多くのチームには、コミュニケーションのための手段と、タスク管理のための手段、その両方が必要です。どのツールが自分たちに合っているかを判断するための第一歩は、日々のコラボレーションのあり方を把握することです。ワークフロー、メッセージング、インテグレーション、AI、プロジェクト管理の観点から Slack と Trello を比較して、チームに最適なツールを見つけましょう。
Slack と Trello の比較 : ひと目で確認
Slack と Trello はどちらもチームの仕事の連携を支援するツールです。Slack は仕事の基本システム(Work OS)として、人・ツール・情報を 1 つの共同作業環境に集約するよう設計されています。Trello はプロジェクト管理ソフトウェアとして、ボード・リスト・カードを使ったビジュアルな整理を中心に、タスクの追跡とプロジェクトの進捗管理を行います。
両ツールの比較は以下のとおりです。
| Slack | Trello | |
| 目的 | チームのコミュニケーション・連携・ワークフローの中核となるハブ | タスクとプロジェクトの視覚的管理 |
| ワークフロー | チャンネル、スレッド、メッセージング、およびワークフロービルダーによるワークフロー自動化 | ボード、リスト、カードでタスクを整理し、ステージ間を移動 |
| インテグレーション | 2,000 種類以上のアプリと連携、会話の中でアクションや更新が完結 | Power-Up でツールと連携し、ボードの機能を拡張 |
| 可視性 | チャンネルで共有された会話、ファイル、更新情報を検索可能 | ボード内でタスクレベルの可視性を確保、進捗を視覚的に管理 |
| おもな対象 | 部門・ツール・タイムゾーンをまたいで連携するチーム | タスク、プロジェクト、シンプルなワークフローを管理するチーム |
| 料金プラン | フリープランあり。追加機能と AI 機能を備えた有料プランも提供 | フリープランあり。高度な機能と自動化を備えた有料プランも提供 |
Slack が優れている点
Slack は、ツールや部門をまたいだコミュニケーションと業務連携の中心となるプラットフォームです。チャンネルにより、トピック、プロジェクト、チームごとに会話を整理して、議論を構造化し、いつでも検索できる状態に保ちます。スレッドを使えば、メインの会話を妨げずに派生的なディスカッションができるため、大きな文脈を見失うことがありません。
Slack は、リアルタイムと非同期のコミュニケーションの両方に対応しています。チームメンバーはその場で応答することも、後でまとめてキャッチアップすることもできるため、分散型のチームや複数のタイムゾーンにまたがる業務に適しています。メッセージ、ファイル、更新情報がすべて 1 か所に集約され、メールや個別のツールに情報が散らばることがありません。
Slack はさまざまなビジネスアプリケーションとも連携できます。チームは更新情報の確認、ファイルの共有、他ツールに関連するアクションをすべて Slack 内で行えるため、プラットフォームを切り替える手間が減ります。これにより、複数のシステムをまたいだ業務の連携がスムーズになります。
会話、ツール、アップデートが一元化されることで、チーム全体の可視性が高まります。メンバーは自分の仕事に関連するチャンネルをフォローし、意思決定をリアルタイムで確認して、必要に応じて過去のディスカッションを参照できます。
Trello が得意なこと
Trello は、カンバン方式のレイアウトでタスクを整理・追跡したいチームに最適です。ボード、リスト、カードを使って作業の管理や各ステージ間の移動を視覚的に行えるため、プロジェクトの進捗状況をいつでも把握できます。タスクを表す各カードには、期日、チェックリスト、添付ファイル、コメントなどの詳細を含めることができます。この仕組みにより、タスクに関する情報が 1 か所にまとまり、コミュニケーションと作業アイテムが直接紐づきます。
Trello は、複雑な設定なしに、シンプルなプロジェクト管理を実現します。チームはプロジェクトごとにボードを作成し、「To do」「進行中」「完了」など、自分たちのワークフローに合わせてリストをカスタマイズできます。
Power-Up や自動化機能の利用により Trello の機能を拡張して、定型的なタスクやほかのツールとのインテグレーションなど、追加のワークフローにも対応できます。いずれにしても、Trello が最も効果を発揮するのは、複数のシステムをまたいだ広範なコミュニケーションや連携よりも、明確で視覚的な共有のタスクリストを必要とするチームです。
Slack と Trello の比較 : 実際のワークフロー
Slack と Trello は、実務レベルでのワークフローの扱い方が異なります。Slack は会話の中からプロセスを起動・自動化することに重点を置いています。一方、Trello はボード上の定義されたステップを通じてタスクを進めることに特化しています。
Slack では、メッセージ、フォーム、またはイベントからワークフローを開始できます。ワークフロービルダーを使えば、チームはコードを書くことなく、情報を収集し、リクエストをルーティングし、アクションをトリガーするワークフローを作成できます。例えば「フォームから送信されたサポートリクエストを、自動的にチャンネルに投稿し、担当者やチームに通知を送り、フォローアップのステップを起動する」というフローを構築できます。ワークフローは、条件分岐ロジックを組み込んだり、ほかのツールと連携したり、メッセージやチャンネル内で実行したりすることも可能なため、会話が行われている場所でアクションが完結します。Slack のワークフローの自動化により、時間削減効果が最大 28% 向上します。
