トラッキングとは?目的やメリット・デメリットと活用例を解説
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トラッキングとは?目的やメリット・デメリットと活用例を解説

ウェブサイトの運営に欠かせないのがトラッキングの分析です。トラッキングを行うメリット・デメリットのほか、トラッキングの方法や活用例について解説します。

Slack チーム一同作成2023年6月16日

EC サイトなどのウェブサイトを運営するにあたって、サイト訪問者がどのように行動しているのか、サイトをどのように利用しているのかを把握することは非常に重要なポイントです。ユーザーの動きを分析することが、サイトやサービスの改善を図るヒントにつながります。

今回は、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動を分析する「トラッキング」について解説。トラッキングを行うメリット・デメリットをはじめ、具体的なトラッキングの方法、トラッキングの活用例について見ていきましょう。

トラッキングとはユーザー分析の手法のひとつ

トラッキングとは、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動を分析するための手法です。収集したデータをもとにウェブサイトや広告の改善を図ったり、ユーザーが商品をより購入しやすい仕組みを整えたりすることがトラッキングを行う目的といえるでしょう。

トラッキングによって把握できる情報には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。主な情報として、下記の 3 点が挙げられます。

ウェブサイトを訪れた経緯

トラッキングで、ウェブサイトを訪れたユーザーがどこからアクセスしたのか、流入元を把握することが可能です。ウェブサイトへの流入経路には、ネット広告経由や検索サイト経由などさまざまな方法があります。どの経路でウェブサイトを訪れたユーザーが多いのかがわければ、現状効果を上げている流入経路や今後強化が必要な流入経路を把握することが可能です。より多くのユーザーにウェブサイトを訪れてもらうための施策を的確に講じやすくなるのです。

ウェブサイト内での閲覧履歴

ウェブサイトは複数のページから構成されるケースが多いことから、どのページをどれだけ閲覧したのか、閲覧履歴を把握することが重要です。トラッキングによって、ウェブサイト内での閲覧履歴が明らかになり、多くのユーザーに閲覧されている箇所を把握することができます。

反対に、どのページで離脱したユーザーが多いかも把握できるため、改善が必要なページの手がかりを得ることができるのです。

CV(コンバージョン)

CV(コンバージョン)とは、商品購入や資料請求、問い合わせなど、ウェブサイトがユーザーに期待する行動につながることをあらわします。ウェブサイトを訪問したユーザーのうち、どの程度の人が CV に至ったのか、反対に CV に至らず離脱したのかがトラッキングによって把握できるのです。

ウェブサイトが現状どれだけ成果に結びついているかがわかり、改善の余地やその必要性について、的確な判断につながります。

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トラッキングを実施する方法

トラッキングを実施する方法には、大きく分けて「ダイレクト計測」と「リダイレクト計測」があります。それぞれの計測方法を押さえておきましょう。

ダイレクト計測

ダイレクト計測とは、自社のウェブサイトに計測タグを設置し、アクセス数や CV 数、ページ離脱といった各種データを直接取得する方法です。後述するリダイレクト計測のようにサーバーを別途用意する必要がなく、簡易的な仕組みでトラッキングを実施できます。

ただし、計測するページすべてに計測タグを設置しなければならないため、運用が煩雑になりやすいことが難点です。

リダイレクト計測

リダイレクト計測とは、トラッキング用サーバーを設置し、サーバー経由で計測する方法です。ダイレクト計測と比べて計測を短時間で行うことができるため、より正確な計測が可能となります。

ただし、トラッキング用サーバーを用意する必要があることから、導入費用が必要です。また、サーバーエラーが発生した場合には、トラッキングが停止するといったデメリットもあります。

トラッキングをするメリット

トラッキングの実施は、企業側だけでなくユーザー側にもメリットをもたらします。企業側・ユーザー側の具体的なメリットは下記のとおりです。

企業側のメリット

ウェブサイトを訪れたユーザーの行動を把握し、施策の改善に活用できることが企業側のメリットです。

例えば、CV に至ったユーザーがどのページを閲覧したのか、ウェブサイト内でどのような行動をとったのかを認識することで、ウェブサイトの効果を高めるための施策を講じやすくなるでしょう。反対に、離脱したユーザーが多いページがわかれば、改善が必要なページを客観的に把握することができます。

