Shopify、Lyft、Doordash の共通点とは何でしょうか?シームレスな決済体験を Stripe が支えていることです。
Stripe はオンライン決済プラットフォームとして 2011 年に設立されました。同社はこのデジタル時代に企業の成功を支えるツールや製品を提供しており、現在は 120 を超える国で何百万もの企業に利用されています。同社を設立したのは John と Patrick の Collison 兄弟です。かつて顧客対応の最前線で働いていた 2 人は Stripe を共同で設立し、オンライン決済プラットフォームの先駆者となりました。その後ビジネスが成長するなかで、同社のグローバルな営業チームが常に重視してきたのが、顧客と人対人の関係を作り上げることです。
そうした関係はもともと対面でのやり取りに支えられてきました。しかし 2020 年 3 月以降、パンデミックによってそれがほぼ不可能になったのです。幸い、Stripe の営業チームは Slack コネクトをとても早い時期から導入していました。Slack コネクトとは、チャンネルベースのメッセージプラットフォームである Slack 上で、社外パートナーと安全にやり取りして連携できる方法です。
「営業において顧客との関係の深さをはかる基準は、これまで SMS でやり取りする間柄になることでした。それが今では、Slack チャンネルでのやり取りに変わっています」
Stripe では 300 人を超える営業メンバーが、70 社以上の顧客と Slack チャンネルで連携し、メッセージやファイルを 1 か所でやり取りしています。これによって、次のような効果がありました。
- デジタルの世界で勢いを失わず、商談をすばやく成立
- 商談前から成約後まで、見込み客と有意義な関係を構築
- 密なやり取りで、顧客に対して継続的な価値を提供
このエンドツーエンドの顧客営業サイクルを実践するチームを率いるのが、Head of Americas Revenue and Growth の Jeanne DeWitt Grosser 氏です。以前 DeWitt Grosser 氏は Slack の年次カンファレンス Slack Frontiers に登壇し、効率的かつ効果的で Stripe ならではの顧客体験を生み出すための Slack コネクト活用方法を紹介してくれました。
「Stripe の営業はほかとはまったく違うものだと感じられるようにしたいのです。そのために Slack を使って、Stripe の営業プロセスにある人間らしい部分を保ちながら特別な関係を効果的に築くことがとても重要になっています」。
Slack チャンネルで顧客とパワフルな関係を構築
DeWitt Grosser 氏が Stripe に入社したのは 2016 年のことです。当時はスタートアップや開発者が主な見込み客だったのですが、その頃から Slack は Stripe の営業プロセスに欠かせないものとなってきました。「私たちは早くから Slack コネクトを導入しました」と、Stripe で Dead of Global Product Sales and Payments Optimizations を務める James Dyett 氏は振り返ります。「ある顧客から提案があり、その後 Stripe 社内であっと言う間に広まったんです」。
実際、2019 年に Slack の CEO 兼共同創業者の Stewart Butterfield が Slack コネクト(当時は共有チャンネルと呼ばれていた)についてのブログ記事を発表した際、Dyett 氏はこの機能を歓迎するツイートをしています。特に可能性を感じたのは、営業、顧客対応、カスタマーサクセス分野での活用でした。
現在 Stripe の営業チームでは、アーリーステージのスタートアップからグローバルな Fortune 500 企業まであらゆる顧客と Slack コネクトで連携し、コミュニケーションを整理してさまざまなチームの認識を揃え、商談を進めています。
「他社との関係や商談に勢いがある時は自然とわかるものですが、メールではなかなかつかめません」と Dyett 氏は続けます。「そのために以前は対面や電話で話したり、SMS を使ったりしていたんです。今は Slack コネクトですね」。
商談前から成約後まで強いつながりを維持
DeWitt Grosser 氏によると、以前は営業の初期段階で「2 回の法則」を用いたコミュニケーションを行っていました。 まず顧客と会って話し、その 1 週間後にフォローアップするというものです。しかし、この戦略はもはやうまくいきません。1 週間の間に色んなことが変わる可能性があるからです。その点 Slack なら、デジタルな仕事環境のテンポに合わせてすばやく商談を進めることができます。
