業務を滞りなく進めるためには、社内・社外とのコミュニケーションが必須ですが、時にディスコミュニケーションに陥り、業務に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
しかし、ほとんどの場合、ディスコミュニケーションは意図して発生するものではありません。では、なぜ職場でのディスコミュニケーションが起こるのでしょうか。
この記事では、ディスコミュニケーションが発生する原因とその弊害の他、ディスコミュニケーションを解消する方法などについて解説します。
ディスコミュニケーションとはコミュニケーションが機能していない状態のこと
ディスコミュニケーションは、英語で「欠如」や「反対」を意味する接頭辞「dis」と「communication(コミュニケーション)」に組み合わせた造語で、コミュニケーションが行われていない、または機能していない状態を表します。
社員同士や上司部下間のコミュニケーションがとれていない、意思疎通にずれが生じる、必要な情報伝達が行われていない場合などは、企業やチームにディスコミュニケーションが起こっていると考えられます。
ディスコミュニケーションは業務の進行に多大な悪影響を与えるため、予防や改善に向けた対策が必要です。
ミスコミュニケーションとの違い
ディスコミュニケーションと混同されやすい言葉に、「ミスコミュニケーション」があります。ミスコミュニケーションとは、コミュニケーションは行われているものの、発信側と受け手側で認識の相違が起こっている状態です。
一方、ディスコミュニケーションでは、コミュニケーション自体が行われていません。
両方ともコミュニケーションが円滑でない点では同じですが、ミスコミュニケーションは「伝えたけれど正しく伝わらない」、ディスコミュニケーションは「そもそも伝えていない」「伝わっていない」という違いがあるのです。
ディスコミュニケーションが発生する原因
ディスコミュニケーションは、なぜ起こってしまうのでしょうか。職場でディスコミュニケーションが発生している場合、下記のような原因が考えられます。思い当たる点がないか、職場環境を見直してみましょう。
コミュニケーションがとりにくい環境にある
社員がみんな忙しくしていて話しかけづらい、業務上必要な最低限のやりとり以外の会話がないという環境は、ディスコミュニケーションに陥りやすい傾向があります。コミュニケーションがとりづらいと、仕事上の悩みや相談をすることもはばかられ、担当者が一人で抱え込んでしまった結果、大きなトラブルに発展するリスクもあるのです。
何気ない会話がしにくいと感じるような職場は、すでにディスコミュニケーションが発生している可能性が高いといえるでしょう。
伝えた・伝わったという思い込み
伝えたつもり・伝わったはずという思い込みが、ディスコミュニケーションを招いているケースも少なくありません。例えば、上司が部下に注意をする際、否定だけして改善点を伝えなければ、受け手である部下には意図が理解できない可能性があります。
自分が正しく伝えたはずなのに相手から予想外の反応が返ってきた場合などは、ディスコミュニケーションを疑ったほうがいいでしょう。
伝えるべき情報を簡略化しすぎる
同じ部署やチームに所属しているメンバーであっても、考え方や知識、経験などはそれぞれ異なります。それを考慮せずに、「これくらい知っているだろう」と伝えるべき情報を省略してしまうと、お互いの認識に食い違いが起こります。
特に、相手が初めて取り組む業務や前例のない業務では、そもそも前提となる情報が不足していることが多々あります。
情報を伝達する際には、自分が知っている内容を共通認識だと思わないようにしましょう。業界用語やビジネス用語、略語などにも注意が必要です。
ディスコミュニケーションによる弊害とは?
ディスコミュニケーションが起こると、企業にはさまざまなデメリットが生じます。どのような弊害があるのか、具体的に見ていきましょう。
従業員同士の意思疎通が図りにくくなる
ディスコミュニケーションが起きている職場は、何気ない会話がしづらい雰囲気があるものです。そのような環境では、同僚同士でも、お互いの人となりや仕事に対する考え方などがわからず、余計に意思疎通が図りにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。
特に、チームで仕事をする場合、メンバー間の相互理解が重要です。雑談もできないような環境では簡単な意思伝達もうまくいかず、業務の遂行に悪影響を及ぼすおそれがあります。
業務トラブルに対処しにくくなる
ディスコミュニケーションが起こると、業務に必要な情報伝達が滞ったり漏れが生じたりしがちです。ビジネスでは、ひとつの伝達ミスが大きなトラブルにつながることも珍しくありません。さらに、コミュニケーションがうまくいかないとトラブルの発見も遅れ、早期に適切な対処ができなくなってしまいます。
その結果、被害が拡大し、業績や信用に打撃を与えることも考えられます。
業務効率が下がる
職場でディスコミュニケーションが起こると、情報伝達のミスや漏れ、業務の属人化につながりやすくなります。周りとの連携が必要な場面でもうまくコミュニケーションがとれず、業務の効率や質の低下を招いてしまうでしょう。
情報共有や意見交換の機会がなく、新しいアイデアや改善策が生まれにくいというデメリットもあります。
企業の生産性・評価が下がる
ディスコミュニケーションによって効率性・生産性が下がると、品質の低下や納期遅延などを招く可能性があります。そのような事態になれば、営業機会を損失するばかりか、企業に対する社会的な評価にも悪影響を及ぼすでしょう。
業務の生産性を向上させるには、社内の良好なチームワークや、部署の垣根を越えた連携体制がプラスに働きます。逆にいえば、職場のディスコミュニケーション状態は、生産性の低下に直結するということです。
従業員のエンゲージメントが低下する
ディスコミュニケーションが起こっている職場では、従業員エンゲージメントが低下しやすくなります。
