CDP はなぜ重要?その目的や導入するメリットとデメリットを解説
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CDP はなぜ重要?その目的や導入するメリットとデメリットを解説

CDP とは、顧客の属性データや行動データを収集・統合・分析するプラットフォームのことです。 CDP の必要性や導入の目的のほか、メリット・デメリットについて解説します。

Slack チーム一同作成2023年4月13日

マスマーケティングが一般的だった時代と比べると、近年のマーケティング施策では一人ひとりの顧客に寄り添った、きめ細かい施策が求められています。顧客理解をより深め、マーケティング施策を深化させたいと感じている事業者の方は多いのではないでしょうか。

今回は、顧客理解の深化に役立つ「CDP」について、その目的や必要性、導入するメリット・デメリットのほか、基本的な機能について解説していきます。

CDP とはユーザーデータを分析するプラットフォームのこと

CDP は、カスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform)の略で、ユーザーそれぞれの属性データや行動データを収集・統合・分析するプラットフォームのこと。

パーソナライズされた顧客体験を提供することを目的に、主に自社で収集した個人情報を含むデータを活用するのが特徴です。顧客一人ひとりの個人情報に、オンライン・オフラインで得られたさまざまなデータを紐付けます。

顧客体験を最適化させることが CDP を活用する目的であるため、マーケティング以外に営業活動やカスタマーサービスなどでも利用されます。

CDP は、顧客の年齢や性別などの属性データのほか、アクセスログ、メールアドレス、行動データなどの収集が可能です。そのため、特にデジタルマーケティング分野において、近年 CDP の重要度が増しています。

CDP と DMP の違いとは?

CDPと同じく、顧客に関するデータを収集・統合・分析するプラットフォームに DMP があります。DMPとは、データマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform)の略で、「パブリック DMP」と「プライベート DMP」に分けられます。

パブリック DMP は、主にデジタル広告施策の最適化を目的としており、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動履歴など、オンライン上の匿名データを扱うことが前提です。

対して、プライベート DMP は、オフラインとオンラインで得られる顧客データを収集し、匿名性の高いデータから顧客一人ひとりに関する属人性の高いデータを抽出します。収集する顧客データの性質が異なるため、プライベート DMP は CDP と呼ばれるようになり、DMP といえばパブリック DMP を指すようになりました。

一般的に、 DMP はデジタル広告施策におけるターゲティングに用いられます。顧客ごとに、最適化された広告を配信するために、オンライン上で収集可能な顧客の属性データや行動データを活用します。広告を最適化するにあたって顧客の個人情報を取得する必要はないため、外部サイトも含めた匿名データを匿名の状態のまま扱うのが特徴です。

CDP の目的

CDP を活用する主な目的は、社内の顧客データを総合的に収集・分析することです。複数のツールやサービス上に散在している顧客データを統合し、一元化することで顧客ごとのデータ分析が可能になります。これにより、一人ひとりに合わせた最適な商品・サービスを提供できるのです。

近年、マーケティング施策の細分化に伴い、複数のツールの活用は一般的になりつつあります。しかし、同じ顧客のデータを別々のツールで収集することで、それぞれが別人物のデータとしてカウントされてしまうケースは少なくありません。ツールごとにデータが分断される「サイロ化」を解消し、顧客単位での分析を可能にすることが CDP の大きな役割といえます。

なぜ CDP が必要なのか

顧客一人ひとりにデータを紐付ける CDP の仕組みは、多くの業界で必要とされています。 CDP の必要性が高まっている主な理由は次の 2 点です。

One to One マーケティングの必要性

顧客のニーズは多様化の一途をたどっています。かつてはテレビ CM など、マスマーケティング中心のマーケティング施策が効果を発揮しましたが、現代では一人ひとりのユーザーがスマートフォンやタブレットを所有しており、各自のニーズに合った情報をみずから入手できます。あらゆる分野において、顧客一人ひとりに合わせたマーケティング施策が求められているのです。

顧客一人ひとりに焦点を合わせて施策を講じることを、 One to One マーケティングといいます。 One to One マーケティングの必要性が高まっている現代において、顧客単位でのデータ収集・分析・活用は、欠かせない視点のひとつといえるでしょう。

