効率を追求するあまり、企業は自動化のパラドックスに陥ることがよくあります。自動化を進めようとすればするほど、IT 業務の負担が大きくなるという問題です。すでにこの 1 年間でプロジェクトが 41% も急増している IT 部門が、さらに苦境に立たされてしまうのです。手作業に追われ、未処理のリクエストはたまる一方。解決の糸口が見えないまま、同じことが繰り返されます。
このような状況を解決するため、Slack は数年前にワークフロービルダーをリリースしました。これはコーディングの必要なく、誰もが Slack で作業を自動化できるツールです。これまで約 100 万人のユーザーが 1 行のコードも書くことなくワークフローを構築しており、その 80% は技術職以外のユーザーです。例えば、T-Mobile のサポートチームは手間のかかるステータスレポートの作成を効率化し、Noom の人事チームは導入研修をスピードアップさせました。Canva の財務チームは、非同期のスタンドアップ・ミーティングを行うことで週に約 64 時間を節約しています。IT 部門の負担を減らしながら、あらゆる人の生産性を向上させる、まさにウィンウィンの取り組みです。
今回新たに発表するのは、技術的な専門知識の有無にかかわらず、すべての人にとって自動化をよりシンプルかつ強力にする、新しいワークフロービルダーです。自動化の可能性を大きく広げるこのアップグレードにより、数回のクリックで簡単にツールを連携させ、ワークフローをチームの業務にシームレスに組み込み、Slack 内でホストされるアプリを使ってさらなるカスタマイズができるようになります。
ワークフロービルダーによって、新しく創造的なアプローチで、Slack 内でタスクを自動化できるようになりました。貴重な時間をより戦略的な仕事に使えるようになったのです。
作業とツールをひとまとめに
働く人は平均して、毎週最大 52 種類の業務ツールを使っていると報告されています。それぞれのツールには価値があるはずですが、ツールの切り替えが頻発すると集中力が妨げられ、コスト的にも無駄が生じます。あるツールでプロセスを作成し、別のツールでチームの共同作業をする、といった方法をとっていると、経緯や状況をうまく共有できず、メンバーの連携が損なわれ、仕事のペースも落ちてしまいます。
そのような場合に役に立つのが、ツールと作業をひとまとめにできるワークフロービルダーです。今回、ワークフロービルダーの自動化ツールボックスが拡張され、細かなニーズに合わせて、より柔軟にカスタマイズできるようになりました。
新たに組み込まれた Slack のステップと、Salesforce や Google、Atlassian などの仕事効率化ツールとのコネクタ機能により、わずか数回のクリックで、複数のシステムを横断して自動化を実現する強力なワークフローを簡単に作成できます。
では、実際にどのような場面で使えるのでしょうか。例えば、あなたが新しいプロジェクトを立ち上げようとしているとします。設定すべきツール、参加してもらうメンバー、仕事の進め方など、頭の中にはすでにチェックリストができています。ワークフロービルダーを使えば、次のような処理を自動で行うことができます。
- チームが連携して仕事をするための新しいプロジェクト用チャンネルを作成する
- 適切なメンバーをチャンネルに招待する
- 作業と目標を追跡するために、Asana で新しいプロジェクトを開始する
- キックオフミーティングとして Zoom での通話のスケジュールを設定する
このような自動化を行うことで、ツールの頻繁な切り替えをしなくて済むようになり、手作業によるさまざまな調整から解放され、時間を節約できます。公開されたワークフローは、ほかのチームにも利用してもらえます。バラバラだったプロセスを標準化し、効率化を組織全体に広めることができます。
私たちはすでにワークフロービルダーのヘビーユーザーでしたが、この新機能を使えば、より先進的なユースケースを、コーディングスキルを持たないユーザーにさらに幅広く届けられるでしょう。
業務の流れに、自動化を簡単に取り入れる
現実には、たとえ確実に効率化できる方法があっても、そのプロセスが必ずしも組織に浸透するとは限りません。ツールにアクセスし、使い方を学び、実際に使ってみるまでには時間も労力もかかるため、チームは旧来の方法からなかなか抜け出せないことがあります。
Slack を使えば、そのような懸念を最小限に抑えることができます。チームがすでに仕事をしている場所に自動化を組み込めるため、習得にもそれほど時間がかからず、新しいプロセスをすばやく軌道に乗せることができます。ワークフローにリンクを追加し、以下のように Slack 内で共有するだけです。