トラッキングによって得られたデータは、広告の精度向上にも役立ちます。ユーザーの行動に合わせて興味のある広告を表示させ、CV 率を高めることができるからです。ユーザーの興味関心に合わせてパーソナライズされた広告を表示しやすくなることは、トラッキングを実施するメリットといえるでしょう。

ユーザー側のメリット

トラッキングを通じてユーザーの行動を把握することは、ユーザーにとって興味関心のある情報を優先的に得られるメリットにつながります。ユーザーは、あらためて検索する手間をかけることなく、自身が過去に調べたことのあるキーワードや訪問したウェブサイトに即した情報を得られるのです。ユーザーの利便性向上という観点から、トラッキングはユーザーにとってメリットがある施策といえます。

実際、まったく興味のない広告が繰り返し表示されることは、ユーザーにとって少なからずストレスになるものです。興味関心と関わりのない広告が表示される頻度を減らし、ウェブサイトを閲覧する際のストレスを軽減できるという点も、ユーザー側のメリットのひとつといえるのではないでしょうか。

トラッキングをするデメリット

トラッキングは、企業・ユーザー双方にとって、デメリットとなり得る面も持ち合わせています。具体的なデメリットとして、下記の点を押さえておく必要があります。

企業側のデメリット

トラッキングを通じて収集する情報には、ユーザーの個人情報が含まれています。秘匿性の高い情報であることから、万が一外部に漏洩することがあれば重大な問題となり得るのです。トラッキングの活用は、セキュリティリスクと背中合わせであることを十分理解しておく必要があります。

また、ユーザーによっては、一度訪れたウェブサイトの情報に即して広告が表示されることに対して、ネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。自身の行動を監視されているように感じ、広告そのものに嫌悪感を抱くケースも考えられます。トラッキングを実施することによって企業イメージの低下を招きかねないことは、企業側にとってのデメリットといえます。

ユーザー側のデメリット

トラッキングでは、ユーザーに関するデータを保存するファイル「Cookie」を活用することから、ブラウザにユーザーの行動履歴に関する情報が残されます。職場などで使用される共用パソコンに行動履歴が記録された場合、他者に自身の興味関心などを知られてしまうリスクがあるのです。

また、トラッキングによって収集したデータが、ユーザーの興味関心に即しているとは言い切れないという側面もあります。たまたま仕事で必要な情報を収集したところ、関連する広告が繰り返し表示されるケースもあるでしょう。

あるいは、誤ってタップした広告の情報をもとに関連する情報が表示された場合、ユーザーにとってまったく興味のない広告が何度も表示されるおそれもあります。トラッキングによる分析結果が正確とは言い切れない点は、ユーザーにとってのデメリットとなります。

トラッキングの方法

トラッキングによく利用されているのが、Cookie によるユーザー情報の記録です。Cookie にユーザー情報が保存されることによって、ログイン情報をブラウザに記憶させたり、ユーザーが過去に表示したページや広告の履歴を記録したりできるのです。

ここでは、Cookie の主な種類と、Cookie 以外でトラッキングを実施する方法について見ていきましょう。

ファーストパーティ Cookie

ユーザーがアクセスしているウェブサイトで発行される Cookie を、ファーストパーティ Cookie といいます。例えば、ユーザーが EC サイトを利用する際、その EC サイトが自社で発行している Cookie がファーストパーティ Cookie です。

同一のユーザーが再び同じ EC サイトを訪れた際、過去に登録したユーザー ID や購入履歴が保持されているほうが、ユーザーとしても快適に利用できる可能性が高いでしょう。こうした利便性向上の観点から、ファースト—パーティ Cookie はブラウザのトラッキング拒否機能の対象にならないケースが多く見られます。

