業種や職種にかかわらず、仕事を進めるうえで欠かせないのが、他者との円滑なコミュニケーションです。社内のコミュニケーションがスムーズにいくかどうかが、業務の効率性やクオリティを左右するといっても過言ではないでしょう。また、良好なコミュニケーション環境を作るには、押さえておきたい大切なポイントがあります。
この記事では、円滑なコミュニケーションの必要性やメリットのほか、コミュニケーションを円滑にするための改善方法などについて解説します。
円滑なコミュニケーションとは?
社内における円滑なコミュニケーションとは、発信側と受け手側がお互いにストレスなく、相談や意見交換を行えるコミュニケーションのことです。
コミュニケーションが円滑に行われていれば、伝えるべき内容が正確に伝わり、なおかつ、相手との間に信頼関係やつながりが生まれます。そのために求められるのは、お互いが相手を尊重し、理解しようとする気持ちです。風通しが良く働きやすい職場を作るうえでも、円滑なコミュニケーションはなくてはならないものなのです。
円滑なコミュニケーションはなぜ必要?
日々の業務を遂行するためには、円滑なコミュニケーションは欠かせません。では、なぜ円滑なコミュニケーションが必要なのでしょうか。その必要性について、あらためて考えてみましょう。
業務効率が下がる
円滑なコミュニケーションが行われていない職場では、意志の疎通や情報共有がうまくできません。従業員同士のスムーズな協力体制がとれず、上司も部下の業務の進捗状況を把握しづらいため、結果的にチーム全体の業務効率を低下させてしまいます。
また、ミスやトラブルが起こった場合、コミュニケーション不足のために発見や報告が遅れ、被害が拡大してしまう可能性があります。そのような事態を避けるためにも、普段からの円滑なコミュニケーションが必要になるのです。
従業員のモチベーションが下がる
円滑なコミュニケーションが行われずに業務効率が下がると、従業員のモチベーション低下を招きます。周りの人に話しかけづらいような雰囲気では、とても働きやすい職場環境とはいえないでしょう。
また、仕事を進める中で不安や悩みがあっても、相談できずに一人で抱え込んでしまうと、従業員のメンタルにも影響を及ぼしかねません。モチベーションが下がって、ますますコミュニケーションをとらなくなり、さらに業務効率が低下するという、悪循環に陥ることも考えられます。
円滑なコミュニケーションのメリット
円滑なコミュニケーションは、従業員にも企業にもさまざまなメリットをもたらします。具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
人間関係が良好になる
コミュニケーションの本質は、お互いの考えや価値観、気持ちを伝えることです。コミュニケーションが円滑であれば相手との間に信頼が生まれ、人間関係も良好になるでしょう。社内外の人間関係を良好に保つことができれば、業務効率や生産性のアップにつながります。
また、職場の人間関係は、従業員のストレス状態に大きな影響を与える要素のひとつです。人間関係が良好な職場は、従業員のストレスが少なく、働きやすい環境であるといえます。
従業員の満足度が向上する
日常的に円滑なコミュニケーションをとっている職場では、役職や立場を問わず、従業員同士の関係性が良い意味でフラットな状態です。
そのような環境では、誰でも自分の意見を言うことができるため、新しいアイデアや提案なども生まれやすくなります。
主体的な行動が評価や成果につながることで、従業員の業務に対するモチベーションが高まり、大きな満足感を得られるでしょう。たとえ不満な点があっても、上司に伝えて改善につなげることができれば、従業員の満足度も著しく低下することなく、業務に対するモチベーションも保てる可能性が高くなります。
企業のポリシーや方針を共有できる
企業のポリシーや方針は、従業員に一方的に伝えるのではなく、その真意を含めて、しっかりと共有することが重要です。しかし、コミュニケーションが円滑に行われていないと、ポリシーや方針は、ただ存在するだけで終わってしまいます。
