優れた従業員体験を実現する秘訣
「従業員経験」という言葉を耳にすると、休憩室の無料ドーナツ、最新モデルのノートパソコン、ペット同伴可のオフィス、有給休暇が取り放題など、さまざまな要素が浮かんできます。
どれもすてきなものですが、賢い最高人事責任者(CHRO)であれば、そういったちょっとした特典よりも、従業員のやる気を高める秘策があるのを知っています。それは、優れた社内コミュニケーションです。
企業が従業員と適切にコミュニケーションを取り、また従業員が経営陣や同僚との間でうまくコミュニケーションすることができれば、以下のような大きな成果が現れます。
- 従業員が組織のミッション、そしてそのミッションに向けて自分が貢献すべき点を理解できる
- 最高の仕事を成し遂げ同僚の成功をサポートするための準備や心構えができたうえで仕事に取りかかれる
- 在職期間が長期化し、成長と進歩へのモチベーションが上がる
- お客様のためにいっそうの努力を惜しまずに業務に取り組むようになるため、顧客体験が改善する
対照的に、コミュニケーションが十分でない企業では以下のような結果が出てしまいます。
- 組織、その経営陣やミッションに対する一体感がない
- 最高の仕事をするために必要な情報が手に入らない
- やる気が持てず、場合によっては不満を抱えており、他社へすぐに移る
- 顧客体験の質が低下し、採用、研修やトレーニング費用が急増する
本ガイドでは、優れた従業員エンゲージメントと質の高い顧客体験を促進する社内コミュニケーション環境を醸成する方法について説明します。
「社内コミュニケーションは、経営陣と従業員の間に透明性のある文化を築くために重要な要素であり、効率的なコミュニケーションにより従業員は企業にとっての優先順位を把握したうえで業務に取り組むことができるようになります。経営関連の文献では、従業員エンゲージメントとは『各人がそれぞれの役割に注力し集中する度合い』として定義されます。こうしたエンゲージメントの高い従業員は、自分の持てる力に自信を感じ、やる気が高く、組織への帰属意識や貢献意識も強くなり、その一部であることに喜びと誇りを感じる傾向が強くなります」
「また、顧客体験で高く評価される企業では、従業員エンゲージメント度も高い傾向にあり、一般に全体の 79% の従業員が仕事に対するやる気が高いと回答しています」