顧客購買行動の変化

サービスの細分化が進むにつれて、顧客の購買行動も複雑化しています。キャッシュレス決済や SaaS の浸透、シェアリングサービスの台頭などに伴い、顧客とのタッチポイントが分散しやすくなっているのです。

複雑化した顧客行動を適切に分析するには、顧客一人ひとりのニーズや行動を深く理解することが欠かせません。多様なタッチポイントから得られた顧客データを統合し、一元化して分析するためのツールとして CDP の必要性が高まっているといえるでしょう。

CDP を導入するメリット

CDP を導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。主な 4 つのメリットについて押さえておきましょう。

顧客データを一元管理できる

顧客データを一元管理し、顧客一人ひとりの属性データや行動データを適切に扱えるようになることは、 CDP活用のメリットのひとつです。実店舗以外にも、ウェブサイト・SNS ・メルマガ・コールセンターへの問い合わせなど、顧客と企業の接点は多岐にわたります。各チャネルで得られた顧客データを別々に管理するのではなく、統合することでより適切に扱いやすくなるでしょう。

例えば、過去の購買履歴から頻繁にリピート購入している優良顧客だと判明しているにもかかわらず、メルマガでは新規顧客向けの情報を提供してしまうようでは効果的な施策とはいえません。 CDP を活用することで顧客データの一元管理を実現し、顧客ごとに適切な施策を講じられることは大きなメリットといえます。

顧客の行動を深掘りしやすくなる

顧客の行動をより深掘りしやすくなり、ニーズに合ったアプローチをしやすくなることも CDP を導入するメリットといえます。購入のきっかけから効果的なタッチポイントを分析したり、購入後の行動を追跡することでリピート購入を促すための有効な施策を講じやすくなったりするでしょう。

一例として、ほぼ同じ頻度でリピート購入している顧客であっても、 SNS でキャンペーン情報を見て購入している顧客と、自発的に定期購入している顧客とでは、企業やブランドに対する思い入れの強さが大きく異なる可能性があります。チャネルを横断的に分析することで、顧客行動をより深く分析することができるのです。

データの分析と施策が迅速にできる

複数のツールからデータを集め、分析を進める工程には相応の時間がかかります。場合によっては、数週間単位の分析期間を要することも珍しくありません。データ分析は、あくまでも施策を講じるための下準備であることを踏まえると、分析から施策の実行までのタイムラグはできるだけ少なくしたいものです。

CDP を導入することにより、手作業と比べてデータ分析にかかる時間を大幅に短縮できます。すでに統合されているデータをもとに分析を進めるため、必要なデータを集める工程を省略できるからです。結果としてデータの分析から意思決定、施策実行までを迅速化でき、 PDCA サイクルの高速化にも寄与します。

社内の部署間での情報共有がスムーズになる

CDP で顧客データを一元化することにより、社内の部署間での情報共有もスムーズに進められます。ある部門が保有している顧客データが、他部門の活動に役立つケースは決して少なくありません。より適切な施策を講じるうえで、情報共有の円滑化は不可欠な要素といえます。

例えば、カスタマーサポートへの問い合わせ履歴は、顧客理解を深めるための重要なヒントとなりえます。顧客の商品・サービスに対する理解度や共感度、ブランドへの愛着などが顕著に表れるからです。こうしたデータをマーケティング施策に反映させることで、顧客のニーズを捉えたアプローチをしやすくなるでしょう。

CDP を導入するデメリット

CDP の導入によって多くのメリットを得られる一方で、デメリットとなりかねない面もあります。特に懸念されるのは、顧客データの漏洩リスクです。

CDP で扱うデータには、顧客一人ひとりの個人的な属性が色濃く反映されています。購入履歴や趣味嗜好、生活スタイルなど、秘匿性の高い情報の集積といえるでしょう。万が一、これらのデータが外部に漏洩するようなことがあれば、企業としての信頼を大きく損なうことになります。

