ヘッドセットをつけて仕事をしている人物

Northwestern Mutual、Slack による自動化とイノベーションで、金融サービス業界に新風を吹き込む

「Northwestern Mutual ではサポート業務から自動化までを ChatOps のアプローチで行っており、Slack を使ったワークフローを導入して、IT 部門の運営方法を根本から変革しています」

Northwestern MutualAssistant Director, Software EngineeringRoss Rondeau 氏

金融に関する人々の目標達成を 165 年以上支援し続けている Northwestern Mutual は、Slack を活用して、部門を超えた仕事の自動化、時間の節約と効率の向上、従業員のエンゲージメントと生産性の維持を実現していることが評価され、自動化賞に輝きました。

フォーチュン 100 企業に入っている Northwestern Mutual は、包括的なファイナンシャルプランニングと投資のソリューションを約 500 万人の顧客に提供しています。同社は、仕事環境を従来の金融機関のものから最新型へと生まれ変わらせるために、Slack を活用しました。

数千人の従業員と請負業者に 24 時間 365 日体制でサポートを提供している Northwestern Mutual の技術サービスセンター(TSC)では、業務プロセスが時代にそぐわないものになっていることが課題でした。例えば、これまで TSC では、Skype のアドオンツールを使ってインシデントのトラブルシューティングにあたっていましたが、やり取りに一貫性がなく、重要な情報が行方不明になりがちでした。会話ごとに新しいウィンドウが開き、そこに 10~15 名ものエキスパートが参加することで混乱が生じており、特にシステム停止に関するインシデント発生時には、会話数が急増し、混乱はさらに大きくなっていました。

そこに Slack を導入したことで、 Slack チャンネルでやり取りを一元化できるようになりました。現在、TSC の技術者は、チャンネルを通じて毎月平均 1 万件のメッセージを送信しています。また、ユーザー名に絵文字タグを使って、エキスパートを効率的に見分けられるようにしたり、個別のインシデント専用チャンネルを作成して、経緯や関連情報を記録したりしています。すべてのトラブルシューティングが 1 つのチャンネルで行われるため、ナレッジも効果的に蓄積できるようになりました。

エキスパートは、情報へのアクセス性がよくなったことで、サポート依頼を出す前に、まずチャンネル内を検索して情報を集められるようになりました。上位のサポートチームも、難しい問い合わせを Slack 内でクラウドソーシングできるため、時間に余裕が生まれ、より深く仕事に集中できます。サポートを受ける従業員にとっても、問題解決までの時間が短くなり、本来の業務にすばやく戻れるというメリットがあります。チャンネルの透明性が保たれているために、経営幹部も重要な案件をリアルタイムでモニタリングできます。担当者をつかまえて、最新の状況を聞き出すようなことはもう必要ありません。

「Slack は、従業員の能力を何倍にもしてくれる存在だと思います。トラブルシューティングの問い合わせに、これまでは 10 名のヘルプチームで対応していたのですが、Slack を導入してからは、専門知識を持つほかのメンバーもチャンネルに加わって、総勢 80 名のチームとして対応にあたれるようになっています」

Northwestern MutualLead Product Manager, Technology Customer SuccessDan Casey 氏

Northwestern Mutual の開発者チームでは、これまでは同じトピックを検索するのにも、Jira や GitLab といった別々のツールを用いる必要があったため、作業の切り替えが絶えず発生し、情報もサイロ化して、生産性が高いとは言えませんでした。この課題に対応するために、チームは Slack 内のどこからでも呼び出せるテストボットを構築しました。このボットは、すべてのマイクロサービスの項目を環境別に記した正常性レポートを配信し、アラートをリアルタイムで送信してくれます。この自動化により、開発者は仕事を迅速に遂行できるようになり、テストサイクルが短縮されて、チーム責任者への可視性も高まりました。

また、同社は Slack の充実した API を使って Jira を直接 Slack と連携させ、Jira Service Desk からの案件とそれ以外の案件の両方に対応しやすくしています。Jira により、チームは社内向けのサポート業務に優先順位をつけたり、追跡・最適化したりしやすくなります。プラットフォームサポートチームやアプリケーションチームなど社内の他部門でも、Jira の機能を活用した複数の Slack インテグレーションが使われています。

さらに、Slack に備わっているカスタムインテグレーションの機能を活用して、開発者は社内の Slack グループを同期させ、進化するニーズに対応できます。例えば、サードパーティの監視アプリケーションを Slack のグループと同期させて、グループに常に適切なメンバーが参加するような仕組みを構築できます。また、複数のチャンネルに @team-oncall 機能を導入して、さまざまなチームへの通知方法を統一することもできます。

一方で、すべてのインテグレーションを自らで作成するとなると、コストがかかり、管理も手間です。そこで Northwestern Mutual の開発者は Slack の広範なアプリライブラリを利用し、わずか数回のクリックで GitLab などのお気に入りのアプリにアクセスしています。同社では会社の規模が大きくなるにつれ、このような Slack を使った生産性向上への取り組みが、優秀な人材を惹きつけることもわかってきました。

Slack の強固なデジタルインフラストラクチャにより、Northwestern Mutual は、ワークフローの効率化、リアルタイム情報の利用、効率的なフィードバックループ、透明なコミュニケーションを実現できるようになりました。最新の方法を使って自動化とコラボレーションの力を引き出したことで、約 500 万人の顧客に優れたサービスを提供できるようになったのです。[# /]