Fastly では、アップタイムがすべてです。エッジクラウドプラットフォームとして、同社は、顧客が年中無休の 24 時間体制でオンラインアプリケーション、データ、コンテンツに確実かつスムーズにアクセスできる環境を提供しています。Vimeo、Pinterest や New York Times などの顧客を抱える同社では、コンテンツを迅速に提供すること、そして最高レベルのカスタマーサービスをスピーディに届けることを最優先事項に据えています。
そのどちらにおいても、Fastly は確実な実績を上げています。同社の顧客満足度は 98% を超えており、競争の激しいこの分野での差別化要因になっています。
こうした現状に満足することなく、Fastly は常にカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法を探しています。この一環として、同社が目を留めたのが Slack。社内のコラボレーションをサポートするだけでなく、Fastly とその顧客をシームレスにつなぐことができるプラットフォームです。
「(共有チャンネルの利用を決めたのは)Slack が当社の目的に最も適していたからです」と、Fastly のカスタマーエクスペリエンス担当ディレクターの Kami Richey 氏は説明します。「社内で複数部門にまたがるコミュニケーションに Slack を利用した後、これはお客様との間でも使えそうだと考えたのです。チャット感覚でよりスケーラブルなアクセスしやすい形でコミュニケーションが実現できると思いました」。
Fastly では Slack チャンネルを使用して顧客とつながり、コラボレーションできるようになったことで、問題の解決がスピードアップ。時には、問題が発生する前に解決してしまうこともあります。
「当社では、積極的な対応モデルで問題発生を未然に防ぐよう努めています。コミュニケーション手段のひとつとして Slack を提供することで大きな違いが生まれており、お客様からもそれを裏づける声が聞かれています」
Fastly がチャンネルを活用して優れたカスタマーサービスをさらにレベルアップ
Fastly では、プレミアムサポートパッケージの一部として、法人顧客に専用の Slack チャンネルでのサポートを提供しています。「顧客企業からは、Fastly がまるでその企業のチームメンバーとして参加しているような、密接なチームワークが感じられるという声をいただいています。こうした感覚は、Slack あってこそのものだと思います」と Richey 氏は語ります。
Fastly の顧客にとってはアップタイムが非常に重要なため、疑わしい点に気づいた時には、即時対応が必要となります。 幸い、Fastly のグローバルサポートチームは年中無休の 24 時間体制で対応しているため、例えば顧客側でトラフィックが突然急激に増加した時などは、Slack チャンネルで Fastly の特定のチームメンバーをメンションしたり、@support と入力して問題に注意を向けたりすることができます。「チャンネルに当社の担当者が集まり、対応を始める様子がお客様にも確認できます。これに対してメールでのやり取りの場合、お客様にはほとんど見えないところで対応が進むことになります」と Richey 氏は説明します。
カスタマーサポート案件が完了すると、同社では改善すべき場所がないか知るために、対応プロセス、手順や顧客からのフィードバックについて振り返ります。同社の NPS Slack チャンネルは顧客満足度を追跡し、経営幹部に最新情報を直接送信します。Fastly のカスタマーサービス担当バイスプレジデントの Kim Ogletree 氏は、追加のサポートが必要な顧客に自ら連絡を取り、製品のフィードバックは製品チームに、サービス関連の課題はカスタマーサービスマネージャーになど、NPS チャンネルで適切な部署に対応すべき事項を割り当てます。
「Slack なら、お客様がメンバーを適宜会話に参加させ、同様に当社からも担当者を加えることができるので、みんなが 1 か所に集まって議論を進め、問題の解決や質問への回答がしやすくなります」
Slack でチームの垣根を越えたコラボレーションをよりスムーズに実現
カスタマーサービスを成功させるには、コラボレーションが欠かせません。現場で活躍する Fastly の営業担当者は、チャンネルを活用して、製品、エンジニアリング、セールス、経理といった各チームのエキスパートを顧客に直接つなげることができます。「メールでは部門を超えたコミュニケーションがしにくいように感じます」と Richey 氏は説明します。「Slack なら、お客様がメンバーを適宜会話に参加させ、同様に当社からも担当者を加えることができるので、みんなが 1 か所に集まって議論を進め、問題の解決や質問への回答がしやすくなります」。
Fastly では、社内でも複数の部門が参加するチャンネルを活用して、経営陣や対象のテーマに関するエキスパートを集め、サポートが必要な案件の解決策を生み出しています。たとえ土曜日でも、主な参加者が通話に参加したり、Slack のモバイルアプリ経由でアドバイスを提供したりすることで、問題の解決を進めることができます。
「Slack を使えば、即座にアクティビティを確認し、必要に応じてイベントのトリアージを行い、その重大度を判断して、適切なメンバーを割り当てることができます」と Ogletree 氏は語ります。「そうすることで、必要なアクションをほぼリアルタイムで的確に判断することができるのです」。
このチャンネルに集まる情報は、後日、必要に応じて参照するためのアーカイブとしても機能します。問題の経緯がすべて集約されているため、顧客とのミーティング中に問題の詳細を説明し、事後の検証を行うのもスムーズ。同様の事態の発生を未然に防ぐために、ナレッジを社内で共有することもできます。
「エンジニアリンググループとデバッグ作業を行う場合でも、ネットワークやプラットフォームに関する問題を特定する場合でも、当社のほかのメンバーがほぼリアルタイムで問題の解決に加わっている様子がお客様に見えるため、皆が力を合わせて対応に当たっていることが実感できます」
Slack の「危機管理」チャンネルで一大イベントに備える
大規模なイベントへの対応ももちろん重要ですが、そうした事態に事前に備えるのもまた大切です。オンラインストアのセールイベントやストリーミングイベントなど、顧客企業で重要なイベントが予定されている際には、Fastly は危機管理チャンネルをセットアップし、不測の事態に備えます。
こうしたチャンネルの設定は、「まずプロジェクト計画をチャンネルにピン留めすることから始まります。Slack の特長といえる機能のひとつですね」と Ogletree 氏。イベントの開催中には、あらゆるメンバーがチャンネルに集まります。「イベント中にはトラフィックを監視し、問題の徴候に目を光らせ、すべてが問題なく進んでいることを確かめます」。注意が必要な事態が発生しても、すべきことが明確に把握できているのでチームもすぐ対応が可能。「適切な担当者をメンションしたり、対応してほしいメンバーに待機してもらったりします。チャンネルが当社のコミュニケーションの基盤として機能しています」と Ogletree 氏は続けます。
こうした積極的なアプローチは、1 度限りのイベントに限定されません。同社では、法人顧客に対してメンテナンスなどのアクティビティを伝えるために、Statuspage インテグレーションを使ってほぼリアルタイムで最新情報を提供しています。「RSS フィードをお客様の Slack チャンネルに配信してステータスの更新情報を表示し、そこで質問も受けつけています」と Richey 氏は説明します。このインテグレーションにより、Fastly の更新情報や改善内容がお客様にも見えやすくなりました。
カスタマーサービスは、かつて一般的だった退屈な保留音と 45 分待ちの世界から大幅に進化しました。Slack を活用することで、Fastly はまるで顧客のチームの一員のように協調したサービス体験をほぼリアルタイムのサポートと積極的な問題解決を通じて提供しています。