人材採用ネットワークのプラットフォームを提供している HeadRace の共同創業者で CEO を務める Laszlo Korsos 氏は、Slack を使った社内の業務プロセスと外部とのコラボレーションへの優れた取り組みにより、Slack のビジョナリー賞に選ばれました。
HeadRace は、人材を採用したい企業と、その人材を探すリクルーターの二者に向けたサービスを主に展開しています。まずリクルーター向けには、独自のテクノロジーによる事務管理サービスで採用活動を支援。特定の業界に強みを持つブティック型のリクルーターは、そのプラットフォームが生むネットワーク効果を活用しながら、顧客ニーズに集中して取り組み、自身のビジネスを効率的に成長させることができます。雇用主となる企業へは、単なる採用活動の自動化ツールではなく、採用活動を根本から変革する仕組みを提供。Domino Data Lab、BetterUp、Swimply、Bloomberg、StellarFi といったさまざまな規模の企業が、より透明性の高い人材検索や、より適切なインセンティブの提示を行い、効率的に成果をあげられるようサポートしています。
Slack を導入する前、HeadRace では、3 つの側面から構成されるマーケットプレイスを運営するために、複数のツールを使っていました。それは例えば、企業とリクルーターをマッチングする際にビデオ会議アプリを使い、参加できなかった人には個別にメールを CC で送るといったもので、理想的な方法とは言えませんでした。
仕事を探している人が求職活動をするのはわずかな期間であるため、リクルーターはごく短時間のうちに投資の意思決定をしなければ、採用の機会はすぐに失われてしまいます。HeadRace は 2022 年 6 月にプライベートベータ版をリリースした後、600 万ドルの立ち上げ資金を調達し、2023 年 3 月の正式リリースを目指してプラットフォームの準備に奔走していました。その中で Korsos 氏は、効率と拡張性を最適化し、急速な成長を支えるためには Slack が必要だと考えたのです。
適切なタイミングで正しい答えを見つけられるかどうかが、成功と失敗の分かれ目になる。それがわかっていた Korsos 氏は、Slack を活用することで、成功への確率を押し上げました。現在、HeadRace のチームでは、企業が HeadRace アプリを使って採用候補者を選んだ場合や、重要な情報提供の依頼があった場合など、さまざまな場面に Slack を使ってすばやく対応しています。具体的には、HeadRace アプリでアクションが実行されると、それが Slack 内のアクションのトリガーとなって、シームレスに通知が行われるようになっています。
米国カリフォルニアから中南米、中東地域まで、さまざまなタイムゾーンで世界規模の事業を運営している HeadRace では、社内外のすべての関係者間で認識を共有することが不可欠です。そこで、同社は Slack API を使ってカスタムコードを書き、Slack コネクトへの招待を企業とリクルーターに自動的に送信するチャンネルを作成。また、企業やリクルーターがプラットフォームに登録した際に、HeadRace Slack ボットから歓迎のメッセージが送信される仕組みも作りました。これにより、登録者は採用プロセスのあらゆる段階で、信頼できる Slack コネクトを連絡窓口として利用でき、契約交渉や採用候補者の調整を簡単に行えるようになりました。
複数名のリクルーターをいかに管理するかという課題に対して、Korsos 氏は、チャンネルを自動的に起動するコマンドをチームが実装できるよう支援。HeadRace Community のワークスペースで行われるすべてのリクルーターと企業のやり取りを、チャンネルで管理できるようにしました。コミュニケーションが円滑になり、関連情報に簡単にアクセスできることで、企業はリクルーターのパフォーマンスを透明性の高い方法で追跡して、効率を高められます。また、採用候補者の書類提出やステータスの更新があった場合には、HeadRace Slack ボットが、企業とリクルーターの両方に通知を送信。すべての関係者がプロセスの段階を把握して、しかるべき時にすばやく意思決定を行えます。
「業務の運営に役立ち、スムーズに使えるという Slack の力により、効率が大幅に向上することがわかりました。あいさつ文付きの堅苦しいメールを書かなくてもいいこと、すべての最新情報を 1 か所でチェックして、その場ですぐにアクションを起こせることは、素晴らしいメリットです」
HeadRace のチームは、スレッドも大いに活用して、チャンネルを整理された状態に保ち、必要な時に簡単にプロジェクトや会話を参照できるようにしています。また、Figma、Asana、Datadog、GitHub、Senty といった同社で利用している技術スタックを Slack と直接連携させることで、ツールの切り替えを減らして仕事をスピードアップさせています。
主要なすべての関係者と Slack でやり取りできるようになったため、HeadRace は Zendesk を利用する必要がなくなりました。社内のカスタマーサービスチームとヘルプ管理チームは、時間とコストを節約し、無駄なやり取りを減らすことができています。また、登録した企業とリクルーター向けに専用のサポートチャンネルも用意。これにより、何らかの事態が発生した際には、外部のツールを使うことなく、速やかにチームで優先順位をつけて解決にあたれます。
HeadRace の運営を Slack に移すことで、企業とリクルーターは、あらゆる段階でタイミングを逃さず、個別化した形でやり取りを行えるようになりました。すべての関係者とプロセスを 1 か所に集められるため、企業は複数名のリクルーターのパフォーマンスをモニタリング・評価でき、目標に向けてすばやく認識を共有して、全員にとってウィンウィンの成果を生みだせます。ユーザー数の増加に合わせて拡張でき、円滑なコミュニケーションと連携を確保できる態勢を整えている HeadRace では、今後の成長がどれだけの速さであっても心配はないでしょう。