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スタジアムからファンへ、情報をいち早く配信

「作成から承認・配信まで数時間かかっていたスポーツイベントのハイライトが、今や自社のソーシャルチャネルを通じてほぼリアルタイムで共有できるようになりました。これも Slack のおかげです」

FOXCTOPaul Cheesbrough 氏

Fox は、22,000 人以上の従業員が働く米国第 4 位のメディア企業です。同社の FOX Sports 部門はスポーツ生中継の提供で業界のリーダー的存在として知られており、世界中の数々のスポーツのイベントを数百本にわたって放映しています。これまでのスポーツ中継のなかでも特筆すべきは、ロシアで開催された 2018 FIFA World Cup™ でした。同社ネットワークによるこの大会の中継は視聴率の新記録を樹立し、ワールドカップ大会開催中、FOX Sports アプリは実に 26 億分にわたるコンテンツのライブストリーミングを行い、米国で第 1 位の座に輝きました。

イベントの生中継には、プロデューサー、デザイナー、出演者など、さまざまなメンバーのコラボレーションが必要ですが、全員が同じ場所にいることはまずありません。しかし数百万人もの視聴者の目にはすべてがシームレスに見えなければなりません。

これまで、プロデューサーやチームはそれぞれお気に入りのワークフローやメッセージングツールを使っていました。編集プロセスはほとんどがメール経由で行われていたので、リアルタイムとは言いがたく、放映やソーシャルメディアへの投稿前にチームがすぐに承認をもらえるような仕組みもありませんでした。複数の番組や部署をかけもちしているメンバーは、スマートフォンやコンピューターで多くのアプリを絶えずチェックしなければならず、非常に手間がかかっていました。

「効率性に欠けること、複数のコミュニケーションプラットフォームのライセンス料がかさむことに加えて、一つひとつのメッセージを追跡しにくいことも頭痛の種でした」と Fox で CTO を務める Paul Cheesbrough さんは言います。「返事をしなければならない重要なメールと、そうでない CC メールや参考メールを区別する手立てもありませんでした」。

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Cheesbrough さんは、組織全体のコラボレーションを改善し、さまざまなチームがスムーズにコミュニケーションをとり、情報を共有するための仕組みを取り入れたいというビジョンを持っていました。デジタル変革のイニシアチブを始動させた同社は、日々増え続ける効率化アプリやコミュニケーションアプリを、使いやすく導入も簡単で、組織全体に展開できるものに置き換えることを目指しました。

「私たちは、現地レポーターも、フリーランスのビデオエディターも、本社でフルタイム勤務のオペレーションマネージャーも、チームの誰もが簡単に連携でき、質の高いコンテンツをより迅速に作れる優れた方法を探していました。その方法は Slack で見つけました」

FoxCIOJohn Herbert 氏

現場の複雑なロジスティクスと運営を Slack で管理する

現在、Fox では 12,800 人以上の従業員とフリーランサーが日々のワークフローの一部として Slack を利用しています。Slack チャンネルの活用で、コンテンツを未公開の状態で整理し、データを安全な状態に保つことができるようになりました。

2018 FIFA World Cup™ の開催中、Slack は同ネットワークの中心的なコラボレーションハブとして機能し、ロシアの現地プロダクションや技術チームと、米国内に分散する同社のその他の部門をつなぐ役割を果たしました。プロデューサー、ビデオエディター、コピーライター、ソーシャルメディアストラテジストが 1 つのデジタルな場所に集まることで、必要なサポートやフィードバックが得られ、コンテンツの調整がこれまでになく迅速に、スムーズに行えるようになりました。

  • #worldcup-digital(#ワールドカップ-デジタル)という Slack チャンネルには、現地のスタッフが撮影した写真が投稿され、本社のプロダクションチームがそのファイルをすばやくダウンロードしてほかのチームが使えるようにほかのチャンネルに投稿します。このチャンネルを活用することで、特定のクリップや情報のリクエストもしやすくなりました。
  • 世界各地で展開するコラボレーションをシームレスに進めるために、チームは Slack 向け Zoom インテグレーションを使用してグローバル規模のブリーフィングを定期的に行いました。
  • チームメンバーからの緊急の質問は #production-triage(#プロダクション-トリアージ)に集められ、チーム内で発生する問題の優先順位付け専用チャンネルで、世界中のオンラインメンバーから回答が返ってきます。
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このような大規模イベントのテレビ中継では、200 人以上のフリーランサーがネットワークに加わります。こうした人材ができるだけ効率よく業務に取りかかり、同じ方向に向かって仕事を進められるように、チームは ServiceNow の Slack インテグレーションを利用し、新しいメンバーからのリクエストを即時に受け取り、承認できる仕組みを作りました。

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社内のメッセージ履歴は Slack チャンネル内に保存されるため、新しく加わったフリーランサーも進行中の作業の流れについていくために必要な情報を検索できます。その結果、トレーニングに時間をかけなくても実際の仕事に取りかかれるようになりました。

