Slack と Microsoft Teams はどちらも仕事をスムーズに進めることを目的とするものの、そのアプローチは異なります。
Teams は、ビデオ通話やダイレクトメッセージなどのリアルタイムなやり取りを通じて組織をひとつにまとめることに重点を置いており、Microsoft 365 とも緊密に連携しています。定例会議や Microsoft 対応アプリでのコラボレーションを中心とする業務では、それらが統合されたワークスペースも利用できます。
Slack は、分散した非同期型のチームを念頭に置いて設計された Work OS(仕事の基本システム)です。人とアプリを 1 か所に集約でき、情報の共有や蓄積、プロジェクトの企画や進捗管理、進行中の議論、社内コミュニティの構築を行う拠点となります。
適切なプラットフォームを選ぶための最初のステップは、チームのニーズを把握することです。ユーザー体験、コラボレーション、インテグレーション、モバイルアクセシビリティ、AI といった機能に対して、Teams と Slack がどのようにアプローチしているのかを比較してみましょう。
Slack と Microsoft Teams の比較 : 概要
Slack と Teams はどちらも人とプロジェクトを集約できる場です。一方、構造や使い勝手、仕組みには違いがあり、それらに注目すれば、どちらの方が自社に適しているかを判断できます。
| 機能 | Slack | Microsoft Teams |
| チャンネルの柔軟性 | チャンネル数は無制限、タイプや参加者はいつでも変更可能 | チーム別に編成、作成後にタイプが固定 |
| ビデオ通話 | 音声およびビデオによるハドルミーティング。任意のチャンネルまたは DM からすぐに開始でき、画面共有や AI による議事録生成も | 録音・録画、文字起こし、ブレークアウトルームを備えたインスタント会議および定例会議。最大 10,000 人が参加できる大規模イベント(Teams Premium では 100,000 人) |
| ファイルの共有と保存 | チャンネルおよび DM で、デバイスや連携するクラウドサービスからファイルを直接共有。ワークオブジェクトにより、AI による要約、リッチプレビュー、サードパーティー製アプリのデータを会話の横に追加 | SharePoint および OneDrive にファイルを保存、Microsoft ドキュメントのネイティブな共同編集機能 |
| 外部とのコラボレーション | フル機能を備えた、簡単に設定できる Slack コネクト | Entra B2B の設定が必要、場合によっては制限あり |
| アプリのインテグレーション | 2,600 以上のアプリと連携、すべてのチャンネルで直接利用可能 | インテグレーションの動作はチャンネルのタイプごとに異なり、インライン表示または別ウィンドウでの起動となる |
| 自動化 | ネイティブのワークフロービルダー | Power Automate が必要 |
| AI 機能 | すべての有料プランで AI による要約を利用可能。ビジネスプラスプランと Enterprise+ プランでは Slackbot に加えワークフローと検索を利用可能。Agentforce は別料金 | Copilot ライセンスまたは Teams Premium が必要 |
| エンタープライズ検索 | 検索バーに組み込まれ、外部アプリに接続 | Copilot ライセンスが必要、個別のインターフェイス |
| ガバナンス | 管理者による管理、保存ポリシー、監査ログ、コンプライアンス認定 | 同様のエンタープライズ管理、強化された Microsoft セキュリティ統合 |
Slack が優れている点
Slack は、チームが複数のツールを組み合わせて使う場合や、タイムゾーンをまたいで業務を行う場合、また外部のパートナーと頻繁に連携する場合に威力を発揮します。スレッド形式のチャンネルにより、コンテキストを失わないまま会話が整理されるほか、エンタープライズ検索では、メッセージだけでなく接続済みアプリからも情報を得られます。さらにハドルミーティングを使用すれば、会議を設定することなくすぐに通話を開始できます。
サイドバーのカスタマイズも可能です。チャンネルをラベルをつけたセクションに整理し、ドラッグして任意の順番で配置し、会話ごとに通知設定を行うことができます。不要な通知をミュートしつつ、通知の一時停止中であっても、特定のメンバーからのアラートのみを許可することができます。また、インテグレーションはあらゆるタイプのチャンネルで一貫して機能するため、使用するツールは Slack のどこであっても同じように動作します。
