どのようなテクノロジーやツールを使っていても、それが信頼関係づくりに役立っていなければ、チームの能力が十分に引き出されているとはいえません。なぜなら、生産性向上は信頼のうえに成り立つものだからです。
米国人材マネジメント協会の調査によると、信頼関係を重視する職場では、従業員の生産性が 50% 向上し、仕事への意欲が 106% 高くなっています。さらに、信頼度の高い企業は、信頼度の低い企業に比べて業績が 186% 優れていることもわかっています。
自分がやると言ったことを責任をもって実行する。それによって信頼が築かれます。しかし、営業担当者の多くは、反復的なタスクに追われ、最も優先すべき仕事に十分に取り組めているとはいえません。そんななか、Salesforce の営業リーダーたちは、Slack の Al や自動化の機能を活用して、人々をつなぎ、各自の積極的な関わりを促すことで、チームが責任を持ってより迅速に仕事を進められるようにしています。今回の記事では、その具体的な方法をご紹介します。
「オンラインでの関わり合いが増え、顧客とじかに接する機会がない状況のなか、わずかなチャンスで信頼を築く方法は、たった 1 度の会話の中で自分がやると言ったことを、確実に実行するというシンプルなことなのです」
ワークフロー機能で業務を自動化
Salesforce の State of Sales Report によると、営業担当者はじつに 72% の時間を営業活動以外の作業に費やしています。このようなジレンマを解決する手段の 1 つが、Slack のワークフローの自動化機能です。Slack のワークフロービルダーでは、コーディングなしでワークフローを作成可能。連携アプリでの反復タスクを自動化したり、アプリから取り込んだデータやイベントをトリガーにしてアクションを実行したりできます。ユーザーフレンドリーな設計のワークフロービルダーにより、誰でもカスタムワークフローを作成して、すぐに導入できます。
例えば、一部のリーダーは、毎週月曜日に、営業担当者との「1on1」チャンネルにメッセージが自動で投稿されるようにしています。これによって、優先事項や目標、ターゲットなどの再確認を簡単に行えます。メッセージには、必要なドキュメントや詳細情報へのリンクに加えて、「Are you ready?」(準備はいいですか?)というボタンも含まれています。
「このボタンがクリックされると、メッセージを読んでもらえたことがわかります」と話すのは、Salesforce で Regional Vice President of Sales を務める Daniel Martin です。「メンバーがボタンをクリックすると、『OK, let’s go hit our number』(では目標の達成に向けてがんばりましょう)というメッセージがポップアップ表示されるようになっています」
ワークフロー機能を活用できるのは、営業マネージャーやリーダーだけではありません。営業担当者もワークフロービルダーで効率化を進められるほか、年内にリリース予定の Slack GPT を使えば、Al による会話要約も可能になります。例えば、プロジェクトの出来事を要約することで、新たにチャンネルに参加した担当者もそれまでの経緯をすばやく理解できます。また、各自にとって優先度の高いチャンネルの動きを要約することで、休暇明けに進捗をさっと把握できるようにもなるでしょう。
営業チームは、管理タスクに費やす手間を減らして業務を効率化することで、より多くの時間を営業活動に使えるようになります。反復的な作業にかかる時間が減れば、社内的なレスポンスも速まります。営業担当者が顧客と接する時間も増え、有意義なやり取りを通じて関係を築きやすくなります。つまり、営業チーム全体で同僚、パートナー、顧客との信頼関係を深めることができるのです。
「Slack に通知が届くようにしたことで、営業チームの時間を週に 800 時間以上も節約できました」
Slack の検索機能で、ナレッジにすぐにアクセス
Fortune 500 企業の従業員は、業務を遂行するために平均して 1 日に 3,600 回もアプリケーションやウィンドウを切り替えています。情報の検索に、多くの時間が費やされているのです。Salesforce では、Slack の強力な検索機能を活用して、アプリやツールの切り替えによる集中力の低下を防いでいます。この検索機能により、パブリックチャンネル、canvas、ハドルミーティング、クリップなどに蓄積された、あらゆる社内ナレッジに瞬時にアクセスして、内容を確認できます。キーワードや送信者、チャンネル、日付でフィルタリングできるため、必要な情報を絞り込むのも簡単です。営業担当者は、過去のデータから、案件情報や専門家、重要なファイルをすばやく探し出し、スピーディーな成約に役立てることができます。
Slack では、あらゆる情報が記録され簡単に検索できるため、透明性を確保でき、責任を明確にできます。くわしい背景情報をさっとつかめるようになることで、営業チームは、むやみにメンバーを招集したり業務を引き継いだりすることなく、より短時間で高品質なサービスを顧客に提供できるのです。
また、Slack チャンネルの活用によっても、営業チームは貴重な時間を節約できます。一例として、ある営業担当者がアセットマネージャーに連絡を取ろうとしたものの、連絡先がわからないことがありました。そこで、Slack の検索機能を使って正しい連絡先を入手し、チャンネル内でリーダーと連携したことで、営業メールを書くのに必要なあらゆる背景情報を得ることができました。この迅速かつシンプルなコミュニケーションが、最終的な成約につながりました。
Martin はこう話します。「4 年前なら、正しい情報を見つけることはできなかったでしょう。でも今では、人も会話もすべて、組織共通のナレッジになっているのです」
リマインダーで責任を確実に果たす
Slack のリマインダー機能を活用して、営業担当者は顧客からの問い合わせに確実に対応し、約束を果たすことができます。リマインダーは社内業務にも役立ちます。例えば、顧客が知りたがっている新製品の機能について、今日中にソリューションエンジニアに確認することを忘れないようにする、といった場合です。リマインダーは一度限りでも、定期的な繰り返しとしても設定できます。
リマインダーは、しばらく先のイベントを覚えておきたい時にも便利です。例えば、商談中に顧客から何かの記念日の話を聞いたとしても、数週間もたてば忘れてしまうものです。そこでリマインダーを活用して、当日にお祝いの電話をかければ、顧客はあなたが記念日を覚えていたことに感銘を受けるでしょう。McKinsey によれば、消費者の 70% 以上が個人的なやり取りを求めています。つまり、このような小さな信頼を積み重ねることが、顧客のロイヤルティを高めるうえで重要なのです。それが将来的なつながりの深化につながっていくはずです。
リクエストにすばやく確実に対応する、という一見単純にも思える行動により、顧客のことを常に考え、尊重しているという姿勢を効果的に伝えられます。「オンラインでの関わり合いが増え、顧客とじかに接する機会がない状況のなか、わずかなチャンスで信頼を築く方法は、たった 1 度の会話の中で自分がやると言ったことを、確実に実行するというシンプルなことなのです」と Martin は話します。
このように Slack のツールを活用することで、営業活動において重要な信頼を築けます。責任の明確化や透明性の確保、認識の共有なども、もはや当然のことのように組織に根付かせることができるのです。Slack と Sales Cloud を活用して営業活動の生産性を最大化する方法もぜひご覧ください。