会話の力を解き放つ : Slack の新しいプラットフォームがエージェント時代の推進力に

最近のプラットフォームの更新により、コンテキストを理解する AI エージェントの利用が今まで以上に簡単に。チームの仕事がさらに加速します。

Slack チーム一同作成2025年10月13日

 

仕事の未来、つまり、エージェントとともに働く時代はすでに始まっています。仕事の効率化に AI エージェントが不可欠となるなか、それを効果的に機能させるためのカギを握るのはコンテキストです。そして最も豊かなコンテキストは、チームで日々交わされている会話から生まれます。

実際、価値のあるインサイトや意思決定、アイデアは、チームでの話し合いのなかで共有されることが多いでしょう。しかしながら、宝の山である会話データの多くは検索が難しく、一般的なツールからもアクセスできません。

こうした背景から私たちは先日、Slack プラットフォームの次なる進化を発表しました。これにより、パートナーや開発者の皆さまは、強力な AI アプリやエージェントを構築するのに必要なツールを手にできます。これらのツールを使うことで、Slack のユーザー企業が所有・管理する Slack 内の豊富な会話データに安全に接続できます。

具体的には、新しい Real-Time Search(RTS)API と新しいモデルコンテキストプロトコル(MCP)サーバーにより、エージェントに対応した会話データに安全かつ柔軟にアクセスできます。豊かなコンテキストが得られることで、エージェントは一般的な応答にとどまらず、背景や経緯を踏まえ、そのユーザーに合わせた会話を行えます。より関連性の高い正確な回答で、生産性のさらなる向上を後押しします。

このイノベーションを活用して、OpenAI、Anthropic、Google、Perplexity、Writer、Dropbox、Notion、Cognition、Vercel、Cursor といった業界をリードする企業が、新しい AI やエージェントアプリのエクスペリエンスを構築しています。これらの強力なアプリやエージェントは、近日中に Slack Marketplace に登場する予定です。ぜひご期待ください。

Slack は最新の AI アプリやエージェントの活用に最適な場所

平均的な企業では 1,000 を超える数のアプリケーションが使用されています。従業員がコピー & ペーストやツールの切り替えに膨大な時間を費やすことで、生産性が最大 40% 低下しています。従業員がこのようなストレスにさらされた結果、SaaS ライセンスのほぼ半分が使用されないままになっています。

何かいい方法はないでしょうか。営業担当者がエージェントに頼むだけで CRM レコードを更新できたり、従業員がチケットを発行することなく IT の問題を自分で解決できたり、マーケティングリーダーがレポートを探し回ることなくキャンペーンの効果を分析できたりしたらどうでしょう?

Slack 内で AI アプリやエージェントを利用して、自社の技術スタックを統合できれば、チームが仕事をしやすくなるだけでなく、組織として IT 投資のリターンを最大化することにもつながります。IT 予算のわずか 2% を Slack に投資することで、残りの 98% の技術スタックをより効果的に活用できるのです。

  • 非構造化データの活用 : AI エージェントがチームの会話やファイルにアクセスできるようになることで(もちろん権限は反映されます)、ユーザーはパーソナライズされた関連性の高いインサイトを Slack 内で入手できます。既存のデータをインテリジェントかつ安全に活用することで、チームは平均で週に 97 分を節約できます。
  • 意思決定のスピードアップ : Agentforce Sales や Asana、Workday などあらゆるアプリのデータを Slack の会話と結びつけて十分なコンテキストを得ることで、検索や AI の性能が強化され、より迅速にインサイトを得てアクションに移せるようになります。これにより、チーム間の意思決定が 37% スピードアップし、顧客対応スピードも 36% 向上します。
  • 生産性の向上 : AI とエージェントを Slack に直接組み込み、社内の技術スタックを統合することで、従業員はクリック数を減らし、時間の無駄を省いて、より仕事に集中できるようになります。そのすべてを、すでに会話が行われている場所で実現できます。
  • アプリの利用促進 : チームがすでに仕事をしている場所にあらゆるアプリやエージェントを集めることで、すべてのツールを 1 か所で利用できるようになります。
  • 安全性とコンプライアンスの確保 : エンタープライズグレードのセキュリティ、堅牢なプライバシー機能、きめ細かな権限設定により、データを保護し、安全なコラボレーションの基盤を固めます。

 

「最高のパフォーマンスは、コンテキストとアクションが結びついた時に発揮されます。Notion AI と Slack の組み合わせにより、チームはあらゆる会話を行動に変えることができます」

