世界中の企業でますます進むデジタルファーストな分散型の働き方。その傾向は、コロナ禍でのリモートワークが急増したことによって加速する一方です。と言っても、企業は生産性と競争力を維持するために、従来の仕事の進め方をデジタル環境でただ再現しているわけではありません。いつ・どこで・どのように仕事を進めるかを根本的に見直しているのです。
そこで Slack は、あらゆる業界の企業で職場イノベーションの新たな波を起こすべく、本日 Salesforce のコンサルティングパートナーである Accenture、Deloitte、IBM、Slalom との提携を発表しました。この提携により、認定サービスパートナーからなる Slack の既存のグローバルエコシステムがさらに拡大します。
Salesforce はクラウドにおけるコラボレーションのパイオニア企業として、このデジタルファーストな働き方の時代に、皆さまを成功に導く企業としての立ち位置をすでに固めてきました。今回、Slack が Salesforce に加わったことで、自社の Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)構築を実現するさらに強力なテクノロジースイートを皆さまに提供できるようになります。
「急速に変化する職場環境にどう適応するかは、あらゆる業界の幹部が直面している課題です」と、Slack でアライアンス&チャンネル担当 VP を務める Richard Hasslacher は話します。「パートナーは、Slack を自社の Digital HQ と見なし、変化を起こす重要要因だと捉えています」。
デジタルツールを導入する企業は、最高の結果を得るべく専門家に設定を委ねる場合が多いようです。だからこそ、Slack は多様なコンサルティングパートナーと提携する道を選びました。これにより、ユーザー企業の皆さまはより効果的な Digital HQ を構築できるだけでなく、Slack と Salesforce がともにもたらす最新のイノベーションを最大活用できるようになります。
「Slack と Salesforce は、今日のデジタルファーストな世界に合った効果的な Digital HQ を皆さまに提供することで、新しい働き方を生み出しています。私たちのサービスパートナーは、共通のユーザー企業の皆さまがその体験を実現できるようサポートします」
急成長するデジタルトランスフォーメーション市場
企業は今、クラウドベースのコラボレーションを進めるツールやテクノロジーにどんどん投資しており、今後もその額は増える一方でしょう。IDC の予測では、デジタルトランスフォーメーション(DX)目的の IT 支出において、クラウド関連テクノロジーが占める割合は 2021 年に 28% となり、2025 年には 36% に増加するようです。また、顧客や従業員がどこからでも成功すること(Success from Anywhere)を重視する企業は、自社の Digital HQ 構築により多くの費用を割いています。
この傾向は、コンサルティングパートナーにとって非常に大きなチャンスを生み出しており、その機会は広がり続けています。というのも、自社に最適な DX を進めるためのサポートを求める企業が増えているからです。コンサルティングパートナーは、こうした企業を次のような方法で支援します。
- 各社に合うテクノロジーロードマップの作成と実行
- 各社ならではのニーズを最大限に満たせるよう Slack 環境と Salesforce 環境を最適化
- 大規模な実装やカスタムアプリなど、オーダーメイドのソリューションを提供
ユーザー企業ならではのソリューションを提供する Slalom
コンサルティングパートナーは、あらゆる業界や規模の企業が Slack と Salesforce の力を有効活用できるよう助言し、ソリューションを構築します。その一例は次のとおりです。
- グローバルなヘルスケア・製薬企業
- 知名度の高い投資銀行
- 大手テクノロジー企業
- グローバルな小売業者と通信サービスプロバイダ
- 地方公共部門や保健団体
また、企業内の特定の部門が Slack で成果を出せるようサポートすることもあります。最近では、Slack と Salesforce のコンサルティングパートナーである Slalom が、大手バイオテクノロジー企業の研究開発(R&D)部門の Slack 活用を支援しました。
デジタルファーストな時代に合う安全かつ効率的なワークフローを実現
