1日は、誰にとっても等しく24時間です。また、人は一日中ずっと働き続けられるわけではありません。限られた時間で業務効率を上げるには、時間管理が必要不可欠です。時間管理ができていないと無駄な行動や抜け漏れが増え、「時間をかけているのに思うような成果が出ない」「締切りに間に合わない」といった事態に陥りがちです。
しかし、時間管理をしたいけれど、なかなかうまくいかないという方もいるのではないでしょうか。この記事では、時間管理をすることで得られるメリットや、時間管理がうまくいかない理由、無理なく時間管理を行うコツなどを、時間管理におすすめのツールとともに解説します。
時間管理とは、効率良く成果を挙げる方法のひとつ
ビジネスにおける時間管理は「タイムマネジメント」とも呼ばれ、時間の使い方を計画し、その計画どおりに仕事を進めていくことを指します。その目的は、自分自身の仕事をコントロールして、効率良く成果を上げることです。
時間管理をすることによって仕事の優先順位や作業にかかる時間を把握し、そのうえで仕事の進め方を決めていけば、業務効率は格段に向上するでしょう。常に目先の締切りに追われたり、終わりの見えない長時間労働に陥ったりすることもなくなるはずです。
時間管理を行うメリット
時間管理を行うことで得られるメリットは、主に次の4つです。いずれも生産性向上につながる大きなメリットといえるでしょう。
仕事の効率が上がる
時間管理の大きなメリットが、仕事の効率を上げられることです。時間管理を行うと、仕事の全体像を把握したうえで、今何をすべきかがわかるようになります。無駄な作業に時間を費やすことがなくなり、より効率良く仕事を進められるでしょう。
仕事に追われるのではなく、仕事をコントロールできるようになれば、気持ちにも余裕が生まれます。その結果として、業務上の課題解決やイノベーション創出なども期待できます。
アウトプットの質が向上する
時間管理を行うと、今するべきことや重要度の高い仕事に集中して取り組めるようになり、アウトプットの質が高まります。例えば、同じ企画書でも、他の細々した仕事と並行しながら、気が散った状態で作成したものと、しっかり集中して検討したものでは、その質に大きな隔たりがあるでしょう。
また、時間管理ができずに締切りギリギリに何とか体裁だけ整えた企画書と、十分時間をかけて検討を重ねた企画書では、内容がまったく異なるはずです。時間管理をすることによってアウトプットの質が向上すれば、仕事の成果も出やすくなります。
周囲から信頼が厚くなる
時間管理によって計画どおりに仕事を進めていれば、約束や期限を破るようなことはなくなります。
タスクに優先順位をつけて仕事をコントロールできるため、やるべきことを忘れたり、想定以上に時間がかかって締切りに間に合わなかったりすることも起こりにくいのです。
仕事の約束や締切りを守れる人は、取引先や上司、同僚などから信用されます。時間管理をきちんと行うことによって、周囲からの信頼度や評価が高くなるでしょう。
残った時間でスキルアップを図れる
時間管理によって業務効率が上がれば、自分のために使える時間が増えます。その時間を使ってみずからの知識やスキルを磨けば、将来的により高い成果を発揮できる可能性が高まります。
直近の業務には必要なくても、キャリア形成上、役に立つスキルや、特化させたい専門性など、時間を有効活用することによって中長期的なメリットが得られるのです。
また、無駄な残業がなくなることでプライベートが充実し、オン・オフのメリハリがついて一層意欲的に仕事に取り組めるようになるのではないでしょうか。
時間管理ができない理由
時間管理をするメリットは多くありますが、時間管理の重要性はわかっていても、いざ実行しようとするとなかなかうまくいかないという人は少なくありません。時間管理ができない場合、下記のような理由が考えられます。
タスクに優先順位を適切につけられない
仕事をするうえでは、多くの人が常に複数のタスクを抱えているものです。また、それらのタスクには、重要性・緊急性の高いものとそうではないものがあります。