NotionChief Revenue OfficerErica Anderson 氏

コンテキストを反映した、信頼性の高い AI を実現

1 つですべてに対応できる万能なソリューションはありません。だからこそ、Slack のプラットフォームは柔軟性と拡張性を重視し、あらゆるアプリやデータ、エージェントを統合できるよう設計されています。そのプラットフォームがエージェント型 AI に対応するよう進化し、開発者やパートナーはニーズに合わせた強力なカスタムエージェントを容易に構築できるようになります。エージェントが Slack 内の豊富な会話データに直接かつ安全にアクセスして、コンテキストを得ることで、生産性の大幅な向上が導かれます。Slack はセキュリティを組み込むことでユーザー企業の Slack データを保護するとともに、企業の条件に応じてデータの安全なアクセスと取得を行う堅牢な AI アプリやエージェントの開発に必要なツールを提供します。

Real-Time Search(RTS)API とモデルコンテキストプロトコル(MCP)サーバーを利用することで、開発者やサードパーティ企業は以下のような方法で、ユーザー企業が定めた条件に基づいて安全にデータにアクセスできます。

  • RTS API により、ユーザー企業にとって大きな価値のある Slack 内の豊富な会話データに、アプリがリアルタイムでアクセスできます。AI は最新の会話やファイル、チャンネルにアクセスして、コンテキストに基づいたアクションを起こせます。これまでサイロ化していた会話もエージェントが安全に利用できるようになることで、組織の集合知をいっそう効果的に活用できます。何より重要なこととして、RTS API は企業のセキュリティを第一に考えて設計されています。会話データを一括ダウンロードしたり、別の場所に保存したりする必要なく、ツールから会話データにアクセスできます。その際には既存のアクセス権限が反映され、クエリに関連するメッセージやファイルのみが取得されます。つまり、情報が不足することも、余計に取得されることもなく、AI エージェントは必要なコンテキストを正確に得ることができます。
  • MCP サーバーにより、大規模言語モデル(LLM)や AI アプリ、エージェントがコンテキスト情報を抽出して Slack ユーザーに代わってタスクを実行する方法が簡素化・標準化され、開発がよりスムーズになります。このサーバーは LLM と Slack の間の統一されたコミュニケーションレイヤーとして、AI システムとデータソースやツールを接続するための共通の方法を確立します。これにより、断片化されたインテグレーションから脱却し、各ユーザーの権限を反映した、一貫性のある単一のプロトコルに移行できます。開発者は、コードを記述してエージェントが実行するタスクを一つひとつ定義したり、個々の LLM や外部サービスに対して固有の複雑なインテグレーションを実装したりする必要はありません。

さらに、Slack のプラットフォームは、管理者や開発者が利用する基本的な構成要素についても、以下のように継続的に進化させています。

  • Slack ワークオブジェクト : 開発者は Slack 内で直接、動的でインタラクティブなプレビューを表示するアプリを構築できるようになりました。ワークオブジェクトによって、サードパーティデータの表示方法が標準化され、詳細な情報、画像、ドキュメントを Slack 内で提供できるようになることで、ユーザーはアプリケーションを切り替える必要がなくなります。この緊密な統合により、AI エージェントはより詳細なコンテキストを取得して、情報を発見し、迅速かつ正確に対応する能力が向上します。この 8 月に Google Drive、OneDrive、Asana、PagerDuty、Box、Highspot とのパートナーインテグレーションがリリースされました。
  • 開発者ツールキットの強化 : 開発者が Slack を自社のビジネスに合わせて構築・カスタマイズするのに必要なツールが用意されています。そこに、AI のベストプラクティス、構築済みの Block Kit テーブル、Bolt アプリ向け CLI をはじめとするリソースの更新など、アプリやエージェント、自動化ワークフローのための新しい要素が追加されました。このアップグレードにより、最初のコーディングからエンドユーザーエクスペリエンスの完成まで、開発ライフサイクル全体が効率化され、エージェント時代の開発がこれまで以上に容易になります。

「多くの企業では、重要な会話が複数の Slack チャンネルに散らばっており、情報の宝庫である組織のナレッジに Claude のような AI アシスタントがアクセスしづらくなっています。この状況を一変させるのが、Slack の Real-Time Search API です。これにより、Claude はチームの会話から背景情報を引き出し、実際の仕事に結びついた回答を提供できるようになりました。ユーザーは自分の仕事の流れの中で、そのインサイトを活用できます。このインテグレーションにより、Claude はチームの実務に合った信頼性の高いインテリジェンスを提供できるようになったのです」