サードパーティ Cookie

サードパーティ Cookie とは、ユーザーがアクセスしているウェブサイト以外で発行された Cookie のことです。複数のウェブサイトを横断してユーザー情報を収集できるため、広告施策のためのデータ収集によく用いられています。

ユーザーの行動をより多角的に分析するには適した方法ですが、ユーザーとしてはどのタイミングで自身の情報を収集されているのか感知できません。ただし、近年は、 Cookie に対する規制が強化されつつあり、プライバシー保護の観点からサードパーティ Cookie のサポートを廃止するブラウザも登場しています。

ブラウザフィンガープリント

ブラウザフィンガープリントとは、ウェブサイトが読み込まれる際にブラウザに要求して取得するユーザーデータのことを指します。収集可能なデータは使用言語、タイムゾーン、インストール済みプラグインのほか、OS やブラウザの種類、画面の解像度など多種多様です。

人の指紋(フィンガープリント)には名前が書かれているわけではありませんが、個人を識別する情報として活用されています。ブラウザフィンガープリントも、属性をもとに個人を識別する点で、指紋とよく似ているのです。Cookie ほどユーザー個人を明確に識別できるわけではないものの、トラッキングに活用できる方法として注目されています。

モバイルにおけるトラッキングの方法

スマートフォンなどのモバイル端末には、パソコンブラウザにはない、さまざまな機能を利用したトラッキングの方法があります。主なトラッキングの方法は、下記の 3 種類です。

広告識別子

スマートフォンには、各端末にユニーク ID が付与されています。例えば、iOS 端末のユニーク ID は「IDFA」、Android のユニーク ID は「AAID」です。これらのユニーク ID は「広告識別子」と呼ばれ、端末ごとにトラッキングを行うために用いられています。

モバイル端末の特性上、通常は 1 台の端末を 1 人のユーザーが利用します。ブラウザ単位でトラッキングを行う Cookie とは異なり、広告識別子は端末単位でトラッキングを行うため、ユーザーのセグメントをより明確化しやすくなる点がメリットです。

SensorID

スマートフォンには、加速度センサーやジャイロセンサーといった、さまざまなセンサーが内蔵されています。ユーザーが端末を利用する際に生じる位置情報や端末の傾きといった誤差を補正(キャリブレーション)することが、これらのセンサーが果たす役割のひとつです。

見方を変えると、キャリブレーションによってどのような補正が行われたのかを把握できれば、端末を利用しているユーザーを識別することができます。

このように、センサーを介してトラッキング情報を収集する仕組みが SensorID です。近年、トラッキングの新たな手法として、SensorID が注目されています。

スマートフォンのアプリ

スマートフォンにインストールされたアプリ内でも、トラッキング情報を収集することができます。スマートフォンのアプリの場合、ユーザーがアプリを使用した際に残した行動履歴を、ユーザーの行動データとして収集する仕組みです。

一般的に、アプリを初めて起動する際、アプリによるトラッキングを許可するかどうかは、ユーザーが選択することができます。したがって、ユーザーが「許可しない」を選択した場合はトラッキングすることができません。また、アプリのトラッキングはユーザーがいつでも許可・拒否を変更することが可能です。

ウェブトラキッキングの活用例

ウェブサイトでトラッキングを実施することによって、どのような施策に活かせるのでしょうか。続いては、トラッキングの主要な活用例を紹介します。

ウェブサイトの解析

トラッキングは、ウェブサイトの解析にしばしば活用されます。セッションや UU(ユニークユーザー)、PV(ページビュー)滞在時間、クリックに関する情報を収集することによって、ユーザーの行動・属性に合わせたウェブサイトの最適化に役立つからです。

例えば、PV が一定数に達しているにもかかわらず CV が伸び悩んでいる場合、何らかの要因で CV に至る前にユーザーが離脱している可能性があります。各ページの滞在時間や離脱したページの情報を分析することで、ボトルネックとなっている箇所を発見しやすくなるでしょう。

このように、ウェブサイトの解析を通じて改善点を見出す際にトラッキングが活用されています。

ウェブ広告の効果測定

ウェブ広告の効果測定にも、トラッキングで収集したデータが活用されています。ユーザーの流入経路や広告が表示された回数、クリック回数、CV 率などを測定することで、広告効果を客観的に把握しやすくなるからです。

