Roku、営業チームのプロダクティビティプラットフォームとして Slack を活用

「目指しているのは、Slack を営業のフロントエンドシステムにすることです」

RokuHead of Business OperationsLauren Farber 氏

自宅で映画やテレビ番組をストリーミングできる便利さが人気を博し、何百万もの人々がケーブルテレビから Roku に移行しました。Roku のデバイスを使えば、視聴者はスポーツからニュース、最新の映画まで、見たい番組に簡単にアクセスできます。同社の評判が一気に高まったのは、人々が自宅にこもってエンターテインメントに飢えていたコロナ禍の時期でした。

Roku は、2014 年からプロダクティビティプラットフォームとして Slack を採用。コラボレーションの効率を高め、定型的なタスクを自動化することで、業務の遂行スピードを向上させてきました。この期間に、同社の事業収益は約 2 億ドルから 27 億ドルを超えるまでに成長しました。

「Slack Sales Elevate により、プロセスを効率化する新たな方法を構築、実施、変革する機会が得られます。私が常に求めているのは、収益の向上を導くこのような新しい仕組みなのです」

RokuHead of Business OperationsLauren Farber 氏

同社は現在、2023 年 8 月にリリースされた Slack Sales Elevate を使って、広告営業の方法を変革する準備を進めています。Sales Elevate では、顧客データやインサイトを Salesforce の Sales Cloud から Slack に取り込めるため、すでにコラボレーションが行われている場所で、業務の効率化と自動化を推進できます。

Roku で Head of Business Operations を務める Lauren Farber 氏は、このソリューションにより、自身のチームでプロセスの変革と効率化を実現できると言います。「Sales Elevate ではパイプライン管理や商談の進捗把握が重視されているため、当社にさらなる収益をもたらしてくれると期待しています」。

Slack Sales Elevate で、営業サイクルをスピードアップ

Roku の広告営業チームは、Roku のストリーミングプラットフォームや、人気のスクリーンセーバーである Roku City に表示する広告を販売しています。約 100 名の営業メンバーからなる同チームは、Sales Elevate の利用を始めてから日はまだ浅いものの、すでにリアルタイムのデータを Sales Cloud から Slack に取り込んで活用しています。これにより、営業担当者は Slack から離れることなく KPI を追跡でき、取引先に関するアラートも受信できます。担当者が Slack 内から商談データを更新すると、その情報は自動的に Sales Cloud に同期されます。

「Sales Elevate を使えば、営業チームがすでに使い慣れている Slack 内から、CRM のデータにアクセスできます。チームのあらゆる仕事をユーザーフレンドリーな 1 つのプラットフォームで行えるため、商談の管理や実用的なビジネスインサイトの活用が、はるかに簡単かつ効率的になります」と Farber 氏は話します。

チームメンバーは、Sales Elevate でワークスペースをカスタマイズすることで、簡単に Slack 内から CRM のデータを管理・更新できるようになります。モバイルデバイスでもデスクトップ環境と同様のエクスペリエンスが提供されるため、Roku の営業担当者は外出先でもシームレスに仕事ができ、貴重な時間を節約できます。

Salesforce の State of Sales Report によると、営業担当者の多くは管理業務に追われ、実際の営業活動に使える時間は週のわずか 28% しかありません。Roku のメンバーは、Sales Elevate の自動化を活用することで、データの手動入力や情報追跡に費やす時間を短縮し、これまで以上のスピードで商談をまとめられるようになるでしょう。

Roku で Performance Product Management の Senior Manager を務める Kaitlyn McBride 氏のチームも、Sales Elevate の活用を始めたばかりですが、広告営業の売上を伸ばすという目標に向けた効果への期待が高まっています。「Sales Elevate は、迅速かつスマートな営業の実現に役立っていくと思います」と同氏は語ります。

自動化されたリマインダーと通知で、業務に速やかに対応

Roku では事業の成長にともなって、円滑な事業運営を維持するために使用されるアプリケーションの数も増えてきました。その結果、従業員は、「toggle tax(切り替え税)」とも呼ばれる、数多くのアプリを切り替えて使うことによる時間の損失に悩まされるようになりました。ツールの切り替えが頻繁に起これば、その前にやっていたことを思い出すのに時間がかかってしまうのです。

