セキュリティと信頼を象徴するターンロックを備えたラップトップ。

信頼こそが仕事での AI 利用のポテンシャルを最大限に引き出す

信頼を組み込んだ AI 開発により、Slack は「AI 導入のパラドックス」を解消します。

執筆者 : Alexandra Gassel, Product Marketing Manager at Slack2025年7月20日

まとめ :

  • 経営幹部が AI 活用による効率化を強く望む一方で、働く人々はプライバシーやセキュリティを懸念しているという「AI 導入のパラドックス」が生じています。
  • AI 開発において Slack は信頼を重視し 、セキュリティを確保しながら、人間中心の設計を行っています。このようなアプローチにより、AI のパラドックスを克服し、イノベーションの実現に向けた拡張性のある道筋を描けます。

 

今、ビジネスにおける人工知能(AI)は、分水嶺にあるといえます。かつては研究開発部門だけで扱われていた AI は、今では人材発掘、コスト管理、デジタルトランスフォーメーションの推進といった課題への企業の取り組み方を、劇的に変化させようとしています。そのなかでも AI エージェントは、わずかな運用コストで、ワークフローの迅速化、ボトルネックの解消、応答性の向上を実現できると期待されるソリューションです。

Slack が最近行った調査でも、経営幹部の 94% が今後 1 年間に AI への投資を計画し、84% がエージェント導入によるタスク自動化、規模拡大、効率性向上に関心を寄せていることが明らかになりました。

一方で、その調査からは、経営幹部だけでなく、従業員の 41% がプライバシー、著作権、法的責任などのリスクを懸念していることもわかりました。この結果は、KPMG 社が AI 導入のパラドックスと呼ぶ、イノベーションと管理、スピードと確実性の間の緊張関係を表すものだと言えます。

信頼できる AI を日常業務に取り込んで、行き詰まりを打破

信頼の度合いは、イノベーションのスピードを左右します。Slack は単なるスローガンを超えて、実際に仕事を進める仕組みそのものに信頼を組み込んでいます。

エージェントが主流になる時代に向けて、重要になるのは「信頼を日常業務に組み込むこと」です。つまり、透明性、セキュリティ、人間中心の考え方を基盤としたシステムを構築する必要があります。具体的には次のようなアプローチで行います。

  • 部門横断的な監督の仕組みをつくる : 法務、IT、オペレーション、フロントラインなどの各チームが最初の段階から連携して、リスクを包括的に評価します。
  • 権限設定やオブザーバビリティ(可観測性)をデフォルトで用意する: アクセス制御や監査証跡を最初から自動適用できるプラットフォームを採用することで、後から追加する必要がなくなります。
  • 分断されたシステムではなく、仕事をしているその場所に AI を導入する : 既存のワークフローに AI を組み込むことで、データの移動やツールの切り替えが最小限に抑えられ、より高速で安全な業務を実現できます。
  • 人間がガードレールとなるようフローを設計する : 明確なエスカレーション経路、フェイルセーフの仕組み、各種チェックポイントを備えたワークフローを構築し、影響の大きな決定は人間がコントロールできるようにします。
  • スピードと安全性の両面から成功を測定する : セキュリティとコンプライアンスを高いレベルで確保することで、イノベーションから迅速に成果を引き出せます。信頼とは、成功への制約ではなく、成功を増幅させるものです。

このようなポイントを念頭にプラットフォームを選択することで、組織は AI のパラドックスを、イノベーションを導く拡張性のある方法へと変換できるでしょう。

信頼を組み込んだ Slack で、スピードとセキュリティを両立

Slack は信頼を中心に据えることで、上で述べた原則を実践しています。

暗号化やコンプライアンス確保、管理者によるコントロール、責任ある AI 利用など、Slack はユーザー企業の皆さまが自信をもって AI エージェントを導入できる基盤を整えています。ワークスペースレベルでの標準的な保存設定、カスタマイズ可能なエクスポート、コンテンツ削除機能を通じて、自社データを完全にコントロールできる仕組みを提供しています(Slack Trust Center)。