Microsoft Teams が優れている点
Teams は Microsoft 365 を中心に構築されています。日常業務で Word ドキュメント、Excel スプレッドシート、Outlook の予定表を主に使用する場合、すべてを 1 か所にまとめられます。Teams のビデオ会議は、1 対 1 のやり取りから全社会議まであらゆる会議に対応でき、録音・録画および文字起こし機能を備えています。
インターフェイスには、カレンダー、通話、ファイルがチャットとともに表示され、最初からすべてが連携しているように感じられます。Word や Excel ファイルの共同編集は会話から直接行えます。主要なチャンネルをリストの上部にピン留めできるほか、「静かな時間」をスケジュール設定して通知を管理することも可能です。主に Microsoft を使用して業務を行う組織にとっては、使い慣れた統一感のある体験を得られます。
Slack と Microsoft Teams の比較 : コミュニケーションとコラボレーション
Slack は非同期コミュニケーションと柔軟なワークフローに注力しています。一方 Teams はリアルタイムプレゼンスと定例会議に重点を置いています。日常業務のシナリオにおいて、これらの違いがどのように影響するのかを具体的に見ていきましょう。
タイムゾーンをまたいで連携。Slack のスレッド形式のチャンネルを使用すると、チームメンバーは都合のよい時にキャッチアップできます。ロンドンのプロダクトマネージャーは、午前 6 時に会議を設定せずとも、東京のエンジニアリングチームによる夜間の議論を確認できます。その後、スレッドのみに返信すればチームのメンバーが常に最新状況を把握することが可能です。このときチャンネルにも投稿すれば、全員がスレッドに戻る必要はありません。また、Slack には、Slackbot という仕事のためのパーソナル AI エージェントが備わっており、スレッドや見逃したメッセージを要約できます。Teams にもスレッドはありますが、返信はスレッド内のみで表示されるため、新しい会話を始めない限り、チャンネル内から再び広く注目を集めることは難しいでしょう。
背景情報をその場で把握。Slack のスレッドでは、メインのチャンネルの流れを妨げずに別の会話を持つことができます。不明点の解消や詳細を詰める議論を行ってから、決定事項をグループに共有できるため、ほかの人が検索できないプライベートメッセージに移動する必要はありません。また、Slack のエンタープライズ検索と要約機能は、メッセージ、共有されたファイル、接続済みアプリ全体を対象としているため、共有されたドキュメントや PDF 内のコメントなど、ほかのツール全体からの情報も Slack 上で把握できます。一方 Teams では、Microsoft エコシステム内にすべてが含まれている場合には議論やスレッドでの会話がうまく進むものの、チームのナレッジが複数のツールに分散している場合は背景情報を追うことが難しくなります。
チームの枠を越えてコラボレーション。日常業務において、顧客、パートナー、ベンダーなど、組織外の人との調整が必要になることは少なくありません。Slack コネクトを使用すると、外部のパートナーと共有されたチャンネルやワークフローを作成できます。これらは、社内のチャンネルやワークフローと同様に動作し、ほとんどの機能が利用可能であり、設定プロセスも簡単です。一方 Teams の外部ユーザーは Microsoft Entra B2B の複数ステップの設定によるオンボーディングが必要であり、ゲストには一部の機能や権限が制限されています。
その他の選択肢も含めて比較したい場合は、職場のコミュニケーションツールおよび企業に最適なチャットアプリに関する Slack ガイドを参考にしてください。
Slack と Microsoft Teams の比較 : インテグレーションとエコシステム
Slack の中核となるのは、ツールやプラットフォームを 1 か所に集約できる機能です。Teams は Microsoft 365 アプリをまたぐコラボレーションがシームレスに進むよう設計されている一方で、サードパーティーのインテグレーションには追加の設定が必要であり、機能も異なります。プロジェクトトラッカーや CRM、デザイン用のソフトウェア、アナリティクスダッシュボード、HR システムなど、複数のツールをチームで使用している場合は、それらが Slack と Teams でサポートされているかどうか、またどのように動作するのかを確認するとよいでしょう。
Slack のオープンモデル
