Dow Jones は、The Wall Street Journal や Dow Jones Newswires といった数々の有名メディアを通じて金融やビジネス関連のニュースを世に出す巨大出版社です。同社では、さまざまな部門から成るコンテンツ戦略チームがキャンペーンを推進し、社内コミュニケーションを効率化するために、チャンネルベースのメッセージプラットフォームである Slack を活用しています。
「Slack はまさに生産性向上のためのツールです」と話すのは、Dow Jones の元 Chief Marketing Officer である Rossa Shanks 氏です。「Slack 上で目にするのは、メッセージだけではありません。そこにはメンバーがいて、チームがあって、プロジェクトや会話が進み、コミュニティが生まれています。Slack はメッセージツールですが、そこにはバーチャルなオフィスの廊下、給湯室、会議室、ホールが存在しているのです」。
そんな Dow Jones のコンテンツマーケティングに Slack がどう活用されているのか知るために、同社の Slack ワークスペースや、日々の仕事に欠かせないチャンネル、そしてインテグレーションを覗いてみましょう。
「Slack 上で目にするのは、メッセージだけではありません。そこにはメンバーがいて、チームがあって、プロジェクトや会話が進み、コミュニティが生まれています」
3 つの主な Slack インテグレーションで時間を有効活用
Dow Jones ではタスクの効率を上げてコンテキストの切り替えを減らすために、ツールやサービスを Slack と連携させるインテグレーションを活用しています。それにより、メンバーはよく使うツールを Slack のチャンネル内で直接操作できるようになりました。チャンネルとは、ファイルやメッセージを 1 か所で共有できる場です。
Content Strategist の Julia Lancaster 氏は、「Slack なら毎日使うツールを簡単に連携でき、ほかのアプリも有効活用できるようになります」と話します。「すべてを 1 か所にまとめられるんです」。
Drift でマーケティングと営業のチームワークを加速
Dow Jones の Director of Demand Generation である Hannah Kranich 氏は、自身のチームで Slack 用 Drift アプリを活用してリードを見極め、潜在顧客との関係作りを進めています。
同社の法人営業チームでは、Kranich 氏の情報をもとに、同社のサービスに高い関心を寄せる有望なリードを洗い出します。Dow Jones のウェブサイトは、リードを特定するうえで一番の情報源です。ただ、そのデータから手作業でレポートを作成するのは手間も時間もかかります。そこでデマンドジェネレーションチームは、対話型のマーケティングプラットフォームである Drift を活用して指標を自動で収集・共有し、その結果が Slack に直接届くようにしました。
「Slack ではすべてが 1 か所にまとめられるので、営業担当者が仕事を進めやすくなりました。Drift のインテグレーションもその 1 つです」
Kranich 氏は「Drift から重要なデータが自動で Slack に直接届くので、時間の節約になっています」と話します。
New Business Sales Executive である Nicole Borgia 氏も、Dow Jones の営業チームには Slack の Drift インテグレーションが欠かせないといいます。「Slack ではすべてが 1 か所にまとめられるので、営業担当者が仕事を進めやすくなりました。例えば Drift のインテグレーションを使うと、数字を常に把握できるうえ、見込み客が接触してきたらリアルタイムで通知が届き、誰がオンラインになっているのかを確認することができます」。
ほかにも Slack 用 Drift アプリは次の場面で役立っています。
- 新たな商談やメールから、見込み客との打ち合わせまで、営業ファネル全体の最新状況を営業チームに通知
- 統合されたレポートで、マーケティングやアナリティクスチームに情報を共有
Asana で担当割り振りと締め切りを管理
マーケティング担当者の役割は、魅力的なコンテンツによって見込み客を惹きつけることです。そのために同社の Senior Marketing Coordinator である Margo Connolly 氏は、マルチメディアウェブサイトコンテンツ、オンラインイベント、デジタルマーケティングキャンペーンの日程を包括的に管理しています。Connolly 氏のチームが締め切りの管理に活用しているのは、ウェブとモバイルの両方に対応したプロジェクト管理アプリの Asana です。
「Asana を絶えずチェックしているわけではありません。というのも、何か確認すべきことがあれば Asana の通知が Slack に届くからです」と、Connolly 氏は話します。「私は日頃からたくさんのタブを開いたままにしているので、これは本当に助かります。アクセスすべきプラットフォームが 1 つ減るわけですから」。