Trello は、ボード構造を通じてワークフローを整理します。タスクはカードとして、各ステージを表すリスト間を移動し、定型的なアクションは自動化によって処理されます。カードのステータスが変わったときにトリガーされるルールを設定できます。たとえば、チームメンバーのアサイン、期日の追加、チェックリストの更新などです。ボタンやコマンドを使って複数のアクションを一度に実行することも可能。チームは手動での更新作業を省いて業務を前進させることができます。
これらのツールやワークフローを組み合わせて利用することも可能です。Slack がリクエストの受け付け、調整、承認を担い、Trello でタスクの進捗を追跡するという使い方です。たとえば、Slack 内でリクエストが送信されると、Trello のカードが作成され、作業の進捗に応じてボード上を移動し、更新内容が Slack のチャンネルで共有される、といったフローが可能です。
Slack と Trello の比較 : メッセージング
Slack と Trello では、メッセージングとコミュニケーションの仕組みが異なります。Slack はチームの継続的なコミュニケーションを目的として設計され、Trello は会話を特定のタスクに紐づけます。以下で詳しくみていきましょう。
Slack — リアルタイムおよび非同期でのコミュニケーション
Slack では、会話はチャンネル、ダイレクトメッセージ、スレッドで行われます。チームはリアルタイムで素早くやり取りでき、後からの返信も可能。スピーディーな話し合いと非同期の作業の両方に対応します。チャンネルにより、トピック、プロジェクト、またはチームごとに会話を整理することで、情報がまとまり、検索もしやすくなります。スレッドは、メインのチャンネルを妨げることなく派生的な議論を可能にし、チームが文脈と秩序を保つのに役立ちます。
Trello — タスクベースのコミュニケーション
Trello では、メッセージが作業項目と直接結びついています。各カードにコメントセクションがあり、チームメンバーはそこでタスクについて質問したり、進捗を共有したり、フィードバックを提供したりできます。コミュニケーションと作業が結びついた状態が保たれるため、タスクがステージを移動していく中でも、意思決定や文脈がタスクに紐づいたまま維持されます。
全体として、Slack はプロジェクトや部門をまたいだ、より広範なチームコミュニケーションをサポートし、Trello はプロジェクト内の個々のタスクに焦点を絞った会話を実現します。
Slack と Trello の比較 : インテグレーションと柔軟性
Slack と Trello はどちらもほかのツールと連携できますが、インテグレーションの活用方法において果たす役割が異なります。Slack は複数のシステムをつなぐ中央ハブとして機能します。Trello はインテグレーションによってボードを拡張し、タスク管理を支援します。
Slack — インテグレーションの中央ハブ
Slack は 2,000 種類以上のアプリとの連携に対応し、ほかのツールからの更新情報、ファイル、アクションを 1 か所にまとめることができます。こうしたインテグレーションにより、チャンネルやメッセージに直接通知を投稿する、コンテンツをプレビューする、アクションをトリガーするといったことが可能になります。AI タスク自動化と組み合わせることで、チームは Slack のプラットフォームを離れることなく、ツールをまたいでワークフローを接続できます。
Trello と Slack を連携させれば、チームはツールを切り替えることなく、ボードの更新を受け取ったり、カードを作成したり、進捗を追跡したりできます。これにより、コミュニケーションとタスク管理が常に同期された状態を保てます。
Trello — プロジェクトワークフローの拡張
Trello は、複数システムをまたいだ中央レイヤーとして機能するのではなく、Power-Up や自動化を通じてほかのツールと連携します。これらのインテグレーションによって、コミュニケーションツール、課題管理ツール、またはメールと連携することで、ボード上での活動を拡張できます。カードの移動や変更をトリガーとしてアクションを実行でき、タスクの進捗に応じたプロジェクトのワークフローをサポートします。
Slack と Trello の比較 : AI 機能
Slack と Trello はどちらも AI を活用してチームのコラボレーションをサポートします。Slack はチームが情報の処理とコミュニケーションを円滑に行えるよう AI を活用し、Trello はタスクデータの整理と追跡に AI を活用します。
Slack — コミュニケーションとコンテキストのための AI
Slack に備わる AI 機能は、チームが大量の会話や情報を管理するのに役立ちます。Slackbot は、メッセージの要約、重要な更新情報の抽出、ワークスペースの文脈に基づいた質問への回答を行う、組み込みのアシスタントです。チームメンバーは、チャンネルを自ら手動で検索することなく、ミーティングの準備、サマリーの生成、共有コンテンツの確認などを支援してもらえます。
