Slack の導入により、Iress が顧客の課題解決にかかる時間を 4 分の 1 に短縮

「Slack の採用で世界統一チームという社風はさらに進化し、お客様とユーザーに素晴らしい価値を提供するために、一致団結して取り組んでいます」

IressCEOAndrew Walsh 氏

金融サービス業界ではパフォーマンスが最優先されます。オーストラリアを拠点とするソフトウェア企業 Iress 社が世界中の金融サービスのプロから支持される理由はそこにあり、グローバル市場でのトレーディングから、財務や定年用の蓄えに関する助言、住宅ローンの効率的処理まで、幅広い分野に対応しています。

1993 年にメルボルンで創業して以来 Iress は急速に成長を続け、今ではそのユーザー数は 50 万人以上。9 千の企業から信頼される存在となりました。2001 年の時点では従業員はわずか 100 人だった Iress ですが、今では 8 か国に 19 の事業所を構え、約 2,000 人の従業員が進化の激しい金融サービス業界向けソフトウェアの開発に携わっています。

迅速なペースで進む業界に歩調を合わせ革新的なソフトウェアを提供し続けるために、同社は社内業務の変革に乗り出しました。「新たな市場や商圏に進出する中で、従業員が情報を共有しながら協力し合うには、内部プロセスを単純化して、業務を容易かつスピーディに進めることが何よりも大切です」と Iress の CEO、Andrew Walsh さんは力説します。 そこで Iress はプロセス単純化・コミュニケーション円滑化の一策として Slack を導入しました。

テクノロジーソリューションをトップダウン式に従業員に押しつけるのでなく、ユーザーとなる従業員たち自ら決めてもらう方式を同社は選択しました。「従業員らにすべてのオプションを試してもらった結果、Slack が一番人気でした」と、Iress のワークプレイステクノロジー責任者 Manqing Zhao さんは語ります。 採用後わずか 4 か月で、Slack のおかげで絆が深まったと感想を述べる従業員は 62% に達しました。

「当社が目指しているのは、機動的で柔軟なコラボレーション環境をサポートすることです」と Zhao さんは説明します。「ソリューションの選択条件は、テクノロジー企業としての成長を後押しし、社員が付加価値を実現できることでした。Slack はこの条件にぴったり一致しました」。 世界各国に拠点が分散する Iress は、Slack の導入により、指導陣からカスタマーサポートに至る各レベルでお互いの距離が近くなり、国境を越えて作業全体が効率化したと感じています。

「ソリューションの選択条件は、テクノロジー企業としての成長を後押しし、社員が付加価値を実現できることでした。Slack はこの条件にぴったり一致しました」

IressHead of Workplace TechnologyManqing Zhao 氏

メールでの縦割り構造からコラボレーションチャンネルへ移行

Iress は従来、社内コミュニケーションにメールを利用していました。ほかのコラボレーションツールも試しましたが、縦割り型コミュニケーションの課題は解決しませんでした。

「どのツールも継続性に欠けていました」と語るのは同社コミュニケーション部門責任者の Kelly Fisk さん。「情報の保管や使用が簡単にできない状態でした」。 Iress の開発者たち早期から Slack を採用していたため、「Slack こそ我々が求めていたものだとすぐわかりました。テクノロジーチームだけでなく、会社全体がそう感じました」と Fisk さんは振り返ります。

Slack の導入で、Iress では社内メールがほぼ姿を消しました。今では、社内通知に加え、プロジェクトやチームのディスカッションもチームがコラボレーションできるデジタルスペースであるチャンネルで行われています。従業員に毎日膨大な数のアプリへログインさせる代わりに、インテグレーションを活用して Slack にワークフローをすべてまとめ、ほかのプラットフォームから重要な情報とプロセスを引き出す方式を採用しました。

「あらゆることが Slack で行われます。Slack をワークフローに取り入れてから、どの作業もはるかにシンプルで簡単になっています。Slack により、お客様とユーザーの両方にとって、サポートの利便性が大幅に改善しました」と Zhao さんは満足気です。

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その好例として、Iress の従業員は Google Drive インテグレーションを使って、ドキュメントを共有し、権限を更新しています。こうした作業はすべて Slack 内で行われるため、ツール間の切り替えに要する手間が減ります。

「年次決算プロセスなどの複数の部門がかかわるプロジェクトで多くの共同作業が一元化され、プロセス全体が大幅に効率化されています」と Fisk さんは語ります。Iress は、法務、財務、コミュニケーションなどのチームの主な関係者が集まる専用チャンネルを立ち上げ、統一スペースで資料を安全に共有し、作業に取り組めるようにしています。

コラボレーションに加え、Iress では社内全体に最新情報を伝えるためにも Slack を活用しています。スタッフ全員にメールする代わりに、Walsh さんは社内通知専用の Slack チャンネルを用意しており、毎週月曜日に、その週のアジェンダに加え、顧客、ユーザー、ビジネス関係者から見聞きした観察事項やコメント、写真などを投稿しています。こうした最新情報が会話の糸口となり、従業員と指導陣の間の垣根が取り払われることもよくあります。

「Andrew をはじめとして指導陣は従業員と気軽に交流します。誰でも歩み寄って質問や提案ができ、Slack のデジタル空間は、こうした交流を世界規模で進めていくことを可能にしてくれます」と Fisk さんは説明します。

