1930 年代以降、アメリカなど金融業界における市場の健全性は取引記録に支えられてきました。実際に、米国証券取引委員会が市場操作に対する法律を執行する際はこれらの記録をもとにしています。
例えばアメリカでは、1930 年代の書類棚に詰め込まれていた情報が今やスマホのなかにあり、規制当局は従業員の個人用 iPhone からすぐに重要な記録を見つけ出せるようになりました。そのため銀行は、従業員が個人用端末で業務やビジネスに関するメッセージを送信しないよう、常に注意しなければなりません。
金融機関が競争力を保つためには、速やかなコミュニケーションが肝心です。その際、組織は従業員や顧客が望む場所で彼らとつながる必要があります。Slack はそうした課題を解決し、仕事がより快適に進むよう設計されています。
次から次へと業務や取引が発生し、規制も厳しい業界において、Slack は安全なコミュニケーションプラットフォームとして機能するだけではありません。Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)として仕事を進めるデジタル上の拠点となるため、組織は人やツール、顧客、パートナーをつないで本当に効果的なコラボレーションを進められるようになります。その効果は、ユーザーの皆さまが証明しています。Slack のデータによれば、Slack を使うチームは生産性が 49% 高いことがわかりました。さらに Slack ユーザーの 88% はチームとの連携が深まったと感じ、71% はもし Slack を利用できなくなったら困るだろうと答えています。
セキュリティとコンプライアンスを重視するビジネスでも、Slack を使えば効率的なコミュニケーションを諦める必要はありません。
「Slack が特別なのは、効率性だけではありません。同僚と顔を合わせて仕事ができない時に、私たちが求めるやり取りが実現できるのです」
エンタープライズグレードのセキュリティでコミュニケーションを促進
Slack の製品管理担当 SVP を務める Ilan Frank が常に考えているのは、規制当局を満足させつつ、仕事をスムーズに進められる安全なソリューションでした。
「規制の厳しい業界の場合、コンプライアンスやセキュリティの要件を、いかにエンドユーザーの生産性を落とさない方法で満たすかが重要です」と、Frank は話します。「コンプライアンス要件をただ満たすだけでは十分ではありません。使いやすく、快適かつ生産的なシステムも必要なのです」。
それこそがまさに、Slack の Enterprise Grid の強みです。Enterprise Grid プランでは、組織のデータをあらゆる層で保護することで業界独自の規制やプライバシー標準を満たしつつ、ユーザーのコントロールと可視性を確保します。
例えば、Slack の Discovery API 経由でサードパーティ製の eDiscovery アプリを使うと、Slack 上のメッセージやファイルを外部に保存でき、それらをあとから検索、アーカイブ、取得することも可能です。これにより、チームのコミュニケーション内容を、米国金融業規制機構(FINRA)などの市場規制機関が求める期間は自動的に保存するルールを設定できます。
Slack にとって、ユーザー企業のニーズを満たし、法令に準拠した安全なインフラストラクチャを構築することは最優先事項です。Slack で Senior Director of Software Engineering を務める Larkin Ryder は、Slack のリスク・コンプライアンスチームのメンバーには金融業界の経験者が多いと話します。彼らは大手金融機関をサポートできる能力を持ち、規制対象領域について深く理解しているそうです。
しかし、Slack がほかの安全なソフトウェアと違っているのは、自動化とインテグレーションを巧みに組み込んで円滑なユーザー体験を実現している点だといいます。「Slack が特別なのは、効率性だけではありません」と、Ryder は続けます。「Slack には親しみやすく、人間味があります。同僚と顔を合わせて仕事ができない時に、私たちが求めるやり取りが実現できるのです」
ここでその例を紹介します。グローバル投資会社の Man Group は、コロナ禍で 1,400 人の従業員をリモートワークに移行させるため、Slack を導入しました。Man Group の Chief Technology Officer としてコアテクノロジーを担当する Tom Price 氏は、特に魅力を感じた機能として Slack のエンタープライズモビリティ管理を挙げます。「この機能がセキュリティ境界となることで、顧客データや個人情報データを内部で損失するのを防げます」。
安全なコラボレーションを組織の外にも拡大
グローバルでは、金融業界の大手企業は、メールだけの世界にはもはや戻れないと感じています。Gartner のグローバル調査によれば、仕事での私用端末の使用は、コロナ禍で多くの人が自宅やサテライトオフィスに分散する前から増えていたようです。2020 年に私用端末で仕事を進めた経験があるフルタイムの従業員は 55% でした。
今後も従業員が私用端末を使い続けるのなら、企業にはコミュニケーションのセキュリティとコンプライアンスを維持するための新たなツールが必要です。これこそが、Slack コネクトが普及した理由の 1 つです。この機能を使うと、チャンネルベースのメッセージを社外パートナーや顧客にまで広げることができます。
Slack コネクトは、スパムやフィッシングのリスクがつきまとうメールや、承認されていないアプリに代わって社外とやり取りできる手段です。社内外のコミュニケーションを 1 つのプラットフォームで進めることで、組織はあらゆるやり取りの保護と監視が可能になります。
さらに、社外メンバーがアクセスできるものとできないものをコントロールすることもできます。例えば、管理者はユーザーによるファイルのアップロード機能をブロックしたり、共有するチャンネルに投稿されたメッセージ内の機密情報を DLP インテグレーションによって自動的に編集したりできるほか、Slack コネクトチャンネル内のデータの保存期間を会社のポリシーに合わせてカスタマイズすることも可能です。
ベルリンを拠点とする Solarisbank は、一般データ保護規則(GDPR)の厳格な要件を遵守しながら、Slack コネクトを使ってさまざまな社外関係者と連携しています。特に重宝しているのは、1 対 1 の会話で共有されたものを含め、すべてのメッセージとファイルに対して保存ルールを設定できる機能です。
Solarisbank の Vice President of TechOps である Dennis Winter 氏は、「Slack は、人やチーム、マシンを 1 つにまとめてくれる最も効率的な方法でした」と話しています。
安全な Digital HQ で仕事を進めましょう
Slack を自社の Digital HQ にすれば、あらゆるチームとツールを安全な場所に集約できるだけでなく、組織のコンプライアンスに必要な設定が可能です。従業員がやり取りするプラットフォームが使いやすいものであれば、メールや未承認のアプリに戻ってしまう可能性は低いでしょう。そうすれば、仕事がさらに快適になり、会社の安全性はさらに高まります。
こちらから、Slack ワークスペースと Enterprise Grid オーガナイゼーションの管理やカスタマイズに関する詳細を参照できます。