Slack には会話、ファイル、接続済みツールが集約されているため、AI は幅広い情報を利用できます。これによりチームは、既存のディスカッションをもとに、コンテキストの収集や、アクションアイテムの特定、返信の下書き、情報の更新を支援してもらえます。
Trello — タスク整理のための AI
Trello は Atlassian Intelligence を活用して、タスクとプロジェクトの整理を支援します。AI 機能によるカードの説明の下書き、コンテンツの要約、タスクやプロジェクトのステップに関するアイデアの生成などにより、チームはより効率的に作業を構造化できます。
これらのツールはボードのエクスペリエンスに組み込まれており、AI を使って各カードの情報を洗練させることができます。これにより、作業がさまざまなステージを経て進む中でも、タスクの情報が明確かつ一貫した状態に保たれます。
Slack と Trello の比較 : どちらを選ぶべきか
何が最適なソリューションかは、チームの日々の業務管理が、継続的な調整を通じて行われるか、構造化されたタスク管理を通じて行われるかによって異なってきます。
Slack を選ぶべき場面
組織全体での調整、継続的なコミュニケーション、複数のツールのインテグレーションを求めるチームには Slack が適しています。部門をまたいだ連携が促され、チームは会話・意思決定・最新情報を 1 か所にまとめることができます。
たとえば、カスタマーサポートチームは、問い合わせの管理、複数地域にまたがる対応の調整、リアルタイムの情報共有に、Slack を活用できます。インテグレーションにより、チケットやアラートをチームのチャンネルに直接表示させたり、ワークフローで担当者へのルーティングやフォローアップの管理を行ったりすることが可能です。
Trello を選ぶべき場面
明確なステップでタスクを追跡し、プロジェクトをシンプルに管理したいチームには Trello が適しています。視覚的な整理や明確なワークフローを求める場合に効果的です。
たとえば、マーケティングチームは、Trello のボードを使ってキャンペーンを管理し、企画・制作・レビュー・ローンチについてリストを作成できます。各タスクのカードに締め切り・チェックリスト・コメントを付けられるため、進捗や担当者の管理が容易になります。
両方を使うべき場面
Slack と Trello を一緒に使うことで、チームはコミュニケーションと実行の両方を管理できます。Slack が調整や意思決定をサポートし、Trello が作業の進捗を追跡します。
たとえば、プロダクトチームは Slack で優先事項を議論して最新情報を共有しながら、Trello のボードで開発タスクを管理できます。タスクがボード上を進むにしたがって Slack のチャンネルに更新情報を投稿することで、全員がツールを切り替えることなく最新の状況を把握できます。
Slack は Trello より優れている?
どちらが優れているということではなく、それぞれ異なるユースケースに対応している両者は、互いを補い合う役割を担います。Slack は、迅速なコミュニケーション、情報の共有、そして複数のツールやチームをまたいだ連携が求められる業務に適しています。更新情報、意思決定、インプットがさまざまな場所から集まるような環境でも、チームは連携を保ちながら作業を進めることができます。
Trello は、タスクを最初から最後まで追跡することを重視する場合に適しています。作業を整理し、担当者を割り当て、定められたステージに沿ってタスクを進めるための明確な構造を提供します。
この両面のメリットを得るために、2 つのツールを併用するチームもあります。Slack がチームのコミュニケーションと連携をサポートし、Trello が ToDo や状況を把握するための明確なビューを提供します。どのような選択肢が適しているかは、チームが連携、構造、あるいはその両方の、いずれを重視しているかによって異なります。
プロジェクト管理に最適なツールを選ぶ
Slack と Trello は、チームの業務遂行において異なる役割を担います。Slack はチームをまたいだコミュニケーション、連携、ツールのインテグレーションをサポートし、複雑でスピーディーな環境で力を発揮します。Trello はタスクを整理・追跡するための明確で視覚的な手段を提供し、構造化されたプロジェクトや小規模なワークフローに適しています。
どちらが適しているかは、チームの働き方によって異なります。コミュニケーションと柔軟性を重視するチームもあれば、シンプルなタスク管理を必要とするチームもあります。そして多くのチームが、連携と実行を円滑に行うために、これらの両方を使用しています。
Slack がチームのワークフローをどのようにサポートするかについて、Slack の機能をご確認ください。Slack は無料で利用を開始できます。
Slack と他のクラウドベースのコラボレーション・コミュニケーションツールとの違いも気になりませんか?以下の比較ページもご覧ください。
- Slack と Google Chat の比較
- Slack と Microsoft Teams の比較
- Slack と Discord の比較
- Slack と Asana の比較
- Slack と Mattermost の比較




