多くの企業にとって、顧客は大切な存在です。その大切な顧客との関係をより良いものとしていくためには、顧客対応力が重要です。顧客対応力は、営業やカスタマーサポートだけではなく、さまざまな場面で求められるものでもあります。
そこで今回は、顧客対応が必要とされる場面のほか、顧客対応力を高めるための方法について解説します。
顧客対応力とは?
顧客対応力とは、その言葉のとおり、顧客に対する対応のスキルのことです。
具体的にいうと、さまざまな場面で接するお客様に満足していただき、良好な関係を維持していくためのスキルです。特に、顧客との良好な関係が利益に直結する企業においては、極めて重要な要素といえます。
顧客対応力の重要性
業種を問わず、すべての企業は、顧客の存在なしに存続や発展はあり得ません。個人消費者を顧客とした B to C ビジネスはもちろん、企業を顧客とした B to B ビジネス、個人消費者向けビジネスを展開する企業を顧客とした B to B to C ビジネスのすべてにおいて顧客が存在し、その顧客との利害関係によって企業が成り立っています。
そうした顧客との関係を築き、良好な関係を維持していくにあたって欠かせないのが顧客対応力なのです。
自社の発展を目指すにあたって、「顧客満足度の向上」を掲げている企業も多くあります。メーカー、飲食、商社、建築土木、製造、システム開発会社など、業界を問わず、すべての分野の企業において顧客対応力が強く求められているといえるでしょう。
顧客対応が必要となる場面
具体的に顧客対応が必要になるのは、どのような場面なのでしょうか。例えば、製品・サービスに関する問い合わせ対応やクレーム対応では、営業をはじめ、さまざまな部署で顧客対応を行う必要が発生し、それぞれに顧客対応力が求められます。
続いては、このような顧客対応が必要となるいくつかの代表的な場面をピックアップし、それぞれ必要となる顧客対応力の特徴を見ていきましょう。
顧客との関係強化に向けた営業的フォロー
既存の顧客と良好な関係を維持していくためには、営業的な顧客対応力が必要です。
例えば、定期的に顧客先へ訪問したり、電話やメールで連絡をとったりなどして、既存の製品・サービスの使い勝手はどうか、不満点はないか、業務上でなにか困り事はないかといったフォローを行います。自社で手助けできそうなことを提案し続けることで、顧客からの信頼性向上や関係強化を図っていきます。
製品やサービスに対する問い合わせ対応
個人消費者などに向けた製品・サービスを展開するメーカーやその販売代理店などのコールセンターやお客様相談窓口でも、顧客対応力が必要です。個人消費者からの製品購入前の問い合わせや購入後の質問などの相談に対応し、的確かつ丁寧な対応を行うことで顧客からの信頼性向上や関係強化を図っていきます。
クレーム対応
顧客が、製品・サービスに対して何らかの不具合や不満を感じた時の問い合わせに対応するのも顧客対応です。
この場合、顧客はすでに製品・サービスだけではなく、企業に対しても不信感を抱いている可能性があります。このような顧客からのクレームには、真摯かつ適切に対応し、信頼を取り戻すような対応が求められます。
情報システムの受託開発におけるクライアントとの折衝・調整
システム開発の依頼元(受託元)を顧客とするシステム開発会社や、業務委託元を顧客とするアウトソーシング会社などにおいても顧客対応力が求められます。
例えば、依頼元や委託元とスケジュールや予算、進捗管理などで折衝・調整を図る機会があるでしょう。こうした、交渉や折衝のスキルも、顧客対応力といえます。
販売促進
製品・サービスの販売促進を目的に、企業もしくは個人消費者に向けた商品PRイベントや各種プロモーションを行うことも顧客対応の一種です。こうしたイベントやプロモーションを展開することで、新たな顧客との接点が生まれます。既存顧客に対しても、新たな魅力やメリットを発信することで関係強化を図ることができます。
顧客対応力を高めるには?
