日単位から分単位へ : Multiplier が Slack でカスタマーサービスを一変させた方法

「当社は、新規顧客のオンボーディングを迅速に行えるようなプラットフォームの構築・運営を行っています。それを可能にする要素の 1 つは、すべてを Slack に集約していることです」

MultiplierCo-founder and Chief Product OfficerVamsi Krishna 氏

先進的な組織にとって、人材募集を 1 つの都市や国に限定しなければならない理由はありません。リモートワークが浸透した現在、採用マネージャーは世界中から人材を探すことができます。

Multiplier は、人材を探す企業を支援するグローバルなプラットフォームです。数回クリックするだけで、希望するあらゆる国や地域で、従業員を採用し、研修を行うことができます。国際的な人材雇用では、税務やコンプライアンス、法律といった課題により、採用のスピードが落ちることがよくあります。そこで Multiplier はこうした問題を自動化。Multiplier を使えば、誰もがどこにいても、世界中の最高の人材を採用できるようになります。

Multiplier の Co-founder and Chief Product Officer である Vamsi Krishna 氏は「5 分あれば、どの国・地域の人材でも採用できるようにすること。それが私たちの掲げる価値提案です」と話します。

Multiplier 自らも、それを実践しています。同社はわずか 2 年の間に、従業員が 3 人の状態から、20 か国の 350 人を超える従業員が 10 以上のタイムゾーンでリモートで働く企業へと成長しました。その従業員たちは仕事をデジタルのオフィス、つまり Slack で行っています。

「Slack のサポートチャンネルでお客様に対応した場合、それ以外の方法で連絡をもらう場合よりも 3 倍から 4 倍も速く問題を解決できます」

MultiplierCo-Founder and Chief Product OfficerVamsi Krishna 氏

Slack で業界随一の生産性を実現

創業初日から成長の意欲にあふれていた Multiplier は、当初からやがて従業員が世界中で 100% リモートで働くようになるだろうと考えていました。ただ、そこにはいくつかの課題がありました。

まずは、従業員間での仕事の連携力を高め、生産性を確保すること。そして、業界随一のカスタマーサービスを提供する力を高めながら、プラットフォームに新しい機能を追加して拡張を続けていくこと。そのほか、迅速に意思決定することや、特定の目的や成果に向けて、個人やチームで認識を共有することなども課題でした。

こうした課題に取り組むために、クラス最高の「プロダクティビティプラットフォーム」が必要だったのです。

「それまでコラボレーションをする際に使っていたのは WhatsApp です。また、Microsoft Teams やメール、Google Chat、その他のチャットツールも使っていました」と Krishna 氏は振り返ります。

「でも、Multiplier の創業にあたって、Slack を使うことにしたのは当然の選択でした。リモート環境でビジネスを拡大するため、そしてクラス最高のカスタマーサクセスを実現するために、Slack が必要だったのです」

顧客の期待を超えるために

人事テクノロジー分野でもっとも重視される KPI(重要業績評価指標)の 1 つは、顧客からの問い合わせにどれだけ迅速に対応できるかです。通常、応答時間は日単位で測られることも多いなか、Multiplier では 60 秒という極めて高い目標を設定しています。

「カスタマーサポートチームは人事テック企業の顔ともいえる存在です。そのチームがどれだけ迅速に問題を解決できるかで評価が決まるといっても過言ではありません」と Krishna 氏は述べます。

Multiplier は現在、Slack コネクトを使って、きめ細やかなサポートを約 50 社の顧客に提供しています。外部との会話を 1 か所に集約できる Slack コネクトは、企業がパートナー、ベンダー、顧客と連携する方法を変革する機能です。

「サポートデスクに問い合わせをしたら、受け付けましたというメールが翌日届いた、という経験はないでしょうか?」と Krishna 氏。「さらにその次の日になって、ようやく何が問題なのかを尋ねる連絡が来ます。この調子だとすぐに 1 週間たってしまいます。Slack を使うことで、こうしたやり取りを効率化できました」

「Slack のサポートチャンネルでお客様に対応した場合、それ以外の方法で連絡をもらう場合よりも 3 倍から 4 倍も速く問題を解決できます」と Krishna 氏は言います。

「Slack 上で私たちと直接やり取りできることで、お客様にも非常に満足いただいています」

「毎日会議を行う代わりに、Slack を使って週 1 回、情報共有をすれば済みます。皆にとって大きな時間の節約になっています」

Vamsi Krishna 氏

毎日の会議の代わりに、週 1 回 Slack で情報を共有

Multiplier の従業員は、完全にリモートで、非同期型の働き方をしています。同社がそうした環境の中で多面的なプロジェクトを推し進めるにあたり、Slack が力になっています。

1 つのプロジェクトに 20 人くらいの従業員が関わることがよくあります。Multiplier では、皆の仕事を止めてしまう会議を何度も行う代わりに、チャンネルを使って適切なメンバーで情報を共有し、プロジェクトを前に進めています。

「チャンネルを立ち上げると、Slackbot がメンバー全員に最新情報を共有するよう促します。メッセージの要約もしてくれます。毎日会議をする代わりに、週 1 回、情報を共有すれば済むようになり、20 人分の時間を大幅に節約できています」

オンボーディングを自動化して、関係を強化

従業員の研修のプロセスは複雑になりがちで、5〜6 のチームが関わることも少なくありません。

そこで Multiplier は、主要なソフトウェアやカスタムアプリを Slack に直接連携できるインテグレーションの機能を使い、研修プロセスを効率化。独自に構築したソフトウェアと外部ツールを組み合わせ、すべてを Slack に連携させています。

例えば、同社は最近、メインの CRM として Sales Cloud を導入しました。

「Sales Cloud で気に入っている点の 1 つは、Slack との連携機能が強力なことです」と Krishna 氏は述べます。

「特に便利なのは、Salesforce からの通知や案件の更新情報を Slack 経由でスムーズに受け取れることです。リアルタイムで役立つ情報が得られ、案件の動きを踏まえてすぐにディスカッションできます」

さらに、チームが戦略的かつデータに基づいた決定をするにあたり、Sales Cloud のアナリティクスが役立っていると同氏はつけ加えます。

このインテグレーションの機能により、研修のプロセスにおいてアクションを実施しなければならないタイミングになると、当該のチームに自動的にメッセージが送られる仕組みを構築できます。これにより、研修のプロセスをスピードアップできます。

「顧客のオンボーディングも以前よりスピードアップし、1 人あたり 15 分から 20 分を短縮できています。このような円滑なワークフローがなければ、各メンバーはこれまでの経緯を手作業で確認して、とるべきアクションを判断しなければならなかったでしょう」

「Multiplier と他社を分ける点の 1 つは、オンボーディングのスピードです。今、業界で最も速いと自負しています。これに貢献した Slack は、まさに生産性の何倍もの増加を導いています」