Walsh さんは Slack のほかのチャンネルにも積極的に参加し、意見に返事をしたり、質問したりします。「誰かがすごいことをしていると、最初に『いいね!』をしたり、コメントを投稿したりするのは彼なんです」と Fisk さん。こうした行動は社内の士気を高め、とりわけ CEO に会う機会の少ない従業員にとってはやる気の素となります。

「あらゆることが Slack で行われます。Slack をワークフローに取り入れてから、どの作業もはるかにシンプルで簡単になっています」

IressHead of Workplace TechnologyManqing Zhao 氏

Slack で複雑な課題もスピード解決

過去 18 か月にわたり、Iress が集中して取り組んできた課題が、サポートへのアクセス方法など、顧客とユーザーのエクスペリエンスの向上です。Iress の製品スペシャリストチームのリーダーを務める Vlad Lutschenkow さんは、最優先課題として、エキスパート(ソフトウェア構築に関して深い知識を持つ人材)と前線のサポートチームとのコラボレーションを改善することを目指しました。 Slack で両者をつなぐことで、適切な人材が顧客の課題をスピーディかつ効果的に解決できるようにしました。

Iress ではチャンネルを活用することで、舞台裏でのサポート調整を行っています。以前は、急ぎの課題にメールや電話を利用し、1 人ずつ追跡していく形を取っていました。ところがこのプロセスでは、メッセージが見過ごされたり、メールが未送信となったりなど、時間が無駄になってしまうことも。Lutschenkow さんが受信するメール件数は 1 日に 500 通にも達していました。

しかし今では、重要な課題はすべて Slack 内で扱われます。Lutschenkow さんのチームでは #client_priority(#顧客優先)チャンネル内で優先課題を取り扱っています。このチャンネルには最も重大な課題も迅速に解決へと導くことができる有能なメンバーが 100 人以上参加しています。Slack をサポートにも活用することで、同氏のチームは複雑な顧客関連問題への平均レスポンスタイムを 8 日から 2 日に短縮し、カスタマーサポートチケットのバックログを 64% 減少させました。

同社はさらに顧客との間で Slack チャンネルを立ち上げて活用しています。例えば、Iress の Xplan ソフトウェアについて質問がある顧客は、チャンネルで質問すればすぐに回答を得ることができます。さらに、サポートのリクエストを受ける前に、新製品情報やアラートをチャンネルに投稿してリクエストに歯止めを掛けます。

Lutschenkow さんによると、導入当時は Slack になじみがなくチャンネルの使い方がよくわからない顧客もいましたが、短期間でこの問題は解決したといいます。「数か月後にはすっかり使いこなせるようになっていました!実に素晴らしいことです。お客様からの反応がよくなり、チケットの処理時間が短縮しています」と同氏は話します。

「サポートチケットのバックログが数百件単位で減ったのは、Slack の貢献が大きいといえます」

IressHead of CommunicationsKelly Fisk 氏

カスタムボットがサービスデスクへのリクエストを簡素化

Iress が過去に採用したワークプレイス用ツールは無駄に物事を複雑化してしまうことがあり、従業員はサービスデスクにチケットを送信するのをためらいがちでした。ところが Slack の導入で、チームに光明が差します。

「Slack は 2 つの理由から、すぐに効果が期待できました。1 つ目の理由は従業員が Slack を気に入っており、使い方を一から教える必要がないことです。2 つ目の理由は Slack のインテグレーションは構築が簡単なことです」と Zhao さんは指摘します。

彼女のチームは 2 週間足らずで、Slack 内で社内チケット発行用のカスタムインターフェイスを開発し、映画「バットマン」の執事にちなんで、「アルフレッドボット」と名付けました。

2127118388144Slack のアルフレッドボット
 
AlfredAPP11:00 AM

Your Alfred ticket WT-525 has a new comment.
Summary: Check meeting room cables and replace if necessary
Status: Waiting for third party
Assignee: Sara Parras
Latest comment by Sara: “Tested all meeting room cables, and everything is working fine. Put in an order for new cables to have on standby.”

アルフレッドボットを使うと、ユーザーはサービスデスクチケットを記録し、Slack 内でリアルタイムに更新情報を受け取れます。「Slack のインテグレーションのおかげで、複雑さは解消されました」と Zhao さんは語ります。

アルフレッドボットはバックエンドで社内サポートチケットを開始し、チケットのステータスが更新されると、Slack でリクエスト者に通知されます。この効率的な仕組みにより、ワークプレイスのテクノロジーチームは課題を早期に解決し、従業員の利便性を向上する新たな方法を考えることにより多くの時間を割くことができます。

「何よりもインテグレーションがいいですね!それで自動化が可能になり、自動化によってイノベーションを起こす余地が生まれますから」と Zhao さんは語ります。

Iress の従業員は世界中どこにいようとも、Slack を通して適切な情報をすばやく見つけ、よりスピーディに課題を解決し、より効率的なコラボレーションを実現できるようになりました。サポートリクエストを送信する際や社全体の最新情報の追跡する際などに発生しがちな、職場ならではの摩擦や軋轢を排除することで、Iress の従業員は業務上の最優先事項(つまり、世界中で 50 万人を超える金融サービス業界のプロがその顧客のために日々より良いパフォーマンスを発揮できるよう支援していくこと)により多くの時間と労力を注ぐことができるようになりました。