スーパーマーケットのデジタルエクスペリエンスを支える Slack
Coles は、オーストラリアで 100 年以上にわたって営業を続けているスーパーマーケットです。Coles Variety Store の 1 号店がメルボルンにオープンした 1914 年以来、消費者の購買習慣は常に変化してきました。その変わり続ける顧客の期待に応えることで、Coles は今日までオーストラリアを代表する小売店としての地位を守っています。
2020 年に同社は、実店舗とオンラインでのショッピング体験をシームレスに融合した、オムニチャネルエクスペリエンスの提供を次の目標として定め、Digital チームを拡張しました。
各地に分散したメンバーでチームを拡大していく際にアプローチを間違えると、組織が階層化し、コミュニケーションが非効率になって、イノベーションのスピードが低下するおそれがあります。
Coles では、従来はほかのプラットフォームで、この課題に対処しようと試みてきました。しかし、プロダクトチームとエンジニアリングチームの拡大に伴い、より効率的なオールインワンのソリューションが求められるようになってきたのです。Coles で Senior Engineering Manager of Web & Loyalty を務める Patrik Mihailescu 氏は、デジタル変革のビジョンの実現を支える、もっと優れた選択肢があるはずだと考えていました。
「Slack のおかげで、プロダクトチームを拡張し、円滑なカスタマーエクスペリエンスを提供して、コンバージョン率や顧客満足度を高めることができました」
プロダクトリリースのサイクルが月単位から週単位に
Coles にとって、新機能をいち早く顧客に提供することは、他社との差別化をはかるうえで重要な要素です。同社では現在、Slack のおかげで、顧客のニーズや商談の機会に以前の 4 倍のスピードで対応できるようになっています。
Slack の導入以前、プロダクトのリリースはストレスが多く、時間のかかる作業でした。コミュニケーションが分断されていたことで、エンジニアはリリースのたびに、サイトに不具合が発生しないか心配していたのです。
それが今では、Slack チャンネルをプロダクトの実装時に使うようになったことで、エンジニアはリアルタイムでも非同期でも、最新情報を簡単に手に入れられるようになっています。
「Slack のおかげで、プロダクトの実装サイクルが月単位から週単位になりました。今年はさらに日単位のリリースに取り組む予定です」と Mihailescu 氏は話します。
Coles では、新規リリースのプロセスが、これまでの 3 日からわずか 1 日へと大幅にスピードアップしました。Slack を使った効率的な実装プロセスにより、同社のチームはカスタマーエクスペリエンスの向上を容易に実現して、競合他社との差別化につなげています。
Slack のおかげで、プロダクトの実装サイクルが月単位から週単位になりました。今年はさらに日単位のリリースに取り組む予定です。
Slack で混乱なく不具合を解決
開発においてバグや不具合は避けられないとはいえ、これまでの同社では、プロダクトエンジニアやソフトウェアエンジニアがコードの問題の解決に時間をとられて、作業を中断するケースが多く見られていました。
数多くのシステムが接続された複雑な環境で運用を行っていたために、開発やテストをする基礎部分で問題が発生すると、多くのエンジニアが作業を止めざるをえなくなることがあったのです。
「Slack の導入以前は、たった 1 つの不具合が数々の混乱を引き起こしていました。その際にエンジニアは誰に連絡すればよいのか、どのプラットフォームを使えばいいのかわからなかったのです」と Mihailescu 氏は振り返ります。
このような混乱は、PagerDuty、Sentry、Azure DevOps といったアラートツールやテストツールを Slack と連携させることで解消できました。今では問題が発生すると、その最新情報が Slack チャンネルに自動的に投稿され、問題の修正を担当するのにふさわしいエンジニアに即座に通知が送られます。アラートやテスト結果を確認するために別のツールに移動する必要はなく、すべてを Slack 上で完結させることができます。
こうして、これまでは半日かかっていた不具合の解決時間が、わずか 30 分に短縮されました。エンジニアが問題の修正を待つ時間が大幅に減り、顧客に向けて新しい機能を開発するための時間が大幅に増えたのです。
透明性の確保で、価値ある業務に使える時間が増加
Coles の Digital チームは、Slack をオープンな情報源として活用。従業員に Slack 上で自由に非同期で情報を共有するよう促したことで、会議の数が 20% 減少し、作業の続行判断のためにミーティングを開く必要もなくなりました。
ミーティングを開く場合も、以前よりも有意義に仕事に結びついた内容になっています。
「Slack のおかげで、ミーティングの内容も『このコードは何?』といった基本的なやり取りから、『ここでのカスタマーエクスペリエンスはどのようなものか?』といったレベルの高いコラボレーションへと進化しています」と Mihailescu 氏は話します。
Slack の検索機能とパブリックチャンネルにより、エンジニアは上司に尋ねることなく、自力で簡単に必要な情報を見つけられます。また、ハドルミーティングを利用することで、わざわざ会議のスケジュールを押さえなくても、仕事の流れの中で手軽に連携できるようになっています。
Mihailescu 氏によれば、今ではエンジニア間の自発的なコラボレーションが増え、顧客のことを第一に考えて、新しい刺激的なアイデアが生み出される環境ができているといいます。
「Slack によって、行動力のあるメンバーが力を合わせて問題解決にあたり、新しいアイデアを生み出しています。透明性が確保されていることで、信頼関係が築かれ、個人の能力も高まり、より重要な仕事に集中する時間が得られています」[# /]