IT が進化し、企業におけるデジタル化が当たり前となっても、多くの場合、顧客に対応するのは私たち人間です。続いては、顧客対応力を高めるための 7 つのポイントをピックアップし、それぞれの特徴について見ていきましょう。
知識を深める
製品・サービスに対する問い合わせ対応など、専門的な知識を要する顧客対応の場合は、製品に関する知識を深めることが重要です。製品知識の深さが、迅速かつ的確な受け答えへとつながり、顧客満足度向上に結びつく可能性が高くなります。
製品・サービスに対する問い合わせ対応だけでなく、営業、販促、クレーム対応などにおいても、知識を深めることでスムースな顧客対応へとつながっていくでしょう。
相手の立場に立って対応する
顧客対応は、人と人の話し合いが基本であるだけに、相手の立場に立って対応するのも大切な心掛けです。多少、口下手やつたなさがあっても、相手の立場に立って考え、接することで自然と顧客に寄り添った姿勢が芽生え、それが顧客満足度の向上へとつながっていくと考えられます。
特に、クレーム対応や製品・サービスの問い合わせといった個人消費者に対する顧客対応や、顧客である企業の問題を解決する提案を行うような営業においては、顧客に立場に立って対応を行うことが重要となります。
すみやかに対応する
対応の速さも顧客対応に大切な要素のひとつです。例えば、急を要する問い合わせに迅速に対応することで、顧客に安心感を与えることができるでしょう。その安心感が、結果として顧客満足度向上へとつながっていきます。
また、営業での顧客対応の場面において、相手から資料などを求められた際、できるだけ早く必要な資料をそろえることで相手に信頼感が生まれ、この場合も結果的に顧客満足度向上へとつながる可能性が高くなるのです。
継続的にフォローする
営業においては、既存顧客に対して定期的な訪問や情報提供、困り事への解決策の提示など、継続的にフォローしていくことも大切な顧客対応力です。こまめなフォローを継続することで信頼関係が生まれ、リピートへとつながっていきます。
もちろん、既存顧客だけでなく、見込み顧客や潜在顧客など、将来的に良好な関係が芽生えそうな顧客に対しても、こうした継続的なフォローは効果的だといえるでしょう。
交渉力を高める
営業の商談の場面などでは、相手の言い分を受け入れてばかりいると、最悪の場合、自社の利益損失へとつながる可能性があります。
そういう場合は、顧客の話を傾聴し、その言い分を尊重しつつも、自社側でも譲れない部分はしっかりと主張するなどして交渉を行い、双方にとって最適な落とし所を見つけていくことが重要です。こうした交渉力もまた、顧客対応力の重要な要素のひとつです。
組織内での積極的に情報を共有する
顧客対応力を高めていくには、個人だけでなくチームメンバーとの連携度を上げていくことも大切です。
過去の顧客対応における事例の共有や、高く評価された顧客対応例の横展開など、個人の成功例をチーム全体で共有することで、確実に顧客対応力は向上していくでしょう。
ツールを活用する
顧客対応力を高めるためには、ビジネスツールの活用も有効です。例えば Slack は、顧客管理プラットフォームの代名詞的存在である Salesforce と、高度な連携が行えるように設計されています。 Slack と Salesforce を組み合わせることで、顧客対応窓口であるコンタクトセンターチームと営業チームがシームレスに連携できる体制を実現することが可能です。
営業やサービスなど、チーム間のコラボレーションを強化することで、結果として顧客対応力の強化へとつながっていきます。現状の顧客対応力に問題を感じ、組織全体の顧客対応力向上を図りたいと考えているなら、こうしたツールの活用を考えてみてはいかがでしょうか。
顧客対応力を高めて、企業の成長に貢献しよう
企業が成長し、発展していく上では、顧客とのより良い関係づくりと、それを維持していく努力が不可欠です。それを実現するのが顧客対応力なのです。
本記事では、そんな顧客対応力を向上へと導くいくつかの方法を解説しました。もし、ご自身が所属する組織やチームにおいて、顧客対応力に課題を感じているのであれば、本記事を参考に、顧客対応力向上に向けた取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。
よくある質問
HOME > Slack 日本語ブログTOP > 生産性 > 顧客対応力を高めるには?そのメリットと効率を上げるツールを紹介