Slack が社内コラボレーションワークスペースとして真価を発揮するのは、社内の全メンバーがオープンかつ生産的なディスカッションをチャンネルで行った時です。チャンネルはプロジェクト、チーム、分野ごとに会話を整理して進められる場所です。
しかし実際のところ、多くのチームがダイレクトメッセージに頼りすぎる傾向にあります。その多くは質問への回答をすぐにもらうためです。これには問題が 2 つあります。
- DM が非公開であること。そのため、あなたが DM で誰かの質問に回答しても、ほかのメンバーがそれを知らずにまた同じ質問をするかもしれません。
- DM を送るたびに受信者のモバイルやデスクトップデバイスに通知されること。Slack でしばらく離席中にしていると、そのような通知が山のように溜まってしまうかもしれません。
幸いにも、オープンなコミュニケーションを進めつつ通知を減らすことはできます。ここでは、どのチームでも実践できる基本的なステップを一緒に見ていきましょう。
1.メッセージを減らして社内コラボレーションを効率化
すぐにでも実施できるのは、「お疲れさまです」や「失礼します」だけのダイレクトメッセージは送らないこと。その後すぐに「用件」のメッセージを送ったとしても、相手は最初に何の情報も含まない「お疲れさまです」の通知を受け取るため、それによって集中力が妨げられる可能性があります。あなたが入力中であることは表示されますが、それでも相手は用件のメッセージが届くまで待たなければなりません。
DM の文頭は「お疲れさまです」でも 👋 でも構いませんが、その挨拶はメッセージ全体の最初の行に入れるようにしてください。伝えたいすべてのことを 1 つのダイレクトメッセージにまとめれば、相手が受け取る通知も 1 回だけです。複数のメッセージを送ると相手の集中力が何度も途切れることになります。これは全員の時間や集中力を有効活用したい組織としては理想的とは言えません。
2.長いメッセージにさっと読める工夫を追加
絵文字、箇条書き、太字や斜体の書式設定を使って、長いメッセージ内のタイトルや重要ポイントを強調しましょう。社内通知や会議の議事録で使うと特に効果的です。
メッセージを書式設定すると、重要なアクションアイテムが長文のなかに埋もれてしまうことがありません。その結果、内容が伝わりやすくなり、不明点に関する質問ややり取りを最小限に抑えられるでしょう。
3.スレッド活用で効果的な社内コラボレーションを実現(本当におすすめ!)
チームチャンネルでのディスカッションやプロジェクトのコラボレーションにはスレッドが最適です。チャンネルのほかのメンバーに未読メッセージの存在を表示することなく、質問したりアイデアを自由に出し合ったりできます。
チャンネルをすっきり保ちつつ、会話を整理した状態で進めたい時はスレッドを使うようにしましょう。
4.短いフォローアップメッセージを絵文字リアクションで代用
絵文字リアクションは Slack の陰のヒーローです。絵文字リアクションを使えば、メンバー全員が「賛成」メッセージを投稿する必要がありません。それどころか、本当にさまざまなことをチーム全体に伝えることができます。
例えば、新しい製品のアイデアを伝えるメールをチーム全体に送ったとしましょう。最初は誰からも返信がありません。しばらくすると何件か返信がありました。そんな状態では、残りのメンバーがどう思っているか想像するか、次のチーム会で意見を聞いてみるしかありません。
一方、そのアイデアをチームの Slack チャンネルに投稿すれば、アイデアを投稿した直後に絵文字リアクションが追加されるでしょう。賛成や考え中などの反応が瞬時に返ってくるだけでなく、承認をもらうこともできます。
絵文字はシンプルなツールですが、驚くほどさまざまな場面で活用できます。よくある業務フローが絵文字で進むことさえあるのです。例えば、何かを確認中の時は 👀 をつけ、完了したら ✅ で周知できます。また絵文字を使ってリクエストをしたり、ボランティアを募集 ✋ したりすることも可能です。
5. おやすみモードで勤務時間外の通知を削減
特定の時間帯に通知を受けたくない時は、おやすみモード(DND)機能を使って勤務時間外の時間帯を設定しましょう。この機能をチームにも周知しておけば、勤務時間外のリクエストは翌日に対応すると知ってもらえます。つまり、夜中の 10 時にアイデアが浮かんだ場合、翌朝まで返信がないとわかったうえでチームにメッセージを送信できるというわけです。
DND を使えば仕事に集中する時間も確保できます。やり方は簡単です。チャンネルメニューの上にある自分の名前をクリックし、通知を一時停止にしたい時間を選択します。 こうすれば自分のステータスが変わるため、同僚に「仕事に集中していてすぐに返信できない」というメッセージを伝えられるでしょう。
6.返信の見込みをチャンネルレベルで設定
リアルタイムでのやり取りを想定しないチャンネルで、チャンネルのステータスとチャンネルの目的を使って返信の見込みを設定できます。これは、異なるタイムゾーンにいるチームメンバーと連携するプロジェクトで特に重宝する機能です。例えば、メルボルンに建設予定の新オフィスについて、ニューヨークのワークスペースデザインチームとロンドンの建築家が連携する場合、資料やアジェンダをチームのチャンネルに投稿する際は、時差を考慮して承認やフォローアップに 8~12 時間かかる想定で行ってもらうようにしましょう。
またグローバル企業では、カスタムプロフィールフィールドに勤務地を追加しておくと、メンバー同士が重複する勤務時間を確認しやすくなります。
7.コミュニケーション促進のためにパブリックチャンネルをデフォルト化
よく耳にするのは、パブリックチャンネルはチーム全体への通知のためだけに使い、ほとんどのコミュニケーションはダイレクトメッセージで済ませてしまうという使い方です。しかしこれでは、情報が不必要にサイロ化してしまいます。
DM を送ると、相手に通知が届くだけでなく、メッセージを読む集中力を要求することになります。また、受け手が DM にあとで返信することにしても、アプリにはバッジが表示されたままです。
こうした状況を減らすためにも、チャンネルへの投稿をデフォルトにして、@ユーザー名のメンションは特定のリクエストや緊急案件のために使うという社内文化を根づかせましょう。DM は直接非公開で話し合いたい時にはよいのですが、ほとんどの社内コミュニケーションにはチームチャンネルが適しています。なかにはチーム外にも関連する内容もあるかもしれません。
自ら率先してパブリックチャンネルに投稿し、スレッドや絵文字リアクションなどの機能を使うようにすれば、社内のほかのメンバーもきっと続いてくれるでしょう。今回紹介したエチケットを頭に入れて、コミュニケーションツールをうまく活用してみてください。