宙に上げられた複数の手
コラボレーション

テクノロジーはビジネスストラテジーをどう変えるか

デジタルビジネス変革ストラテジーの策定方法と、それが企業の成功に欠かせない理由

Slack チーム一同作成2023年2月24日

新たなテクノロジーが次々と生まれるなか、職場では深く考えずに新たなガジェットやアプリを次々と導入しがちです。しかしストラテジーや調整なしにこうしたアプリを導入すると、メリットを上回る問題が発生しかねません。

多くの企業では強力なデジタルソリューションを豊富に用意しているものの、それらを全社的なストラテジーとなかなか連携できず苦労しています。また、使うアプリを限定しすぎるせいで、タスクに最適なソフトウェアを使えていない企業もあるようです(Excel をデータベースとして使用するなど)。どちらも本当の意味で「デジタル化」されているとは言えませんが、こうした状況は改善することができます。その方法こそ、ビジネスとテクノロジーのストラテジーをつなげたデジタルビジネス変革です。

ビジネス変革とは

ビジネス変革とは、企業におけるビジネスの進め方を戦略的に変えることを指します。ビジネス変革ストラテジー策定の第一歩は、コミュニケーションや意思決定などの方法を詳細に検討することです。それにより、次の状態が実現します。

  • プロセスのスピードアップ
  • コスト削減
  • 大幅な効率化
  • 説明責任と透明性の向上

これらをゴールにしてもよいですし、事業拡大、組織再編、新たな分野への進出など、より大きな変革の基礎としてもよいでしょう。あるいは、コロナ後の世界で自社の業務をどう改善できるかを考える材料にすることもできます。

業務改善については、ロックダウン中に自社のデジタルインフラストラクチャに何が起こったのかを振り返り、新しいデジタルプロセスを活用・改善する方法を把握することが重要です。

大手ビジネスコンサルティング企業 Gartner の調査では、組織の 91% が何かしらのデジタル化に取り組んでいる最中だとわかりました。ただし、このようなデジタル化の取り組みがすべてデジタルビジネス変革に当てはまるわけではありません。成果を得るには、分析的かつ戦略的に進める必要があるからです。実際に Gartner の調査では、デジタル変革と呼べる「規模を満たす」企業は 40% しかないことも明らかになっています。

それぞれ別の建物から手を振り合う仕事仲間たち

DX とは?

まず、デジタル変革に該当しないものを確認しましょう。デジタル変革は、事業内容に関することではありません。製品、サービス、価値を変えることでもなければ、最新型のマシンやアプリの導入だけを意味するのでもありません。

デジタルビジネス変革の対象となるのは、仕事の進め方です。自社のオペレーションを変革し、働き方に新たなデジタルツールを組み込むことが、デジタル変革なのです。

コロナ禍の影響で、企業は今後もリモートワークをスムーズに続けられるよう、デジタル変革を進めています。

その一方で、別のゴールを達成するためにデジタルビジネス変革を進める企業も数多くあり、コラボレーション方法の改善はその一例です。ほかにも、マーケティングの強化や貴重なデータの活用、場所に制限されない顧客へのリーチの獲得などもあります。特に顧客へのリーチは、単なるデジタルではなく、モバイルにも広がっています。

経営コンサルタント企業の McKinsey によると、経営者の 11% が、変革を起こさなければ 2023 年までにビジネスモデルが成り立たなくなると考えていることがわかりました。しかし、その変革とは一体どのようなものでしょうか?その答えは企業によってさまざまです。

例として次のようなものが考えられます。

  • 社内コミュニケーションツールを導入する
  • ファイルのクラウド管理を開始する
  • 複数のデジタルコラボレーションツールを自社の業務フローにつなげて、それらのアプリが連携して動くようにする
  • 従業員間のトレーニングの場を設け、可能な限りプロセスを自動化する
  • 戦略に沿って届いたデータを分析し、顧客向けのモバイルアプリを開発する

ほかにも、デジタル化による変革から得られるインサイトを活用するために、あらたな職務、マーケティング手法、納品方法などを生み出すなどがあるでしょう。

いずれの場合も、技術的なソリューションとビジネスストラテジーを連携させて進める必要があります。

なぜ重要なのか

同僚や顧客との会話ではデジタル用語が飛び交い、2016 年以降はミレニアル世代がアメリカの労働力の大部分を占めるようになりました。今従業員が求めるのは、互いに連携できる優れたデジタルツール、そして意思決定に役立つデータです。それだけでなく、透明性が高く、意見が尊重され、コラボレーションが推進される企業文化を心から望んでいます。そうした環境を整えてチームの意欲が上がれば、売上と利益も伸びるでしょう。

