ミスコミュニケーションとは?その原因や弊害、解消ポイントを解説
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ミスコミュニケーションとは?その原因や弊害、解消ポイントを解説

ミスコミュニケーションが起こると業務に支障をきたします。ミスコミュニケーションの定義や原因の他、起こったことによる弊害や解消ポイントについて解説します。

Slack チーム一同作成2022年12月7日

仕事を進めるうえでのコミュニケーションの重要性は、ビジネスパーソンの共通認識として広く知られています。それでも、コミュニケーションに起因するトラブルはたびたび発生します。

中でも多く見られるのが、「ミスコミュニケーション」と呼ばれるコミュニケーション上の問題です。ミスコミュニケーションは「コミュニケーションの失敗」という意味になりますが、具体的にはどのような状況を指すのでしょうか。また、ミスコミュニケーションをなくして業務を円滑に進めるには、どうすればよいのでしょうか。

この記事では、ミスコミュニケーションの定義とその弊害のほか、ミスコミュニケーションを予防・改善する方法などについて解説します。

ミスコミュニケーションとは、認識の相違が起こっている状態のこと

ミスコミュニケーションとは、情報を伝える側と受け取る側に、認識の相違が起こっている状態を指します。「きちんと話したはずなのに正しく伝わっていなかった」「指示どおりに行動したはずなのに誤りだと言われた」というような場合は、ミスコミュニケーションが起こっている状態だといえるでしょう。

 

仕事におけるコミュニケーションでは、些細な伝達ミスが大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。そのため、発信側と受け手側の双方が、ミスコミュニケーションが起こらないように十分注意を払わなければなりません。

ディスコミュニケーションとの違い

ミスコミュニケーションと似た言葉に、「ディスコミュニケーション」があります。ミスコミュニケーションはコミュニケーションをとったうえで認識違いが起こっていますが、ディスコミュニケーションはコミュニケーション自体が行われていない、または機能していない状態のことを指します。

コミュニケーションのトラブルという点では同じでも、ミスコミュニケーションは「伝えたけれど正しく伝わらない」、ディスコミュニケーションは「そもそも伝えていない」ということであり、それぞれ意味が異なります。

コミュニケーションギャップとの違い

もうひとつ、ミスコミュニケーションと混同しやすい言葉に「コミュニケーションギャップ」があります。コミュニケーションギャップとは、立場や世代、文化などの違いによって起こる、コミュニケーションのずれのこと。

コミュニケーションギャップの主な原因は、育ってきた時代背景や文化、それによって生まれた価値観の違いです。そのような違いがあるにもかかわらず、自分の価値観を正しいと信じて相手にも同じ解釈を求めてしまうと、無意識のうちにコミュニケーションギャップが起こりやすくなります。

ミスコミュニケーションによる弊害

友人や家族間の気軽なやりとりであれば、ミスコミュニケーションが起こっても笑い話で済むかもしれません。しかし、業務におけるミスコミュニケーションは、時として重大なトラブルにつながる可能性があります。

例えば、納期や品質に関する伝達にミスが起こると、顧客トラブルを招いたり、社会的な信用を失ってしまったりすることもあるでしょう。

その結果、営業機会の損失や業績の低下など、経営に関わる大きなダメージを受けるおそれがあります。また、危険物を扱う仕事や安全管理など、職種によってはミスコミュニケーションが人命に関わることもあるのです。

ミスコミュニケーションを小さな誤解と軽く考えず、日常的なコミュニケーションからミスを起こさないという意識を持つことも大切です。

ミスコミュニケーションの原因

ミスコミュニケーションの発生は、情報の発信側と受け手側のどちらにも原因があります。どちらも、自分はきちんとコミュニケーションをとっていると考えているため、トラブルが顕在化するまでミスに気づきにくいという特徴があります。

ミスコミュニケーションによるトラブルを防ぐためにも、ミスが起こる原因をしっかりと把握しておくことが大切です。ミスコミュニケーションが起こる原因について見ていきましょう。

伝えるべき情報が歪曲されて伝わる

ミスコミュニケーションが発生する原因のひとつとして、伝えるべき情報が歪曲されているケースが考えられます。

ここでいう「歪曲」とは、事実をわざとねじ曲げて嘘の話をすることではありません。受け取った情報に対して、自分の価値観にもとづく解釈を加えてしまい、その結果として本来の意味が変わってしまうことを指します。

