Slack は進化し続けるプラットフォームです。年に 1 度のカンファレンスである Slack Frontiers を開催する今週、開発者だけでなくすべてのユーザーの皆さまに向けた強力な新機能を発表します。実際、Slack でのワークフロー作成者の 80% は非技術部門のユーザーです。この数字から、スキルのレベルにかかわらず自身やチームのためになるソリューションを自ら作りたいと考える人が多いことがわかります。
そしてまさにそれこそ、私たちが Slack プラットフォームの次の段階として取り組んでいることです。私たちは、ツールを誰でも使えるように普及させ、既存のワークフローやソリューションをカスタマイズできる機能を提供することで、「仕事のための仕事」をできるだけ減らしていきます。では Slack で近い将来に仕事がどう変わるのか見てみましょう。
スピーディな確認と承認で貴重な時間を節約
何度も繰り返す定型タスクを自動化すると、何分も節約できることがほとんどです。実際にこれまでも Slack ワークフローは休暇の申請や経費伝票の作成に活用されてきました。しかしその承認プロセスでは、マネージャーがほかのツールへのリンクを受け取り、そこで申請を処理しているケースもあります。そうすると時間がかかるうえ、別のアプリに移動する手間も必要です。そこで活用したいのが Slack でほかのツールと連携できる機能です。これにより、承認プロセスが自動かつ瞬時に完結します。
休暇申請を例に見てみましょう。この社内ワークフローは Slack API のほか、ワークフロービルダーなどのノーコードツールを使って構築されたものです。休暇の申請が行われると、その概要を含めた短いメッセージがマネージャーのもとに届きます。受け取ったマネージャーが内容を確認し「承認する」をクリックすると、ちょっとした魔法の始まりです。まずバックグラウンドでは、申請内容が自社の人事アプリに「承認済み」として登録されます。さらにチームの共有カレンダーにもイベントが作成されるため、メンバーが不在期間を把握できるようになります。つまり「承認する」をクリックしてからたった数秒のうちに、3 つのアプリがバックグラウンドで自動連携するのです。その間 Slack から離れる必要はありません。
毎朝の日課を効率化
誰でも毎朝、仕事の始まりに行う日課があります。1 日の予定を把握したり、チームの状態を確認したりするほか、ビジネスの状況をチェックする人もいるでしょう。しかしその間ウェブブラウザのタブや複数のツールを行き来することで、毎朝かなりの時間を費やしているかもしれません。
では毎朝 9 時に、必要な情報をきっちり報告してくれるメッセージが届くとしたらどうでしょう?そこにはデータダッシュボードがついていて、モニタリングが必要なソフトウェアやサービスの数字がまとまっています。皆さまが中小企業の経営者なら、前日の注文数と売上高のレポートが毎朝 Stripe から届く様子をイメージしてください。または、ソーシャルメディアの管理を担当している場合、Mailchimp のニュースレター登録数や Twitter のフォロワー数が 1 通のメッセージで把握できます。物流チームであれば、E コマースシステムの新規受注数と在庫レベルを両方確認することも可能です。こうしたデータはチームのチャンネルで自動的に共有することができます。そうすれば、全員が必要な情報をただちに把握し、各自でそれぞれ確認する手間も省けるでしょう。
最重要顧客への対応を迅速化
どんな企業も重要な顧客を抱えていますが、ワークフローはそのサポートに役立ちます。次世代の Slack プラットフォームでは、VIP 顧客によるトラブルシューティングチケットの提出や、サイトでの大型発注をトリガーとして自動化を実行することができます。さらにそれらのイベントを #重要顧客対応
チャンネルで共有するようにすれば、社内のチームが最重要顧客からのリクエストにすぐさま対応できるようになります。
リクエストや質問にすぐさま対応
ワークフロービルダーに、条件ロジックを使ったワークフローを構築できる機能がまもなく登場する予定です。今後のワークフローではユーザーに質問し、その応答でクリックしたボタンや回答内のキーワードに応じて処理を進められるようになります。
幅広い問題を扱う IT ヘルプデスクが、1 つの入力フォームで情報を集められる状態を想像してください。If/then ステートメントを使えば、例えば誰かが業務用のスマホを紛失した場合、#セキュリティ
チームがすぐさま事態を把握してリモートでロックすることができます。あるいは誰かが新しいマウスをリクエストしているのであれば、#技術部門
が通知をすぐに受けて数分後にはデスクに届くでしょう。
複数アプリの自動化で対応時間を大幅短縮
現在、Slack 上のアプリは 1 対 1 の動作が主流です。例えば Slack 上でボタンをクリックすると、最新情報がプロジェクト管理アプリに送られるという具合です。それがまもなく、複数の Slack アプリの自動化が相互に連携できるようになります。つまり、あるアプリで何かのイベントが発生すると、関連する詳細情報が複数のアプリに送られ、さらに Slack にも情報を返すというものです。
例えば、ウェブサイトがダウンしたことに運用チームが気づいたとしましょう。この場合、ワークフローを使うと次のことが可能になります。
- Salesforce Service Cloud などのアプリが取引先に関する最優先アラートを出すと、すぐにワークフローを実行
- 同時に、Slack に新規インシデントチャンネルを作成
- PagerDuty アプリでその時「on call(待機中)」になっているメンバー全員を、Slack の新規チャンネルに自動で招待
時間勝負の状況では、こうした複数のステップをまとめて自動化することによって、ダウンタイムを大幅に短縮することができます。
まだまだ続く充実の機能強化
今回紹介した新機能を使うのに、開発者である必要はありません。私たちは今後もワークフローの導入や共有をさらに簡単にする予定です。それにより、複雑なアクションでも既存ワークフローのギャラリー(まもなく利用可能)から見つけられる状態を目指しています。
この記事が Slack を使った時短や自動化のアイデアの一助となりますように。今回紹介した新機能についての詳細やリリース時期など最新情報は、今後の Slack ブログでお伝えします。