エンゲージメントとは、従業員の企業に対する信頼や愛着を示すものです。会話がしづらく業務上の連携もとれないような職場では、従業員のストレスも溜まってしまうでしょう。
ディスコミュニケーションによって従業員のエンゲージメントが低下すると、「この企業で長く働きたい」という気持ちも失われ、離職率が増加することも考えられます。
ディスコミュニケーションを解消する方法
企業やチームにディスコミュニケーションが起こっている、またはその兆候が見られる場合は、いち早く改善のための対策が必要です。また、現段階ではディスコミュニケーションが起こっていなくても、将来に向けた防止策を心掛けることも大切です。
ディスコミュニケーションを解消するためには、下記のような取り組みを意識するといいでしょう。
念入りな確認を行う
ディスコミュニケーションを改善するには、業務上の不明点や疑問点をそのままにせず、その都度しっかり確認することが大切です。
伝える側の正しく伝えたはず・受け手のきっとこういう意味だろうという思い込みは、ディスコミュニケーションを招く要因のひとつです。特に、業務の流れや期日などに伝達ミスがあると、後々大きなトラブルにつながりかねません。
お互いの理解に少しでも不安を感じたら、時間を置かず、念入りに確認をするようにしましょう。確認作業の中でコミュニケーションの機会が増え、会話しづらい雰囲気も徐々に解消されていきます。
同時に、チーム内の認識や知識をあらかじめ共有しておくことも必要です。たとえ同じ言葉であっても、定義をはっきりさせないまま使用していては、人によって理解に食い違いが起こる可能性があります。また、指示や情報を伝達する際には抽象的な表現を避け、具体的に伝えるように心掛けることが大切です。
コミュニケーションを活発にする
ディスコミュニケーションの解消には、コミュニケーションを活性化させる取り組みが不可欠です。
例えば、固定席を廃止してフリーアドレスを導入すれば、違う部署やチームの人とのコミュニケーションの機会が自然と生まれます。社内にカフェスペースを設け、従業員の休憩や食事に利用できるようにするのも有効です。
また、業務上の会話をする際に、アイスブレイクを意識するのもひとつの方法です。アイスブレイクとは、相手の緊張感をやわらげ、互いに打ち解けるきっかけを作るための軽い雑談です。天気やニュースの話題など、本題に入る前に少しアイスブレイクを取り入れるだけで、場の雰囲気がなごんでコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。
職場のコミュニケーションが活発になれば、相手の反応から伝えたいことが正しく伝わったかどうかを推し量ることもできます。お互いの理解度に不安があった場合も、すぐに確認しやすくなるはずです。
コミュニケーションをとりやすい環境を作る
従業員同士のスムーズなコミュニケーションを実現するには、社内で使いやすいコミュニケーションツールの導入が効果的です。
コミュニケーションツールを活用すれば、仕事上の伝達事項や確認したい点があった場合も、気兼ねなく手軽にやりとりができます。リモートワーク(テレワーク)などでチームメンバーが直接顔を合わせる機会が減少しても、問題なくコミュニケーションをとれるでしょう。
例えば、ビジネスコミュニケーションツールとして知られている Slack は、チャットやハドルミーティング、ウェブ会議など、幅広い方法によるコミュニケーションが可能です。
また、チャンネルと呼ばれるグループを設定することで、特定のテーマやプロジェクト・組織などに限定されたコミュニケーションをとることもできます。口頭だけでなくテキストベースで履歴を残せるので、「伝えるべき情報を正しく伝達しているか」「メンバー間の認識に食い違いはないか」「問題なく業務が進んでいるか」といった確認もしやすくなり、ディスコミュニケーションを防ぐうえでも、大きなメリットとなります。
Slack ならコミュニケーションがとりやすい
ビジネスコミュニケーションツールとして多くの企業で導入されている Slack には、社内のコミュニケーションを円滑化・活性化させるさまざまな機能が搭載されています。
これらの機能を活用することで、情報伝達や意思疎通の相違を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを実現できるでしょう。
状況に応じたコミュニケーションが図れる
Slack には、グループチャットや 1 対 1 でのメッセージのやりとりなど、多彩なコミュニケーション機能が用意されています。
さらに、ハドルミーティングやビデオチャット、ビデオ会議によるコミュニケーションも可能です。
音声・動画機能を使えば、チームや顧客、パートナーとのコミュニケーションがより円滑になるでしょう。パソコンやスマートフォンからいつでも手軽に利用できるので、オフィス、リモートワーク、外出中と、どこからでも状況に応じたコミュニケーションが図れます。
ディスコミュニケーションを改善して生産性の向上につなげよう
ディスコミュニケーションが発生すると、業務上重要な情報の伝達がうまく行われず、企業や組織に深刻なデメリットを与えるおそれがあります。また、ディスコミュニケーションが起きている職場は、従業員同士や企業との信頼関係が薄れ、エンゲージメントやモチベーションの低下を招くおそれがあります。
業務効率や生産性の向上を目指すうえでも、コミュニケーションの問題は早急に対策を講じることが必要です。
ディスコミュニケーションの改善に効果的なのが、 Slack をはじめとしたコミュニケーションツールです。 Slack は、グループチャットでのやりとりも行いやすく、チームやプロジェクトにおける情報共有にも役立ちます。便利なツールを活用してディスコミュニケーションを防ぎ、生産性と品質の向上につなげていきましょう。
よくある質問
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