CDP にはセキュリティ対策が施されているものの、ツールを扱う担当者がデータの重要性を十分に理解し、責任を持って管理していくことが大切です。 CDP 導入時には、セキュリティガイドラインやツール運用のルールをあらためて検討しておく必要があるでしょう。

CDP の基本的な機能

続いては、 CDP の基本的な機能について解説します。ツールによって機能が付加されているケースも見られますが、基本機能は次の 3 点と考えていいでしょう。

データ収集

CDP の基本機能のひとつがデータ収集です。複数のツールに蓄積された顧客データを収集し、顧客の属性や行動データ、趣味嗜好といった詳細な情報を集めることができます。ウェブ上のデータだけでなく、実店舗の POS データなどとも連携できることから、オンライン・オフラインを問わずデータを収集可能です。

データ統合

収集したデータを顧客単位で統合することも、 CDP の重要な機能といえます。顧客 ID と各種情報を紐付けることにより、顧客一人ひとりの行動データを横断的に把握できるのです。実店舗での購買行動をウェブや SNS での施策に反映させるなど、マルチチャネルを活用したアプローチがしやすくなるでしょう。

データ分析

多彩なチャネルから収集・統合されたデータをもとに分析することにより、顧客理解を深められます。年齢や居住エリア、性別といった大枠の分類では把握できていなかった、顧客一人ひとりの行動や趣味嗜好がより詳細に把握しやすくなるのです。顧客のニーズや嗜好に合ったアプローチが可能となり、購買行動につながる効果的な施策を講じるうえで役立ちます。

CDP とビジネスツールの連携

CDP は単独で活用するだけでなく、各種ビジネスツールを連携することでさらに効果を高めることも可能です。一例として、 MA(Marketing Automation) や CRM(Customer Relationship Management) 、コミュニケーションツールと連携した活用例についてご紹介します。

MA や CRM との連携

CDP は、あくまでも顧客データの分析を主な目的としたツールのため、 DM やメルマガ配信といった顧客にアプローチするための機能は搭載されていないケースが多く見られます。そこで、 MA や CRM などと連携することで、分析結果をマーケティング施策へとスムーズにつなげる活用方法がおすすめです。

例えば、最近、商品を購入した顧客と似た属性・行動が見られる顧客層に絞ってメルマガを配信したり、趣味嗜好に共通点が見られる顧客にターゲットを絞って DM を送付したりといった施策もスピーディに実行できます。分析から施策実行までの工程を迅速化したい場合に、おすすめの活用方法といえるでしょう。

CDP で顧客データ活用の可能性を広げよう

顧客データを収集するためのタッチポイントが豊富になったことは、企業にとってメリットにもデメリットにもなります。ツール間で生じがちな顧客情報のサイロ化を回避し、一元化して活用していくうえで CDP は有効な解決策のひとつとなるでしょう。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ CDP の導入やほかのツールと連携した活用方法についてご検討ください。顧客データ活用の可能性が広がることで、より成果につながる施策を講じやすくなるはずです。

よくある質問

近年のマーケティング施策では、一人ひとりの顧客に寄り添った、きめ細かい施策が求められています。顧客一人ひとりに焦点を合わせて施策を講じる One to One マーケティングを実現させるためには、顧客単位でのデータ収集・分析・活用は欠かせません。また、サービスの細分化が進むにつれて、顧客の購買行動も複雑化しています。その複雑化した顧客行動を適切に分析するには、顧客一人ひとりのニーズや行動の深い理解が必須です。多様なタッチポイントから得られた顧客データを統合し、一元化して分析するためのツールとして、 CDP の必要性が高まっているといえるでしょう。
CDP 導入の大きなメリットのひとつに、顧客データを一元管理できることが挙げられます。顧客と企業の接点は、実店舗・ウェブサイト・ SNS ・メルマガ・コールセンターへの問い合わせなど、多岐にわたります。そこで、各チャネルで得られた顧客データを別々に管理するのではなく、統合することでより適切に扱いやすくなるのです。また、顧客データの一元管理は、顧客の行動をより深掘りしやすくなることにつながるため、ニーズに合ったアプローチをしやすくなります。社内の部署間での情報共有もスムーズに進められるため、より適切な施策を講じやすくなるでしょう。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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