写真家が被写体にフォーカスを合わせるように、マーケティングチームは、影響力の大きな仕事に集中して取り組む必要があります。しかし、日々繰り返される手作業や、頻繁なツールの切り替え、縦割りの部門といった課題のために、美しい写真のような満足できる作品が生まれにくくなっているのが現状です。それがキャンペーンの立ち上げや見込み客の取り込みの遅れにつながっています。そこで求められるのが、仕事のスピードや生産性を効果的に高めることができるツールやシステムです。
キャンペーンのインサイトや承認のリクエストが自動的に適切な担当者へ届き、同じプラットフォーム上ですばやくアクションを起こせるとしたらどうでしょうか。まさにそれが、Salesforce のマーケティングチームが Slack をプロダクティビティプラットフォームとして活用して実現したことです。その結果、同チームでは、案件処理のスピードアップや人々のつながりの強化が促進されています。
それでは、Salesforce のマーケティング担当者が Slack の自動化ツールを使って、データ主導の意思決定や代理店とのコラボレーションを実現し、優れたマーケティングの「作品」を生み出している方法をみていきましょう。
ワークフローでチームの連携を促し、承認をスピードアップ
現代のペースの速いハイブリッド型の仕事環境において、キャンペーンをスムーズに市場に投入するためには、密接なチームワークの維持が不可欠です。そこで力を発揮するのが、コーディング不要でカスタマイズ可能なワークフローを作成できる、ワークフロービルダーです。
「ワークフローを作成することで、業務のスピードと効率を向上させ、チームの結束を高められます」と語るのは、Salesforce の Senior Director of Corporate Marketing を務める Vikram Mediratta です。「重要なものがすべて 1 つの場所にまとまるので、多数のメールやプラットフォームを探しまわる必要がなくなります。チームの業務効率と生産性の最大化を目指すリーダーにとって、これは何より優先すべきことです」
たとえば、「承認ワークフロー」では、リクエストされた情報をすべて自動的に収集して送信。関係者はその要約をすぐに確認して、ほんの数分で承認を完了できます。Slack のワークフローでファイルや文書を一元管理することで、仕事を中断なく進めていけるのです。Slack のプラットフォームでは検索も簡単なため、チームはワークフローを使って同じようなリクエストを再度実行する方法をすぐに理解できます。ワークフローやスレッドに適切な情報を含めておくことで、意思決定に関わるメンバーや締め切りまでの時間など、リクエストの背景も把握しやすくなります。
「情報を探す時にもう迷わずにすみます。承認が遅れることもなくなりましたね」と Mediratta は話します。「1 つのシステムで管理する方がはるかに簡単です。要約は理解しやすく明快で、すぐにアクションを起こせます。ワークフローのおかげで、デスクにいる時も、外出先から携帯電話で Slack にアクセスする時も、とても効率的に仕事を進められます」
ワークフローは人と人のつながりも変革します。カスタマーサポートやエンゲージメントのワークフローでは、メンバーからの質問が、それに関する情報やリソースを持ち、適切な回答を提供できる専門家のグループに自動的に送信されます。マネージャーも、このようなワークフローの動向を見ることで、トレンドを把握し、どのようなサービスや能力開発が求められているかを判断できます。
ワークフローを導入する前は、チームはさまざまな場所から情報を探すことに時間を費やしていました。「探しまわっても見つからず、結局は誰かに尋ねることになるのです。メールを送ったり、会議に参加して情報を集めたり……」と Mediratta。「それができなければ、うまくいくよう祈るしかありませんでしたね」
今では、営業関連のサポートに特化したワークフローにより、メンバーは直接、製品マーケティング担当者に質問ができるようになっています。このような仕組みにより、目下の課題を解決できるだけでなく、新しく入ったメンバーが簡単に検索して業務を学べる、貴重な情報アーカイブも形成されます。
「メールだと、ひょんなことで情報がすり抜けてしまうことがあります。宛先から誰かが漏れていたり、転送時にファイル添付を忘れていたりすると、情報を探すのに時間を無駄にしてしまいますよね。Slack を使えば、生産性の最大化にフォーカスして、より良い働き方を実現できます」
