時間は貴重な資産です。しかし、働く人の多くは仕事時間の 3 分の 1 近くを価値の低い仕事に費やしているというデータが出ています。また、Gartner の調査によると、47% のナレッジワーカーが、仕事を効果的に進めるために必要な情報を入手することに苦労しています。そのような非効率的な業務システムにさらに AI やアプリを加えれば、作業効率が上がるどころか、かえって生産性を損なうおそれがあります。チームが今、真に必要としているのは、AI を使って効率的にコラボレーションするための方法です。つまり、人とデジタルエージェントがわかりやすい会話型のインターフェイスを通じてシームレスにつながれる環境です。
私たちは Dreamforce で、個人もチームも仕事の時間を節約できる、強力な 3 つの AI 機能を発表しました。これを使えば、CRM、サードパーティーエージェント、社内のナレッジから、すばやく必要な情報を見つけてアクションを起こせます。それらをすべて、エージェントを活用したビジネスのための基本システムである Slack 上で行えるのです。
- Agentforce in Slack(旧 Einstein Copilot): Salesforce の会話型エージェントを通じて、AI を活用した CRM のインサイトを Slack で直接利用できます。これにより、顧客データに基づいたアクションをすばやく起こせるようになります。
- Slack でのサードパーティー AI エージェントの利用 : Adobe、Anthropic、Cohere、Perplexity をはじめとするお気に入りの AI エージェントやアシスタントを統合できます。
- Slack AI の新機能 : ファイルやアプリを含めた検索、ハドルミーティングの文字起こしと議事録作成、AI を利用したワークフロービルダーで、作業の効率がさらにアップ。これらを組み合わせることで、Slack に蓄積された集合知からさらなる価値を引き出せます。
Slack はエージェントを活用したビジネスの基本システムとなることで、「スマートな働き方」を再定義しようとしています
Agentforce in Slack で CRM のインサイトにすばやく対応
自社の CRM ほど、顧客の情報が蓄積されている場所はないでしょう。簡単な質問をするだけで、そこから必要な情報をすぐに引き出せるとしたらどうでしょう。その情報をもとに、すぐにアクションを起こせるとしたら……。
来年の早い時期にリリース予定の Agentforce(旧 Einstein Copilot)を使えば、自社の CRM をベースとしたエージェントを Slack に直接組み込めます。Slack 上の新しい専用ユーザーインターフェイス(UI)から、同僚とやり取りするように、Agentforce に質問をしたり指示を出したりでき、CRM の顧客情報と Slack の会話データにもとづいた回答をすぐに得ることができます。
例えば、見込み客の開拓を担当するチームは、今いるチャンネルを離れることなく、Salesforce のレコードを調べたり、商談や案件の要約を得たり、次のステップを推奨してもらえたりできます。さらに Agentforce に営業メールの下書きをしてもらい、それをチャンネルで共有することも可能。正確な情報や推奨が得られることで、チームメンバーはすばやくアクションを起こし、強固で長期的な顧客関係の構築につなげることができます。
また、Salesforce Agentforce のエージェントはすべて、Data Cloud を活用して、推論を行い、タスクを調整して、アクションを実行できます。これにより、Slack 上で、パーソナライズされたエクスペリエンスを大規模に提供します。例えば、Agentforce Sales Coach は、コンテキストに沿った案件のロールプレイのシナリオを作成し、パーソナライズされた客観的なフィードバックを提供。チャンネル内で営業担当者のスキル向上を支援します。
Agentforce と Slack のライセンスをお持ちのユーザーは、2025 年の早い時期から Agentforce in Slack を利用できるようになる予定です。それより早く利用を開始したい場合は、担当の営業チームまでご連絡ください。今秋リリース予定のベータ版をご案内します。
日常業務はサードパーティーエージェントに任せて、重要な仕事に集中
Agentforce は CRM データを扱う業務に役立つことを説明しました。では、それ以外の仕事はどうでしょう。これからは Slack 内で、キャンペーンの構築、顧客の問題の解決、プレゼンテーションの編集、プロジェクトの推進など、あらゆる業務でエージェントからのサポートが得られるようになります。
Agentforce と同じように、サードパーティーのエージェントやアシスタントにも Slack の専用 UI から話しかけて指示を出し、コンテンツの下書きの作成や、市場調査の結果の抽出、ファイルの検索や要約といった作業をサポートしてもらえます。現在、Adobe Express や Cohere などの AI アプリを、Slack Marketplace からダウンロードして、すぐにご利用いただけます。そのほか、Anthropic の Claude、Glean、You.com、IBM、Perplexity など、さまざまなアプリが今後追加される予定です。また、目的に応じて構築された API を使って、独自のカスタムエージェントを作成することも可能です。
「Adobe と Slack はともに手を携え、AI を利用した最先端の仕事環境におけるコラボレーションと画像生成を進化させようとしています。今仕事をしているその場所で、自社のブランドにふさわしいビジュアルの作成や、プロフェッショナルなテンプレートの利用などを簡単に行えるようになり、クリエイティブワーカーもデスクワーカーも働き方が一変するでしょう。Slack 上で Adobe のエージェントにすぐにアクセスできるようになることで、今後どのようなものが生み出されていくのか楽しみです」
