Slack は本日、Salesforce チャンネルを Salesforce のユーザーインターフェイスに直接組み込めるようになったことを発表します。「Salesforce チャンネル」は、Salesforce の顧客データと、Slack でのチームの会話をつなぐ専用の Slack チャンネルです。また、Slack において Tableau Next と Salesforce の承認機能も利用できるようになります。これらにより、緊密に統合された Salesforce のプラットフォームと Slack との連携がいっそう深まります。
従来の仕事環境には、顧客データが保存されている場所と、チームが仕事をする場所が異なっているという課題がありました。営業チームは Salesforce で作業しながら、会話は Slack で行い、決定事項はメールの受信トレイにたまっていく……。スピーディーな対応が求められているのに、情報やツールが分断され、経緯や進捗をしっかり把握できないという状態に陥りがちでした。AI エージェントが活躍するこれからの時代に、このような分断があると、人間とデジタルエージェントのどちらもが、優れたカスタマーエクスペリエンスの提供に必要な情報を入手できない事態になってしまいます。
そこで、Salesforce の豊富な顧客データと機能を Slack に統合するために開発されたのが Salesforce チャンネルです。そして、このたび、その Salesforce チャンネルを Salesforce の UI からも利用できるようになります(今後数週間かけて展開予定)。これにより、メンバーが Salesforce と Slack のどちらで作業していても、チームはリアルタイムのデータをもとに、認識の共有、コラボレーション、アクションの実行をすべて 1 つのチャンネルで行えるようになります。
さらに、Salesforce の顧客データの価値をさらに引き出せるよう、会話内でのインサイト活用に役立つ機能も追加されます。まもなく Slack で利用できるようになる Tableau Next のリアルタイム分析と Salesforce の承認リクエスト機能により、チームはデータにもとづいて短時間で意思決定を行い、作業をさらにスピードアップできるようになります。Salesforce プラットフォームとの連携で強化された、エージェント対応の「Work OS」である Slack により、あらゆるチームが摩擦を解消して、よりスマートに仕事を進められるようになります。その結果、企業は目標をさらに効率的に達成できるようになるでしょう。
Salesforce チャンネルとは?
Salesforce チャンネルは、取引先や商談、案件といった Salesforce レコードと、チームの会話をつなぐ場所です。このチャンネルにより、データと会話に Slack と Salesforce の両方からアクセスできます。部門の枠を越えたチームが最新の顧客データをもとに連携できることで、よりスピーディーでスマートな意思決定が可能になります。

Salesforce チャンネルによって、Salesforce と Slack のいずれで作業しているチームメンバーも、1 か所でコミュニケーションができます。
Slack における Salesforce チャンネルでは、通常のチャンネルにはない独自の新機能を利用できます。
- チャンネル内の専用タブから、レコードの詳細と、関連する Salesforce リストに即時にアクセスが可能。チームの会話の中から、直接 CRM データにリアルタイムでアクセスしてデータを更新できます。
- タブに組み込まれている CRM のクイックアクションを使えば、システムを切り替えることなく複数のタスクを簡単に処理。業務プロセスをスピードアップできます、
- 関連する Salesforce チャンネル内の会話を AI で要約することも可能。チームは要約タブから、最新の顧客のアクティビティや情報を把握できます。
- CRM データとともに、リストや canvas、ビジネスツールのインテグレーションといった Slack のネイティブ機能を利用することで、生産性の向上やアクションのスピードアップを導けます。
「Salesforce チャンネルで、チームの働き方が根本から変わりました。Slack から Salesforce のデータに直接アクセスして、データを会話と組み合わせられるようになったことで、仕事のスピードと見通しが大幅に向上しました」
このチャンネルに Salesforce の UI からアクセスできることで、Salesforce で作業しているユーザーも、アプリを切り替えることなく Slack でのチームの会話に参加できます。自分の仕事に最適な環境にいながら、状況を包括的に把握して、より情報にもとづいた対応をよりスピーディーに行えるようになります。

Salesforce で作業している人も、Slack を利用しているときと同じように、チームと簡単に会話ができます。
