Bolt、人間中心で効率的な職場をめざして自動化を活用

最高の人材を採用して、離職を防ぎ、従業員にやりがいを感じてもらうには、誰もが自分のライフスタイルに合った方法で働ける職場にする必要があります。Slack は、ほかのどのプラットフォームよりも活発なやり取りを促してくれますし、柔軟性にも優れています」

BoltHead of PeopleJanis Sadinovs 氏

配車サービスや街乗り自転車のレンタル、食料品の配達といったサービスは、もうすっかりおなじみになっているのではないでしょうか。ほんの数年で、こうしたサービスにさまざまな選択肢があるのが当たり前になりました。その背景には、数多くの企業がこの新しい市場に参入し、驚くべきスピードで成長をとげてきたことがあります。世界屈指のスピードで成長しているモビリティ企業 Bolt もその 1 社です。

エストニアのタリンでつつましやかに創業した Bolt は、今や世界 45 か国に展開し、従業員は 3,000 人を超え、企業価値は 80 億ドルを突破しています。Bolt は、低価格かつ持続可能な方法で、世界が抱える輸送問題の解決に取り組むこと、具体的には、自家用車に代わる交通手段を提供することを目標にしています。同社は成長を続けながら、輸送における環境負荷を軽減するための新しい方法を模索しているのです。

Bolt の Head of Internal Communications を務める Mathis Bogens 氏は同社についてこう説明します。「Bolt は 45 か国でスクーターや電動自転車を使った事業を行い、100 万人を超えるお客様にご利用いただいています。配車サービスのほか、フードデリバリーサービスの Bolt Food、食料品と生活必需品の配達サービス Bolt Market を展開しています。また、カーシェアリングも提供しており、ヨーロッパ最大級のレンタル事業者となっています」

これほどの規模の企業が継続的な成功を収めるには、自動化とコラボレーションが鍵になります。多くの国で多くの従業員を抱える Bolt は、グローバルな人材採用プロセスの合理化、技術的な問題解決にかかる時間の短縮、国や地域を超えてのブレインストーミング、大規模な組織でのコミュニケーションといった目標を、全面的にサポートしてくれる信頼性の高いツールを求めていました。そこで同社が選んだのが Slack です。Slack なら、柔軟性を保ってサイロ化を防ぎながら、プロセスを自動化し、グローバルかつ一体感のある企業文化を育むことができると考えたからです。

国・地域を超えたワークスペースでナレッジを共有

柔軟でグローバルなワークスペースの構築に向けた取り組みは、新メンバーの採用時から始まります。「新人研修のプロセス全体を Slack で行うようにしました」と、Bogens 氏は話します。「そうすることで、新しい従業員にも社内の文化にすぐになじんでもらえます。当社では Lessonly アプリを使ってそれを実現しています」

もちろん、Slack が活躍するのは、新メンバーの採用や研修だけではありません。Bolt の重要な社内文化である、サイロ化を防ぎ、ナレッジを共有・検索することにも、Slack が活用されており、小さなチームでも、目標達成に向けて高い自主性を持って取り組めるようになっています。ただ、会社の急速な成長に伴い、同社ではチーム同士のつながりが薄くなるという課題が生じていました。それに対処するために、いくつかのソリューションが構築されました。Bogens 氏によると、とくに重要なポイントとなったのは次の 2 つです。

 1. 透明性とインクルージョンの確保

あらゆる人の意見に耳を傾け、障壁をなくすために、Bolt ではすべての従業員をカバーする 5 つのグローバルな Slack チャンネルを設けました。具体的には、全員に関係する情報を伝えるチャンネル、人事・従業員サービス関連のトピックを扱うチャンネル、Bolt での生活を共有する社内ソーシャルメディアチャンネル、IT サポート用チャンネル、皆で助け合える技術的な問題全般に対するサポートチャンネルです。

 2. メールからの脱却

同社は、日常的なコミュニケーションに使うツールを 1 つにしようと考えました。Bogens 氏はこう説明します。「社内の連絡にメールは使いません。社外とのやり取りには使っていますが、外部のパートナーに対しても、Slack コネクトを利用してもらえるよう働きかけています。また、Google カレンダーも Slack と連携されているので、従業員は頻繁にメールを確認する必要はありません」。 Slack ほどの深いコミュニケーションは、メールでは実現できないと同社は考えています。Slack なら、より透明性が高く迅速なコラボレーションを、より少ないチャンネルで実現できるのです。

「最高の人材を採用して、離職を防ぎ、従業員にやりがいを感じてもらうには、誰もが自分のライフスタイルに合った方法で働ける職場にする必要があります」。そう語るのは、Bolt の Head of People を務める Janis Sadinovs 氏です。「Slack は、ほかのどのプラットフォームよりも活発なやり取りを促してくれますし、柔軟性にも優れています」

 

「Slack は、ほかのどのプラットフォームよりも活発なやり取りを促してくれますし、柔軟性にも優れています」

BoltHead of PeopleJanis Sadinovs 氏

自動化で業務をスピードアップ

Bolt は Slack が提供する 2 種類の自動化を活用しています。1 つ目は、従業員が無意識に利用できる、簡単なツールやアプリ連携です。例えば Slack と Google カレンダーとの連携や、Slack のリマインダーツールなどがそれにあたります。このような日常的に使うツールとの連携により、手動での作業を減らせ、アプリの切り替えによる効率の低下も防げます。

2 つ目として、同社はより複雑なタイプの自動化、つまり自社でカスタマイズした自動化も活用しています。 従業員によって作られた、従業員のためのカスタム自動化により、その環境ならではのニーズを満たしているのです。Bogens 氏がその例を紹介します。