チーム全体でデータに基づいて意思決定
人、アプリ、プロセスがつながることで、マーケティングチームは背景情報を共有し、よりスマートな意思決定を行えるようになります。Slack は Google アナリティクス、Asana、DocuSign、Quip、Concierge といったマーケティング担当者がよく使うアプリと連携できるため、営業、カスタマーサクセス、製品管理といった社内チームと Slack チャンネル内で簡単に認識を共有できます。2023 年 8 月に Salesforce が発表した「Customer and Market Success Metrics」によると、Slack を使うことで、顧客、見込み客、同僚、パートナーへの対応スピードが 36% 上がり、チーム全体の意思決定も 37% 速くなったという結果が出ています。
また、Tableau や Account Engagement といった Salesforce Marketing Cloud のプロダクトを Slack に連携させることで、顧客からの要望や問題が発生した際に、チャンネル内ですぐに通知を受け取れるようになります。これにより、チームは市場のニーズへの理解を深め、それに応じたキャンペーン活動の調整がしやすくなります。Tableau との連携では、価値あるデータやインサイト、AI による予測などを利用でき、チームが十分な情報に基づいた意思決定を行うのに役立ちます。また、Account Engagement では AI により、購入の可能性が高い重要な顧客を特定できます。
さらに、Marketing Cloud for Slack インテグレーションを使うと、チームは Slack 内で、Marketing Cloud のデータを自動的に更新しながら、キャンペーンの計画や実行ができるようになります。見込み客のエンゲージメントやキャンペーンのインサイトについてのアラートが、ワークフローによって関連チャンネルに送られるため、マーケティング担当者はリアルタイムでキャンペーンの分析・調整が可能に。これらすべてを 1 つの場所で行えるのです。
パートナーとの連携強化で成果をアップ
とくに大規模な企業にとって、適切なツールがなければ、パートナーシップから最大限の価値を引き出すことは困難です。応答の遅れや混乱したメールのやり取りが、プロジェクトの足を引っ張ることもしばしばです。さまざまなツールを切り替えて使っているうちに、重要な情報が抜け落ちてしまうこともあるでしょう。
Slack コネクトを利用すれば、外部のパートナーやベンダーも Slack 内の同じワークフローやアプリ、ツールにアクセスできるようになり、コミュニケーションが円滑になります。Slack で情報源を一元化することで、次の会議を待たずとも最新情報を共有できるようになり、パートナーもチームの一員として、重要な意思決定をスピーディーに行えるようになります。
「私たちにとって、Slack はデータに基づいた決定をリアルタイムに行えるツールなのです」
Slack コネクトは、毎年開かれる Salesforce 最大の顧客イベント Dreamforce においても、社外パートナーとの大規模な協働をスムーズに行うのに役立っています。Salesforce の SVP of Strategic Events として数日間にわたるカンファレンスを統括する Erin Oles も、自らのチームでワークフローを活用して、技術的な問題のエスカレーションを管理しているといいます。
「Dreamforce の際、登録を担当するチームは Salesforce のクラウドから得られるリアルタイムの分析データに Slack チャンネルからアクセスします」と Oles は説明します。「ベンダーもそれ以外の人も同じチャンネル内で、ワークフローを使って問題を解決し、最新情報を共有できます。私たちにとって、Slack はデータに基づいた決定をリアルタイムに行えるツールなのです」
Slack の自動化ツールを活用することで、マーケティング担当者はさまざまな対象にフォーカスしやすくなります。さらに、近くリリースされる新しい自動化機能を使えば、使い慣れたツールを簡単に連携させて、より高度なワークフローの作成が可能になります。わずか数回のクリックで、これまでにないほどの奥行きのある視界が開かれていくことでしょう。詳しくは、ぜひ Slack の営業チームまでお問い合わせください。