例えば、同僚から「◯◯さんがあなたの話をしていた」とだけ聞いて、「◯◯さんに悪口を言われた」などと思い込んでしまうことが、情報の歪曲にあたります。

冷静に考えれば話をしていたというだけで、その内容については語られていません。もしかすると、ただ業務に必要な話をしていただけかもしれないのです。それを歪曲し、さらに誤った解釈のまま他人に伝えるようなことがあっては、職場の人間関係にもひびが入ってしまいます。

このようなミスコミュニケーションを起こさないためには、「事実を事実として認識しているか」「本来の意味と異なる解釈をしていないか」など、しっかり注意を払う必要があります。

伝えるべき情報を省略しすぎる

情報を伝える時に詳細を省略すると、受け手の認識違いを招きやすくなります。「あれ」「これ」「例の件」などという伝え方では、省略された情報について、受け手が自身の判断で解釈するしかありません。

上司が A というプロジェクトのつもりで伝えても、部下は B というプロジェクトだと解釈して業務を進め、やり直しがきかない段階になってミスコミュニケーションに気づくといった事態も起こりうるのです。

コミュニケーションをとる際には、抽象的な表現を避け、具体的に伝えることを心掛けなければなりません。「最低限」「なるべく早く」「いつもどおり」といった言葉も、ミスコミュニケーションの原因になりやすいため、程度・日時・頻度について、具体的に伝えることが重要です。

伝えるべき情報が一般化される

一般化とは、自分の経験や考え方をもとに、皆同じだろうと思い込んでしまうことを指します。

例えば、「今週中」という言葉を聞いて、何曜日の何時を思い浮かべるかは、人によって違います。土日休みの会社であれば金曜日の終業時間までかもしれませんし、土曜日や日曜日だと考える人もいるでしょう。

人は、無意識のうちに自分の解釈が一般的だと思いがちですが、その決めつけがミスコミュニケーションを招く原因になってしまいます。自分と相手の認識が同じだと思い込まず、立ち止まって確認することが大切です。

ミスコミュニケーションを防止するには?

一歩間違うと重大なトラブルにつながりかねないミスコミュニケーションですが、日々のちょっとした工夫で防止することができます。

ミスコミュニケーションは、トラブルが起こってから対処するのではなく、未然に防ぐことが大切です。下記の対策を取り入れて、ミスコミュニケーションの原因になる情報の歪曲・省略・一般化を防ぎましょう。

記録が残るツールを利用する

口頭だけの情報伝達は、伝えたつもり・理解したつもりによるミスコミュニケーションを招きがちです。さらに、ミスコミュニケーションによるトラブルが発生した時、「言った」「言わない」の水掛け論になってしまいます。

仕事上のコミュニケーションは、メールやチャットなどを活用して、やりとりの記録を文字で残すようにすることが重要です。メモでも記録は残りますが、紙のメモは紛失や破損のリスクがあります。テキストデータによる記録があれば、不足している情報や思い違いがないかを、後日確認する際にも役立ちます。

ひとまず口頭で伝えた内容であっても、確認のために、あらためてメールやチャットで送っておくのが効果的です。

コミュニケーションのルールを決める

ミスコミュニケーションのリスクを減らすために、社内やチーム内でコミュニケーションのルールを決めておくのも良い方法です。具体的には、「必ず期限を明確にする」「 5W1H を意識して情報を伝える」といったルールが挙げられます。

あらかじめ設定したルールにもとづいて情報伝達を行えば、認識の相違を防ぐとともに、必要な情報が足りない時にもすぐに気づくことができます。タスクの依頼や進捗報告などについては、テンプレートを用意するのもいいでしょう。

質問や意見交換しやすい環境を整える

コミュニケーションを活性化し、メンバー同士が日常的に意見交換しやすい環境を整えると、不明点があった時にもすぐに質問や確認ができます。

しかし、上司や先輩が忙しそうにしていると、つい声をかけるのをためらってしまうものです。そのような場合は、困った時に誰に相談すれば良いかを事前に決めておくのもひとつの方法です。特に新入社員には、メンター制度の導入が効果的です。