現在順調な企業もそうでない企業も、デジタル変革によって機動力と適応力を高められます。次に起こる大きなトレンドをいつでも予測できるとは限りません。しかし、ネットにつながったスマートデバイスが生活のなかで増えていること(そしてメタバースが台頭しつつあること)を考えると、デジタル化に適応する価値が見えてきます。

その大きな成功例が Walmart です。同社ではクラウドと機械学習ソフトウェアによって新しい精算システムを構築し、「データレイク」に接続しました。 このデータは、店舗運営と顧客体験の最適化、在庫管理、スタッフの自動化プロセスの効率化に利用されています。

デジタル変革ストラテジーを構築する方法

デジタルストラテジーは分析から始まります。まずは社内の現状を把握しましょう。

  • 同僚や顧客は、あなたが行っているプロセスについてどのような考えを持っていますか?
  • 現在のプロセスのメリットは何ですか?
  • 問題点は何ですか?
  • ツールで自動化できるタスクは何ですか?

現状を把握したら、次は目指すべき方向性を考えます。

  • 何をしたいですか?
  • なぜでしょうか?
  • 何をいつまでに達成したいですか?
  • ストラテジーが奏功したかどうかはどのように測定しますか?

この取り組みにはチームの協力が必要です。タスクと責任を明確にしたチームを結成しましょう。必要であれば社外の人を巻き込むのもおすすめです。ただし、しかるべき同僚を差し置いて進めるのはやめましょう。

そして変革を進めるうえで、進化を受け入れる心が大切です。あと戻りはできません。変革を始めたら定期的に状況を評価し、調整し、発展させていきましょう。

デジタル変革を成功させるための 4 つの重要ヒントとツール

1. 相互運用性

デジタルツールは、ツール間で連携可能なものを選びましょう。市場には、プログラム間で連携してプロセスを自動で進めるツールが数多くあります。そうしたツールを使えば、互換性がないというデメリットに煩わされずに複数のツールのメリットを活用できます。

Slack を例にとってみましょう。デジタル変革を達成した多くの企業では、コミュニケーションプラットフォームの Slack をビジネスの中心に据えており、従業員や顧客は Slack でアイデア、ファイル、絵文字を頻繁にやり取りしています。Slack が特に優れているのは、有名なものからニッチなものまでさまざまなデジタルツールと連携できる点です。そのなかには、Google Drive、プロジェクト管理 Wiki の NotionZoomAround などのビデオ会議ソフトウェアなどがあります。

2. 人を第一に考える

アプリ、PC、人工知能は強力なツールですが、それを使う人がいなければ何の意味もありません。

新たな顧客体験を設計する前に、顧客の声を集めましょう。そして顧客の望むものを把握し、データに対する顧客の不安を認識したうえでテクノロジーを使うようにしてください。自社のニーズを満たすためだけでなく、顧客体験を向上させるために使うのです。

3. メンバーの声に耳を傾ける

自社のビジネスについては、そのメンバーほどよく知っている人はいないでしょう。そして業務フローを最適化し、顧客満足度を高めるアイデアを持っているのもメンバーです。

これは、デジタルソリューションの場合に特に当てはまります。実際にあなたのメンバーは、あなたが知らないアプリ(承認もしていないアプリ)を使って、日々の仕事を進めているかもしれません。それを受け入れ、耳を傾けましょう。そして、仕事をより簡単に、快適に、充実したものにするデジタルストラテジーを見つけてください。

4. 変革を止めない

業務のデジタル化は、企業の機動力を高めます。しかしそのためには、フィードバックを求めて常に最新の情報を把握しなければなりません。効果的な施策とそうでないものを把握するために同僚間で頻繁に情報を共有し、デジタル変革を次のレベルに進める方法がないかアンテナを張り巡らせましょう。

まとめ

デジタル変革では、ビジネスのあらゆる要素が変革の対象です。そしてすべての意思決定は、製品・サービスと企業文化の両方を見据えた最終ゴールにつながる必要があります。変革を成し遂げ、そして将来に向けて進化した時、皆さまが描くビジネスの姿はどんなものか、考えてみてください。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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