「最高のプログラマーは怠け者」。テクノロジーの世界では昔からそう言われています。優れた開発者は、反復的なプロセスを自動化し、より挑戦しがいのある問題の解決に自分のエネルギーを注ぐのです。
ワークフロービルダーは、Slack 内で定型タスクを自動化できるツールです(すべての有料プランで利用可能)。私たちは、Slack 社内およびいくつかのユーザー企業のエンジニアリングチームに話を聞き、定例ミーティングの自動化からデプロイアラートの高速化まで、ソフトウェア開発者がどのようにワークフロービルダーを使っているかを調べました。そこからわかった、エンジニアの仕事を効率化するワークフローのテンプレートをご紹介します。
1. 毎日の進捗報告や週ごとの振り返りを実施する
進捗を報告するミーティングは、プロジェクト管理には役立ちますが、個々のメンバーにとっては仕事を中断させる存在にもなります。仕事の流れを止めてミーティングを開く代わりに、メンバーに進捗を Slack に投稿してもらいましょう。毎週金曜日にその週のまとめを共有してもらうのもいいかもしれません。どちらも、ワークフロービルダーを使えば簡単に設定できます。
このテンプレートでは、毎日または毎週のリマインダーを作成して、チームのチャンネルに送信できます。受け取ったメンバーに、返信をスレッドに投稿してもらうことも、簡単なフォームを通じて質問への回答や評価をしてもらうこともできます。
2. 気軽にフィードバックを送れるフォームを作成する
アイデアを持っているのは開発者だけに限りません。社内の誰もがすばらしいアイデアを秘めている可能性があります。それを簡単に集めることができれば、大きな価値になります。
ワークフロービルダーを使って、チャンネル向けのフォームを作成すれば、メンバーが気軽にアイデアを共有したり、バグの可能性のある事象を報告したりできるようになります。質問を 1 つか 2 つに絞ったシンプルなものがよいでしょう。得られた情報をもとに、優れたアイデアを自動的にまとめたり、重大な問題を Jira のチケットや Asana のタスクに変換したりすることも可能です。
3. メンバーからの投票を募る(ハッカソンなどで)
あるユーザー企業では、社内で開催されるハッカソンにワークフロービルダーを活用。Slack で投票を募って、優勝者を決めています。
投票プロセスはこんな感じです。まず、ハッカソンの主催者が、開発者用のチャンネルに手順を投稿し、投票ワークフローを開始するための絵文字を知らせます。メンバーがその絵文字を使ってリアクションすると、Slack のダイレクトメッセージを通じて自動的にその人に投票フォームが届きます。投票されたデータは CSV ファイルとしてダウンロードでき、すばやく結果を確認できます。
4. 新しいバグのレポートを作成・追跡する
顧客や同僚から得られるのは、斬新な機能のアイデアだけではありません。時には新たなバグを見つけてくれることもあります。カスタマーサポート担当者やサクセスマネージャーなど、Jira へのアクセス権や専門知識を持たないメンバーにとっては、Slack こそが、エンジニアにバグを報告するのに最適な手段になります。
部門外の人が発見してくれたバグの情報を、開発チームのバグ追跡ツールと連携させるために、まずは #ios-bugs
のような専用チャンネルを設けましょう。そして、そのチャンネル向けに標準化されたバグ報告ワークフローを公開します。これで、バグ報告のプロセスに、自動化ステップとして「Jira の課題を作成」などを追加できるようになります。
5. 絵文字を使ってタスクを開始する
先ほどの例のように、メッセージに特定の絵文字でリアクションすると、自動的に機能が立ち上がるように設定できます。たとえば、あるリクエストに対して担当者として手を挙げたい時には、特定の絵文字で反応する、と決めたとします。この場合、絵文字をクリックした人の名前を記載したメッセージを自動投稿し、担当者となった人にリクエストへの対応を開始するためのフォームを自動送信する、といったワークフローを作成できます。
ワークフローは複数の方法で起動できます。そのため、チームに複数のアプリを使った複雑な作業がある場合にも、ワークフロービルダーを使って、それらをひとつにまとめるワークフローをわずか数分で構築できます。
6. Webhook を使って、Slack と直接連携できないアプリから情報を取得する
業務管理にクラウドサービスを利用している一部のソフトウェアチームからは、特定のベンダーからの最新情報を Slack に簡単に送る方法がないという声が聞かれます。そのようなサービスでも多くの場合、Webhook には対応しているはずです。Webhook を使って、サーバー、システム、ホストからのメッセージをワークフローで管理できます。これにより、サービスがダウンした時にアラートが届くようにしたり、別のシステムでステータスの変更があった時にアップデートしたり、といったことが可能になります。
ワークフロービルダーを活用して、重要な仕事に集中
Slack の有料プランを利用しているソフトウェア開発者は、ワークフロービルダーを使って自らの仕事を自動化できます。手間のかかる反復タスクを自動化すれば、浮いた時間を価値ある新機能の構築に使えるようになるでしょう。