フィンテック企業の Revolut は、ヨーロッパの企業の中でも特に革新的かつ画期的な企業です。2015 年に設立された同社は、数十万のアクティブな企業を含む約 2,500 万人以上の顧客を抱えるまでに急成長しています。
同社は金融サービスを社会のバックボーンと捉えており、できるだけ多くの個人や企業にとって使いやすい資産管理サービスを提供することを目標としています。
Revolut は、多くの人にとって大きな課題であった両替時の高額な手数料を解消したいという思いからスタートしました。両替時に上乗せ手数料が発生しないアプリとしてリリースされ、その後まもなく、顧客のニーズに応じた各種モバイルバンキングサービスが追加されました。Revolut は、「すべての人のために国境のない経済を実現してその力を解放する」というミッションのもと、ユーザーが資産を手軽に管理することのできる包括的な金融プラットフォームとなりました。
同社は、何百万人ものユーザーの金融プロセスを合理化する一方で、急速に成長する同社のリモートワークや非同期的な働き方のプロセスを合理化できるソリューションを必要としていました。そこで、Slack を導入することにしたのです。
プロダクティビティプラットフォームで営業チームの設立・拡張・研修を実現
興味深いことに、Revolut に正式な営業部門が誕生したのは 2020 年のことでした。新型コロナウイルスにより全社員がリモートワークを余儀なくされたことをきっかけとして設立されたのです。
「当社で B2B 営業を開始したのは 2020 年 4 月、つまり新型コロナウイルスのパンデミックが発生した直後です。それ以降、グローバルに 1,000 人近く営業担当者を採用し、その全員がリモートで仕事をしています」と話すのは、Revolut で VP of Global Sales を務める Matthew Acton Davis 氏です。
Slack により、Revolut におけるリモートのプロセスは一変しました。同社は、プロダクティビティプラットフォームで SMB とエンタープライズのセールスチームを結成し、アカウントマネージャーを採用。さらにプロダクトセールスエグゼクティブチームを設立して製品プロモーション活動を最適化しています。
急成長中の企業が新入社員の研修を行うのは容易なことではありません。リモートの場合はなおさらです。しかし、Slack を活用することで、Revolut は新しいチームメンバーの研修を効率的に実施すると同時に、活気に満ちた企業文化を育むことができたのです。
「2 週間ごとに新入社員グループを作成しており、現時点でどのグループにも 100 人近くが参加しています」と Acton Davis 氏は言います。
「当社では、新入社員グループ専用の Slack チャンネルを用意することで、企業文化や仲間とのつながりを築けるようにしています。営業は共感力が問われる仕事です。フルリモートで仕事をする場合、チームとこうしたつながりを築くことが重要なのです。だからこそ、Slack チャンネルを通じて企業文化を促進できるようにしているんです」。
「営業は共感力が問われる仕事です。フルリモートで仕事をする場合、チームとこうしたつながりを築くことが重要なのです。だからこそ、Slack チャンネルを通じて企業文化を促進できるようにしているんです」
通話から非同期型コラボレーションへ移行
パンデミックによって、あらゆる企業が働き方やプロセスの見直しを余儀なくされました。人々が自宅で仕事をするようになり、効率的かつ非同期的な働き方とコラボレーションがこれまで以上に重要であることが明らかになったのです。
Acton Davis 氏は、「皆が苦労しているんです。ほとんどの企業にとって大きな変化でしたし、それまではビデオ通話を重ねる傾向にあり、実に非効率な働き方をしていたんです」と振り返り、次のように続けます。
「実際、当社が最近行った分析で、営業部門で電話での全体会議を 30 分行うたびに、約 10 週間分の営業時間が失われることがわかったんです」。
Revolut の営業チームは、世界中に拠点を置くメンバーで構成されており、広く分散した働き方をしているため、できるだけ電話でのやり取りをなくして別の方法を見つけ出す必要があることは明らかでした。
そのためには、全員が自分のペースで仕事を進められる非同期型コラボレーションへの移行が不可欠でした。「Slack は、これを実現するために欠かせないツールです」と Acton Davis 氏は強調します。Slack のさまざまなコラボレーション機能により、チームは状況に応じて最も効率的なコミュニケーション手段を選べるようになりました。
「当社が最近行った分析で、営業部門で電話での全体会議を 30 分行うたびに、約 10 週間分の営業時間が失われることがわかったんです」
ワークフローにより業務効率と生産性を向上
「そのために、当社ではセールスイネーブルメントを重視しており、すべての営業担当者ができるだけ活発に参加できるようにしています」と Acton Davis 氏は言います。
同社が利用するツールの 1 つが Slack のカスタムワークフローです。営業担当者はこのツールを使って、製品、営業プロセス、営業スキルなどに関する質問をしています。営業チームは、ワークフローのデータをセールスイネーブルメントプロセスに活用して、トレンドのクエリと最新の回答で継続的に改善を加えています。
また、顧客の質問や製品に関する問い合わせを専用チャンネルで集約するカスタムワークフローも作成しています。このワークフローによって、Revolut ではこうした問題を分類できるようになり、その結果、営業担当者は業務上の問題に対処する時間を減らして、営業に集中する時間を確保できるようになりました。
「当社の次の目標は、こうしたさまざまなワークフローを統合し、一元化することで、営業担当者と顧客が直面するあらゆる顧客の問題に対して、単一のエスカレーションポイントと情報源を確保することです」と Acton Davis 氏は語ります。
Slack と Salesforce の統合でプロセスを効率化
Revolut は Salesforce インスタンスを 6 か月前に導入したばかりの新規ユーザーです。同社が CRM を選択する際に重視したのは、次の 3 点です。Salesforce を選んだ大きな理由の 1 つが Slack でした。
1)カスタマイズ。Salesforce の商談プロセスは、Revolut とプラットフォームの機能に合わせて徹底的にカスタマイズすることができます。
2)自動化。営業チームが業務を効率化することで、営業担当者はできるだけ少ないプロセスで業務を進められるようになります。Salesforce のセールスエンゲージメント製品や Einstein(アクティビティのキャプチャが可能)のようなアプリは、Revolut のニーズに対応しています。同社ではすでに Slack のカスタムワークフローによって定型タスクを削減できており、Salesforce とのインテグレーションでさらに柔軟かつ強力な運用が期待できます。
3)インテグレーション。「Slack と Salesforce ともに、重要なポイントです。パートナーアプリケーションが非常に豊富で、このサードパーティのネットワークは見事です」と Acton Davis 氏は話します。Revolut では、顧客のオンボーディングプロセスと金融犯罪チームを Slack と Salesforce で統合することで、チームがプロセスを合理化して Customer 360 のメリットを活用できるようにしています。
「パートナーアプリケーションが非常に豊富で、このサードパーティのネットワークは見事です」
Slack の新機能で仕事をよりスムーズに
Revolut は、Dreamforce 2022 で発表された Slack の canvas に大きな期待を寄せています。Slack の強力なコラボレーション機能に新たに加わった canvas によって、大規模な顧客との商談をこれまで以上に効率化できると感じているのです。
Acton Davis 氏は、canvas が実現する高い透明性と部門横断型の連携という大きな価値を強調します。同氏は、canvas によって Revolut 社員のプロダクティビティプラットフォームでの取り組み方がますます変わっていくだろうと確信しています。「このような会話すべてに単一の情報源を設けることで、取り組んでいることを全員が認識できるようになるため、働き方が変わることになるでしょう」と Acton Davis 氏は話します。