Slack は 2,600 以上のアプリと連携できるため、業務フローのなかのあらゆるツールを共通の基本システムにまとめることが可能です。これらのインテグレーションにより、ファイルのプレビュー、情報の検索、データの取り込み、通知の受信、アクションの実行といった、ほかのアプリの操作を Slack 上で実行できます。ツールの切り替えを減らすことで、Slack は技術スタックを一元化する ハブとなり、チーム内の連携をスムーズに保つのです。
Teams と Microsoft エコシステム
Teams は Microsoft 365 に深く組み込まれています。Word、Excel、PowerPoint、SharePoint ファイルへのアクセスやそれらを使ったコラボレーションはネイティブに感じられ、共同編集もスムーズに行えます。Microsoft を使う職場では、この連携による恩恵は明らかです。Teams は、多くのサードパーティー製の生産性アプリやワークフローアプリも統合しているため、Teams から離れずに情報の取得やアクションの実行が可能です。ただし、インテグレーションの動作はツールによって異なります。チャンネルに直接組み込まれているものもあれば、別のウィンドウやタブで開くものもあり、その場合はツールの切り替えが必要になります。
Slack と Microsoft Teams の比較 : モバイルアプリのパフォーマンス
Slack のモバイルアプリでは、デスクトップ版で利用できるほぼすべての機能がサポートされています。小さな画面に合わせたすっきりとしたレイアウトで、チャンネル、ハドルミーティング、およびワークフローが外出先でもスムーズに動作します。またモバイル用に通知を細かく調整することができ、通知の範囲をすべて、一部、または緊急のメッセージおよびメンションのみに設定することも可能です。スマートデバイスでは高度な管理者による管理機能は制限されますが、すべてのコラボレーション機能および接続済みアプリのインテグレーションは基本的にモバイルに対応しています。
Teams モバイルアプリは会議やメッセージングが大きな強みです。一部の会議プレゼンターのオプションは制限されますが、ビデオ通話やチャットは安定しています。ほとんどの Microsoft ドキュメントはスマートフォンでもコラボレーションができるほか、モバイル通知のカスタマイズも可能です。ただし、サードパーティー製アプリのレコードの表示および編集、チャンネルの管理はパソコンから行うのが最適です。
なお、Slack と Teams はどちらも最新のメッセージへのオフラインアクセスを提供しており、インターネットに接続するとすぐに同期します。
Slack と Microsoft Teams の比較 : AI 機能
Slack には AI 機能が組み込まれており、有料プランのユーザーは、会話の要約、毎日のまとめ、AI による検索、さらにはチームがメールに頼らなくて済むツールの数々を利用できます。エンタープライズレベルでは、Slack で共有または連携されたあらゆるものを検索できるほか、自動化されたワークフローの構築も簡単です。さらに役立つのが、特定のワークスペースの背景情報(ユーザーがアクセスできるすべての会話、ファイル、プロジェクト)を取り入れる仕事のためのパーソナル AI エージェント、 Slackbot です。Slackbot は、あらゆる情報や更新内容を収集し、会議への準備やアクション項目リストの作成、ユーザーのトーンでのコンテンツの下書きを手伝います。もう 1 つの選択肢は Agentforce です。そのまま利用できるだけでなく独自に構築も可能で、Slack 上でチームの一員のように一緒に仕事をします。
Teams は、有用な AI を活用した機能を最初から備え、チャットでの返信の提案、会議のライブ字幕や文字起こしといった、コミュニケーションの向上に重点を置いています。より高度な AI 機能は個別の Microsoft 365 Copilot ライセンスまたは Teams Premium で利用できます。これらを使うと、会議のまとめの自動化、タスクリストの生成、背景情報に基づくインサイトの取得が可能になり、会議の効果が AI で高まります。また、Copilot もアシスタントとして機能し、質問への回答や、チャンネルや会話の要約、コンテンツの作成が可能です。
Slack と Microsoft Teams の比較 : セキュリティとプライバシーへのアプローチ方法
どちらのプラットフォームも保存中および転送中のデータを暗号化し、HIPAA、SOC 2、ISO 27001 などの認定を受けています。