- canvas に埋め込む : 情報が 1 か所にまとまった場所でワークフローを共有することで、メンバーはすぐに行動に移せます
- チャンネルの「関連ページ」に追加する : 関連性の高い場所にワークフローを配置することで、メンバーがそれを見つけやすくなり、使用する機会を増やせます
- Slack のメッセージ内に記載する : 詳細なステップを説明することなく、簡単にメンバーをプロセスに導けます。
さらに、アプリとワークフローを一元管理できる場所として、「その他」タブからアクセスできる「自動化」ビューが導入されます。今後数週間で、利用可能なすべてのワークフローを検索・起動したり、テンプレートを使ってすばやく作成を開始したり、といったことが 1 か所でできるようになります。ほかのメンバーが作った便利なワークフローを見つけたら、ワークフロービルダーで簡単に複製・カスタマイズして利用することも可能です。
エンタープライズグレードのカスタムアプリを構築して、Slack 内でホスト
Slack のオープン API と柔軟な開発者用ツールを使って、カスタムアプリを構築し、エンドツーエンドのプロセスを変革している企業もあります。例えば、Nutanix は、従来の IT チケットデスクから Slack の自動化システムに移行し、27% 少ない技術者で 34% 速いチケット解決を実現しました。Spotify も、Slack のリアルタイムアラートを用いてキャンペーンの最適化を自動化することで、効率を 40% 向上させています。
Slack の次世代開発者プラットフォームにより、このような変革を実現するカスタムアプリを、より迅速かつ簡単に構築できるようになりました。Slack が追加費用なしでアプリをホストするため、開発者はインフラストラクチャの管理を気にすることなく、コードの作成に集中できます。また、アプリは Slack のセキュリティおよびコンプライアンスの基準に対応したエンタープライズグレードの環境で実行されます。
次世代のカスタムアプリはモジュール化され、より柔軟で汎用性の高いものとなっています。カスタムファンクションをワークフロービルダーに拡張することで、より多くの人がその機能を見つけて、自分のワークフローで利用できるようになります。1 つのカスタムファンクションで無限に自動化を実現できるため、影響力を拡大でき、導入が広がるにつれて開発コストも低くなります。
このプラットフォームがほかと違うのは、オプションとサポートが非常に充実している点です。開発がスムーズで拡張性もあるため、当社のサポート体制を Slack に直接組み入れる新たな方法として役立ちました。
Slack で、新しい自動化の世界へ
新しいワークフロービルダーの提供は、すでに開始されています。Slack のプロプランまたはビジネスプラスプランをご利用の方は、今すぐご使用いただけます。Enterprise Grid をご利用の方も、数週間以内にご使用いただけるようになる予定です。有料プランをご利用の開発者の方は、次世代プラットフォームを使って、すぐに構築を開始できます。
新しいワークフロービルダーと次世代プラットフォームでの構築は、Slack のプランに含まれているため、好きなだけワークフローやカスタムアプリを作成していただけます。ただし、カスタムファンクションまたは 2 つ以上のコネクタステップを含むワークフローは、使用量に応じた課金の対象となり、Slack プランごとに定められたワークフロー実行の月間割り当て回数を超えると、料金が発生します。
この移行をできるだけスムーズにするため、10 月 31 日まではプロモーション期間として、カスタムファンクションやコネクタなど、高度な機能を無料でお試しいただけます。従来のワークフロービルダーで作成した既存のワークフローはすべて無料のままとなり、ほとんどのワークフロー は自動的に新バージョンに移行されます。
質問などがありましたら、営業担当者、または feedback@slack.com までお問い合わせください。私たちがお手伝いします。
自動化への旅に今すぐ出発しましょう
開始するにあたって、ワークフロービルダーのリソースハブでは、Slack での自動化に関するヒントや詳細を知ることができます。
開発者の皆さまは、API のドキュメントにアクセスできるほか、今後開催されるウェビナーシリーズにもご登録いただけます。ウェビナーでは、技術エキスパートによるコーディングのライブデモで、カスタムアプリの構築方法をお見せします。
皆さまの開発でどのような機能が生まれるか、私たちも楽しみにしています!
上記の情報は情報提供のみを目的としたものであり、拘束力のある文書ではありません。購入の決定に際しては本内容に依拠しないでください。製品や機能の最終的な開発、リリース、タイミングは Slack の裁量により変更される場合があります。