世界有数の中小企業向けプラットフォームを運営する Xero は、180 の国・地域の 420 万以上の契約者に、迅速で正確、かつパーソナライズされたカスタマーサポートを提供することに力を注いでいます。この規模の顧客に対応するには、単に最先端のテクノロジーを導入するだけでは不十分です。Xero には、カスタマーエクスペリエンス(CX)チーム全体がシームレスに連携できる環境が必要でした。
Slack と Service Cloud の連携で CX を強化
Xero は 2024 年、CX 業務の効率化を進めるため、Slack を Salesforce Service Cloud と連携させました。このインテグレーションにより、顧客からの複雑な問い合わせに対して CX チームがリアルタイムで協力して解決を図る「スウォーミング」のプロセスが大きく変わりました。
「この連携を行う前は、問題を解決するのに手作業での調整が必要で、チームがどのような課題に対応しているのかも見えにくい状況でした」と Xero の Head of Global CX Projects & Readiness を務める Megan Harrigan 氏は振り返ります。「それが Slack を Service Cloud と連携させたことで、適切なスキルを持つメンバーを専用チャンネルにすばやく集められるようになり、お客さまの複雑な問題もスムーズに解決できるようになりました」
このインテグレーションによる成果は数字にも現れています。
- スウォームの待機時間が 38% 短縮 : スペシャリストがシニアメンバーからの支援を待つ時間が短縮され、顧客からの問い合わせの解決がスピードアップ。顧客満足度も向上しました。
- ケースあたりのスウォーム実施率が 1% 低下 : 問題をエスカレーションすることなく対応できるケースが増えたことで、スウォームの実施件数が 476 件減少しました。
「チーム内のアンケートでは、80% 以上のメンバーがインテグレーションによるポジティブな変化を感じていると回答しており、生産性の向上が示されています」と Harrigan 氏は話します。
グローバルな CX チームのコミュニケーションが効率化
メンバーが複数のタイムゾーンにまたがって働くグローバルな Xero の CX チームにとって、Slack はコミュニケーションに欠かせないツールとなっています。ただ、メッセージや通知が頻繁にあることで、情報過多に感じられることもありました。そこで役立ったのが Slack AI です。AI が主要なメッセージやチャンネル、スレッドの最新情報を要約してくれるため、チームはすぐに状況を把握して、優先度の高いタスクに集中できるようになりました。
「Slack AI は、私たちの大きな力になっています」と Harrigan 氏は話します。「グローバル企業である当社では CX チームも複数のタイムゾーンで働いており、通知の多さに圧倒されることもありました。そこに Slack AI が重要な最新情報を要約してくれることで、チームはログオン後すぐに、やるべき仕事に集中できるようになりました」
Slack AI の導入により、Xero のグローバル CX チームは、協力し合う文化を保ちながら、関連性が低い通知を最小限に抑え、重要なタスクに集中して取り組めるようになっています。

Slack AI は、私たちの大きな力になっています。メンバーが複数のタイムゾーンで働くグローバルな CX チームにとって、Slack AI による最新情報の要約が役立っています。
エージェントの導入による CX 変革の次のステップ
Xero は今、エージェントによる生産性向上の可能性に目を向けています。「この新しいテクノロジーに大きな期待を寄せています。手作業のタスクの自動化が進み、チームは複雑な問い合わせや顧客との関係構築にさらに集中できるようになるでしょう」と Harrigan 氏。「スペシャリストたちが繰り返しの作業から解放され、本当に重要な仕事、すなわちお客さまが Xero を最大限に活用できるようサポートすることに、今以上に注力できるようになるはずです」
「このようなテクノロジーへの投資を続けることで、業務の効率がさらに向上し、お客さまと従業員の双方に、より満足度の高い体験を提供できると確信しています」と Harrigan 氏は付け加えます。「エージェントが生産性と顧客満足度の向上にどのように貢献してくれるか、今からとても楽しみです」
エージェントに大きな期待を寄せています。手作業のタスクの自動化が進み、チームが複雑な問い合わせへの対応や有意義な関係構築にさらに集中することで、お客さまに可能な限り最高の体験を提供できるようになるでしょう。