ClaudeHead of ProductScott White 氏

Slack で使える強力な AI アプリ

パートナー企業がすでに開発しているすばらしいアプリを見れば、最新のプラットフォームイノベーションの力を感じていただけるでしょう。Slack でネイティブに機能する強力な AI アプリケーションやエージェントにより、ユーザーは仕事の流れの中で直接インテリジェンスを活用できます。

ChatGPT

Slack 内で機能する ChatGPT により、AI による回答やコンテンツ生成をワークスペースの会話から直接利用できます。

OpenAI の Slack 向け ChatGPT アプリは、Slack の新しい RTS API を用いて、ユーザーが Slack 内で直接 ChatGPT を利用することを可能にしています。リアルタイムのコラボレーションと ChatGPT の力を組み合わせることで、チームは会話からインサイトを浮かび上がらせ、投稿や返信の下書きをし、より迅速にアクションを起こせます

OpenAI Codex

Codex を使うと、Slack 内のチームの会話から直接作業を開始できます。チームのチャンネルまたはスレッドで @Codex をタグづけするだけで、アプリが会話から関連するコンテキストを自動で収集し、適切な環境を選択して、Codex クラウド内の完了済みタスクへのリンクとともに回答を返します。そこから、変更の統合やさらなる作業ができるほか、IDE 拡張機能を通じてローカル環境にタスクを取り込んで作業を続けることも可能です。

Claude

よく気が利く AI コラボレーターの Claude を Slack 内で使って、日々の仕事を変革できます。

Slack 向け Anthropic の Claude では、チームは DM やチャンネル内でメンションすることで Claude とつながり、Web 検索、データ接続、ドキュメント分析などを行えます。Slack のデータが Claude と接続されることで、ユーザーは AI をワークフローに直接組み込んで、ワークスペースのチャンネル、メッセージ、ファイル全体から、より深いインサイトを取得できます。

Google Agentspace

Google Agentspace と Slack の連携により、AI エージェントがワークスペースのリアルタイムデータを分析し、実用的なインサイトを提供します。

Google Agentspace は、AI エージェントの大規模な構築、管理、導入を安全に一元化できるプラットフォームで、現在は Gemini Enterprise の一部になっています。複数の生産性ツールのデータに接続し、組織内の情報からインサイトやアクションを導きます。Slack の RTS API を通じた Agentspace のインテグレーションにより、シームレスな情報の流れが実現し、ユーザーは Slack 内の Agentspace エージェントを利用するか、Agentspace で Slack のライブデータをクエリすることで、インサイトを得られます。

Perplexity

Perplexity は、リアルタイムの検索とリサーチ機能を Slack ワークスペース内で直接提供します。

Perplexity は、会話を通じた透明性の高い情報発見エクスペリエンスにより、検索を再定義します。MCP サーバー経由で Slack に接続することで、クエリをチームの会話のコンテキストに結びつけ、仕事に直結する正確な回答を浮かび上がらせます。

Dropbox Dash

Dropbox Dash は RTS API を利用し、Slack と Dropbox Dash の両方から瞬時にインサイトを抽出。ユーザーはすべての権限とセキュリティを維持しながら、必要なコンテンツに即座にアクセスできます。アプリの切り替えに煩わされることなく、最高の仕事をするために優先すべき課題に集中できます。

Notion

Notion AI の Slack アプリでは、ユーザーはスレッドや会話、見逃したかもしれない最新情報について質問し、回答を得られます。Notion AI は RTS API を用いて、パブリック / プライベートチャンネルや DM(適切な権限がある場合)を検索し、Notion のタスクに Slack での最新の会話を反映させます。

未来の働き方はすでに始まっている

AI 活用の成否は、いかに AI を人間のワークフローにシームレスに統合できるかにかかっています。Slack プラットフォームの最新のイノベーションは、豊富なデータを安全に利用できる環境を生み出し、AI エージェントを信頼できる仲間にします。Slack はユーザー企業やパートナー企業の皆さまが自らの AI ソリューションを Slack に簡単に組み込める仕組みを整え、これまで以上に深く連携した、インテリジェントで生産性の高い仕事をサポートします。ぜひ、Slack プラットフォームについての詳細をご覧ください。そして Slack Marketplace にアクセスし、厳選されたサードパーティ製 AI アプリを今すぐ発見しましょう。

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    うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。