一方、円滑なコミュニケーションが行われている職場では、企業のポリシーや方針、ビジョンなども共通認識として社内に浸透させやすくなります。経営陣と現場の社員が同じ方向を向いて進むことは、企業を成長させるためにも非常に大切です。
離職率が低下する
円滑なコミュニケーションによって従業員の満足度が向上すると、人材が定着しやすくなります。
職場の良好な人間関係は働きやすさに直結するため、この企業で長く働きたいと考える従業員も増加するでしょう。人材の定着によって長期的な視点での育成が可能になり、業務効率化の促進にもつながります。
従業員が離職して新たな雇用が必要になると、採用コストや育成コストといった負担も発生します。円滑なコミュニケーションは、このようなリスクを防ぐというメリットもあるのです。
業務の質や生産性が向上する
仕事の多くは、一人だけで完結させることはできません。ほとんどの場合、関係者と情報共有をしたり協力し合ったりしながら進めていく必要があります。
円滑なコミュニケーションが行われていると、業務の進捗状況も把握しやすくなり、商品・サービスのクオリティや生産性を向上させることが可能です。
円滑なコミュニケーションをとるために必要なスキル
コミュニケーションをとる際には、いくつか大切なポイントがあります。コミュニケーションを円滑にするために、下記のスキルを高められるよう意識しましょう。
適切な伝え方ができる
いくら会話に時間を割いても、伝えたいことが正しく相手に伝わらなければ、それは円滑なコミュニケーションとはいえません。また、伝えるべき内容がうまく相手に理解されなければ、不必要な誤解や行き違いを招いてしまいます。
特に職場においては、業務に関する知識や技術、経験などは、人それぞれで異なります。相手の置かれている状況や相手のスキルに気を配り、わかりやすく適切な伝え方を心掛けることも大切です。
そのためには、きっとわかっているだろうという思い込みは禁物です。コミュニケーションをとりながら相手の反応を見て、きちんと伝わっているかどうか不安を感じる場合は、たとえ話や比喩を使ったり、内容を確認したりといった工夫も必要になります。
相手の話をしっかり聞く
良好な人間関係を築くポイントは、相手の話をよく聞くことです。自分だけが言いたいことを一方的に話しているような状況では、円滑なコミュニケーションは成立しません。
なお、同じ「きく」という行為であっても、「聞く」と「聴く」には違いがあります。聞くは話がただ耳に入っている状態、聴くは相手の感情や言葉の意味を知るために、より積極的に耳を傾けることを指します。
円滑なコミュニケーションを目指すには、聞くだけではなく、聴くことを意識するといいでしょう。
コミュニケーションをとる相手に関心を持つ
コミュニケーションにおいて大切なことは、相手に対して関心を持ち、その価値観を尊重する姿勢です。たとえ意見や考え方が自分と違っても、関心を持って話に耳を傾けることが大切です。関心を持って話を聞いているという姿勢は相手にも伝わるため、より話を引き出しやすくなります。
そのようなコミュニケーションを続けることで、相手との関係性だけではなく、職場全体の雰囲気もポジティブなものになっていきます。
言葉以外の部分も意識する
同じ内容を話したとしても、声のトーンや態度、話し方によって、相手に与える印象は大きく変わります。たとえ、話の内容に問題がなくても、目も合わせずにぶっきらぼうに伝えたのでは、相手は「感じが悪い」「怒っているのだろうか」などと思い、コミュニケーションがうまくいきません。自分は悪気がなかったとしても、相手との信頼関係にヒビが入ってしまうことも考えられます。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように、話をしている時の表情や態度は、言葉以上に強い印象を残すものです。物事を伝える時には、相手がどのように考えるかを意識し、言葉以外の部分にも注意を払いましょう。
円滑なコミュニケーション環境を整備するには?
