生産性

効率的に仕事を進める秘訣とは?生産性の再定義について解説

組織の効果的な成長を目指すリーダーが検討すべきは、生産性をめぐる期待値を見直すこと

執筆者 : Devon Maloney2019年12月20日

優先すべき事項が明確になっていないことや、コンテキストの切り替え、増えすぎたデジタルツールといったことが、日々の仕事の効率や生産性を高める取り組みの妨げとなることがよくあります。こうした要素がチーム間での方向性の統一を妨げる原因となっているケースが多いことは、Slack の State of Work レポートでも明らかになっています。このレポートは、世界各地の 17,000 人のナレッジワーカーを対象としたアンケートに基づいています。

結論を言えば、このレポートにおいて企業と目指す方向が揃っていないナレッジワーカーの半数以上が、自分の会社には業界の変化に適応するためのツールやシステム、組織構造がないと回答しているのです。そして、このようなビジネス環境では、変化への適応こそが最も重要です。

そのためビジネスリーダーは、時間と費用、従業員エンゲージメントを最適化するために、業務効率そのものに注目する時間を減らして、個人レベルでの生産性がどのようになっているかを優先的に検討して見直すことにもっと時間をかける必要があるのです。

業務効率とはどのようなもので、業務生産性とはどう違うのか

企業が業務効率を優先させるとき、その企業のリーダーが考えているのは、通常、製品作りに必要な資金や人手などのリソースをどう削減するかという点です。このような状況では、多くの場合、「効率」と「生産性」という用語は同じような意味で使われます。

どちらの用語も、個人レベルであるか企業レベルであるかを問わず、インプットとアウトプットの比較を指しています。しかし、業務効率は一般的に、インプットとアウトプットの関係をより幅広く俯瞰したものです。

業務効率と業務生産性の違いは、スピードアップと最適化のどちらを優先するかの判断と考えてみるとよいでしょう。ハーバード・ビジネス・レビューの記事に書かれているように、業務効率を重視している時に目標となっているのは、「より少ないリソースで同じことをする」ということです。 一方、業務生産性を重視しているのであれば、「同じリソースでより多くのことをする」方法を模索していることになります。

別の言い方をすれば、ビジネスリーダーたちが「効率性」について考えている場合、数字だけを見ているのかもしれないのです。 そうなると、人員削減を進めつつ、残った従業員たちに同じアウトプットを求めるということになりかねません。しかし、「生産性」を重視しているのであれば、今いる従業員のワークフローを改善して全体的なアウトプットを向上させる方法を模索していることになります。

参考資料 : チームの効率性を向上させる効果的な時間管理戦略についてはこちらを、効率の悪い業務システムを見直して生産性を向上させる方法についてはこちらを参照してください。

業務効率と業務生産性の相互関係

業務生産性を高めれば、業務効率も高まります。結局のところ、よりよいツールがある従業員ほど、より効率的に仕事を進める傾向があるのです。

反対に、効率性が生産性を引き出すと期待していると、従業員が燃え尽きてしまったり、さらにはもっとよい条件を求めて転職してしまったりするリスクがあります。最終的には、生産性が著しく高い(仕事を多くこなす)一方で、著しく非効率でもある(「成果」に結びつかない)従業員が生まれる可能性さえあるわけです。

Deloitte の Center for the Edge の戦略責任者である Andrew de Maar 氏は、効率性を追求しすぎると、「プロセスに忠実になりすぎて、最もパフォーマンスの高いチームでさえ安全な方法に固執してリスクのある方法を試さなくなり、だんだんと消極的になっていく可能性がある」と指摘しています。

業務効率と生産性を高める 3 つの方法

1. 定期的なスタンドアップミーティングの導入

対面とオンラインのどちらであれ、定期的なスタンドアップミーティングを取り入れるようマネージャーに勧めてみましょう。プロジェクトが所定のスケジュールどおりに進み、ボトルネックがあればすぐに対処でき、頻繁にコミュニケーションを取るのが当たり前になる職場環境を作るのに役立ちます。ただし、ミーティングは効果的に運用するのが重要ですので、毎回短時間で終わらせるのを忘れないようにしましょう。ポイントを絞っていないミーティングは、やはり効果が低くなります。

定期的なスタンドアップミーティングは、チームメンバーにとって、職場で起こりうる情報過多の状況を避けるのにも役立ちます。選択についての専門家であるコロンビアビジネススクールの Sheena Iyengar 教授の推定によると、平均的なナレッジワーカーは毎日、意識的・無意識的に新聞 174 紙分の情報を処理しなければなりません。

「選択と情報過多の代償として、集中力が続かなくなり、マルチタスクによるミスが増え、創造的な問題解決を進めるのが苦手になる」と Iyengar 教授は指摘しています。その結果として、当然、従業員が成し遂げられるものは少なくなり、戦略的な優先事項が脇に追いやられ、注目を集めやすい小さなタスクばかりに取りかかるようになってしまうのです。

2. 「見せかけの業務」を最小限にする

Entrepreneur で紹介されたある調査によると、フルタイム従業員の 40% が、「会社の価値を高めることのない管理業務」に 1 日 1 時間以上を費やしていることがわかりました。 リーダーにとって必須となるのは、そうした管理業務を洗い出すとともに、ワークフローの自動化と業務管理の合理化に役立つツールを見つけることです。なおそのツールは、従業員が膨大な時間をかけて新しいソフトウェアを学ぶ必要がないものでなければなりません。

3. チームメンバーに自分のリズムを見つけるよう促す

大切なのは、チームによって必要なものは異なるということです。生産性を最大化するために厳密なタイムブロッキングを求めるチームもあれば、全員参加型のブレストをもっと頻繁に行う必要のあるチームもあります。また、デバイスの電源をオフにすると調子が上がるチームメンバーもいれば、オフィスを離れ、モバイルで状況を確認したいメンバーもいるものです。

構造と柔軟性、集中とコラボレーション、そしてプロセスとイノベーションなど、チームにとっての理想的なバランスをマネージャーが見つけられるよう手助けすることが、真の生産性を生み出し、業務効率を健全な形で高めるための第一歩となるのです。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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