062822-homefree-film-logo-hero
ニュース

ドキュメンタリー『Home/Free』が描く 元受刑者の社会復帰の壁

Slack、Next Chapter、FREEAMERICA、Equal Justice Initiative による短編映画

執筆者 : By the team at Slack 2022年6月29日

「かつての過ちが、その人のすべてではありません。誰しも家に帰れば、自由が待っているはずなのです」

FREEAMERICA 創設者John Legend 氏

Slack は本日、Next Chapter、 FREEAMERICA、Equal Justice Initiative とともに制作した短編ドキュメンタリー映画『Home/Free』予告編を公開しました。このシリーズでは、シンガーソングライター、プロデューサー、俳優、そして FREEAMERICA の創設者でもある John Legend 氏がナレーションを担当し、元受刑者たちが自らのストーリーと社会復帰体験を語っています。

 

 

062822-homefree-film-jess-bonanno

Jess Bonanno
ソフトウェアエンジニア、Slack

セカンドチャンスがあることの重い意味と、それが元受刑者とコミュニティの両方に与えるめざましい効果。それが Next Chapter のモデルの土台です。2018 年、Slack は The Last Mile、W.K. Kellogg Foundation、FREEAMERICA とともに Next Chapter を創設しました。これは、元受刑者がテクノロジー分野でスキルを要する職に就き、高い収入を得られるようサポートするプログラムです。現在、Next Chapter は Tides Center のプロジェクトとなり、 14 の雇用パートナー企業が参加しているほか、これまで 30 名以上がプログラム修了後、大手テクノロジー企業でフルタイムのソフトウェアエンジニアとして働いています。

062822-homefree-film-kenyatta-leal

Kenyatta Leal
Next Chapter、Executive Director

「元受刑者に対して 1 人の人間として接することなく、それぞれの事情や長所、将来の夢などを知らないままでは、無闇に怖がったり誤解したり、拒んだりしてしまいがちです」と指摘するのは、Next Chapter の Executive Director である Kenyatta Leal です。Leal 自身、カリフォルニア州の刑務所で 20 年以上を過ごした体験を映画『Home/Free』のなかで語っています。「こうしたストーリーの力によって、人はつながることができます。過去だけでなく秘められた可能性も含めて、相手が複雑で価値のある無二の存在だと捉えられるようになるのです。そうなれば、すべてが変わります」。

2016 年に、Slack の CEO 兼共同創業者 Stewart Butterfield をはじめとする Slack の従業員は、サン・クエンティン州立刑務所を訪れ、NPO 団体 The Last Mile と出会いました。同団体は、出所後の社会復帰を支援するため、受刑者にビジネスやテクノロジーに関する手厚いトレーニングを提供しています。トレーニングを受けた受刑者たちは、出所後に一番必要なのは身につけたスキルを活かせるテクノロジー業界の仕事を見つけることだと話していました。この時、私たちは Slack ならではのサポートができると気づいたのです。その後は The Last Mile の豊富な専門知識を借りながら、刑事司法制度の現状を理解し、従業員を教育してきただけでなく、Next Chapter の実習生を受け入れてくれるパートナーも見つけることができました。

062822-homefree-film-marcus-bullock

Marcus Bullock 氏
Flikshop、Founder

Next Chapter が掲げるミッションのなかでも重要なのが、大規模かつ持続的な変化を生むために、参加企業内にとどまらず社会全体で元受刑者に対する見方を変えることです。これを実現するには、元受刑者が直面している課題に迫り、1 人ひとりのストーリー、つまり夢や過去の実績、現在の苦境を理解することが欠かせません。そして、社会的または法的な壁、そして人々の見方によって、本当の意味で自由の身になれない現状を把握する必要があります。映画『Home/Free』は、仕事や住居の確保から、偏見や不信感の克服まで、あらゆる層において元受刑者が社会復帰の際に直面する課題を浮き彫りにしています。

社会復帰者が直面する壁は実にさまざまです。Prison Policy Initiative の調査によると、求職者に犯罪歴があると、企業から連絡がもらえる確率が 50% 減少することがわかりました。仕事に就いたとしても、たいていの場合賃金は最低水準で生活に余裕はありません。Brookings Institute の見積もりでは、元受刑者のうち出所翌年に所得がある割合は 55% にとどまります。『Home/Free』が描くのは、元受刑者がこうした社会復帰の壁を乗り越える不屈のストーリーです。

062822-homefree-film-anthony-ray-hinton

Anthony Ray Hinton 氏
Equal Justice Initiative 、Community Educator

この短編映画シリーズでは、元受刑者たちが自らストーリーを語ります。登場するのは、Next Chapter の修了者で現在は Slack のソフトウェアエンジニアとして働く Jess Bonanno のほか、全米の受刑者向けにパーソナライズしたポストカードを作るプラットフォーム Flikshop の創業者 Marcus Bullock 氏、さらに冤罪で 30 年も服役した Anthony Ray Hinton 氏です。シリーズの各編は、社会復帰者が真に自由の身になるうえで立ちはだかる壁に改めて気づかせるだけでなく、自身とコミュニティのためによりよい人生を送ると決めた人々の忍耐力を描き出しています。

本日発表した予告編は、Slack と Aspen Institute による共同施策 Rework Reentry にとっても大きな意味を持ちます。これは、テクノロジー分野で元受刑者のキャリア形成を支援する新たな取り組みです。シリーズ本編は 2022 年後半に公開する予定です。

社会復帰する人々に機会を開く取り組みはまだ道半ばです。しかし元受刑者に対して見方を変えて、本当の自由とともに迎え入れるとどうなるかを多くの人が知るようになったのは、Next Chapter のようなプログラムの成果だと言えるでしょう。

詳しくは、nextchapterproject.org のサイトをご覧ください。またお問い合わせはinfo@nextchapterproject.org および slackforgood@slack.com まで。

 

この記事はお役に立ちましたか?

0/600

助かります!

ご意見ありがとうございました!

了解です!

ご意見ありがとうございました!

うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

読み進める

ニュース

「仕事のための仕事」からの脱却――Slack の最新調査で AI 利用の加速が明らかに

生産性

業務自動化とは?メリットや注意点などを解説

業務自動化は業務効率化や生産性の向上に役立ちます。業務自動化のメリットや推進する方法、業務自動化に適した業務の例のほか、注意しておくべき点を紹介します。

生産性

SaaS のオンボーディングが重要な理由とは?成功させるポイントを紹介

SaaS を継続的に利用してもらうにはオンボーディングが重要です。SaaS におけるオンボーディングの重要性や KGI・KPI の指標、実施する手順や成功させるポイントを紹介します。

コラボレーション

TOPPAN が Slack で実践する“分報”の手法と成果とは?

「Why Slack? 導入事例紹介セッション」 ウェビナーレポート