「当社のエンジニアリングチームは、自分たちで構築した Test Stability Reporter というアプリを使っています。毎日行われる膨大な数のテストについて、このアプリは、どのテストが成功し、どれが失敗したかを示すレポートを毎朝まとめて提供してくれます。そのおかげで、チームは毎朝の始業時に、テスト結果を一つ一つ見直す必要がなくなりました」。 つまり、カスタムアプリによって、これまでテスト結果の確認に費やしていた時間を取り戻せたというわけです。

Bolt の Technical Support Lead を務める Alexandr Bregin 氏によると、同社では毎日少なくとも 200 件の自動化アプリが使われています。自動化は、個人のワークフロー改善から、コラボレーション、カスタマーサポート、技術サポートに至るまで、あらゆる業務に役立ちます。実際、技術サポートチームは、 ワークフロービルダーをメインツールのひとつとして使っています。絵文字も取り入れることで、効率が高まると同時に、人間味も加えられます。

Slack には、さらに自動化を活用して仕事をスピードアップする 3 つ目の方法もあります。それはコーディング不要でワークフローを作成できる仕組みです。Bolt の従業員もワークフロービルダーを使ってタスクを自動化できるようになっています。例えば、同社では Jira との連携にワークフローの自動化を活用しており、バグが報告されると、チケットが自動的に作成されて Slack チャンネルに送信されます。それにより、Jira にアクセスできないメンバーも、チャンネルで自分のリクエストが関連チームに届いたことを確認できます。常に最新の情報が得られることで、従業員は積極的な関わりを続けられるのです。

サイロ化を解消して、チーム全体をつなぎ、仕事への意欲を向上

Bolt は、自社のメンバーだけでなく、外部の人々とのつながりを保つためにも Slack を活用しています。前述のように、メールをなるべく使用しないようにしている同社では、外部のパートナーにも、Slack コネクトを使ってコミュニケーションしてもらえるよう働きかけています。

場所やアプローチは異なるものの、同じ目標に向かって力を合わせたい。そんな会社と協働する時に、Slack コネクトを使って、共通のワークスペースを作成します」と Bogens 氏は説明します。Slack コネクトのチャンネルを使って共通のワークフローを構築することで、コラボレーションが深まり、参加者の意欲や連帯感も高まります。さらに、毎日の最新情報をジョークや絵文字、写真を交えて共有すれば、関係がさらに深まります。

全員がつながりを深め、積極的に仕事に取り組めるようにするため、Bolt は Slack チャンネルを使って、どの場所や作業グループでも効果的にコラボレーションできる環境を整えています。また、Slack ハドルミーティングは、即席の打ち合わせをしたり、急ぎの案件について話したりするのにぴったりで、チームで連携して問題を解決するのに役立ちます。さらに、Slack のクリップを使えば、短い動画や音声メッセージで、メンバーに最新の情報や知見を伝えることができます。

Slack なら、最も生産性を高める必要があるときに、最も生産性を高める方法で働くことができます。「私たちはいつもデスクにいるわけではありません」と Sadinovs 氏は言います。「ミーティングであれ、メッセージのやり取りであれ、誰かへのちょっとした連絡であれ、日々の業務を中断することなく、活動的になれることが重要です」

グローバルな職場環境という観点で、より人間中心な働き方を実現するもうひとつのピースが「働く時間」です。柔軟な時間に働けることで、同僚が同じ地域やタイムゾーンにいないといった課題を解消でき、人によっては仕事のパフォーマンスが上がるといったメリットもあります。「当社は Slack を使って柔軟に働ける文化を育んでいます。Slack ならいつメッセージを読んでも構いませんから」と Bogens 氏は語ります。

「既読」マークがないことで、従業員はプレッシャーを感じずにすみます。ちゃんと働いていることを示すために、メッセージを読んですぐに応答しなければならない、という思い込みから開放されるのです。

「社内の連絡にメールは使いません。社外とのやり取りには使っていますが、外部のパートナーに対しても、Slack コネクトを利用してもらえるよう働きかけています。また、Google カレンダーも Slack と連携されているので、従業員は頻繁にメールを確認する必要はありません」

BoltHead of Internal CommunicationsMathis Bogens 氏

Slack は企業文化の一部に

さまざまな国や地域、タイムゾーン、チームにまたがる多くの従業員をつなぐためには、1 つのツールを効果的に活用する必要があります。「皆がつながり、連携するために、当社が使っている唯一のツールが Slack です」と Bogens 氏。「Slack でオンラインでなければ、勤務中ではないということです

Bolt の従業員は、1 日あたり 14 万 5000 件を超えるメッセージをやり取りしています。自動化の作成やアイデアの共有、コラボレーションも大規模に行われています。従業員は必要に応じてデスク以外の場所からも作業ができ、自分の生活に合うように働き方を調整しています。なかでも重要なのは、Slack により交流が促されることです。

従業員は独自のグループを作って、自分の生活の一端をシェアし、つながりを築いています。「とりとめのない話題を投稿して楽しむためのチャンネルがいくつかあります」と Bregin 氏は話します。「社内でしか通じないような冗談を言い合うこともありますよ。多くの従業員がそんな雰囲気をとても気に入っています。カスタムの絵文字も全部で 18,000 個くらいあるはずです。私自身でも 250 個から 300 個は作っていますね。個人的にも絵文字が大好きなんです。なにより人間らしい雰囲気が生まれますから」