Slalom がまず着手したのは、同社と R&D 部門の具体的なビジネスニーズ、法的要件、厳しい統制下にあるプロセスの評価です。R&D チームの主要な職務の 1 つは、新製品開発のためにがん研究データをレビューし、それを社内で広く共有することでした。
それをよりスムーズに進めるソリューションとして注目したのが Slack です。具体的には次のような理由がありました。
- メールだけでデータを共有し、効果的な会話を促すのは難しい。チャンネルなら科学的な会話が時系列に沿って発展しやすいうえ、プロジェクト外のメンバーも関連するディスカッションに参加が可能
- 世界中で何百人もの関係者がリモートワークをしているため、国やタイムゾーンをまたいで非同期のコラボレーションができることが欠かせない
- 同社の業界は規制の厳しく、レビューするデータの多くは機密性が高いため、セキュリティとコンプライアンスが最優先
Slack は柔軟で、誰でも平等に参加できるため分散したチームワークに適しており、メールより安全です。それはまさに同社のニーズを満たすものでした。また、部門の一部ではすでに Slack を使っていたため、R&D 部門全体への Slack 展開は多くのメンバーにとって納得できる決定でもありました。
Slack 環境をオーダーメイドで設計・デプロイ
Slalom は、このバイオテクノロジー企業の R&D 部門にとって最適な Slack Enterprise Grid を設計しました。その 1 つが、R&D 部門のニーズや仕事のフローに合わせた Slack チャンネル構造と命名ガイドラインの作成です。こうして直感的なシステムが整った結果、研究者たちはより素早く効率的に Slack を操作できるようになりました。
この新たな Slack 環境は、R&D 部門の重要指標である生産性にもよい影響を与えています。データのコンパイル、他チームとのデータ共有、フィードバックの受け取り、詳細なレビューといったプロセスの各段階で Slack を使った結果、全社的な時短につながり、グループ間のやり取りが効果的に進み、R&D チーム全体の効率が高まりました。
また、R&D 部門全体の科学者や研究者が Slack でプロジェクトを進めてコラボレーションできる環境も生まれました。その際 Slalom では、チャンネルの構造を決める方法や、権限の管理方法、さらにはよくある管理タスクを自動化するワークフローを作成する方法といったベストプラクティスの共有も行っています。
さらに Slalom は、半年間の契約が終了するまでに 20 もあったバラバラの Slack ワークスペースを新たな Slack Enterprise Grid にすべて移行させました。また 2,800 人以上の従業員に対して、導入研修を目的に沿った形で実施。Slack で具体的な関係者の課題をどう解決できるか明らかにすることで、メンバーの活用意欲を高めました。
「Slackは、Salesforce のコンサルティングパートナーにとって大きなチャンスとなります。彼らは長年にわたって、ビジネスを変革し、ユーザー体験を進化させ、ユーザー企業におけるイノベーションと価値実現を推進してきました。その専門知識は、Salesforce 史上最大の買収から価値を解き放つ鍵となるでしょう」
頼りになるパートナーのネットワークが拡大中
Slalom のようなコンサルティングパートナーの助けを得て、ユーザー企業の皆さまは Slack を Digital HQ として、柔軟でインクルーシブなコラボレーションを中心とする流れにより確実に対応できるようになりました。また、何千ものパートナーを持つ Salesforce と Slack の力が 1 つになったことで、Slack のグローバルなコンサルティングパートナーのエコシステムも成長しています。これからも両社共通のユーザー企業の皆さまの変革を推進するために、Slack では Salesforce のエコシステムから新たなパートナーを迎えつつ、皆さまが Slack プラットフォームと Digital HQ を最大活用できるプログラムの開発を続ける予定です。
ユーザー企業の皆さまをサポートするパートナーは今後も増えていきます。最新情報をお楽しみに。Slack と Salesforce のパートナーになる方法や、最新のプログラム情報の入手について詳しくは、Salesforce Partner Community を参照してください。