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14 の企業に広がる Next Chapter

PayPal、Asana、Stash が雇用パートナーとして新たに参加

執筆者 : By the team at Slack2022年6月29日

2018 年、Slack は The Last MileW.K. Kellogg FoundationFREEAMERICA とともに Next Chapter を創設しました。これは、刑務所から戻ってきた人に対する見方を変えるだけでなく、元受刑者に真のセカンドチャンスを提供し、スキルを身につけて長期的なキャリアを築けるようサポートするプログラムです。

出所した元受刑者の前に立ちはだかるのが、厳しい雇用市場と何層にもわたる法の壁です。これによって、出所した人の多くが安定した高収入の職から構造的に排除されてきました。その結果、貧困、再犯、福祉の行き届かないコミュニティ(多くの場合、有色人種のコミュニティ)での負の体験という悪循環が続くのです。こうした状況では、エンジニアリング人材をすぐにでも確保したいという企業のニーズもなかなか満たされません。というのも、アメリカに住む何百万人もの人々が、犯罪歴によって自動的にはじかれているからです。

こうした課題に対処すべく、Slack が生み出したのが Next Chapter の実習プログラムです。このプログラムでは、元受刑者が技術トレーニングや専門家によるメンターシップなど、テクノロジー分野でキャリアを築くためのサポートを受けられます。一方、雇用パートナー企業は意欲的で才能あるエンジニアを見出すことができます。この革新的なモデルに取り組み始めてから 4 年が経った今、その効果も目に見えて増えてきました。これまで 30 人以上が実習プログラムを修了後、大手テクノロジー企業でフルタイムのエンジニアとして働いているほか、初期メンバーは現在チームのマネージャーやシニアマネージャーとしてキャリアを積み重ねています。現在、Next Chapter は Tides Center より資金提供を受けています。

こうした実績をもとに、Next Chapter は新たな雇用パートナー企業として、PayPal、Asana、Stash の 3 社を迎えることになりました。来年にはそれぞれの組織に実習生を送り出す予定です。すでに参加している ZoomDropboxSquare といった企業にこの 3 社が加わることで、Next Chapter の雇用パートナーネットワークは計 14 組織となりました。

「Next Chapter によって、すべてが変わりました。人生を変えたいという気持ちはありましたが、こうしたサポートを受けたおかげで、前よりも真剣に取り組み、高い目標を設定することができたんです」と話すのは、Next Chapter の元実習生で現在 Slack でフルタイムのソフトウェアエンジニアとして働く De’Markus Matthews です。「私のことを心から気にかけ、信じ、成功を願ってくれる人たちに囲まれたからこそ、ここまで来ることができました」。

Slack の CEO 兼共同創業者である Stewart Butterfield は、「このプログラムが発展し、実習生の人生だけでなく全従業員や企業文化にも大きな影響を与えている様子は感無量です」と話します。「刑務所にいた人たちと直接一緒に働くなかで、それぞれのストーリーを知り、その人たちがチームにもたらす価値を目の当たりにすると、視野や心が広がります。Slack では、インクルーシブで共感し合える文化を築き、誰にでも機会を開くことに取り組んできましたが、この経験でそのアプローチ方法が大きく変わりました」。

大きな就職チャンスを提供し、公平性を実現

どの企業でも、元受刑者に向けて大きな就職チャンスを生み出すことができます。Next Chapter の雇用パートナーには 1 つとして同じ企業はありません。何百人規模の企業、何千人もの従業員を抱える企業、エンタープライズソフトウェアを販売する企業、金融サービスを提供する企業、シリコンバレーに拠点を置く企業、中西部の企業などその顔触れはさまざまです。そんななか 1 つ共通しているのは、どの企業でも組織や文化の変革を通してより公平な職場作りに注力している点です。

「Next Chapter との提携は、PayPal のミッションとインクルージョンの価値観に自然とフィットしました。当社でも、幅広いコミュニティへの貢献、これまで機会に恵まれなかった人々への機会の提供、障壁をなくす取り組みを行ってきたからです」と話すのは、PayPal で Chief Transformation Officer を務める Erica Gessert 氏です。「それだけでなく、Next Chapter からはスキルを備えた人材を獲得できます。Paypal にとって、このプログラムに参加できたことは光栄です」。

アメリカにおける大規模な投獄と、何世代にもわたる貧困の連鎖にはさまざまな要因が絡み合い、それを断ち切ることは待ったなしの課題です。そしてこの解決には、公共、民間、非営利の各機関が密に連携する必要があります。こうした大規模な課題解決に貢献すべく、Slack と Next Chapter は、Aspen Institute とともに Rework Reentry という新たな取り組みを立ち上げました。Rework Reentry は、調査、関係者とのやり取り、ドキュメンタリーを活用したストーリーの共有を通して、社会復帰した元受刑者がスキルを要する高収入の職に就くうえでの雇用面の壁を取り除き、最終的には家族やコミュニティを豊かにすることを目指しています。

また企業内で元受刑者がキャリアアップする機会を広げるには、さまざまな関係者が責任を持って関わり、連携することが必要です。具体的に挙げると、経営幹部レベルおよび個々のマネージャーレベルのリーダーシップ、人事、法務、エンジニアリング部門間の壁を取り除くための調整やサポート、非営利パートナーとの情報やリソースの共有、従業員の草の根レベルでの文化変革などがあります。このような組織全体でのアプローチが、Next Chapter による雇用のインクルージョンモデルの効果を高め、社会復帰者を成功へと導くのです。

「Asana では、多様な属性や背景からミッションに賛同する人材を採用するというコミットメントを掲げており、Next Chapter での取り組みを始めるのが楽しみです」と話すのは、Asana で Head of Diversity, Inclusion and Belonging を務める Sonja Gittens Ottley 氏です。「教育と専門家によるメンターシップによって機会は開かれます。しかし、その機会を誰もが得られるようにすべきです。Asana には社会復帰者がキャリアを築き、成果を出すのに必要な体験やサポートを効果的に提供する AsanaUP という実習プログラムがあります。今回 Next Chapter の公式パートナーになったことで、このプログラムに参加する機会をさらに広げる予定です」。

Stash の Chief People Officer である Lynne Oldham 氏は、「Stash では、多様性のある職場とインクルーシブな文化を築いています。それは、私たちがサービスを提供するアメリカ社会を反映したものです」と話します。「以前 Zoom で Chief People Office を努めていた時、元受刑者のエンジニアを採用し、それによってもたらされた効果を目の当たりにしました。今回 Stash と Next Chapter をつなげられてとても嬉しいです。このプログラムにより、今後一般の人々に向けた長期的な投資・銀行ソリューションを構築する際に、顧客のニーズを理解しつつも独自の視点を持つ優秀なエンジニアを採用できるでしょう」。

支援するには

多くの組織は意欲的で才能あるエンジニアを求めていますが、元受刑者の就業機会を阻む壁があまりにも長い間立ちはだかり、結果的に誰も得をしない状態が続いてきました。Next Chapter では、これからもどんどん新たな実習生や雇用パートナーを迎えて、社会復帰やセカンドチャンスの効果に関する見方を変え、力を合わせてできることを広げていく予定です。

これまでの取り組みは誇れるものですが、ゴールはまだ見えていません。長期的かつ構造的な変化を起こすには、長い道のりが待っています。また皆さまにも、社会復帰者のキャリアパスを築くアクション計画への賛同を呼び掛けています。

計画を読んで自社でも何か取り組めるかもしれないと感じた場合は、nextchapterproject.org または reworkreentry.org にアクセスしてください。info@nextchapterproject.org または slackforgood@slack.com からもお問い合わせいただけます。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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