仕事をスムーズに進めるには、さまざまなタスクの優先順位を見極め、段取りを組んでいかなければなりません。時間管理がうまくいかない場合、タスクに優先順位をつけていない、または優先順位が誤っている可能性があります。なんとなくできそうな作業から始めたり、とりあえず目についたタスクに手をつけたりしていると、結局すべてが中途半端になってしまい、タスクをこなすのに必要以上に時間がかかってしまいがちです。
自分のタスクを把握していない、または管理ができていない
時間管理を行うには、自分に今どのようなタスクがあり、それぞれのタスクにどれくらいの時間がかかるかを把握している必要があります。タスク管理や所要時間の見積もりが曖昧では、そもそも計画を立てることができません。
また、自分のタスクを正確に把握・管理できていないと、スケジュールの抜け漏れや納期遅れといったトラブルも起こりやすくなってしまいます。
リソースの管理ができていない
時間も人やお金と同様に、限りある貴重な資源です。「時間=リソース」という意識がないと、効率良く時間を使うことの重要性も理解しづらいでしょう。ダラダラと長時間作業をしているにもかかわらず、リソースを無駄にしているという意識が低い人もいるかもしれません。
時間管理がうまくできない時は、時間はリソースであるという認識を今一度徹底する必要があります。
仕事で関わる人とコミュニケーションがとれていない
仕事は一人きりで行うものではありません。特に、チームで取り組むプロジェクトなどの場合、コミュニケーション不足は業務の進行に多大な悪影響を与えます。
また、仕事に関わる人とうまくコミュニケーションがとれていないと、タスク管理に必要な情報が得られず、仕事の全体像や所要時間を見誤る可能性もあります。
上司やチームメンバーとコミュニケーションをとらずに一人で仕事を抱え込んだ結果、ミスが発生したり納期に間に合わなかったりするケースも少なくありません。
時間管理が思うようにいかない場合は、日頃のコミュニケーション方法を根本的に見直すことも有効です。
時間管理をするためのポイントとコツ
時間管理を行うためには、押さえておきたいいくつかのコツがあります。具体的には、下記のポイントを意識するといいでしょう。
自分のタスクを洗い出す
時間管理においてまず行うことは、タスクの洗い出しです。自分が担当している業務をできるだけ細かく分解し、すべてのタスクを洗い出します。このとき、頭の中でイメージするだけでは、思わぬ抜け漏れが生じがちです。やるべきタスクに漏れがあると、後々業務を進めるうえで影響が出てしまいますから、メモやタスク管理ツールを活用して、すべてのタスクの見える化を行います。これを、タスクの可視化といいます。
タスクを可視化したら、次に行うのが、それぞれのタスクをこなすために必要な時間や期間の確認です。事前に予想した作業時間と実際にかかった時間を比較していくと、どの作業にどれくらい時間がかかるかを見通せるようになるでしょう。
工数や所要時間の見積りが正確にできれば、仕事の計画も立てやすくなります。
タスクの優先順位を決める
タスクの洗い出しと所要時間の確認が済んだら、タスクごとの優先順位を決めていきます。優先順位のポイントになるのは、緊急性と重要性です。
タスクは、その緊急性と重要性によって、大きく下記の4つに分類できます。
タスクの優先順位はA・B・C・Dの順になりますから、タスクの優先度を見誤らないことが大切です。例えば、上司に突発的に依頼された重要性の低いCのタスクを、つい優先してやってしまうことがないように注意しましょう。
スケジュールに落とし込む
タスクの優先順位が決まったら、それぞれのタスクについて締切りを設定し、実際のスケジュールに落とし込んでいきます。
To-Do リストを作成するなどして、漏れや無理のないようにスケジュールを立てましょう。この段階でもし時間が足りないと感じた場合は、優先順位の低いタスクを後回しにしたり、他の人に任せたりすることも検討します。
また、仕事を進めるうえでは、チームメンバーのフォローやアドバイスを必要とする場面も多々あります。タスク管理ツールやスケジュール管理ツールを使って、進捗状況をチーム内で共有できる環境を作っておくことも時間管理には有効です。
時間管理を上手に行うためのツール
精度の高い時間管理を行うためには、各種ツールを活用することも大切なポイントです。ここからは、時間管理に役立つツールをご紹介します。
タスク管理ツール「 Trello 」
