企業文化とは、お昼寝ルームがあったり蛇口をひねればコンブチャ(健康ドリンク)が出てきたりすることだけではありません。Culture Amp は、しっかりとした文化を築く出発点はまず従業員の話に耳を傾けることだと考えていました。オーストラリアを拠点とするこの会社は、業界をリードする従業員エクスペリエンス・分析プラットフォームを開発しており、企業の経営陣が離職率、定着率を改善し、従業員の成功を後押しできるような仕組みを提供しています。Culture Amp は 2009 年以降、スタートアップ企業から Fortune 500 企業まで 3,000 社の従業員を対象に延べ 31,000 回の調査、1 億 6,500 万問の質問を送信するサポートをしています。同社の時価総額は 10 億ドルを超えました。
「当社のミッションと目的は、企業が従業員と文化を第一に考えられるように支援し、より良い仕事の世界を作り出すことです。このミッションを、当社のプラットフォーム、当社の従業員のコミュニティ、当社のテクノロジーを通して実現するべく取り組んでいます」と、Culture Amp の Director of Technology を務める Damian Fasciani さんは言います。その一環として、2015 年に Slack を導入しました。現在は、メルボルン、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンの 4 か所のオフィスで 400 人以上の従業員(「キャンパー」)が Slack を使ってコミュニケーションし、豊かな文化を生み出しながら、互いを高め合っています。「当社のチームは世界各地に分散しています。Slack はコミュニケーションでも、コラボレーションでも、みんなで一緒に働くときのあらゆる面で重要なツールになっています」と Fasciani さんは言います。「Slack のおかげですぐにメンバーを呼び集めることができます。とても簡単に足並みを揃え、最新情報を共有することができ、メールのときとは比べものにならないほどです」。
「当社のチームは世界各地に分散しています。Slack はコミュニケーションでも、コラボレーションでも、みんなで一緒に働くときのあらゆる面で重要なツールになっています。Slack のおかげですぐにメンバーを呼び集めることができます。とても簡単に足並みを揃え、最新情報を共有することができ、メールのときとは比べものにならないほどです」
透明性が高まり、スピードとアジリティを生かして行動
現在 Global People Programs Director である Jo Montanari さんは、Culture Amp で 15 人目のキャンパーでした。HipChat とメールを使ってコミュニケーションしていた頃のことです。入社してすぐ、「IT チームの同僚が Slack を使うことを熱心に勧めてくれました。Slack は最初から自然に感じられました」。現在、Montanari さんと Culture Amp の従業員は Slack を使って、機敏に行動して質の高い仕事を非同期で行っています。同社のチームは 4 つのタイムゾーンに分散しているため、非同期であることが特に重要です。
「Slack で対応速度がかなりアップします」と Montanari さんは言います。「チャンネルをコントロールできたり、ミュートを使えたり、スターやフォルダもとても便利です。しなければいけないことを的確に優先できるようになりました」と Fasciani さん。「Slack がこんなに広く使われているのは、シンプルで使い勝手がいいからです。重要なことを整理して優先順位を付けることができます」。
Culture Amp は Slack チャンネルの命名ガイドラインを設けていて、同社のインフラストラクチャを構成する、製品(#product)、組織(#org)、顧客(#customer)の各グループのコミュニケーションを効率化しています。チームとプロジェクトのチャンネル、全社向けのアナウンスに使用する #all-camp(#全キャンパー)のほか、#women-at-culture-amp-erg(#culture-amp女性ERG)や #allies-erg(#協力ERG)などの従業員リソースグループもあります。また、外部のパートナーをシングルチャンネルゲストとして招いてコラボレーションしています。「密に連携している外部のパートナーとベンダーが何社かあり、そうした会社とは Slack コネクトでやり取りしています」と Fasciani さんは言います。
「協力して仕事をするときの進め方、プロジェクトと仕事の透明性を確保する仕組みが Slack で劇的に変わりました」と Fasciani さんは言います。短期間のタスクでも大規模なイニシアチブでも、Fasciani さんのチームではまずチームの Slack チャンネル #tech-global(#tech-グローバル)で会話を始め、その後で個別のプロジェクトチャンネルが必要かどうかを判断しています。そうしたチャンネルはプライベートのものもパブリックのものもありますが、すべて #proj_example という命名ガイドラインに沿って名付けます。そうすることで、チームが部門外のキャンパーと連携しやすくなるという効果もあります。「Slack はステークホルダーの管理にも抜群です。当社のプロジェクトは外向けのものが多いのです」と Fasciani さんは言います。例えばマーケティングと連携する場合、そのチャンネルにマーケティングチームを招待して、全員がソリューションに貢献できるようにしています。「メールで同じことをしようと思うと、テクノロジーチームが何に取り組んでいるのかわからないのでまるで曇りガラスのようです。Slack チャンネルだと、ごく直感的にメンバーをまとめることができます。とても気に入っています」。
Fasciani さんのテクノロジーチームが重要な課題に取り組む必要があるときは、「適切なメンバーが Slack チャンネルですぐに集まって連携できる」そうです。チームでは、Slack を補うインテグレーションとして Confluence、Jira、Google ドライブ、PagerDuty を利用しています。「インテグレーションと API という考え方を生かして、イネーブルメントと自動化を構築しています。Slack はその中で大きな部分を占めています。Slack では情報をとてもすばやく参照でき、仕事の勢いを崩さずに会話を続けられるので、ほかのどんな方法よりも時間的に効率がいいのです」と Fasciani さんは言います。