職場の円滑なコミュニケーションを実現するには、企業としての環境整備も必要です。ここからは、コミュニケーションの円滑化に効果的な施策について解説します。
誰に相談するべきかを明確にする
上司や先輩に相談したくても、相手が忙しそうにしていると、つい声をかけるのをためらってしまいがちです。
しかし、疑問点や不明点を相談できないまま一人で抱え込んでしまうと、コミュニケーション不足に陥るばかりか、作業効率の低下やトラブルを招くことにもなりかねません。そのような事態を防ぐために、困った時には誰に相談すればいいかを事前に決めておきましょう。
特に、新入社員に対して効果的なのが、メンター制度の導入です。メンター制度とは、主に新入社員に対して、先輩社員が仕事のアドバイスをしたり相談にのったりする制度のことをいいます。
些細なことでも不安や緊張感を抱きやすい新入社員にとって、何でも相談できる先輩の存在は非常に心強いもの。メンター制度の導入は、新入社員の早期離職を防ぐことにもつながります。
従業員の発言機会を公平化する
ミーティングなどの場では、同じ人ばかり発言することのないように配慮する必要があります。特定の人にだけ発言機会が集中していては、一見話し合いをしているようで、実は一部の意見だけが通っているという状況になってしまいます。
チームメンバーに公平に発言を求めたり、普段積極的に発言しない人にも意見を聞いてみたりするなど、従業員の発言機会をうまくコントロールすることも大切です。
社内や部署内のつながりを意識する
円滑なコミュニケーションのためには、社内や部署内のつながりを意識づけるような取り組みも必要です。
例えば、社内イベントを実施すると、従業員が分け隔てなく交流できるコミュニケーションの場を提供することができます。
業務上のやりとり以外でふれ合う機会を設けることで、部署や立場が異なる人同士が相互理解を深めるきっかけになるでしょう。
また、新しいメンバーを歓迎するウェルカムランチなども、コミュニケーション活性化に役立ちます。
定期的に 1 on 1 を実施する
1 on 1 とは、上司と部下が定期的に行う 30 分程度の短いミーティングのことです。上司と部下が、 1 対 1 で話すことによるメリットは、オープンな場では言いにくい個人の考え方や意見をじっくりと聞けたり、話したりできることです。
従業員にとっても、仕事上の不安や悩み、要望なども、 1 on 1 ミーティングの場であれば上司に伝えやすいでしょう。
オフィスの環境を整える
業務上のやりとりしか行われない職場は、殺伐とした雰囲気になりがちです。従業員同士がちょっとした雑談をしやすい環境を整えることは、円滑なコミュニケーションを促進する近道になります。
例えば、固定席を廃止してフリーアドレス制を導入すると、違う部署やチームの人とのコミュニケーションの機会が自然と増えます。社内にフリースペースを設置し、従業員の休憩や食事に利用できるようにするのもひとつの方法です。
コミュニケーションツールの導入
従業員同士の円滑なコミュニケーションを実現するには、社内で使いやすいコミュニケーションツールの導入も効果的です。
ビジネスコミュニケーションツールとして知られている Slack なら、グループチャットや 1 対 1 でのメッセージのやりとりのほか、ワンクリックで、音声でやりとりできるハドルミーティング、映像と音声でコミュニケーションを行えるビデオ会議など、多彩なコミュニケーション機能で社内のコミュニケーションを円滑化・活性化させることができます。
リモートワーク(テレワーク)などで従業員同士が直接顔を合わせる機会が減少しても、このようなツールを活用すれば、スムーズなコミュニケーションが可能です。
円滑なコミュニケーション環境を整えよう
円滑なコミュニケーションは、業務効率化の第一歩です。また、円滑なコミュニケーションが行われている職場は人間関係も良好になり、生産性の向上や離職率の低下など、さまざまな相乗効果が生まれます。従業員満足度も向上し、従業員と企業の双方にとって良い影響を及ぼすでしょう。
円滑なコミュニケーションを促進する際に役立つのが、ビジネスコミュニケーションツールである Slack です。 Slack には、チャットやビデオ会議など、多彩なコミュニケーション機能が備わっています。円滑なコミュニケーション環境の整備のために、 Slack のような便利なツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
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