Slack 用 Asana アプリは、Connolly 氏のチームで次のように役立っています。
- Slack を離れずに、Asana の割り当てやコメントを表示
- Slack から直接、リンクされたドキュメントを開いて返信し、締め切りを厳守
- Slack 上で Asana のショートカットを使って担当者を割り当て・更新
Highspot で営業担当者が必要なコンテンツをすぐに活用
Dow Jones のコンテンツマーケティングチームは、Slack 用 Highspot アプリを活用して、営業担当者の貴重な時間を節約しています。コンテンツチームのメンバーが有益な情報を Highspot に上げておくと、営業チームがすぐに確認して見込み客とのやり取りに活用することができます。
「Slack で簡単なショートカットを使えば、必要な Highspot コンテンツをすべて引き出すことができます」と、Lancaster 氏は説明します。「オフィスにいた頃は、マーケティングチームのデスクは営業チームの近くにあり、漏れ聞こえる会話からどんな情報が必要なのかを把握していました。今は Slack がそんな会話の場を再現しています」。
「営業やマーケティングのメンバーが何かのコンテンツを探す時は、まず Slack を覗きます」と、Lancaster 氏は続けます。「Slack になければ Highspot を直接見てみます」。
それぞれのチームがどんなアプリを使っていても、Slack はその「中央指令室」になります。
「オフィスにいた頃は、マーケティングチームのデスクは営業チームの近くにあり、漏れ聞こえる会話からどんな情報が必要なのかを把握していました。今は Slack がそんな会話の場を再現しています」
チャンネルで複数部門が連携しコンテンツ戦略を立案
Slack を採用する前の Dow Jones では、コンテンツ、キャンペーン最新情報、成約事例、その他の最新情報を共有するのに、社内コミュニケーションチームが毎週ニュースレターを配信していました。「最新情報を共有したくても締め切りを逃せば次の週まで待たなければならず、その頃にはもはやニュースとは呼べなくなっていました」と、Connolly 氏は振り返ります。
現在チームには、Slack のチャンネルを活用した社内コミュニケーション戦略があります。全社向けニュースは #pib-announcements
で共有され、特定のチームの最新情報はそれぞれの専用チャンネルに投稿されます。
例えば、南北アメリカ大陸に拠点を持つチームのメンバーが、今後開催予定のイベントの参加者リストを求めているとしましょう。その場合、「担当者は Slack の #pib-sales-amer
チャンネルで回答でき、それによってほかのメンバーもリストを参照できるようになります」と、Connolly 氏は説明します。「以前に比べてよりオープンな双方向のコミュニケーションが実現しました」。
マーケティングチームでは、チャンネルが製品ラインやキャンペーン、地域別に整理されているため、求める情報がどこにあるのか誰でもすぐにわかります。特に利用されているのは次のチャンネルです。
#risk-demand-gen
: マーケティングチームのリスク担当やコンプライアンス担当が、デマンドジェネレーションチームと定期的につながるチャンネル#pib-sales-randc-reasonstocall
: 営業チームとマーケティングチームが、見込み客や顧客にコールすべき理由について活発に議論するチャンネル#abm-knowledgeshare
: チームがアカウントベースドマーケティング(ABM)へと舵を切っていくうえで役立つヒント、ハウツー、数字などを共有するチャンネル
「オフィスでの顔を合わせたやり取りがなくなると、ほかの部門との情報共有が難しくなります」と話すのは、Dow Jones で Marketing Manager of Newswires and Financial Audiences を務める Kaitlin Gisolfi 氏です。「だからほかの部門での大型成約について Slack で知ると、社内の士気が一気に上がるんです」。
同社では、ブログ記事の制作をフリーランスのライターに頼っています。新規ライターへの研修、事例の共有、毎週の打ち合わせを行う際にデザインチームが活用しているのが Slack コネクトの #creative-pool
チャンネルです。それによって社外パートナーとの安全なやり取りとコラボレーションを行えるようになりました。「メールを何度もやり取りしなくても、Slack コネクトで直接スピーディーに連携することができます」と、Kranich 氏は説明します。
「Slack を使うと、コミュニケーションしやすくなるだけでなく、メールでは実現できない形で関係を深めることができます」と話すのは Shanks 氏です。「つながりがかつてないほど求められる時代において、Slack は私たちを 1 つに束ねてお互いをつなげてくれる接着剤のような存在です」。