Trello は、カードを動かしてタスクを視覚的に管理できる、カンバン方式のタスク管理ツールです。
ドラッグ&ドロップを基本とし、ホワイトボードに付箋を貼るような感覚で直感的な操作が可能です。チームの進捗状況を可視化し、メンバー間の情報共有も容易になります。
プロジェクト管理ツール「 Asana 」
Asana は、タスクやプロジェクトをはじめとした、チームで取り組む仕事を一元的に管理できる、プロジェクト管理ツールです。
各メンバーのタスクを To-Do リストのように管理し、プロジェクト遂行に必要な業務を可視化できるので、関係者全員がプロジェクトの進捗をいつでも把握できます。また、複数のプロジェクトの同時管理も可能です。
スケジュール管理ツール「 Google カレンダー」
Google カレンダーは、 Google アカウントを持っていれば誰でも無料で使うことができるスケジュール管理ツールです。
スケジュール管理の他、 To-Do リストやリマインダーなどの機能もあり、自分以外のメンバーとスケジュールを共有することも可能です。
コミュニケーションツール「 Slack 」
Slack は、チャットや DM (ダイレクトメッセージ)、ウェブ会議など、多彩なコミュニケーション機能を持つビジネスコミュニケーションツールです。
チャンネルと呼ばれるグループを設定することで、特定のテーマやプロジェクト、組織などに限定されたコミュニケーションをとることができます。 To-Do リスト機能やリマインダー機能なども搭載されており、タスク管理にも役立ちます。
時間管理に効果を発揮するコミュニケーションツールの Slack
数あるコミュニケーションツールの中でも、ビジネスコミュニケーションツールとして知られている Slack 。時間管理に役立つ、 Slack の各種機能について見ていきましょう。
多彩なコミュニケーション機能
Slack は、 1 対 1 でのメッセージのやりとりやグループチャットのほか、一般的なウェブ会議ツールのようにURLを発行する必要なく、ワンクリックで音声でのやりとりができるハドルミーティングやビデオ会議など、多彩なコミュニケーション機能を備えています。あらゆるオフィス環境や用途に対応できる、強力なコミュニケーションツールです。また、高度なセキュリティも備えているため、重要なデータを共有する場合も安心です。
音声・動画機能を使えば、チームや顧客、パートナーとのコミュニケーションがより円滑になるでしょう。画面を共有することで、一緒に資料を作成するといったことも簡単です。
外部のアプリやサービスとの連携
Slack は、ビジネスにおけるプラットフォームとなることを前提に開発されているため、外部のさまざまなアプリやサービスと連携できます。
例えば、 Asana や Google カレンダー、 Google ドライブなど、日々の業務でよく使われるツールともスムーズな連携が可能です。業務に応じた外部サービスと Slack を連携させることで、あらゆるタスクやスケジュールを一元管理できるようになります。
To-Do リストの作成
Slack は、 To-Do リストを作成して個人やチームのタスク管理を行うこともできます。
チーム作業の場合は、 To-Do リストをチャンネルで共有することによって、関係するメンバーも進捗を確認できるだけでなく、他のメンバーがリストに追加や変更を加えることも可能です。
Slack を使って上手に時間管理をしよう
業務効率を向上し、仕事の質を高めるために、重要なカギになるのが時間管理です。そして、時間管理をうまく行うには、タスク管理やスケジュール管理のほか、良好なコミュニケーションが欠かせません。
ビジネスコミュニケーションツールの Slack は、多彩な機能と外部サービスとの連携で、コミュニケーションの課題を解決しながらタスクやプロジェクトを一元管理できます。時間管理ができれば時間と気持ちに余裕が生まれ、将来的な目標達成やスキルアップも図れます。効率性と生産性の向上のために、 Slack を活用して上手に時間管理を行いましょう。
よくある質問
HOME > Slack 日本語ブログTOP > 生産性 > 時間管理をすれば業務効率も上がる!コツをつかんで生産性を上げよう