オンライン会議ツール(ウェブ会議ツール)は、ビジネスチャットと並んで遠隔地にいる相手とコミュニケーションをとるときに活用頻度の高い、便利なツールです。最近では一般的なオンライン会議ツールだけではなく、商談や面接、イベントなどに向けた特化型ツールも多数登場してきています。
オンライン会議ツールはどのような機能を備えているのか、そして導入時には何に気をつけるべきなのか、わかりやすく解説します。
オンライン会議ツールとは複数人で通信するためのツール
オンライン会議ツールは、インターネット回線とパソコンやスマートフォンなどの端末を使って、映像や音声を双方向・リアルタイム・複数人で通信し、ミーティングをするためのツールです。ウェブ会議ツールとも呼ばれます。
基本的に、遠隔地にいる社内外の相手とすぐに話し合いを始められるのが、オンライン会議ツールのメリットです。リモートワークの普及に伴って多くの企業で導入され、現在ではミーティングや会議以外の用途も広がっています。
オンライン会議に使えるツールの種類
オンライン会議に使えるツールには、オンライン会議に特化したものから、ビジネスツールの機能のひとつとなっているものまで、さまざまな種類があります。続いては、オンライン会議に使えるツールの種類をご紹介します。
オンライン会議ツール
オンライン会議ツールは、オンライン会議、オンラインミーティングなど、複数人での会話形式のコミュニケーションに使用するタイプのツールです。社内外の 2 ~ 10 人程度で行う会議に使われることが多いのですが、 Google Meet (無料)の 100 人、 Zoom (ビジネスプラン)の 300 人など、同時接続できる上限人数が多いオンライン会議ツールもあります。
クラウドサービスとして提供されているツールが多く、 URL を発行してウェブブラウザで会議に参加できる形が一般的です。専用アプリが用意されているオンライン会議ツールもあります。
ビジネスチャット
テキストによるコミュニケーションに使われているビジネスチャットにも、オンライン会議ツールに近い機能が備わっているものがあります。ビデオ通話などと呼ばれる機能がそれで、 1 対 1 の通話のほか、複数人での映像+音声による通話が可能です。
例えば、 Slack の場合、無料プランでは 1 対 1 の通話のみ可能ですが、スタンダードプラン以上の有償プランを契約していれば、最大 15 人とグループ音声通話およびビデオ通話が利用できるようになります。
また Slack では、有料プランユーザー向けの「ハドルミーティング」という、最大 50 人まで参加できる音声会話サービスも利用できます。わざわざ専用のオンライン会議ツールを使うまでもないけれど、音声で複数メンバーと話したいときに便利な機能です。同じく有料プランユーザーなら、「Slackコール」で、音声通話やビデオ通話ができます。
Slack ではさらに、 Zoom などのオンライン会議ツールとの連携機能もあります。
特定業務専用のオンライン会議・配信ツール
オンラインでの商談や面談など、特定の業務に特化したオンライン会議ツールもあります。具体的には、下記のようなものが挙げられます。
- オンライン商談ツール
オンライン商談ツールは、商談専用のビデオコミュニケーションツールです。 BtoC 向けと BtoB 向けのものがあります。製品にもよりますが、ユーザー登録不要で商談へ参加できる機能やホワイトボード機能、名刺交換機能などが搭載されています。
- オンライン面接ツール
新卒、中途を問わず、面接をオンラインで行うためのツールが、オンライン面接ツールです。オンライン面接機能のほか、面接日程調整機能や求職者情報の管理機能などが備わっています。
- オンラインイベント向けツール
オンラインイベント向けツールは、オンラインの研修、説明会、総会、ウェビナーなどに適したツールです。 1 ~ 3 人程度の少数対多人数でのやりとりに最適化されたものとなっています。イベントの様子をアーカイブとして保存し、後日配信したり、視聴したりできる機能がついていると便利です。
オンプレミス型
クラウド型とは別に、オンプレミス型のオンライン会議ツールもあります。オンプレミス型のオンライン会議ツールは、自社に合わせた独自のカスタマイズができ、専用回線を使うなどして強固なセキュリティ体制を構築できるのが特徴です。
オンライン会議ツールとテレビ会議の違い
オンライン会議ツールと似て非なるものに、テレビ会議(またはビデオ会議)と呼ばれるツールがあります。
一般的にテレビ会議では、会議室のテレビやモニターに、専用端末を接続して使用します。通信を行う相手側にも同じテレビ会議のシステムがないと接続することができません。
オンライン会議ツールは、自身のパソコンやスマートフォンを使って通信を行うのに対し、テレビ会議では会議室に設置した専用機材を使って部屋と部屋をつないで行う点が、両者の大きな違いです。
テレビ会議は複数人対複数人の会議に使われることが多く、会議室に専用端末を設置して、別の拠点の会議室と結ぶといったスタイルの利用方法が一般的です。
オンライン会議ツールの主な機能
オンライン会議ツールには、具体的にどのような機能があるのかを見ていきましょう。ツールによって搭載されている機能は異なりますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
映像と音声によるリアルタイム通信
離れた場所にいる相手と、映像と音声によるリアルタイム通信によるコミュニケーションができるのが、オンライン会議ツールの最も基本的な機能です。この機能を使うには、インターネット回線とパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末が必要です。また、ウェブカメラやマイク・スピーカー(またはヘッドセット)など、専用アクセサリーを利用すると、よりクリアな画像や音声で通信することができます。
チャット機能