Salesforce 上からリアルタイムでメッセージを送受信できるだけでなく、スレッドでディスカッションを整理したり、絵文字リアクションで自分の思いを表現したり、自動化ワークフローを起動したりも可能。便利な Slack の機能を活用して、スムーズに仕事を前に進められます。
Salesforce チャンネルで、あらゆる部門の仕事を前へ
ある大型案件が、請求の問題で滞っているとします。営業チームとカスタマーサービスチームの足並みを揃えるだけでも簡単ではないところに、もうひとつ問題があります。財務チームは Salesforce を使っていないのです。
そんな時こそ Salesforce チャンネルの出番です。このチャンネルなら Salesforce と Slack のどちらを使っているかにかかわらず、すべての部門が 1 つの場所で CRM レコードの内容を把握しながらディスカッションできます。Agentforce も利用でき、チームはエージェントから意思決定に必要な情報をすぐに得て、リアルタイムで問題を解決できます。すべての関係者と必要な機能を 1 か所に集約することで、日単位ではなく分単位で問題に対処して、案件をスムーズに進められます。

Salesforce チャンネルの利用イメージ : Salesforce で行ったチームの会話が Slack にもリアルタイムで反映されます。
Salesforce チャンネルは、Salesforce の標準またはカスタムのどのオブジェクトにも組み込めるため、顧客に関するあらゆる取り組みで利用できます。チームでの活用例をさらにご紹介します。
- カスタマーサービスの問題解決 : ケース対応用のチャンネルで、Service Cloud で作業しているカスタマーサポート担当者と Slack で作業しているエンジニアが連携することで、エスカレーション時の混乱をなくし、カスタマーエクスペリエンスの提供を効率化できます。
- 顧客からの注文の管理 : 注文対応用のチャンネルで、Slack のモバイルアプリを使っている倉庫担当者と、オフィスにいるカスタマーサポート担当者がリアルタイムで協力して、問題を速やかに解決できます。
- マーケティングキャンペーンの戦略立案 : キャンペーン用のチャンネルで、複数のマーケティング担当者が協力して、キャンペーンの計画、立ち上げ、トラブルシューティングを実施。アセット、承認、結果を 1 つの場所で管理できます。
「Salesforce チャンネルは、お客さまの複雑な問題にチームで対応するための新しい方法になるでしょう」と述べるのは、IBM の Consulting Salesforce Practice Leader である Mary Rowe 氏です。「Salesforce と Slack にある取引先のアクティビティを 1 か所で把握できることで、従業員はお客さまの状況を正確に理解して、成果に結びつけることができます」
Slack で Tableau Next を使って、データをアクションに変換
多くの企業が大量のデータをもてあまし、インサイトの抽出に苦労しています。不足しているのはデータそのものではなく、そのデータを、チームが信頼してコラボレーションに活用できる、タイムリーで実用的なインサイトへと変換する能力です。
このような状況を打破するのに役立つのが、Salesforce に組み込まれ、Data Cloud と連携した初のエージェント型分析プラットフォームである Tableau Next です。従来のダッシュボードを超える能力を備えた Tableau Next は、統合されたセマンティックレイヤーをもとに、信頼性の高い実用的なインサイトを提供。構築済みの分析スキルにより、誰もが速やかにデータからアクションを導けるよう支援します。
6 月 13 日より、Tableau Next は Slack にネイティブに組み込まれ、チームの会話やダイレクトメッセージ、canvas で AI によるリアルタイムのインサイトを利用できるようになります。データからさらなる価値を引き出し、サイロ化を解消して、仕事をしているその場所で迅速にスマートな意思決定を行えるようになることで、コラボレーションを変革できます。
Tableau Next と Slack の連携でできること
- データにもとづいた意思決定がより速やかに : Tableau Next のリアルタイムのインサイトや AI による指標を、Slack のチャンネルやダイレクトメッセージで簡単に共有できます。
- 信頼できる共通の情報源にもとづいたコラボレーション : リアルタイムかつインタラクティブな指標を canvas に組み込むことで、チーム間のコラボレーションがさらに有意義に。ワークフローやリスト、アクティビティにも分析をシームレスに統合できます。
- Slack 上でインサイトを理解・検討 : Agentforce を介して、分析に関する質問を自然言語で行い、回答をチームに共有。営業からカスタマーサービスまで、あらゆる部門でスマートな意思決定を行うのに役立ちます。
