リモートワークへの対応では、柔軟性、アクセシビリティ、自律性を確保することが重要です。しかし、非同期型のコラボレーションがうまく機能しなければ、どうなるでしょうか。
リモートワークにしっかりと対応しているチームでも、互いの顔が見える形での会議が必要になることがあるでしょう。リモート会議を行うには、信頼性の高いビデオ会議ソフトウェアが必要です。その際、ポイントとなるのは、自社に最適なビデオ会議(Web 会議)プラットフォームをいかに選択するかです。その選択によって、チームの会議文化が特徴づけられ、職務上のつながりが築かれるからです。それが生産性が向上するか、低下するかの分かれ目になるかもしれません。大きな決断です。しかも、無数に存在している Web 会議用プラットフォームの中から選ばなければならないのです(気楽にいきましょう!)。
何から手をつければよいかわからない場合も、心配ありません。この記事では、さまざまなビデオ会議(Web 会議)プラットフォームを紹介し、Slack との連携によってチームの生産性を引き上げる方法について説明します。
ビデオ会議とは
ビデオ会議を利用すると、同僚とのリモート会議を実施できるようになります。リモートやハイブリッドで働く人がいるチームの場合、これは必要不可欠です。
リモートワークでは非同期型のコミュニケーションが基本になりますが、互いの顔が見える形でのコラボレーションが不要になるわけではありません。ビデオ会議は、会議の場をバーチャル空間に移すことによって、柔軟で場所にとらわれない働き方の実現に役立ちます。
対面のメリットとリモートの柔軟性を両立
ビデオ会議は、企業文化にかかわらず、あらゆる職場で重要な役割を担っています。Web 会議を行うことで、柔軟な職場環境を保ちながら、対面での会議環境を擬似的に構築できます。リモートワーカーが会議に参加できるようになるほか、遠隔医療の実現や、国や地域をまたいだコミュニケーションの促進などにも貢献します。
自社に適した形態の選択 : グループ通話または 1 対 1 の通話
ビデオ会議には、主に 1 対 1 とグループという 2 つの種類があります。ここでは、両者の違いについて説明します。
1 対 1 のビデオ通話では、2 人がビデオ通話に参加し、それぞれが今いる場所から互いにやりとりします。リモート診療の予約をとって医師の診察を受けたり、上司に仕事の報告をしたり、顧客としてカスタマーサポート担当者と話したりしたことがある人は、すでに 1 対 1 のビデオ通話を経験していることになります。
グループのビデオ会議では、利用するソフトウェアは 1 対 1 の場合と同じですが、出席者が 3 人以上であり、通常はメインの発表者や司会者がいます。自宅から参加する人もいれば、大勢が教室や会議室に集まって 1 台のカメラを共用する場合もあります。例としては、全社規模の進捗会議、ウェビナー、バーチャル講義などが挙げられます。
よりインクルーシブな会議を実現できる一方で、画面の見過ぎによる疲労に注意
ビデオ会議は優れたリモートコラボレーションの実現に不可欠な要素ですが、短所もあります。まずは、メリットから見てみましょう。
- コミュニケーションの向上 : 互いの顔が見えることで、バーチャル会議の価値が高まります。チームメンバーの身振りを目にすることができれば、コラボレーションを明確に進めやすくなります。
- グローバル規模のリーチ : ビデオ会議であれば、顧客、パートナー、その他の関係者が世界中のどこにいても会議を実施できるため、組織で実現できるリーチが拡大します。
- インクルージョンの推進 : Web 会議は、インクルーシブなデジタル職場環境の実現に貢献します。障害や個人的な事情を抱えている従業員は、対面での会議に出席することが困難な場合があります。ビデオ会議なら、より柔軟でアクセシビリティの高い環境を用意できます。
一方で、ビデオ会議ではいくつかの課題に直面することもあります。例えば、以下のようなものです。
- 画面の見過ぎによる疲労と会議疲れ : 「今日は家の外に出たかな?」と思うほど、画面を一日中見つめ続けていることがないでしょうか。あらためて言うまでもなく、コンピューターの画面を長時間にわたって見続けることは、疲れ目、頭痛の原因となり、ビデオ会議疲れを招くおそれもあります。
