研修は新任担当者の体験を大きく左右するものです。成果の高いセールスイネーブルメントチームやマネジメントチームでは、担当者が研修初日からチームの一員だと感じられるようにしています。最初の数週間は今後知っておくべき同僚や、仕事の役に立つツールや情報を教えることになるでしょう。
しかし、研修のプロセスが十分でない場合もあります。というのも、マネージャーにはそれぞれのアプローチがあるうえ、新任担当者が情報を消化する方法もさまざまだからです。Slack では、研修を柔軟にカスタマイズできるようにする一方で、担当者たちに必要な情報を確実に把握してもらえるヒントやテクニックを見つけてきました。私たちのやり方をご紹介しましょう。
1.Slack 検索で社内に蓄積されたナレッジを活用
営業や研修のマネージャーなら誰でも知っているように、新任担当者には質問したいことがたくさんあります。そんな時に強い味方となるのが、Slack の検索機能です。これを使えば、質問すべき相手やその方法を知っている必要はありません。
担当者がログインするのは空の受信トレイではなく、Searchable Log of All Communication and Knowledge(あらゆるコミュニケーションとナレッジの検索可能なログ)の略とも言える Slack です。チームや得意先のチャンネルには豊富なナレッジが蓄積されているため、担当者は Slack の強力な検索機能で必要な情報に素早くたどり着くことができます。
実際、Slack 社内の営業部門用ワークスペースには、ほぼ 10 年間にわたってナレッジが蓄積されてきました。そのため、社内では新任担当者に対して検索機能の使い方や、フィルターでの絞り込み方法について時間をかけて説明しています。さらに、研修は退屈なものとは限りません。社内ではデジタル脱出ゲームを使って検索テクニックを楽しく共有しています。
2.Slack チャンネルでデジタルファーストなコミュニティを構築
多くの営業部門と同じように、私たちも新規採用者研修をリモートで実施しています。この場合、参加者たちのコミュニティ意識と共通体験の構築が特に重要です。Slack 社内では、新規採用者が正式に入社する 2~3 週間前にこのプロセスを開始し、Welcome to Slack というゲストワークスペースにアクセスできるようにしています。このワークスペースでは Slack を自由に使ってみたり、エンジニアリング、マーケティング、製品など他部門の同期とつながったりする機会を得られます。
研修チャンネルに招待するのは正式な入社日です。そこでは「お気に入りの GIF アニメは?」や「ペットの写真を見せてください!」など緊張をほぐすような投稿から始めて、参加者に慣れてもらいます。このチャンネルは、研修のさまざまな段階を一緒に進むうちに、メンバーにとってのデジタルコミュニティになります。
全体研修が終わると、新任の営業担当者たちは営業部門の研修チャンネルに追加され、4 週間のブートキャンプが始まります。このチャンネルでは、研修での体験を聞き合ったり、お互いの質問に答えたりすることができます。ほかにも活用しているのが Donut という Slack アプリです。これはチャンネル内のメンバーをランダムに組み合わせて、気軽なおしゃべりをする日時を設定するアプリで、お互いについて知るきっかけになります。
3.自動化で上質な研修体験を実現
新規採用者の入社日が確定すると、その日付を Donut に入力します。するとそこからワークフローが始まり、研修プログラムへのリンクや新メンバーをサポートするための情報が採用マネージャーに送られます。その後も数週間にわたって、採用マネージャーのもとには Donut から確認ミーティングの設定リマインダーやそこで話すトピックのリストなどの情報が届きます。
新任担当者には、営業バディも割り当てられます。バディは通常、担当者が配属されるチームのベテランメンバーです。バディには担当者との 1 対 1 のミーティングを設定するよう促されるほか、そこで尋ねるべき質問も届きます。
こうしたプロセス全体を自動化することで、社内では新任担当者とのタッチポイントを安定確保できるようになりました。マネージャーやバディは担当者とのやり取りに関する提案を受け取るものの、その場のニーズにリアルタイムで柔軟に対応することもできます。