Slack は、サードパーティーエージェントを Slack Marketplace で公開する前に、品質とセキュリティの審査を行っています。Slack Marketplace 向けのサードパーティーエージェントを作成する企業は、Slack のアプリのガイドラインを順守することに同意する必要があります。このガイドラインには、Slack のデータを LLM のトレーニングに使用することを禁止する規定が含まれます。また企業には、自社のアプリに関するセキュリティおよびコンプライアンスの重要情報の提出が求められます。加えて、Slack のオーナーと管理者は、自らのワークスペースにどのエージェントアプリを追加するかを管理できます。サードパーティーエージェントに関するポリシーと権限について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Slack の有料プランをご利用いただいている場合は、今すぐ Slack Marketplace からサードパーティーエージェントをダウンロードできます。
Slack AI の新しい機能で、会社のナレッジを最大限に活用
CRM の顧客データを利用でき、サードパーティーエージェントからのサポートも得られることをご理解いただけたと思います。あとは、Slack に保存されている情報の山も存分に活用しなくては宝の持ち腐れです。チームが Slack 内で協力して仕事をすればするほど、プロジェクトや意思決定についての会話やデータが蓄積され、集合知が増えていきます。こうした豊富なデータの中から必要な情報をすぐに見つけられれば有益でしょう。
私たちが今年 Slack AI をリリースしたのは、まさにそれを実現するためです。シンプルで直感的で信頼性の高い Slack AI を使えば、Slack 内に築かれている自社のナレッジベースを簡単に活用できます。質問への回答、チャンネルやスレッドの要約が得られるほか、チャンネルのまとめを毎日自動的に作成することも可能。リリース以来、ユーザーによって要約されたメッセージの数は 6 億件を超え、節約された時間は 110 万時間を数えます。浮いた時間は、より重要な仕事に使うことができるでしょう。
以下の Slack AI の新機能で、働き方がさらにスマートになります。
- Slack AI 検索では、検索対象にファイルやアプリの情報が含まれるようになり、従来よりも関連性が高く充実した回答が得られます。これまでは Slack AI に「プロジェクト ABC とは何ですか」といった質問をすると、その人にアクセス権がある会話の内容にもとづいた簡潔な回答が返されていました。今後 Slack AI は、その人にアクセス権があるダイレクトメッセージやチャンネル内で共有されたファイル内の情報も使って、さらにスマートな回答を生成できるようになります。これには canvas、クリップの文字起こし、連携アプリのドキュメント(Google や Microsoft のファイルなど)が含まれます。
- Slack AI ハドルミーティング議事録は、ミーティングの重要ポイントや実施すべき項目を記録してくれる機能です。これにより、ユーザーは仕事を進めることに専念できます。ハドルミーティングに参加する際に、Slack AI ハドルミーティング議事録をオンにすれば、音声やメッセージスレッドで共有された内容から、ミーティングの要点が抽出されます。ミーティングが終わると、Slack AI が自動生成された文字起こしとともに、議事録、実施項目、共有ファイルを含めた canvas を作成します。ハドルミーティングを開始したチャンネルまたはメッセージに参加している全員が、この AI 議事録を閲覧できるため、チームで最新情報を共有し、会議後すぐに行動に移すことができます。
- AI ワークフロービルダーでは、自然言語を用いたシンプルなプロンプトで、定型的なタスクを簡単に自動化できます。例えば、「太平洋時間の毎週月曜午前 9 時にプロジェクトの最新情報を送るよう、チームにリマインドする」といったプロンプトを入力すると、Slack AI とワークフロービルダーがワークフローを作成してくれます。公開前にワークフローを編集することも可能です。さらに、新たに追加された「チャンネルを要約する」ステップにより、選択したパブリックチャンネルの内容を定期的に要約して、そのチャンネル内に投稿するといったワークフローも作成できます。
シンプルかつ直感的な使用を目指して設計された Slack AI は、安全とプライバシーの保護も十分に考慮したうえで構築されています。Slack AI では、ユーザーのデータはすべて、Slack の信頼できる境界内に保存されます。大規模言語モデル(LLM)は Slack が管理している仮想プライベートクラウド(VPC)で直接ホストされています。Slack がユーザーのデータを LLM のトレーニングに使用することはありません。Slack AI は、ユーザーが Slack に期待するものと同じセキュリティプラクティスとコンプライアンス基準に従います。さらなる管理や統制が必要になった場合、Slack の管理者およびオーナーは、Slack AI の特定の機能を無効にすることができます。Slack AI の仕組みについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
以上の Slack AI の新機能は、Slack AI のすべてのユーザーにご利用いただけます。なお、Slack AI は、Slack のすべての有料プランで、有料のアドオンとして提供されています。
Slack は AI とエージェントを最も自然に使える場所
Slack とエージェントの力を掛け合わせれば、CRM や自社のデータを存分に活用しながら、同僚に助けを求めるような手軽さで、AI に日々の仕事をサポートしてもらえます。会話型 AI を利用する環境として、Slack 以上の場所はないでしょう。エージェントと AI を仕事の流れに組み込むことで、データの安全を確保しながら、1 日を通じてあらゆるビジネスニーズに対応できます。
これはほんの始まりにすぎません。私たちは、エージェントを活用したビジネスの基本システムとしての Slack の開発をさらに続けていきます。人間とエージェントが力を合わせて安全に仕事をし、節約した時間で重要な仕事に専念できる、そんな未来を築いていきます。
詳しくは、営業チームまでお問い合わせください。Slack の AI イノベーションに関する情報は、最新のウェビナーでもご紹介しています。
免責事項 : 本内容は情報提供のみを目的としたものであり、拘束力のある文書ではありません。購入の決定に際して本内容に依拠しないでください。Slack のすべての製品や機能の開発、リリース、タイミングは Slack の裁量により変更される可能性があります。