AI の導入でかえって仕事が増えている、ということはないでしょうか?
ツール間でのコピー&ペーストを繰り返したり、1 つの回答を得るのに 17 ものタブを開いたり、返ってくる答えが的外れだったり……。多くのチームは、AI を使うことで仕事が増えているように感じています。
AI の導入がうまくいかないのは、AI の知性が不十分だからではなく、コンテキストが不足しているからだと、Slack は考えています。意思決定のプロセスや、プロジェクト開発サイクル、チームによる問題解決の方法は、会社ごとに異なります。そこで AI とチームの会話を結びつけることができたら、一人ひとりが的確な回答を得て、迅速なアクション、スマートな協働、成長の促進を導けます。従業員ごとの生産性向上が掛け合わされることで、効率化が進むだけでなく、組織としての成長の可能性も最大限に引き出せます。チームがよりすばやく回答を得て、重要な仕事に集中し、アイデアをアクションに変えられるようになるほど、会社全体の成長スピードも速まります。
私たちは Dreamforce において、Slack 内で直接機能し、AI を日々の仕事に取り込める、以下の新しいイノベーションを発表しました。
- Slackbot : 個人向けにカスタマイズされた AI コンパニオン。ユーザーごとの働き方を学習し、優れたサポートを即座に提供します(2026 年早期にリリース予定)。
- エンタープライズ検索 : 自社のすべてのナレッジに 1 か所でアクセス可能。メッセージ、ファイル、連携済みアプリ内を瞬時に検索して、必要な情報を見つけ出せます。
- Slack のネイティブ AI : 日々の仕事に役立つ、組み込みのインテリジェンス。普段仕事をしているその場所で、会話の要約、コンテンツの下書き、最新情報の把握をすばやく行えます。
それでは以下で詳しく見ていきましょう。
Slackbot が一人ひとりの生産性を最大限に引き出す
Slack をお使いの方にはすでにお馴染みだと思いますが、Slackbot はリマインダーや通知、カスタム応答を送信できる組み込みの個人用ボットです。このたび、その Slackbot が、個人向けにカスタマイズされた AI コンパニオンとして生まれ変わります。新しい Slackbot は、会話、ファイル、ワークフローから得た背景情報をアクションに変えます。
Slackbot は、Slack および Google ドライブ、Salesforce、OneDrive などの連携システムに保存されている、メッセージ、ファイル、カレンダーイベントから情報を集め、明確なインサイトを生成します。その人の日々の仕事を理解しているため、ただ当たり障りのない応答をするようなことはありません。働き方に順応し、状況に応じたインテリジェントな回答を提供し、その人の言葉遣いやトーンを反映させることも可能です。
Slackbot は信頼性を重視して構築されています。そのユーザーが権限を持つチャンネル、ファイル、メッセージのみにアクセスし、それ以外のデータには触れません。回答や要約はすべて個人別のワークスペースから引き出されるため、機密情報の安全が保たれます。このような環境の中で、Slackbot は効率化を実現するパートナーとして、ユーザーが集中して仕事を進められるよう支援します。
「個人用の AI コンパニオンとしてあらゆる従業員と協働する Slackbot は、次世代の生産性を体現する存在です。これにより Salesforce のチームは、仕事を取りまとめるのにかかる時間を減らし、お客さまに価値を提供するための時間を増やせます」
来年早々に Slackbot の一般提供を開始できるよう準備を進めている私たちは、社内で自ら Slackbot を試験的に利用しています。そこで以下では、Salesforce のメンバーによる Slackbot の活用方法の一部をご紹介します。
- 1 日の始まりや会議の前に情報を把握する。1 日の仕事を始める時にも、大事な会議の準備をする際にも、Slackbot は最も重要なことに集中するのを助けてくれます。例えば「今日、私が優先すべきことは何ですか?」と尋ねると、その日に予定されている会議、至急のメッセージ、未処理のタスクが即座に提示されます。また、顧客へのプレゼンの前に「マーケティング会議用に canvas にある ABC 社のビジネスレビューを要約して」や「私の言葉遣いでプレゼンのトークトラックを作成して」と依頼すると、Slackbot が最新の情報、ファイル、メッセージを 1 つの資料にまとめてくれるため、準備万端整った状態でプレゼンに臨めます。
- 会話から顧客インサイトを引き出す。営業の電話や顧客からのフィードバックには貴重なインサイトが詰まっているものの、文字起こしして確認するには何時間もかかります。Slackbot なら通話を瞬時に分析して、主要なトピックを要約し、次のステップを提案してくれるため、重要事項を見落とすことがありません。例えば「昨日の ABC 社との打ち合わせを要約して、課題、予算の見込み、実施項目をまとめて」と依頼できます。こうして文字起こしを詳細に確認する時間を節約し、インサイトに基づいたアクションの実行に注力して、案件を前に進めることができます。