- インサイトをさらに引き出す : Tableau Next をもう一度クリックするだけで、より詳細なインサイトが得られます。
Slack で Salesforce の承認機能を使って、業務をスムーズに
営業担当者なら誰もが、承認の遅れが案件の失敗につながることを知っているでしょう。プロセスが分断されていると、案件が停滞し、メールの受信トレイに溜まったリクエストを手作業でフォローしているうちに、好機を逸してしまいます。
このような状況に対応するために導入されるのが、Salesforce の承認機能を Slack で利用できる仕組みです。メールの確認に追われたり、アプリを切り替えたりする必要はもうありません。チームが今コラボレーションをしているその場所で、Salesforce の承認機能を利用できるようになります。必要なアクションは、Slack 上で直接、承認か却下かをクリックするだけ。詳細な背景とリアルタイムの最新情報を参照しながら、すばやく的確に承認プロセスを進められます。
Slack での Salesforce の承認機能でできること
- リクエストを速やかに承認 : 承認のリクエストが発生すると、今仕事をしている Slack にリアルタイムで通知が届きます。
- アクションを即座に実行 : リクエストの承認 / 却下を Slack 上で速やかに行えます。システムの切り替えや Salesforce へのログインは不要です。
- 可視性の向上と適切な責任の割り当て : 未決の承認リクエストについての情報をわかりやすく表示。必要な通知は、適切な関係者に適時に送られます。
エージェント時代に、このようなイノベーションが重要である理由
Slack と Salesforce が一元化されることによって、顧客に関するチームの業務がさらにスムーズになります。Agentforce がチームの一員として機能する環境を整えることにも役立ちます。
「人間とエージェントが協力して仕事を進めるという、新たなコラボレーションの段階に到達しようとしています」
構造化型の顧客データと非構造化型のチームの会話データの両方を用いて、Agentforce に顧客についての詳細なストーリーやビジネスのニュアンスを伝えることで、エージェントは状況に即した支援を提供し、画期的な成果を導いてくれます。

Slack と Salesforce のどちらを使っていても、チャンネル内でメンションするだけで、Agentforce を会話に加えることができます。
例えば、取引先の手強い CFO との交渉を控えた営業担当者には、Agentforce がチャンネル内にある背景情報と、関連するキャンペーンのデータなどの Salesforce データを精査して、交渉を成功させるためのアプローチや推奨トピックを提示してくれます。
Salesforce チャンネルで Agentforce が利用可能になることで、メンバーは Slack と Salesforce のどちらからでも「従業員エージェント」とやり取りできます。このエージェントは、チームと顧客の両方のニーズを総合的に理解して、適切かつ具体的な方法でタスクを実行。チームの能力を何倍にも高めてくれます。
「Salesforce チャンネルで Agentforce を利用して“デジタルメンバー”をチームに加えることで、チームの能力が飛躍的に向上し、かつてない速度でケースを解決できるようになりました」と、Slalom の Global Slack/Salesforce TMT Leader である Christine McHone 氏は説明します。「人間とエージェントが協力して仕事を進めるという、新たなコラボレーションの段階に到達しようとしています」
Slack と Salesforce の組み合わせがもたらす力をご体験ください
今後数週間以内に、Slack および Salesforce のすべてのユーザーに対して Salesforce チャンネルが展開され、さまざまな分野の企業の皆さまにこのチャンネルの力を直接体験いただけるようになります。Salesforce における会話レイヤーとして、Salesforce チャンネルは、チームで顧客の状況を包括的に共有して、コラボレーションを行える唯一の手段です。このチャンネルにより、チームは協力して効率的に仕事を進め、生産性を高め、卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになるでしょう。
Salesforce のスタンダードエディションを利用し、かつ Slack の無料または有料プランを利用しているユーザーの皆さまは、今後数週間以内に Salesforce チャンネルを使用できるようになります。詳細や開始方法については、Salesforce の営業担当者までお問い合わせください。
*本記事内にて、まだ開発中でリリースされていないサービスや機能について言及されている場合があります。購入の決定は、完全にリリースされ、利用可能になっている機能にもとづいて行うようにしてください。