形容詞や副詞ではなく数値で伝える

コミュニケーションをとる際に、「安い」「近い」などの形容詞や、「すぐ」「少し」といった副詞の使用を避けることも、ミスコミュニケーションを防止するポイントです。

形容詞や副詞は、個人の感覚によって捉え方に差が生じます。同じ金額でも安いと思う人もいれば高いと思う人もいるため、ビジネスにおいては安易に使用すべき言葉ではありません。

形容詞や副詞を使いたくなった時は、代わりに数値で伝えるように意識してみてください。例えば、「すぐ折り返します」ではなく「◯時に折り返します」と伝えれば、ミスコミュニケーションを防ぐことができます。

リマインドする

リマインドには、「思い出させる」という意味があります。ミスコミュニケーションを防ぐためのリマインドとは、念入りな確認のことを指します。

特に重要な情報を伝えた場合は、相手に正しく理解されたかどうか、繰り返し確認を行いましょう。これは、情報を受け取った時も同様です。

自分の理解に誤りがないか、認識の食い違いはないかを確認することで、ミスコミュニケーションによるトラブルの防止につながります。

トラブルや失敗例を共有する

万が一コミュニケーションのトラブルや失敗が起こった場合は、ケーススタディとして社内やチーム内で共有することも大切です。

他人の失敗例から学び、なぜミスが起こったのか、どうすれば防げたのかを検討することで、会社として同じミスを繰り返さずに済むでしょう。

失敗例とその対処法を、マニュアルや FAQ にまとめて共有するのもひとつの方法です。

コミュニケーションをとりやすい環境を整える

スムーズにコミュニケーションがとれる環境を整えるには、ビジネスツールやコミュニケーションツールの導入も効果的です。

ビジネスコミュニケーションツールとして知られている Slack なら、グループチャット、 1 対 1 でのメッセージのやりとり、映像と音声でコミュニケーションを行えるビデオ会議など、多彩なコミュニケーション機能で社内のコミュニケーションを円滑化・活性化させることができます。

リモートワーク(テレワーク)などで従業員同士が直接顔を合わせる機会が減少しても、このようなツールを活用すれば問題なくコミュニケーションをとれるでしょう。

ミスコミュニケーションを解消してスムーズに業務を進めよう

ミスコミュニケーションは、情報を伝える側と受け取る側の認識の相違によって起こるコミュニケーショントラブルです。ミスコミュニケーションが発生すると、生産性や品質の低下、信用の失墜といったデメリットにつながる可能性があります。

ミスコミュニケーションは無意識のうちに起こっていることも多いため、防止するには、そもそも認識の違いが起こらない仕組みを作っておくことが大切です。対策には、情報伝達ルールの設定や文字による記録などさまざまな方法がありますが、中でも効果的なのがコミュニケーションツールの活用です。

ビジネスコミュニケーションツールである Slack には、精度の高いコミュニケーションのために必要な機能が豊富に備わっています。ミスコミュニケーションを解消して業務を円滑に進めるために、 Slack のような便利なツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ミスコミュニケーションとは、情報を伝える側と受け取る側に、認識の相違が起こっている状態を指します。「きちんと話したはずなのに正しく伝わっていなかった」「指示どおりに行動したはずなのに誤りだと言われた」というような場合は、ミスコミュニケーションが起こっている状態といえるでしょう。仕事におけるコミュニケーションでは、些細な伝達ミスが大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。そのため、発信側と受け手側の双方が、十分注意を払わなければなりません。
ミスコミュニケーションは、トラブルが起こってから対処するのではなく、未然に防ぐことが大切です。口頭だけの情報伝達は、伝えたつもり・理解したつもりによるミスコミュニケーションを招きがちです。さらに、ミスコミュニケーションによるトラブルが発生したとき、「言った」「言わない」の水掛け論になってしまいます。仕事上のコミュニケーションは、メールやチャットなどを活用して、やりとりの記録を文字で残すようにすることが重要です。そのためには、コミュニケーションのルールを決め、質問や意見交換しやすい環境を整えるといったことも大切です。ほかにも、「安い」や「すぐ」のような、形容詞や副詞を使ったあいまいな表現ではなく、数値で伝えるように意識したり、認識の食い違いがないか、リマインドしたりすることもミスコミュニケーションの防止につながります。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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