「うちのビデオエディターやソーシャルメディアマネージャー、プロデューサーは、Slack でリアルタイムでコラボしながらコンテンツを作っています。それぞれのグループは必要に応じて自分たちの管理権限やプライバシーを守っていますが、ワークフローに Slack を取り入れたことで部門間の壁がなくなり、社内コミュニケーションの円滑化目標の達成に大きく前進しました」

FoxCIOJohn Herbert 氏

Slack チャンネルでリアルタイムにコンテンツを作成

2018 FIFA World Cup™ のプロダクションチームを構成するメンバー 35 人は、ロシアだけでなく、ロサンゼルスやニューヨーク市、シャーロットなど世界中に分散していました。にもかかわらず、Slack を活用することで、まるで全員が同じ場所にいるかのように最新情報の共有や放映内容の調整がスムーズにいき、生中継を最大限に活かす方策を速やかに決めていくことができました。

  • 会期中、ロシアに滞在する同社のデジタルチームと米国ロサンゼルスのチームは、Slack の #world-cup(#ワールドカップ)チャンネルで頻繁にコミュニケーションをとり、ファンにとって一番いい方法で試合を中継する方策を話し合いました。Slack を使うことで、ハイライトやツイートで取り上げるべき場面や、自社のモバイルアプリのプッシュ通知で配信すべき瞬間をリアルタイムで調整することに成功しました。
  • あるチームが勝敗を分けるゴールを決めると、にわかに #highlights(#ハイライト)チャンネルが忙しくなります。プロデューサーがクリップの動画ファイルをチャンネルにアップし、プロダクションチームがこれをダウンロードします。
  • 担当のビデオエディターがリクエストされたハイライト部分をクリップし、#production(#プロダクション)に投稿。ここでは、関係者がチャンネル内でフィードバックや承認を行うことができます。
  • その間、ソーシャルメディアチームは関連するソーシャルメディアのコピーライティングに取りかかり、#digitalcontent(#デジタルコンテンツ)で共有します。
  • これらの内容が承認されると、最終的なコンテンツが各チャンネルで共有され、完了としてマークされます。これで、同社ネットワークのデジタル/放送チャネルを通じてプッシュする準備が整います。
  • #worldcup-performance(#ワールドカップ-パフォーマンス)チャンネルでは多彩な自社アプリやサービスと連係するインテグレーションを活用し、日々生み出される 130 本ものコンテンツを追跡します。CrowdTangle を連係させ、各コンテンツのパフォーマンスを追跡するシンプルなカスタムインテグレーションもありました。このインテグレーションにより、パフォーマンスに問題のあるコンテンツを瞬時に特定し、戦略をすぐさま調整できるようになりました。
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チャンネル内で仕事を進めることで、さまざまなチームが話し合いながら業務に集中できるようになり、関係者やパートナーにもアクセスしやすくなりました。こうした Slack 経由でのリアルタイムのコンテンツ作成プロセスが非常に効果的なことが判明したため、ウェブストリーム、ウェブサイト、モバイルアプリや放映中のライブ中継に追加でプッシュする試合のハイライトについても同じワークフローを導入しています。

「ワークフローを Slack に移さなかった人は、全員返信メールを 1 日に 1,300 通も受け取っています。こうしたメールを 30 人が受け取ったとして、自分に関係するメールはどのくらいあると思いますか。自分には関係ないと確認するためだけに目を通す時間の無駄も膨大なはずです」と Fox で CIO を務める John Herbert さんは言います。

Fox がコミュニケーションの一元化によりワークフローのさらなる迅速化を図る

Fox では、コンテンツ作成に求められるスピードがますます加速化する中、スポーツイベントの中継を続けながらソーシャルメディアを通じてファンとの間の質の高いエンゲージメントを維持するために、Slack のグローバル規模の導入が大きなメリットとなるだろうと考えています。

Slack の導入により、複雑なワークフローが効率化され、スピードアップしただけでなく、経営陣が経営判断を下すうえで必要な情報にも簡単にアクセスできるようになり、透明性も高まりました。Slack 上での効率的なコラボレーションが実証された今、Fox Sports はすでにさまざまな部門間の日々のコラボレーションの大半を Slack チャンネル内で行っています。

「FIFA World Cup™ 中継での成功体験により、Slack がスポーツイベントの生中継をいかに変えグローバル規模で共有できる瞬間へと変換できたかを社内で実証することができました」と Herbert さん。「2018 年末までには Slack を全社に導入したいと考えています。そうすれば、今日のデジタルな世界で、視聴者に最高の体験を常に届けることができるでしょう」。

承認を受けるために無数のメールを数日かけてやり取りする必要は、もうありません。Slack の導入により、Fox はソーシャルメディアに合わせた速度で意思決定を行い、コンテンツの共有ができるようになりました。「Slack が仕事をより手軽なものにしてくれました」と Herbert さんは話してくれました。