新しいハイブリッドな環境を作り上げているのは、間違いなく従業員です。Future Forum の最新調査によると、従業員は働く場所や時間だけでなく、使うツールも柔軟に選びたいと考えていることがわかりました。また Gartner が行った調査によると、企業の IT リーダーはデジタルワークプレイスに関するツールの試験導入について、2019 年の 44%から 2020 年には 82% とほぼ倍増したと答えています。
ワークスペースに関するテクノロジーの急速な発展で、ソフトウェアの開発者は誰でも新規ユーザーに対して IT 部門を通さず直接リーチできるようになりました。また Slack の App ディレクトリに自ら構築したアプリを追加できるため、効果的に既存ユーザーを惹きつけて維持することも可能です。Zapier などのパートナー企業では、Slack とのインテグレーションによって、ユーザーが有料プランに移行する傾向が 10% 高くなることがわかっています。
Slack では、ユーザー企業の皆さまが新規ユーザーを獲得してビジネスの成長を実現できるよう、これまで以上にサポートしていきます。本日私たちは、年に一度の Slack ユーザー向けカンファレンス Frontiers 2021 で新機能を発表しました。これらの新機能により、皆さまの Slack アプリがさらに利益をもたらします。それによって既存顧客の満足を保つだけでなく、顧客へのリーチを大幅に高め、皆さまのビジネスがかつてない規模に拡大するでしょう。
リンク共有によりユーザーを獲得
Slack ではアプリのインストールに関する制約を見直し、皆さまのアプリをインストールしていない潜在ユーザーにリーチできる新機能を開発しました。その鍵はリンクです。Slack では毎日何千万ものリンクが共有されています。つまり、皆さまの製品を新たなユーザーとそのチームメンバーに紹介し、活用してもらう機会が豊富にあるということです。
Slack 上で製品のリンクが共有またはクリックされると、ユーザーがその製品のアプリをインストールしていなくても、既存アカウントにサインインするか新規アカウントを作成するよう促すメッセージが表示されます。このスムーズな体験を実現するのが、認証管理をシンプルかつ安全に行える Slack でサインインのリンクです。
その効果は、Atlassian、Lucid、Loom、Miro などベータ版を早期に導入したパートナー企業ですでに実証されています。このうちの 1 社では、わずか 1 か月で 54,000 の新規ユーザーアカウントが作られたほか、130,000 の既存アカウントを Slack に連携させ、自社製品へのアクセスをワンクリックで実現しました。
「ビジネス面での定量的な効果と、ユーザーフィードバックによる定性的な効果の両方を実感しています。Slack でサインインによって、新規登録数が何万人も増えました。さらに Loom で作成したビデオが実際に見られているかどうかまでわかるため、ユーザーからも大変好評です」
リリース予定 : 2022 年夏
第一弾パートナー : Atlassian、Lucid、Loom、Miro
通知を手軽にカスタマイズ
正直、通知の設定は面倒ではないでしょうか?何かのアプリをインストールすると、環境設定のなかからそのアプリの通知を設定する方法を見つけ出さなくてはなりません。次世代の Slack 通知である Slack 上での通知設定では、ユーザーが Slack 上のボタンをクリックするだけで、サードパーティーツールの通知を設定することができます。設定後、通知はチャンネルに届きます。アプリをインストールしたりチャンネルに招待したりする必要はありません。
Slack 上での通知設定は、パートナーの皆さまに次のようなメリットがあります。
- ユーザーが通知を素早く簡単に設定できるようになり、アプリを使い始めるハードルが下がる
- 細かな管理設定によって重要な通知のみを受信できるため、ユーザーは業務に集中できる
- プライベートな DM ではなく、パブリックチャンネルで通知が共有されるため、アプリが多くのユーザーの目に留まる
リリース時期 : 2022 年夏
第一弾パートナー : Smartsheet、Mural
メッセージのメタデータでエンゲージメントを改善
どの企業でも、さまざまなシステムでビジネスプロセスを管理しています。しかし多くの場合それらはうまく連携しておらず、ビジネスが拡大するにつれて変えることは避けられません。製品がほかのソフトウェアと連携していれば、顧客が使うあらゆるツールの組み合わせに対応でき、結果として製品の定着度が高まります。
メッセージのメタデータなら、アプリ開発者はデータを通知とともに送信できるため、ほかのシステムがその情報を処理して対応するのも簡単です。例えば、アプリからのメッセージでインシデントの優先度が「緊急」だと共有されると、顧客はそのインシデントをエスカレーションする一連のイベントを自動でトリガーでき、問題を速やかに解決することができます。このようにデータがすぐに使えると、顧客は Slack API やワークフロービルダーなどのノーコードツールを使って、皆さまの製品を自社のアプリやワークフローにすぐさま連携できるようになります。
チャンネルで重要イベントが発生すればワークフローが反応し報告します。そのため、新規リードの獲得でも大口顧客からのサポートチケットの優先順位づけでも、チームはコーディングなしにただちに対応することが可能です。そのうちチームは、システムをまたぐ一連のアクションを皆さまの製品から始めるようになるでしょう。それは結果的に皆さまの顧客維持率の向上につながります。
リリース予定 : 2022 年夏
第一弾パートナー : PagerDuty、Datadog、Jira Integration+
関数で拡張性を向上
ほかにも皆さまの製品を Slack に組み込む方法があります。それが関数です。Slack には、アプリのフロントエンド構築用に Block Kit という再利用可能な UI フレームワークがありますが、関数はそれと同じようにバックエンドのビルディングブロックとして機能します。これは Slack 上で、コードまたはワークフロービルダーなどのノーコードツールを通してグループ化できる小さな機能のブロックだと考えてください。
関数の利点は、いったん構築するとその後は Slack の UI のさまざまな場所で自動的に機能することです。アプリの管理、作成、デプロイ用の新しく改良された開発者用ツールと組み合わせれば、Slack アプリの開発体験はさらに効率よいものになるでしょう。関数はまだ App ディレクトリのパートナーが利用できる段階ではありませんが、興味があれば非公開の Slack アプリの開発者向けベータ版プログラムにお申し込みください。
リリース予定 : 2022 年夏
今回発表したイノベーションによって、皆さまは自社製品のユーザーに優れた体験を届けられるようになるだけでなく、収益面でもプラスになるでしょう。今回紹介した新機能についてさらに知りたい場合は、こちらに登録してください。最新情報をお届けします。