に進めるためにも、次のポイントを押さえておきましょう。

業務自動化の目的とゴールを決める

業務自動化は、目的とゴールを明らかにしたうえで解決策として導入する必要があります。業務自動化はあくまでも手段であり、目的ではありません。どのような経営課題を解決するために業務自動化を取り入れるのか、業務自動化ありきではなく、課題ありきで検討することが大切です。

自動化の対象となる業務を検証する

自動化に適した業務かどうかを検証し、対象となる業務を絞り込んでおきましょう。業務自動化はあらゆる業務で効果が期待できるとは限りません。定型業務や繰り返し作業が頻繁に発生する業務は、自動化との親和性が高いでしょう。

導入する目的とメリットを周知する

業務自動化を推進する目的とメリットを従業員に周知しましょう。単に新たなツールを導入する施策と思われてしまうと、仕事の進め方が変わることに抵抗を感じる人も出てくるはずです。何のために自動化するのか、どのようなメリットを得られるのかを丁寧に説明する必要があります。

最適なツールを選ぶ

対象となる業務を自動化するうえで最適なツールを選定しましょう。闇雲にツールを導入するのではなく、自社の目的に合ったツールを選ぶことが大切です。費用対効果についても慎重に検討し、初期費用やランニングコストを踏まえたツールを選定してください。

最低限の環境でテスト導入し問題を洗い出す

業務自動化は最初から大規模に実施するのではなく、業務を細かく分けて最低限の環境でテスト導入することをおすすめします。テスト導入を通じて発生した問題を洗い出し、対策を講じておくことにより、大規模な導入へとスムーズに移行できるからです。

自動化の効果測定を確認してから導入する

テスト導入では、具体的にどれだけの効果が得られたのかを効果測定して確認しておきましょう。小規模な導入で効果が確認できていれば、本格導入後も同様の効果を得られる可能性が高いからです。

適切な教育や人員配置を行う

業務自動化をする場合、適切な教育や人材配置を行います。ツールやシステムを運用していくには、操作方法やトラブル対応が可能な人材を配置する必要です。各部署でスムーズに運用できる体制を整えておきましょう。

トラブル発生時の対応を決める

業務自動化で起きるトラブルの報告先や報告方法、報告を受けた際の初動対応などを具体的にマニュアル化してください。業務自動化に活用するツールやシステムにはトラブルが付き物ですので、発生時の対応をあらかじめ決めておくことが大切です。

業務自動化に最適な業務例

どの業務でも、自動化を取り入れられるわけではありません。例えば、パソコンを使用する業務やデータを扱う業務は、一般的に業務自動化の仕組みを導入しやすいでしょう。ここでは、業務自動化と親和性が高い業務の例を紹介します。

経理業務

経理部門はルーティンワークが多いため、マクロや RPA による業務自動化しやすい業務が多く見られます。以下は自動化に適した業務の一例です。

人事業務

人事部門の労務管理や採用業務においても、自動化が可能な業務は多数あります。自動化に適した業務の例は次の通りです。

総務業務

入力作業や確認作業が多く発生する総務部門も、業務自動化との相性が良い業務は多数あります。作業の工数削減につながる、自動化に適した業務の例は次の通りです。

営業業務

営業部門では、事務作業を中心に自動化を検討するとよいでしょう。従来は事務作業に取られていた時間が削減され、営業戦略の検討や商談などの時間を確保しやすくなります。

購買や倉庫業務

商品の発注や出荷手配を行う購買や倉庫部門においては、在庫数の把握や発注数の管理を自動化することにより、人為的なミスの削減につながります。自動化に適した業務の例は次の通りです。

全社共通の業務

部門を問わず、全社的に自動化を推進できる業務もあります。どの部門にも共通する業務を洗い出し、自動化が可能なものを検討していくとよいでしょう。

業務自動化に失敗するケース

業務自動化には、失敗しやすいパターンがいくつかあります。次のケースに該当することのないよう、あらかじめ対策を講じておくことが大切です。

自動化する業務の実態を把握していない

自動化の対象となる業務の進め方や担当者の負担となっている箇所を把握できていないと、自動化すべき業務が適切かどうかを見極められません。手順書やマニュアルだけでは気づけないことがあることを意識し、業務の実態を正確に把握しておく必要があります。

どの作業を自動化できるか検討していない

具体的にどの作業を自動化するのか十分に検討されていない場合、手作業や人の判断が必要な作業が減らない可能性があります。自動化できる業務の種類と範囲を特定し、人の判断を要する業務との切り分けを行うことが大切です。

自動化による効果がわからない

自動化によって得られる具体的な効果がイメージできていないと、「現状よりも良くなるはず」といった曖昧な動機でツールを導入しがちです。期待される効果が明確になっていないため、効果を検証することもできません。業務自動化を実践する際には、目的とゴールを明確にしておくことが大切です。

業務自動化に Slack を活用する方法

コミュニケーションツール「Slack」には、業務自動化に役立つ機能が備わっています。Slack を業務自動化に活用する方法を見ていきましょう。

定期的なタスクや管理タスクを自動化して効率化

Slack には定期的に発生するタスクや定型的な管理タスクを自動化できる「ワークフロービルダー」が搭載されています。ワークフローを開始するきっかけとなるトリガーを設定し、実行させるアクションを登録しておくことで、さまざまなアプリケーションやサービスと連携させたワークフローの自動化が可能です。

コーディング不要の AI ワークフロー機能で業務を迅速化

Slack には AI を活用したワークフローを手軽に導入できる豊富なテンプレートが用意されています。生成 AI を活用した施策の提案などの対応が可能です。コーディング不要で活用できるため、技術部門でなくても手軽に業務の迅速化を実現できるでしょう。

利用したい AI アプリを統合して活用

AI チャットボットや AI ライティングツールなど業務で利用したい AI アプリが複数ある場合、Slack をハブとして各種アプリを統合できます。Slack 上からさまざまなアプリをシームレスに活用できるため、業務自動化の推進に寄与するでしょう。

業務自動化で効率アップと生産性向上を実現

業務自動化は人間が担う業務を削減するだけでなく、人為的なミスの抑制や生産性向上にもつながる施策と言えます。労働人口が減少していくなか、今後はますます業務効率化や生産性向上が重要視されていくでしょう。今回紹介したポイントや注意点を参考に、ぜひ業務自動化による効率アップや生産性向上を実現させてください。

よくある質問

業務の自動化によって得られる主なメリットは多数あります。例えば業務の効率化です。やるべきことが減る分だけ作業フローがシンプルになり、削減された労務時間をほかの業務にあてられます。また、メイン業務に集中できるので、残業時間を削減しつつ、成果につながる業務の推進が可能になるでしょう。ほかにも、作業のための人員や外注を減らすことでコストを削減したり、人為的ミスを防止したりすることもできます。
業務を自動化する具体的な方法としては、マクロの活用があります。Microsoft Office 製品を使った転記や集計といった作業を自動化できるので、業務に利用している場合はとても便利です。また、RPA ツールや AI ツールを導入することも、業務を自動化する方法のひとつです。既存のツールで対応できない場合は、必要な機能を備えた簡易的なアプリケーションを構築するのもいいでしょう。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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