データは送信時にも保存時にも暗号化されます。また、業界の規制や、セキュリティやデータプライバシーの国際基準に準拠するよう Slack を設定することもできます。世界的に認められた複数の規制、セキュリティやデータプライバシーの枠組み・プログラム・基準に対応する Slack を使うことで、ユーザー企業はリスクを管理し、自社の Slack 環境内のデータを保護できます。

もちろん Slack の AI と機械学習(ML)もセキュリティ保護の対象です。これらは以下のような信頼へのコミットメントによって管理されています。

  • ユーザー企業の皆さまのデータを生成 AI モデルのトレーニングに使用することはありません。
  • ワークスペース間でデータが漏洩することはありません。ユーザー企業の皆さまのデータを再現するような方法で、ML モデルの構築やトレーニングを行うことはありません。
  • Slack の AI と ML は、ユーザーがアクセス権を持つデータのみを表示します。

上記の原則を Slack が実践する方法を以下にまとめます。

信頼の種類 Slack の実現方法
先を見越したリスク抑止

異常検出、データ損失防止(DLP)のインテグレーション、管理者ロールの設定、リアルタイムの監視とアラート、監査 API を搭載。

カスタマイズ可能な保存ポリシー、アクセスフロー、ワークフロー自動化で、情報の不適切な共有を防止。

二要素認証(2FA)とシングルサインオン(SSO)を全ユーザに適用可能。

デフォルトで備わるセキュリティ

Slack の AI は、ユーザー企業のデータを生成 AI モデルのトレーニングに使用しない。

コンテンツは OS 内にとどまる。メッセージの削除、データエクスポートの制限、エンドツーエンド暗号化がデフォルトで有効化。

最小限のデータ開示 暗号化からアクセス制御、AI まで、Slack ではあらゆる層に、アドオンではなく基本機能として、プライバシー保護を提供。
きめ細かなユーザー制御 データの保存、削除、エクスポート、アクセスに関する詳細な管理設定を、ワークスペースごとに設定可能。
エンドツーエンドのセキュリティ

Slack では保存時も送信時もデータを暗号化し、リアルタイムの監視ツールを提供。CASB や SIEM などのセキュリティプラットフォームとの連携もサポート。

こうして安全が確保されたガードレール内で AI が動作。

可視性と透明性 Slack の AI は、何を生成したかを明示し、チャンネル、スレッド、アクティビティを完全に可視化して監視性を確保。
人間参加型の監視の仕組み エージェントや AI は、人間より優位に立つものではなく、あくまで人間の決定を支援する存在。Slack の AI は、依頼者であるユーザーが閲覧できるデータにしかアクセスしない。

これらがすべて、信頼性と拡張性にすぐれた AI アーキテクチャの基盤になります。

信頼はイノベーションの基盤

これからの働き方において、信頼は必須条件であるとともに、最大の推進力です。適切な原則に沿うことで、現在の AI のパラドックスを解消し、AI のリスクを最小限にして、AI への期待を現実のものにできます。ユーザーの信頼を重視して構築されたプラットフォームなら、スピード、イノベーション、安全性を同時に追求できます。Slack は、急速な AI の進歩とユーザーの信頼との間のギャップを埋めるために必要な、セキュリティと透明性の基盤を提供することを重視して設計されています。

イノベーションが急速に進むなかで、最大のリスクになるのは、何も行動せずに遅れを取ることです。スピード、コンテキスト、信頼がきわめて重要な現状において、AI エージェントは意思決定を強化し、生産性を高め、競争力を維持するうえで大きな力になります。

仕事の流れのなかでコミュニケーション、データ、AI エージェントを一元化できるシステムこそが、AI のパラドックスを解消できます。そのようなシステムなら、仕事をしているその場所で、さまざまな摩擦を軽減し、AI の定着を促し、ガバナンスを組み込めます。最初の段階からそのようなアーキテクチャが備わっているシステムなら、後から機能を追加する必要はありません。

これからは、あらゆるレベルのスタックに信頼を組み込める組織が、真のイノベーションを達成できるでしょう。Slack の AI を活用することで、チームは揺るぎない信頼とともに、データの安全性やワークフローのコンプライアンスを確保し、自信をもって仕事をスピーディーに進めることができます。

今すぐ Slack の AI を使ってみませんか?

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    ご意見ありがとうございました!

    うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。