Ari Bikes は、急峻なダウンヒルでのジャンプに耐える一台から、通勤時にアスファルトを力強く捉える一台まで、あらゆる移動に対応する美しいカスタムメイドの自転車を製造しています。米国ユタ州リンドンを拠点とする同社は、製造した自転車を顧客に直接販売するブランドの先駆者として、サイクリング業界を革新しています。
「私たちの理念は、卓越した体験を創り出すことです」と Ari Bikes の創設者で CEO の Chris Washburn 氏は話します。「ただ自転車を売っているのではありません。届けたいのは、体験であり、ライフスタイルであり、人々が自らの潜在能力を発揮できる方法なのです」
最新のサイクリング機器を提供しながらコスト削減も実現するために、Ari Bikes では、あらゆる業務をスピーディーにこなさなければなりません。そのビジネスのスポークをつなぐハブの役割を果たしているのが、AI を活用した仕事のためのプラットフォームである Slack です。
Washburn 氏は、2005 年にカスタムメイドの自転車メーカー「Fezzari Performance Bikes」を立ち上げました。同社は 2024 年にブランド名を刷新。日本語で「存在する」という意味の「あり」をもとに「Ari」という名称を採用しました。現在、8 つの新しい自転車モデルの発売を予定している Ari Bikes では、ブランドメッセージの策定から自転車の設計・製造まで、あらゆる業務の効率化において Slack が重要な役割を果たしています。また、世界展開の歩みを進めるうえでも、Slack の存在は不可欠なものになっています。
従業員 1 人あたり毎日 2 時間分の業務を削減することに成功した Ari Bikes は、Slack をどのように活用して、プロジェクトを実行し、会議の数を減らして、生産性を高めているのでしょうか。その方法をご紹介します。
迅速でわかりやすいプロジェクト管理サイクルを Slack で実現
Tyler Bishop 氏は、Ari Bikes の Product Manager として、実店舗およびウェブサイトで販売する自転車のデザインを担当しています。同氏の役割は、顧客からのフィードバックに耳を傾け、市場を分析し、サイクリストが何を求めているかを理解すること。得られた情報をもとにエンジニアリング、営業、マーケティングの各部門のメンバーと協力し、新しい自転車の開発に取り組んでいます。
Bishop 氏は、Slack のチャンネルを使って、あらゆるメンバーと連携しています。チャンネルは、人、ファイル、メッセージを 1 か所で共有できるスペースです。チャンネル内を検索することで、過去の経緯を簡単に確認でき、スレッドを利用することで特定のメッセージを中心にディスカッションを整理できます。
「どの自転車の開発も 1 つのプロジェクトです」と Bishop 氏は言います。「Slack を使うことで、新しい自転車を開発する際にも、あらゆるチームと簡単にコミュニケーションができ、時間の大幅な節約になります。プロジェクトマネージャーとして、Slack なしで仕事をすることはもはや考えられません」
Operations Manager を務める Ryan Nonu 氏は、よく使うツールとして Slack canvas を挙げます。同氏は写真、動画、デザイン関連のファイルを canvas で共有することで、同僚たちに新製品をデザインするためのヒントを提供しています。さまざまなコンテンツを 1 か所で参照できるようになることで、チームは行く手を阻む障害物をやすやすと乗り越え、創造性を発揮することができます。
「Slack は、私たちが自らの目標を達成することと、お客さまの目標達成を支援することの両方で、大きな力になっています」
カスタマーサクセスの道のりを Slack チャンネルで走り抜ける
一人ひとりの顧客に合わせた自転車のフィッティングと部品の提供を担当している Customer Success Specialist の Kristy Gonzales 氏は、顧客が予算内で適切な自転車を見つけられるようにするための支援に尽力しています。
同氏は Slack を使って全社の同僚と連携し、パーソナライズされた迅速なサポートを顧客に提供しています。かつては、例えば、顧客から部品の注文が入ると、それぞれの部門の倉庫に直接出向いてその部品を探していました。これはコストがかかる方法であり、自転車の最終的な価格にも影響します。
そこに Slack を使うようになったことで、Gonzales 氏は部品の有無を複数の部門にすぐに確認できるようになりました。これにより、同氏は 1 日あたり約 2 時間の節約を実現しています。