Sales Elevate を使えば、営業チームのメンバーは商談の進捗、パイプラインの更新、取引先の最新情報についての通知を、Slack 内で直接受け取ることができます。取引先の情報の更新も、Slack アプリを離れることなく、あらゆる場所から行えます。

「当社の営業担当者は、1 つのツールで作業することを好んでいます。Slack なら必要なものがすべて 1 か所にまとまっているので、仕事をスピードアップできます」

RokuPerformance Product Management、Senior ManagerKaitlyn McBride 氏

Roku では、200 を超える Slack アプリとの連携やカスタムアプリを用いて、ツールの切り替えによる集中力の低下に対処しています。例えば、 Outlook Calendar アプリで予定表を Slack に同期させて、会議が始まる前に通知を受け取れるようにしたり、Jira と連携できる Troopr Assistant を使って、エンジニアが Slack 内で直接 Jira のチケットを作成・更新できるようにしたりといった工夫がなされています。

「Slack なら働き方を一新できます」と語るのは、Roku で Senior Enterprise Applications Manager を務める Tristan Cary 氏です。「コミュニケーションの向上だけでなく、業務の状況の把握にも役立ちます。あらゆるアプリケーションを連携できるため、ツールの切り替えも減らせます」

Roku では、Slack のワークフロービルダーを活用して、メンテナンス依頼への対応やバグの報告など、さまざまな業務プロセスをコーディングなしで自動化しています。新入社員の研修においても、オリエンテーション用のワークフローを用意することで、業務を開始する手順の案内や、重要なリソースの共有などを自動化しています。

技術的なバグをエンジニアに自動的に報告するのにも、ワークフローが役立っています。Cary 氏はこう説明します。「例えば Roku TV を見ていてエラーを発見したら、スマートフォンで Slack を開いて『バグを送信する 』 をタップするだけで報告できます。ワークフローが自動でチケットを作成し、バグについて調査するようエンジニアにアラートが送られます」

パートナーとの効率的なコミュニケーションで、生産性を向上

Roku は最近、会社の成長と進化する業務プロセスに対応するために、Slack Enterprise Grid に切り替えました。ビジネスの広がりにともない、ストリーミング先の各国における法令に準拠する環境を整備する必要が増してきたことも背景にありました。最大 50 万人のユーザーに対応し、ワークスペースを無制限に作成できる Enterprise Grid なら、チームはセキュリティ要件を満たしてデータを安全に保ちながら、生産性のポテンシャルを最大限に引き出せます。

「私たちが必要としていたのは、使いやすく、イノベーションを後押ししてくれる上に、安全性を確保するための仕組みの整備にも役立つプラットフォームでした」と Cary 氏は振り返ります。

「Slack なら働き方を一新できます。コミュニケーションの向上だけでなく、業務の状況の把握にも役立ちます。あらゆるアプリケーションを連携できるため、ツールの切り替えも減らせます」

RokuSenior Enterprise Applications ManagerTristan Cary 氏

Roku では、Slack コネクトを利用して、外部のパートナーを専用のチャンネルに招待することで、Slack のワークスペースを最大限に活用しています。180 もの Slack コネクトチャンネルを介して、ストリーミングサービスやベンダーと密接に連携し、ユーザーに最高の視聴体験を届けられるよう取り組んでいます。これらのチャンネルを使うことで、パートナーとリアルタイムで迅速かつ安全に協働でき、成功の喜びも分かち合えます。また、パートナーが、Roku の従業員が使っているのと同じ Slack ツールを利用できるというメリットもあります。

そうしたツールの 1 つが Slack ハドルミーティングです。オフィスで顔を合わせて会話していた時の感覚を再現するため、Roku のチームでは、とくに緊急性の高い事柄について話し合う際に、ハドルミーティングを活用しています。ハドルミーティングは、チャンネルやダイレクトメッセージからワンクリックで開始でき、画面を共有したり、スレッドにメモを残したりもできるため、あとから検索可能なアーカイブとしても有用です。Roku のエンジニアリングチームでは、IT 関連の問題をトリアージする際にハドルミーティングを使って話し合い、スピーディーに解決を図っています。

「Slack は、コラボレーションツールとして、多くのチェック項目をクリアしています」と Cary 氏は言います。「仕事を前に進め、情報を入手し、さまざまなアプリケーションと連携できることはもちろん、あらゆる場所にいる人々をつなぐ手段にもなっています」