広告の効果測定に活用できるさまざまな専用ツールが提供されているため、効果測定にはツールが活用されるケースが多く見られます。トラッキングを元に広告効果を定量的に把握し、施策の改善をデータドリブンで実施することは、すでに一般的な取り組みのひとつとなっているのです。

MA ツールのトラッキング機能活用によるマーケティング施策

MA ツールにも、トラッキング機能が搭載されているものが多く見られます。トラッキングによって分析したデータをマーケティング施策にワンストップで活かせるため、ウェブサイトの改善に MA ツールを導入するのは有効な方法のひとつといえるでしょう。

また、MA ツールと「Slack」を連携することによって、ユーザーの行動に関する情報を Slack 上に通知することができます。トラッキングのデータをチームで共有したり、マーケティング部門と連携してデータ分析を進めたりする際に便利です。トラッキングのデータをより効率的に活用する上で、ぜひ Slack をご活用ください。

トラッキングの課題

トラッキングには、企業側・ユーザー側のメリットがありますが、課題も無視できません。これまで、トラッキングによく用いられてきた Cookie は、個人のプライバシーに関わる情報を収集する手段と見なされることがあります。そのため、Cookie の取り扱いに関する規制が厳しくなりつつあるのが実情です。

例えば、Google は 2024 年を目処に Chrome ブラウザでのサードパーティ Cookie 廃止を提言しています。Apple は 2020 年 3 月に実施したアップデートにて、サードパーティ Cookie を完全にブロックしました。

データ保護やプライバシー保護に対する各国の規制も強化されつつあります。EU では 2018 年に GDPR(EU一般データ保護規則)が施行され、Cookie や IP アドレスを個人情報として扱うことになりました。日本においては、2022 年 4 月に改正個人情報保護法が施行されたことに伴い、Cookie の利用時にはユーザーに許可を求めることが義務付けられています。

このように、トラッキングは無制限に行えるものではなく、さまざまな規制の対象になっているのが実情です。今後も個人情報やプライバシーの保護が強化されていく可能性があることから、Cookie のみに頼らないトラッキングの方法を模索していく必要があるでしょう。

ウェブサイトや広告の改善にトラッキングを有効的に活用しよう

トラッキングは、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動を分析し、ユーザーごとに最適化した情報を表示することで、企業側・ユーザー側ともにメリットを得られる手法といえます。一方で、トラッキングが企業・ユーザー双方にとってデメリットとなり得る点があるほか、Cookie に対する規制が厳格化されつつあるのも事実です。Cookie 以外の手段でトラッキングを行うことも検討していく必要があるでしょう。

今回紹介したポイントを参考に、ウェブサイトや広告の改善にトラッキングを有効活用してください。

よくある質問

トラッキングを行う方法には「ダイレクト計測」と「リダイレクト計測」の2種類があります。ダイレクト計測とは自社のウェブサイトに計測タグを設置し、アクセス数や CV 、ページ離脱といった各種データを直接取得する方法です。簡易的な仕組みでトラッキングを実施できる反面、計測するページすべてに計測タグを設置しなければならないことが難点といえます。一方、リダイレクト計測はサーバー経由で計測する方法です。ダイレクト計測よりも短時間で正確な計測ができるものの、別途サーバーを導入・運用するためのコストがかかります。
トラッキングによって企業はユーザーの行動を把握し、施策の改善に活用することができます。ユーザーとしても、自身にとって興味のある情報を優先的に得やすくなり、検索の手間を軽減できることはメリットといえるでしょう。一方で、トラッキングを通じて収集する情報にはユーザーの個人情報が含まれているため、セキュリティリスクと背中合わせとなります。また、ユーザーによっては一度訪れたウェブサイトの情報に即して広告が表示されることに対して、ネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。トラッキングを行うことによって企業イメージの低下につながったり、ユーザーにとって興味のない広告が何度も表示されたりするおそれがある点はデメリットといえます。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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