Culture Amp では全社的に Slack インテグレーション を活用して、キャンパーが日常業務でいつも使うツールを利用できるようにしています。People チームでは、Google ドライブをよく使っています。「Slack に Google Calendar インテグレーションを追加してから、ミーティングに遅刻しなくなりました」と Montanari さんは言います。
「協力して仕事をするときの進め方、プロジェクトと仕事の透明性を確保する仕組みが Slack で劇的に変わりました」
文化を第一に考え、経営陣の考えが見えるように
Culture Amp は会社の文化を一番に考えるためにも Slack を活用しており、Slack でグローバルコミュニティをつなげ、組織のベクトルを合わせています。その先頭を切るのが創業者兼 CEO の Didier Elzinga さんです。Elzinga さんは Slack の #ceo チャンネルでキャンパーに最新情報を定期的に伝えています。また、同じチャンネルを使い、Culture Amp の「Ask Me Anything(なんでも聞こう)」アンケートで寄せられた質問にも回答しています。
Elzinga さんは新型コロナウイルスのパンデミックが発生しだした頃、キャンパーに連絡するために #ceo チャンネルを使いました。「勤務日は毎日 Slack に 2 分間のビデオを投稿し、ちょっとした報告や今起こっていること、当社の対応、計画に対する進捗などを伝えていったのです」。このように安心させる言葉を投げかける行動は素朴なものでしたが、この困難な時期につながりを保つのにとても効果的な方法でした。取り組みが成功したことで、リモートワークを続けるなかでの風通しもさらによくなりました。「キャンパーは経営陣が何を考えているのかを知りたかったのだと分かりました」と Montanari さんは言います。Elzinga さんは今も週に一度ビデオを投稿しています。また、エグゼクティブチームも交代で同様のビデオを #all-camp(#全キャンパー)Slack チャンネルに投稿しています。
新しいキャンパーは入社してすぐに Slack を使い始めます。「Slack があるので、新入社員もすぐに Culture Amp になじめます」と Fasciani さんは言います。「仕事を順調に進めるための準備が全部すぐに整います。メールだとこう柔軟にはいかなかったでしょう」。各都市用の Slack チャンネルでは、各地のオフィスを束ねるとともに地域の仲間意識を高めています。「クラブ」チャンネルではキャンパー同士が仕事以外のことでつながれるようになっています。例えば、次のようなチャンネルがあります。
- #knitters(#編み物): 編み物をはじめ、あらゆる種類の手芸が好きな人向け
- #games(#ゲーム): トリビアクイズなどさまざまなゲームを楽しんだり議論したりする
- #cooking(#クッキング): 新作料理のレシピや写真をシェアする
- #club-kiddos(#club-キッズ)、#club-doggos(#club-犬)、#club-cats(#club-猫): 写真をシェアする
- #if-you-really-knew-me(#個人エピソード): キャンバーの個人的な楽しいエピソードをシェアする
- #yay-we-failed(#失敗から学ぶ): キャンパーが「自分をさらけ出す勇気を持つ」、「フィードバックを通してすばやく学習する」という会社の 2 つの価値観を体現する場所
「キャンパーが仕事に全身全霊を傾け、同僚とつながれるように、Slack にはたくさんのクラブチャンネルがあります」と Montanari さんは言います。
「Slack があるので、新入社員もすぐに Culture Amp になじめます。仕事を順調に進めるための準備が全部すぐに整います。メールだとこう柔軟にはいかなかったでしょう」
困難な中でもキャンパーを元気づけ、つながりを保つ
Culture Amp が掲げる「互いを高め合う」というもう 1 つの価値観を推進するのにも、Slack が役立っています。#all-camper_yays(#全キャンパー_お祝い)では、キャンバーが昇進、誕生日、記念日、「キャンパーになった記念日」や、そのほかのよいニュースを祝っています。「感謝」Slackbot を使うと、誰でも「〜さんすごい!」とか「〜さん大感謝!」という投稿ができます。「Slack で感謝の言葉をかけるのはとてもすてきな方法です」と Montanari さんは言います。「会社の規模が大きくなるにつれて、『感謝』Slackbot の利用も増えました」。毎週金曜日に、このボットはその週にあった「感謝」を発表します。「このお礼の言葉をすべて 1 つのチャンネルにまとめてくれるので、みんなで成功をお祝いできます」と Fasciani さんは言います。「簡単にほかの人に賛辞を贈れますし、会社の価値観に従って行動できます。とてもすばらしいことです」。
Culture Amp は Slack で効率的なワークフローを実現し、世界中のキャンパーをつなげていたため、パンデミックが発生してからわずか 30 時間でリモートワークに切り替えることができました。「以前から Zoom と Slack を使ったワークプレイステクノロジーを導入していたので、すぐにスムーズに在宅勤務に移れました」と Fasciani さんは言います。経営陣は従業員にフォーカスし、一貫したコミュニケーションができました。「Slack は全員の結束感を高めてくれるので、これまで以上に Slack を頼りにしています」。
いまや Culture Amp の職場の重要な柱となった Slack を活用して、キャンパーは同社の価値観を日々体現しながら、世界中の会社に勤める数百万人もの従業員が自社の文化を取り入れて行動できるように支援するプラットフォームを提供しています。