「Slack のおかげで、購入プロセスの最初から最後までお客さまをしっかりとサポートできるようになりました。しかも、1 日あたり 2 時間分の余裕も生まれたのです」
カスタマーサポート部門とサービス部門も、チャンネルを使って連携を深めています。担当者はチャンネルを使ったコミュニケーションにより、顧客に正確な情報をリアルタイムに提供できます。このように顧客との信頼を築き、長期的な関係を育てることは、サイクリストに愛されるブランドとなるための鍵となります。
「Slack を活用して、顧客が必要とする情報をリアルタイムで提供することで、Ari Bikes は、自転車業界でも傑出した存在になっています」と Gonzales 氏は言います。「倉庫や製造チームからの最新情報が簡単に得られるので、自転車の完成時期をいち早くお客さまに知らせることができます」
ハドルミーティングとクリップで意思決定を加速
米国ユタ州に本社を置く Ari Bikes には、米国内はもちろん世界中の顧客から自転車の注文が入ります。そのため同社にとって、優れたウェブサイトを作り、オンラインでの存在感を高めるための投資が欠かせません。
社内の各部門や顧客との間での情報共有をコーディネートしているのが、Marketing Manager の Ben Wright 氏です。同氏が率いる 10 人のマーケティングチームは、デザインからシステム・ソフトウェアまですべての領域に目を配り、製品の変更などによって生じるあらゆる事象を管理して、Ari Bikes のオンライン施策を支えています。
例えば、ある自転車の仕様が変更になると、Wright 氏のチームは、製品、倉庫、カスタマーサクセスの各チームと調整する必要が生じます。連携をスムーズに進めるためには、変更について各チームにすばやく最新情報を共有することが不可欠です。そこで、時間のかかる会議を行う代わりに、Slack で明確かつ迅速なコミュニケーションが取られています。
「私が行うどの仕事にも、Slack は欠かせません」と Wright 氏は話します。「ささいなことに思えるかもしれませんが、社内の誰にでも超高速で連絡できることはとても重要です。急ぎの依頼を受けた際にも、Slack を使えば、適切な部門に連絡してすぐに対応できます」
Wright 氏のチームは、会議を設定する代わりに Slack ハドルミーティングを使って、時間を節約しています。音声やビデオで手軽に会話できるこの機能は、業務に関するちょっとした話し合いに最適です。また、Slack のチャンネルやダイレクトメッセージ内で短い音声や動画を記録して共有できる Slack クリップを使えば、ミーティングに参加できなかったメンバーも、あとから好きな時間に内容を確認できます。このような機能により、チームは Slack 上で社内の誰とでも簡単につながって、仕事を前に進めることができます。
「大人数での会議を設定する代わりに、必要に応じていつでも Slack でハドルミーティングを開始して、さっと問題を解決できます。日々の仕事がはるかに効率的かつ効果的になりましたね」
Slack AI で生産性向上の新境地を開拓
さらに Ari Bikes のチームは Slack AI を活用して、Slack のチャンネルやワークスペースに蓄積されたナレッジを引き出し、生産性を向上させようとしています。この Slack ネイティブの AI 機能により、従業員は質問に対して、安全で信頼できる自社データに基づいた正確な回答を得ることができます。チャンネルやスレッドのやり取りを要約できる機能とあわせて、情報を探す時間を最小化するのに役立ちます。
「私のお気に入りは AI を活用した検索です」と Nonu 氏は話します。「誰かと話した時の記憶をもとに、簡単なフレーズを検索エンジンに入れると、AI が明確で簡潔、かつパーソナライズされた回答を返してくれます。情報源となった Slack メッセージが示されるのも便利です」
「Slack AI を使えば、探しているどんな情報や経緯も簡単に見つけられます。悩みのタネが 1 つ減りました」
「私はこの会社を、図らずも自転車を作ることになったテクノロジー企業だと思っています」と Wright 氏は語ります。「つねに競合他社の先を行き、最高の自転車を作るには、あらゆる最先端のテクノロジーについて検討していく必要があります。それを助けてくれるのが Slack AI です」
Slack は、Ari Bikes のような企業が、手間のかかる業務に煩わされることなく成長を続けるのに役立ちます。迅速でわかりやすいプロジェクト管理や、時間のかかる会議の削減などにより、従業員は失っていた時間を取り戻し、本来の仕事に集中できるようになるのです。