多くのオンライン会議ツールには、映像と音声以外にテキストによるチャット機能も備わっています。ミーティングの参加者全員にメッセージを送ることができるほか、特定の相手だけにメッセージを送れるツールもあります。話の要点をテキストで示したいときや、参照したいウェブサイトがあるときに URL を送り、表示して見てもらいたいときなどに便利です。
画面共有機能
画面共有機能とは、自分のパソコンのデスクトップ画面を参加者全員に表示できる機能です。会議やミーティングの資料を表示しながら説明することができます。
また、画面共有を行っている相手の許可を得て、相手の画面をリモートで操作することも可能です(リモートコントロール機能)。アプリケーションの操作方法を教えるときなどに利用できます。
ホワイトボード機能
参加者同士で共通の画面上にイラストや図形、テキストを書き込むことができるのが、ホワイトボード機能です。ホワイトボードにフローチャートなどを書きながら説明や議論をするような感覚で利用できます。マウスで絵を描くのは慣れないとやや大変ですが、ペンタブレットなどを利用すれば簡単でしょう。スタンプが使えるツールもあります。
バーチャル背景機能
バーチャル背景機能とは、自宅などからの接続で部屋の様子などを映したくないときに、人物の背景をバーチャルなイラストや写真に置き換えられる機能です。背景のみをぼかす機能がついているツールもあります。
録画・録音機能
オンライン会議ツールには、ミーティングを録画・録音できる機能もあります。ミーティングの様子を動画として残して、後から見返すことができるのもオンライン会議ツールのメリットです。録画・録音したデータはローカルに保存したり、クラウド上に残したりすることができます。
オンライン会議ツール導入時のポイント
最後に、オンライン会議ツールを導入・運用するときに押さえておきたいポイントについてご説明します。オンライン会議ツールを有効活用するための参考にしてください。
使用目的を明確化する
まずは、どのような目的でオンライン会議ツールを導入するのかを明確にしておきましょう。それによって必要な機能、あると便利な機能、仕様などが変わってきます。
最近では、社内利用や外部とのミーティング、多人数での会議、オンライン面接、ウェビナーなど、利用目的や利用シーンによって複数のオンライン会議ツールを使い分ける企業が増えています。
機能・仕様を確認する
使用目的によって、必要なオンライン会議ツールの機能や仕様が変わってきます。オンライン会議ツールの機能や使用については、一般的に下記の項目をチェックするといいでしょう。
- 同時接続できる人数や時間の制限
無料プランのあるオンライン会議ツールの場合、無料だと同時接続できる人数が制限されていることがほとんどです。有償のオンライン会議ツールは、同時接続人数が無制限というツールもありますが、製品によっては人数制限がある場合もありますので、上限数を確認する必要があります。
さらに、通話可能時間についても確認が必要です。有償の場合、基本的に通話時間は無制限ですが、無料プランでは利用可能時間に上限が設けられていることがあります。
- 利用者のアカウント登録の有無
オンライン会議ツールを利用する際、利用者全員のアカウント登録が必要なツールと不要なツールがあります。登録が不要であれば、外部の人とすぐにミーティングを始めることができるので便利です。製品によっては、ホストのみアカウント登録が必要で、そのほかは必要ないツールもあります。
- 映像や音声の安定性と品質
通信の安定性や品質は、インターネットの接続環境にも影響を受けます。しかし、同じ接続環境でも、ツールによって画質や音質の安定性に差が生じる場合があります。利用してみたいオンライン会議ツールに無料のトライアル期間が用意されているなら、まず自社の環境で使ってみるのがおすすめです。
- セキュリティ対策
通信の暗号化や、 URL 発行とパスワードの設定による入室制限など、セキュリティ対策が十分であるかどうかも確認しておくべきです。 IP アドレスによる参加者指定や、端末認証機能があるツールもあります。有償のツールやプランを利用するほうが、セキュリティ面は強固になる場合があります。
<選定のポイント>
Slackでは、各業界のセキュリティ規格はもちろんのこと、国際的なセキュリティとデータプライバシー基準を満たしています。詳しくは「エンタープライズグレードのデータ保護」をご参照ください。
- 知名度の高さ
オンライン会議ツールの知名度の高さも意外と大切です。特に、外部の会社や人とミーティングをする場合、相手も使い慣れている、もしくは知っているツールであるほうがスムーズに通信を始められるからです。知名度が高いツールであれば、使い方などもインターネットで調べることができ、すぐに情報が探せます。
すでに導入しているビジネスチャットなどと連携する
ビジネスチャットをよく使っている場合は、連携機能が利用できると利便性が増します。ビジネスチャットから直接オンライン会議ツールを立ち上げることで、チャットでのやりとりからすぐにオンラインミーティングでの話し合いに移行できます。
また、ミーティングの日時をビジネスチャットのスケジュールに登録しておき、その時間になると通知を行うといった機能も便利です。
オンライン会議ツールは自社の利用目的に合わせて最適なツールを選ぼう
オンライン会議ツールは急速に普及し、今では多様化の様相を見せています。さまざまなビジネスシーンに応じて、最適なツールを選んで活用することが可能です。
Slack には、 Zoom との連携機能が搭載されています。 Slack を使っていて Zoom によるオンラインミーティングを始めたいときは、「 /zoom 」と入力するだけで、簡単にオンライン会議へと移行できます。また、「 /zoom meeting 会議名」と入力すれば、会議名を設定することもできます。 Slack と Zoom の両方を使っているのなら、ぜひ活用したい機能ではないでしょうか。 Slack と Zoom の連携を、ぜひお試しください。
よくある質問
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