今回 Slack のプロダクティビティ賞(韓国)に輝いたのは、30 年以上にわたり業界を革新してきた韓国の IT サービスプロバイダー SK C&C です。プロダクティビティプラットフォームである Slack を活用して業務を自動化し、インシデントの監視と対応、問い合わせ管理などで、質の高いサービスを運営していることが評価されました。
SK C&C は、ハイブリッドクラウドの構築・運用や、IT プログラム管理などにおける技術的な専門知識により、製造、金融、通信、サービスなど多岐にわたる業界のデジタル変革を推進し、顧客企業の価値を最大化することに貢献しています。同社は、すでに Slack を利用していたグローバルなパートナー企業と緊密に協働したことがきっかけとなり、2015 年に Slack を導入。現在では、さまざまな場所にいる 1,100 名以上の従業員が、200 以上の Slack チャンネルを使って、連携して仕事を進めています。
SK グループ全体で Slack の導入を進める際に特に大きな存在となったのが、SK C&C 社内でインフラ運用を担う Hybrid Cloud2 グループです。これまでメールや個別のメッセージサービスを利用していた同グループでは、コラボレーションが十分に円滑とは言えませんでした。それが Slack を使って顧客、担当者、本社がつながったことで、顧客がいる現場で作業することの多い同グループでも、問題が発生した際にきめ細かな対応を行えるようになりました。マネージャーは、リアルタイムのモニタリング結果から問題の範囲を特定し、原因分析や次のステップに関する情報を共有できます。すべてを Slack に移行させたことで、業務の効率が向上し、チームの作業負荷が大幅に軽減されて、メンバーは重要な仕事に集中できるようになりました。
「問題の根本原因の特定から、その影響と範囲の把握、必要なアクションに至るまで、システム運用プロセス全体を効果的に管理するうえで、Slack はなくてはならないツールになっています」
Young-Deok Lim 氏がマネージャーを務める SK C&C の Life/Service Cloud チームでは、Slack を活用して、SK Networks、SK Innovation、SKC といった関連会社向けの共有インフラシステムを管理しています。同チームが担うのは、アプリケーションの開発と実行に必要なあらゆる要素(サーバー、オペレーティングシステム、ネットワーク、ストレージ、ミドルウェア)を含む、包括的なクラウド環境の運用管理です。
「システム運用では、予期せぬ問題や障害が頻繁に発生します」と Young-Deok Lim 氏は話します。「そのような重要な局面で、真価を発揮するのが Slack です。最近もシステムで問題が発生したのですが、その時も Slack を使ってアプリケーションの運用担当者と状況を速やかに共有し、効率的に解決することができました」
さらに同チームは、AWS や Azure といったクラウドサービスプラットフォーム上に構築されたシステムにおける、Kubernetes やコンテナベースの PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)などのクラウドコンピューティングの運用サポートも手がけています。そのサービスの提供においても、メンバーが Slack を使って互いに作業の進捗を伝えたり、コーディングの結果を共有したりすることで、対面でのコミュニケーションの必要性を減らしています。
「Slack を導入したことで、当社の構造を変革できました。マネージドサービスプロバイダーのエコシステムにおいて、システムの自動化は、収益を犠牲にすることなくコストを削減する手段になります。クラウドサービスを自動化・強化して、技術や環境の変化にスピーディーに対応することで、最終的にお客様にとっての価値を高めることができます。つまり、Slack を効果的に活用できるかどうかが、IT・通信業界での競争優位性を高めるうえで重要な要素になっているのです」
SK C&C のマルチクラウド管理プラットフォーム(MCMP)事業では、Dong-eun Kim 氏がマネージャーとして、ハイブリッドおよびマルチクラウドサービスの運用管理を統括しています。同チームは Slack の豊富なアプリケーションライブラリを活用して、ツールの切り替えによる作業の中断を減らし、効率化を実現。例えば、MCMP のガバナンスサービスを Datadog を使ってモニタリングし、関連するアラートが Slack の専用チャンネルに送信されるようにしています。「Slack は、一般的なビジネス用メッセンジャーの枠を超え、当社の運用サービスの質を高めてくれています」と Dong-eun Kim 氏は語ります。「例えば、最近、あるサービスのメモリが不足しているというアラートが Datadog から届いたのですが、その時も Slack のおかげで、問題を速やかに特定し、作業スケジュールを適切に調整することができました。その結果、サービスをまったく中断させずに済んだのです」
SK C&C は、多角的な視点からの意思決定がなされるよう、多様な意見やアイデアを受け入れる「コンセンサスの文化」を大事にしています。一方で、従業員の多くが現場に出ているため、情報を共有しにくいという課題がありました。例えば、ミーティングに出席できなかったグループに、十分に情報が伝わらないといった状況があったのです。それが今では、Slack の投票機能を活用して、スムーズにスケジュールを調整できるようになり、その結果、すべての人にとってより良い意思決定を下せるようになりました。
同社は、社内の文化やコミュニケーションを合理化するツールとして導入した Slack を、戦略的プラットフォームとして活用することで、情報共有や機敏性の向上を実現し、従業員の能力をさらに引き出して、あらゆる場所から最高のサービスを顧客に提供できるようになったのです。