- 技術上の問題 : ビデオ会議ではインターネット接続とソフトウェアプラットフォームを利用するため、チームは技術的な不具合に見舞われやすくなります。さらに、オンライン会議に出席するユーザーには、ある程度の技術的な知識が求められます。
- アイデアの発信者の偏り : リモート会議の場合、参加者の誰もが意見を出せるという場になりにくい可能性があります。Web 会議では、アイコンタクトなどのちょっとした身振りや手振りは見落とされてしまいます。発言者以外の参加者はミュートされることで、発言に割って入ることが難しかったり、気まずさが生じたりする場合があります。つまり、さほど外向的ではない人やビデオ会議テクノロジーを使うのが苦手な人は、アイデアを発信する機会が少なくなるおそれがあります。
多種多様な選択肢 : チームにとって最適なビデオ会議プラットフォームを選択する方法
どのビデオ会議ソフトウェアが自社の組織に適しているかは、予算や、すでに導入されているツール、チームの規模、利用したい機能によって異なります。以下のような機能によって参加者が得られるメリットも、考慮する価値があります。
- コミュニケーションを活気づける絵文字リアクション
- ライブでのプレゼンテーションや視覚的な参考情報の提供に役立つ画面共有
- 会議中にその場でコラボレーションを進めるためのバーチャルホワイトボード
- シンプルなビデオ会議を臨機応変に実施できるハドルミーティング
- Slack の Calls API などの API インテグレーション
広く利用されているビデオ会議アプリ
以下にいくつか挙げた Web 会議アプリは、あらゆる形態や規模の企業で広く利用されています。いずれも Slack との連携に対応していて、Slack ワークスペースから会議の作成、編集、参加ができます。
Zoom
Zoom のビデオ会議ソフトウェアは 2020 年に爆発的に普及し、以後は業界標準となっています。エンドツーエンドでの暗号化機能や、あらゆる規模の組織に対応する段階的なサブスクリプションが提供されており、モバイルとデスクトップの両方に対応しています。Zoom は幅広く普及しているため、社外の顧客やパートナーと定期的に会議を実施している企業に向いています。
Google Meet
Google アカウントを持っているユーザーは誰でも、Google Meet のビデオ会議を利用できるため、小規模な企業にとっては手堅い選択肢になります。無料バージョンの Google Meet の場合でも、最大 100 人が会議に参加できます。これ以上の参加枠が必要な場合は、Google Workspace の有料プランに新規登録できます。Workspace のプランには、ホワイトボードツールやソーシャルメディアとの連携といった追加的な機能へのアクセスが含まれています。
GoTo Meeting
GoTo Meeting は幅広いセキュリティ機能を備えているため、バーチャル会議に高水準のセキュリティを求める企業に最適です。シングルサインオン、セッションの暗号化、出席者の除外機能が提供されており、会議のセキュリティを確保できます。
Slack ハドルミーティング
ハドルミーティングは、対面での臨機応変な会話を実現する、Slack のビデオ会議機能です。チャット、画面共有、絵文字リアクションの機能も利用できます。ミーティングの終了後には、ハドルミーティング専用のスレッドを使って、フォローアップやファイルの共有が可能です。
Slack でビデオ会議を 1 つ上のレベルに引き上げる方法とは
カレンダーでいくつもの招待を調整したり、会議用のリンクを追ったり、直前に慌てて準備をしたりする必要はありません。Slack をコラボレーションのプラットフォームとして利用している場合は、Slack の Calls API でお気に入りのビデオ会議ツールと簡単に連携して、スラッシュコマンドやキーボードショートカットを利用できます。例えば、Zoom のユーザーは /zoom コマンドですぐに会議を開始できます。
お気に入りのビデオ会議ツールを、仕事の現場である Slack と連携させることで、組織の生産性を飛躍的に引き上げることが可能になるのです。