4.ワークフローとクリップで課題を管理
営業ブートキャンプの間、新任担当者たちは毎週新しいテーマについて学び、割り当てられた課題をこなします。課題の提出方法を標準化するために社内で活用しているのが、定型タスクをノーコードで自動化するワークフロービルダーです。担当者が課題を提出する時は、ワークフローに従って必要な情報を入力するだけ。これにより、担当者からの質問が減るだけでなく、イネーブルメントチームやマネージャーが課題の提出者・未提出者を把握するのも簡単です。
さらに課題の提出では、短い音声や動画を Slack に録音・録画できるクリップも活用しています。例えば、市場における対競合戦略について学んだ担当者に対して、自社の競合優位性に関するピッチを録音・録画して提出するよう求めるのもよいでしょう。クリップを使えば、Slack 上で直接録音・録画できるだけでなく、チャンネル内でシームレスに共有できます。さらに研修のほかの参加者たちが、お互いのクリップを視聴して学ぶことも可能です。また研修の進捗をマネージャーと共有する際は、メンション機能を使えばスムーズです。
クリップとワークフローを使うと、研修の規模を自在に広げられるだけでなく、研修を受ける本人たちも便利になります。さらに、全体の進捗状況が見える化されるため、採用マネージャーはサポートが必要なところをすぐに発見することができます。
5.時間のかかるタスクをワークフローにお任せ
製品を売るには、その製品をよく知り、使いこなせなければなりません。Slack 社内では、新任担当者が自社の製品について最初からしっかりと理解できるよう、各自のペースで進められるインタラクティブな Product 101(製品入門)コースをワークフロービルダーで作成しました。
ワークフローを始めるには、新任担当者が #product-101
チャンネルに参加し、歓迎メッセージに絵文字リアクションをつけるだけ。コースは 4 つの短いモジュールで構成され、それぞれが Slack 製品の主な柱をカバーしています。各セクションには、クリップや参考資料へのリンクが充実しているほか、リマインダー設定などの Slack 上のアクティビティや、学んだ内容をおさらいするナレッジチェックもあります。
コンテンツはワークフローで管理されるため、担当者は自分のペースで最後まで進められます。学んだ内容の復習も、新しいナレッジの応用も、定着テストも、すべてが学ぶ対象の Slack 上で完結するというわけです。
6.重要ツールを Slack に連携させて集中力をキープ
Slack 社内では、重要なツールをできる限り Slack に連携させています。これにより、新任担当者は今仕事を進めているそのその場所で疑問を解決できるため、集中力が途切れません。
活用するツールの 1 つが、収益分析プラットフォームである Gong です。このインテグレーションでは、あらゆる通話内容に対して所属部門に関係するパラメータを設定でき、通話の内容が条件に合うと、その録音へのリンクがついたダイレクトメッセージが Slack に届きます。新任担当者はその通話内容を聞くことで、製品のポジショニング方法や、見込み客に対して効果的な言葉を学べるというわけです。
また、学習管理システムも Slack と連携させています。このインテグレーションでは、トレーニングが割り当てられた時や、期限が近づいた時&超過した時に、新任担当者とマネージャーの両方にアラートを自動送信します。これにより、担当者は自分に割り当てられた内容を簡単に把握でき、マネージャーはその進捗を把握することができます。
7.同僚たちに安心して質問できるチャンネルを作成
10 年分の蓄積ナレッジにアクセスできても、時にはなかなか答えが見つからない問題が出るものです。そんな場合に備えて、Slack 社内では新任担当者同士が質問し合えるチャンネルを用意しています。フェアビリングポリシーに関する質問がある時や、物流業界の見込み客向けピッチの準備にヘルプが必要な時、チャンネルに投稿するだけで解決です。
特にすばらしいのは、このチャンネルがリアルタイムでのアーカイブともなる点です。1 回出た質問は、2 回、3 回と繰り返すものです。でもこのチャンネルで解決すれば、未来の新任担当者がその答えを Slack 上で見つけられます。結局、Slack 検索に話が戻りましたね。これこそ、検索が特に重要な研修スキルである所以です。