Slack にはエンタープライズ級のセキュリティが組み込まれており、暗号化キーを細かく管理できます。エンタープライズ向け暗号化キー管理により、データへのアクセスはいつでも無効にできます。これは、セキュリティチームが監視を強化したい場合に便利です。また Slack AI ではすべての情報が社内で保持されます。モデルは Slack の独自のインフラストラクチャで実行され、ユーザーのデータでモデルがトレーニングされることはありません。
Teams は、eDiscovery などの Microsoft の幅広いコンプライアンスツールと密接に連携します。1 対 1 の通話ではエンドツーエンドの暗号化を利用できますが、事前に管理者の許可が必要です。その後、ユーザーが自分の設定で有効にします。
どちらの場合も、企業のセキュリティ要件は満たされます。違いは、キーを直接管理できる範囲と、AI データの保存場所です。
Slack と Microsoft Teams の比較 : 料金プラン
Slack の有料プランは、ユーザー 1 人あたり月額 10 ドル弱から約 20 ドルで、要約、まとめ、検索、ワークフローの生成、Slackbot といった AI 機能が含まれます。複雑なニーズのある大規模な組織向けには、Enterprise Grid の料金プランが用意されています。
Teams は現在スタンドアロンモデルとして運用されており、レベルによって、ユーザー 1 人あたり月額数ドルから 10 ドル強です。エントリーレベルの場合は基本的なチャット、会議、ファイルの保存を利用できます。上位レベルでは、会議に参加できる人数が増えるほか、管理者機能が追加され、ストレージの上限が引き上げられます。Copilot による AI 機能を利用するには、基本サブスクリプションに加えて別途ライセンスが必要です。
コストを比較する際には、各プラットフォームに含まれる機能と、あとから追加する必要のある機能を考慮しましょう。Slack のすべての有料プランには AI 機能がバンドルされていますが、Teams では AI および高度な機能用に個別のライセンスが必要です。チームにとってベストな選択は、予算や普段使用する機能によって決まります。
チームに最適なプラットフォームを選ぶには
仕事の進め方はチームによって異なり、2 つのプラットフォームの違いもそこにあります。
Teams は、Microsoft 365 を標準として採用し、定例会議で意思決定が行われる組織に適しています。Slack は、部門や組織の枠を越えてアプリ、会話、人を集約する Work OS(仕事の基本システム)として機能します。
自社の技術スタックが Microsoft 内にある場合は、Teams を採用するのが合理的です。技術スタックが複数のツールに分散しており、他部門や外部のパートナーと定期的に連携する場合は、オープンな Slack の方が適しているでしょう。
スタートアップや、複雑なパートナーネットワークを管理する大企業、および分散型チームの場合、Slack の柔軟性はメリットです。Slack なら、顧客やベンダーとのコラボレーションも、同僚にメッセージを送るのと同じくらい簡単です。特に重要な機能を検討する際のヒントとして、企業向けコラボレーションソフトウェアを選ぶ方法に関する Slack のガイドも参考にしてください。
Microsoft Teams から Slack に移行する方法
プラットフォームの切り替えは以前より簡単になりました。Teams がスタンドアロン製品になったため、Microsoft は他社製品の導入を検討する組織向けに、データポータビリティおよびエクスポートツールを拡充させています。
Slack の移行のための詳細ガイドでは、チャンネルの設定や既存のアプリの連携から、外部パートナーを Slack コネクトに招待する方法まで、移行プロセスを詳しく説明しています。また、Slack に組み込まれたツールを使用して、CSV または txt ファイルから Teams データを移行する方法や、ワークフロービルダーを使用してプロセスの自動化を開始する方法も含まれています。導入に関するその他のリソースについては、Slack Success Hub を参照してください。
Slack は Microsoft Teams より優れているのか
これは、チームの働き方によります。ツール間の柔軟性や、異なるタイムゾーンを考慮した非同期型コラボレーション、すべての有料プランに AI 機能が含まれている点を重視するなら、Slack の方が適していると考えられます。一方、ワークフロー全体が Microsoft 365 内にあり、定例会議が中心であるなら、Teams によって一貫した体験を得られます。
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