「Slack チャンネルでは、見込み客との会話がリアルタイムで進みます。お互いのスケジュールが合う時まで待つ必要はありません」と、DeWitt Grosser 氏は話します。「こうした直接的・持続的なつながりを築けば、顧客ロイヤルティや顧客維持率も高まります」。
商談を成立させるには、営業担当者はさまざまな部門とやり取りしなくてはいけません。そんな時、個別にメールを送ってしまうと情報のサイロ化を招きます。そのため Stripe では、営業担当者とソリューションアーキテクトが Slack チャンネルを作成し、開発者や決済部門の責任者、財務担当者など主な顧客側の関係者と連携しています。
チャンネルなら、条件概要書の詳細や契約に関する質問に対して Dyett 氏のチームがすばやくフォローアップすることも可能です。「Slack ならこうした複数部門がかかわる会話も、混乱なくきちんと進めることができます。こうすればミスコミュニケーションを防げるうえ、長々としたビデオ会議も不要です」と、Dyett 氏は話します。
チームではスピード感を保つために、社内だけでなく顧客とやり取りする際も Slack を好んで使っています。「すばやく進めたい時に、メールはベストな方法ではありません。フォーマルですし、返信にも時間がかかりますから」と、Dyett 氏は続けます。「Slack には特別な力があり、体験がとても優れているんです」。
「他社との関係や商談に勢いがある時は自然とわかるものですが、メールではなかなかつかめません。そのために以前は対面や電話で話したり、SMS を使ったりしていたんです。今は Slack コネクトですね」
Slack コネクトで顧客の成功をサポート
Stripe では顧客と一緒に Slack を使う際、会話が(双方にとって)できるだけ有益になるように使い方を揃えています。例えば誰も彼も同じチャンネルに招待するのではなく、必要なメンバーとその役割をしっかり考慮するようにしています。顧客以外にチャンネルに参加するのは、たいてい次のようなメンバーです。
- 営業担当者
- デプロイスペシャリスト(サービスのインテグレーションを管理)
- デプロイエンジニア(技術のインテグレーションを担当)
「Slack チャンネルを顧客にどう使ってもらうかについては、とても明確に決めています。またチャンネル参加者が混乱することのないよう、人数は最低限にとどめています」と、Dyett 氏は説明します。さらにチームでは、チャンネルが期待通りに活用されているか把握するために、コンテンツと応答時間についてのパラメータを設定しています。
Stripe では、最大顧客の 1 社と 5 つの Slack チャンネルを使っています。DeWitt Grosser 氏によると、「特定のトピックに限定したものもあれば、もっと幅広いものもある」そうです。
この顧客と Stripe が共有するチャンネルでは、進めている案件の Google ドキュメントや、重要なトピック、Slack のベストプラクティスのリマインダーに誰でもアクセスできます。「何かを進める時、社内ではこれが標準です」と、DeWitt Grosser 氏は話します。
Stripe では最近、この顧客が新しい決済方法を立ち上げるのをサポートしました。しかしローンチ前にいくつかの問題が発生したのです。DeWitt Grosser 氏によると、チームは当初メールで顧客の問題を解決しようとしたそうですが、「メールが 2 往復したあとで、問題を Slack に移したんです。すると 5 分で解決しました」。
会話が Slack 以外で進むと、話が複雑になります。「電話や SMS のメッセージでは、事態はややこしくなりさらに悪化します」と Dyett 氏も指摘します。「でも Slack なら、顧客側の誰とでも簡単に状況を共有し、つながることができます。このようなコラボレーションを、Slack 以外で実現することは不可能です」。
Slack で Stripe の営業エクスペリエンスを向上
新規顧客との商談が成立すると、さらに価値ある関係作りが始まります。「さまざまなチームと方向性を揃えるために、顧客 1 社に対して複数の Slack チャンネルを作る場合もあります」と、DeWitt Grosser 氏は説明します。「週次指標の確認から、顧客のビジネス拡大に伴うインテグレーション課題への対応まで、あらゆることに Slack を使っています」。
こうした効率的なコミュニケーションで、Stripe では顧客の活動を常に把握できるようになったほか、顧客のニーズを事前に積極的に予測することも可能になりました。「このような Stripe 独自の営業方法を確立し、顧客に合わせたダイナミックな環境を作れたことをとてもうれしく思っています」と、DeWitt Grosser 氏は話します。「それを可能にしたのは、Slack です」。
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