- チーム間で背景情報を共有する。部門横断的なプロジェクトは、複数のチャンネル、ツール、タイムゾーンで進行します。Slackbot はそのすべてを 1 つのビューにまとめてくれます。例えば、関係者とのミーティングの前に「#営業-戦略 と #財務 内の新しい料金モデルに関する議論を要約して」と依頼できます。Slackbot が最新情報をまとめ、決定事項を明示し、未解決の疑問を抽出してくれることで、関係者全員で十分に認識を共有したうえでプロジェクトを開始できます。
- デバッグとリリースを迅速化する。エンジニアリングチームにおいて、Slackbot は集合知をもとにチームで協力して問題を解決するのを助けます。問題が起きた際に「#バックエンド での API のレイテンシーに関する最近の議論を要約して」「直近のスプリントで言及された開発の阻害要因を見つけて」などと依頼できます。Slackbot は技術に関するスレッド、インシデントレポート、ドキュメント内を検索して、パターンを分析し、修正を要約し、次のステップも提案してくれます。チームは情報の探索を Slackbot に任せて、すぐに構築に取りかかれます。
「Slackbot はあらゆることに詳しい、24 時間 365 日対応してくれるパートナーのような存在で、私たちの能力を何倍にも引き上げてくれます。営業担当者の成功には、価値をすばやく理解し、結びつけ、提供する能力が欠かせません。Slack の機能の中で、Slackbot ほど私の仕事に影響を与えたものはないでしょう。まさに画期的です」
ここで紹介したのは、Slack 組み込みの個人用 AI コンパニオンで実現できることのほんの一例です。分析から要約、整理、作成まで、ユーザーが集中力を保ち、生産性を向上させ、仕事を前進させるのに Slackbot が力を発揮する機会は無限にあります。
エンタープライズ検索であらゆる情報が見つかる
会話からファイル、各種ツール内まで、情報はいたるところに存在します。それが見つかりにくいと、働く人は本来の仕事ではなく、情報を探し回るのに時間を浪費してしまいます。この課題を解決するために、Slack は今年、エンタープライズ検索をリリースしました。これは、サードパーティーのアプリやドライブを Slack と連携させて、社内のあらゆるナレッジとデータを一元的に検索できるハブを生み出すものです。これによりチームは、会話形式の方法で、仕事の流れの中で直接、1 か所で必要な情報を見つけることができます。アプリを切り替える必要はもうありません。
エンタープライズ検索なら、どのような質問でも瞬時に回答を得られます。メッセージや canvas、接続先のシステムからもインサイトを引き出せるため、仕事の流れを妨げることなく全体像を把握できます。埋もれているファイルでも、議事録内の決定事項でも、プロジェクトの進捗でも、ドキュメントの奥底にある指標でも、エンタープライズ検索なら、文脈にもとづいた適切な情報が見つかります。
つながりを強化する機能はまだあります。まもなく登場する新しいカスタム API コネクタを使えば、社内のナレッジリポジトリやオンプレミスのソフトウェアの安全な検索が可能に。Gmail、Outlook、Dropbox、Notion 用などの、すぐに使える新しいコネクタにより、チームが普段使っているツールにアクセスを拡大できます。その結果、チームがすでに仕事をしているその場所に、AI を活用し、背景情報と結びついた、信頼できる唯一の情報源が生まれます。
仕事をしているその場所で機能するネイティブ AI
AI がその力を最も発揮するのは、ユーザーが仕事をしているその場所で利用される時です。そこで私たちは、Slack のあらゆる場所にネイティブ AI を組み込み、日々の仕事やワークフローの中で AI を簡単に活用できるようにしました。
営業、カスタマーサービス、マーケティング、製品の各チームが、すでに Slack の AI を使って次のことを実現しようとしています。
- 会話への集中力を高める : AI を活用したハドルミーティングにより、議事録を自動的に記録
- グローバルな連携力を強化 : メッセージのリアルタイム翻訳により、希望する言語でのコミュニケーションを実現
- 大規模な成果物をすぐに作成 : AI による要約で canvas に情報をすばやくまとめる
- 情報をその場で把握 : AI による説明で、頭字語や略語の意味を理解
Slack に組み込まれた AI により、あらゆるチームが明確に情報を把握し、自信を持ってスピーディーに仕事を進めることができます。
Slack は AI、エージェント、人間が協調して生産性と成長を導く場所
エージェント時代に成功を収めるには、単に従来型の仕事の上に AI を乗せるのではなく、働き方そのものを見直す必要があります。その新しい働き方の「ホーム」となるのが、人、データ、アプリ、AI エージェントが協調してビジネスを前進させる会話型インターフェイス、Slack です。
従業員の生産性を高める準備はできていますか?
- チームにぴったりのプランを見つける
- Slack の管理者に連絡して、アクセスをリクエスト
- 営業担当者に問い合わせて詳細を確認し、利用を開始





